2016/01/12 のログ
ご案内:「王都 とある屋敷」にリュウセンさんが現れました。
ご案内:「王都 とある屋敷」にタマモさんが現れました。
リュウセン > (王都の平民地区と貧民地区を隔てる境界を跨ぐ感じに立って居るとある屋敷。
門は開け放たれ ひっきりなしに色々な人種、行商人を乗せた馬車、行商人そのものや胡散臭い者まで出入りが激しい。
その門の入り口に 木の札を持ったー「本日お招きの方 此方」の文字入りのを持った、猫耳のミレー族(男)がいる。
とある狐が案内人を伴って来たら 入れていいという事だけはその入り口の男は分っている。)

『…来ねっす。ホントに来るんすか?』
(ミレー族の男はブツブツ呟きを零しているようだ、独り言を)

タマモ > 「………して、あの建物がそうじゃな?」

片手に広げた手紙、そこに不思議と浮き出る地図を見ながら少女は屋敷の前へとやってきた。
地図、そして目の前の屋敷、改めて地図を見て確認した。
語っている相手は、肩に乗った鴉である。

肩に乗った鴉はその問いかけに、何から答えているかのように嘴を動かしている。
その言葉に頷けば、開け放たれた門をそのまま素通り…
しようとして、ふと木の札を持った相手に気が付いた。
まじまじとそれを見て、それを持った相手を見て…かくん、と首を傾げる。

「一つ聞くが、ここがリュウセンとやらの居る場所に間違いはないのかのぅ?」

どうやら、その札の内容が自分を示しているのだと、まだはっきりと気付いてないらしい。

リュウセン > ≪玉藻の姉御あれですあれやっとついて何よりですわほんまにだ≫

(この調子で喋り倒してきたタマモの肩に乗っていた鴉一羽。
黙っていればそこそこしゅっとした式神であったが残念ながら口を開けば鳴き声ではなく、
人の言葉を喋りまくったお喋りで止まらない調子。
≪ああああ姉御姉御通り過ぎたちょちょちょあっしはここまでなんすよ≫
鴉の命は屋敷まで案内序に喋って暇潰しだった。そしてそれは果たされたので
タマモの肩に留まっていた鴉は≪じゃ あっしはこれで≫と肩から飛び上がって屋敷の奥へと飛び去って行く。
木の札を持った男が やれやれとした顔で じっとタマモの顔を見て)

『ええ、 どうぞ、っす。』

(木の札を持った猫耳ミレー族の男は人の出入りが激しい屋敷の中へとタマモを案内する様に奥へと奥へと案内し始めた。
木の札の文字がいつの間にか 『おいでませ 九尾の姉御』になっているー)

(それほど大きくはない 一階が戦場と化した行商人のギルド的な状態、古いギシギシと軋む階段を上がってしまえば
階段の下が喧しいだけで二階はどことなく和洋混じった内装。襖とか障子とかで区切られた内装。
一番奥の障子の前で 男は立ち止ると 障子を開けてー)

「…ようこそ 玉藻御前さま 御尊名はかねがね」

(その部屋は畳敷の和風な部屋だった―三つ指を付いて正座の状態でタマモに向かって平伏の礼を)

タマモ > いや、少女としては下手に静か過ぎる方が面白味もなく困る。
むしろ喋り倒している方が十分な暇潰しになっただろう。
屋敷へと到着し、目的は達したと飛び去っていった鴉にひらりと手を振った。

「うむ、案内任せたぞ?」

あぁ、そういえば前にミレー族の話が出ていたな、と思い出しながら案内役のミレー族を眺める。
耳を見て、尻尾を見て、耳を見る。うん、猫だ。…当たり前である。
何かの細工なのだろう、札の内容が変わっていた。
…が、札の持ち主が案内役と分かった少女の意思は悲しきかな札に向けられる事はなかった。

うん、一階の状況は眺めてはみるも、少女にはあんまりよく分からなかった。
商才はどうやらない様か?無くても気にならないだろうが。
そうして、そのまま二階へと案内をされる。
なかなかにこういった場所は無い、どこか久しい感覚を受けたか、軋む床の音に耳や尻尾をゆらゆら揺らしていた。
辿り着いたのは奥の障子の前、それが開かれれば、遠慮なく中へと足を踏み入れた。

「うむ、お主がリュウセンじゃな?
なるほどのぅ…いや、まぁ、堅苦しい挨拶は抜きで良いのじゃ。
気を張って話をしたところで、面白くもないじゃろう?」

入った目の前で礼を行うこの世界の同種…いや、少し感覚が違う気がする、何か混じり気があるような…?
それはともあれ、今日はそんな難しい事をしにきた訳でもない、普段通りの調子で言葉を返す。
…儀だの何だのは面倒だ、というのが本音だがさすがにそれは言わない。

リュウセン > 黒鴉自体 簡単な式としては使い勝手が簡単な部類だ。
戦闘力は弱くても連絡繋ぎとか手紙運び等に重宝される。
まぁ、帰り道も恐らくタマモを案内する事だろう、この屋敷の立地条件が微妙なだけに。

ギャーギャー喚いたり怒号が飛び交ったり、一階はまさしく行商人て集まったら
商売の事なだけに相当な時間関係なく騒ぐイキモノである、というのが分るだろう。
そんなのを尻目に 札持ちの猫耳猫尻尾の男はタマモを案内したのだ。
あ、誰か行商人が飛んできた皿に当たって倒れたー…階下で倒れる音がしたようだ。

タマモを案内したミレー族の男は では、これで、とタマモが入った後、障子を音もなく閉めて立ち去って行った。
部屋の作りとして下座に座っているリュウセンは さりげなく上座をタマモに勧めてみたり。
九尾の格としては混ざり気のある自分は下だろうと考えて居たり。

「左様で。…助かります。 敬語 苦手なんで。
 …純血の九尾っすよね?…いやー…これはこれは。あたしは 黒九尾 赫 劉仙(テラシ リュウセン)っす。よしなに!」

ミレー族と鬼であるロトの間に生まれた子だが、どうやって九尾が生まれたか。
ささ、こちらに、と上座を進めつつも 何処からともなく 皿に盛られた稲荷鮨と粗茶ですが、と
温かみのある湯気立つお茶をすっと黒い茶器に入れて差し出すのだ。

タマモ > 少女自体、あの手のものは出来ない訳ではない。
とはいえ、元の無い式を相手の会話は…どうも味気が無いのでやらなかった。
まぁ、他人のものであるのならば…少しは興味があったので、今回は頼んだ限りである。
帰りもきっと任せるのだろう…むしろ、任せないと、迷う。

さて…といった感じに、勧められるままに上座へと座る。
この畳の感触も、なんとも久しぶりで心地が良い。
ちなみに、少女は偉そうな態度の割には格式とかはそう気にしない。
どちらであっても多分気にしなかっただろう。
…逆に言えば、相手が格上だろうと気にしない、という意味でもあるが。

「そんなものじゃ。妾とて敬語なんぞ覚える気もないしのぅ?
純血だ何だと気にした事はなかったが、他に九尾が居るとは…それ自体が初めてなのじゃ。
妾は玉藻じゃ。…言うまでもなく知っておったようじゃがな。
この地でも知れておるのは…少々以外じゃがのぅ」

この世界に妖怪自体が居るのは聞いていたが、己の世界と同じなのだろうか?改めて考える。
とはいえ、少女が純粋な狐を主体とした妖狐である事を考えれば…やはりどこか違うのだろう。
それが理解出来るかは、また別ではあるが。

そして前に出された稲荷鮨に、粗茶。
…とても見覚えがあり、己の好物の一つだったものだ。
果たして、世界は違えど味は同じであるだろうか?
どれ?といった感じに指を沿え、一つを口に運ぶ。
あむ、と一口。もぐもぐもぐ…さて味の方はどうだろう?

リュウセン > 彼女と自分の術の形態がどことなく違うのは分っていた。
手紙のやり取りだけで どちらが術の完成度が上か分ったからだ。
途中で魔力切れを起こして 手紙の文章が片言になり果てたのは苦い記憶である。
式自体 暫く彼女に預けても問題はない、街中に限れば別にいいのだ。
…っていうか 彼女 式持っていないのだろうか??疑問は尽きない。

畳自体は母があの鬼なので その経由で貰ってきて敷いた。
東洋の敷物はどれもこれも船舶品扱いなので値も高く常に品薄。行商の伝と選ばぬ手段で
確保したとはいえ 質は良かった。

「あたしは 生まれはここっすけど、親は鬼とミレー族なんで、
微妙な血を引き継いでいるっすよ?九尾は今ン処、タマモ御前以外、知らんっすね!
いや、九尾は妖怪の中でも別格な存在っすから、噂になってましたぜ、ティルヒアで狐の親玉見たって。
それが 姉御だったって情報繋がったのがついこないだっす。」

妖怪の存在 他にも知っているかどうか。行商人情報網から拾えば
見つかる事だろうが、今の所 きちんと繋がっているのは親抜かせば目の前にいる玉藻御前のみ。
後は噂話だったり ガゼネタだったりさんざんたるもの。

そして お茶と稲荷鮨の味はどの世界でも共通な味だとおもう。
ただ リュウセンは甘口が好みなので 稲荷鮨は若干甘く三角形の形で包まれている。
お茶は…その分 苦みが一寸足された渋めの味。普通の茶葉を使用したようだ。

タマモ > ちなみに、少女が送った手紙の施し、大元は元の世界に居た式の術だったのだが、それは知る由もない。
他の者の術さえも己の物にする、その点では確かに腕も力もあるのかもしれない。
式に関しては…まぁ、聞けば答える程度の理由だろう。

そして、そんな経由でこの畳が敷かれている事に気付く訳もない少女。
その様子なこう、どこか満足気だ。

「ほほぅ、鬼とミレー族………ん?
ミレー族…からなのかのぅ…鬼、からは…はて…?
ふむ…やはりここでも妾達の存在はそういったものじゃろう。
き、狐の親玉…か…いや…まぁ、確かに間違ってはおらぬが…むぅ…」

話を聞きながら、ふと繋がりから九尾の流れが汲み取れず、かくん?と首を傾げた。
主に、どこでどう繋がって生まれたのだろう…とか、そんな感じ。
あんまり深く考えたら、負けである。
九尾がやはり妖怪としての存在感は違うか、それが聞ければ満足そうに頷いた。
そして、後の言葉には…こう、何というか…何か言いたげだが、言えない、そんな複雑そうな表情だ。

とはいえ、九尾以外の妖怪…つい先日に会った相手を思い出した。
その者の情報は…どうやらまだ入ってないみたいだ。
もっとも、そう簡単に情報が出回るような存在でも無いか…その辺りは仕方ないだろう、と思った。

味覚に関しては、少女はどちらかといえば甘党である。
ほどよく味覚は一致した為か、一口頬張れば、ぱくりと残りを口にして平らげた。
ずず…次いで茶を啜り、はふ、と一息。
口に広がった稲荷鮨の甘味と、茶の苦味。
この地では食べれないと思っていただけに、とても感動だった。
そうがっつくようにとは言わないが、一つ一つゆっくりと少女の口の中へと消えていく。

リュウセン > その術を真似してみた少女は腕前はどうだっただろう?
途中で魔力切れをしたものの完成度は高かっただろうか。
まぁ、魔力と氣を使うからこそ魔力が切れても問題は余り無かったともいう。
疑問は聞いておいた方が後腐れ無さそうと判断をし 口を開いて訪ねよう。

「タマモ、は、式は居らんの?こー術者だったら僕とか式とか侍らせていそうな気がするんだけど。
見た目はミレー族、色と中身は鬼から。もふもふは好きなのでこんな姿で幸せっす。
九尾で玉藻って名前だったら どっからきいても 狐の親玉っしょ?
で、手紙送って今日に至るっすけど、いやー、あたしより 格段の振る舞いでおいそれしやしたー」

ははーとか妙に遜った態度で?土下座の体勢で頭を下げる事で締めくくって見せた。
あまり深く考えては為らない少女の生まれ方。生粋の妖狐には勝てません、という態度だけはまとも。
妖怪の姿と気配は上になるにつれて微妙になるから 微妙な物はまだ把握しきれていない。
その内拾うだろうが 今はまだだった。

「味はどーっすか、あたしが作った稲荷鮨っすけど。
ちょっと甘口で仕上げたんで 微妙かもしんないっす。茶は…ついこないだ仕入れたもんっす。
仕入れ先は分っているんで 融通利きますぜ?」

ご入り用の際は どうか 一声お願いしやす、て食べている最中の彼女にそう声をかけるのだ
何処からともなく 足の生えた鉄器薬缶と急須が歩いてきた、それは付喪らしい。
お代わりを所望されれば 脚の生えた薬缶と急須が茶を入れるらしいが、見た目は激しくシュールかも知れぬ。

タマモ > それを問う機会があるのならば、答えは多分、YESだろう。
そう難しいものでもないが、少女が使っていたのは妖力のみ。
同じ様に、ではなく、他の力を使っての部分で少々難儀になると思われる。

と、ふと問われる内容に、ふむ…と少しばかり考える仕草。

「妾が気に入った上で、そうなるのを受け入れる者が居れば、と思うて探してはおるが…
まぁ、そうそう簡単には見付からんものじゃ。
ほほぅ…となると、そのミレー族とやらはあれか…表に居った者と違い、あれか?狐なのかのぅ?
うーむ…まぁ、それで良いのじゃ。
ふふんっ、あれはあれじゃ、なかなかに面白い趣向ではあったぞ?」

ずず…お茶を啜り、どうしても下に下にと行動に出る相手によいよい、と手を振ってみせた。
悪い気はしないのだが、どうしても、やはり慣れない。
格上という立場からの余裕、ではなく…少女の元々の性格である。
先を考えるならば、直した方が良いのかもしれないが…今はまだその気は無いみたいだ。

「うむ、美味いのじゃ。
妾もどちらかと言えば甘味を好むからのぅ、ちょうど良かったぞ?
茶にしても、最近は和食から離れておったからのぅ…」

あむあむと稲荷鮨を頬張りながら、ちらりと視線が薬缶と急須に向いた。
ちらりと湯飲みを見る、少し残ってる。
…が、なんかどうやるのか見たい好奇心が勝ったか、お代わりを告げる。
なるほど、ここで頼めばまた食べれるか。
それが分かれば、またその時はその時に頼むのじゃ、と伝えておいた。

リュウセン > 妖力?そんなものは無い、あるのは魔力と氣だけだ。
根っこから違っているのだ、恐らく真似するだけでそれ以上が出来ないとも。

考えている様子に黙って待機状態をし始めた。正座は長続きせず足が崩れて尻を付いたり。

「そ、ですか、あたしは 無理っすねー…魔王になっちゃってますし。
妖怪の方が融通利くんすか?妖怪の情報無いんで お役に立てそうにないっす。すんません。
ミレー族の片親は確か…猫っすよ?あたしが一人ツッコミしたのもあるんすけど、
どうやって 猫のミレー族と鬼から 九尾生まれるんすかね?
あまりこれ考えちゃダメなようなんで気にしないっすけど

あれ、マネしちゃあ あたしの魔力たりねっす。」

下に下に出るのは 目の前の彼女はまじで 九尾だ、が理由。
こう上下関係に厳しい所で育ってしまったからこそランクとか腕前とかで判断してしまったらしい。
そして妙に頑固なのか融通利かないのか、魔王であっても直る兆しが無い。

「そりゃー よかったっす。
茶葉自体 船舶品で高いっすからね、あまり此処じゃ見かけないっすよ。
お代わりっすか、ほいほい。」
足の生えた薬缶と急須。熱気を帯びていたのか薬缶は湯気が出ている。身体を傾けて薬缶からお湯がふたを開けた急須へと注がれる。
足の生えている急須が絶妙なタイミングを計って彼女の湯呑みに吶喊した。
ちゃんとお茶を器に注いで 一通りの動作が終わると 薬缶と急須は部屋の隅っこで待機をするわけだが。 

タマモ > まぁ、その点ばかりは仕方ない、そう思うしかないだろう。
真似れただけでも十分である。

…実は正座は慣れたもの、稲荷鮨を口にし始めた辺りからずっと正座である。

「………のぅ、この世界にはどれだけの魔王が居るんじゃろう?
妾の知る話の中には一人とかが普通なのじゃが…もう何人も会っておるのじゃ。
ん?別に妖怪である必要はないんじゃぞ?
重要なのはさっき言ったように、式となる事を受け入れるかどうか、それだけじゃ。
………いや、それはむしろ妾が聞きたい事じゃぞ?

ふむ…やはり力の質の違いじゃろうかのぅ?」

目上の立場が現れようと、調子をまったく変えない。
だからこそ、下のものだろうと気にせず変える気が無い。
逆にそういうのに疎い場所で育ったからだろう、少女はそれとは正反対であった。

「そうみたいじゃのぅ?
一時期、妾は妾で探してみたのじゃが…その時は見付からなかったのじゃ。
………お…おぉ…なんとも奇妙な…」

目の前で行われる光景、まじまじと見詰めながら…ぽつりと率直な感想が洩れた。
最後の一口を食べ終われば、注がれたお茶へと口を付ける。
注がれ方は奇妙ではあったものの、味が変わる訳ではない。
お茶も飲み終え、湯飲みを戻す。

「いやはや、久々にこうやって好きなものが食べれたと思うと…まったくもって嬉しい限りじゃのぅ。
また機会があれば頼むとするのじゃ」