2015/10/26 のログ
ご案内:「イルミの魔法店」にイルミさんが現れました。
イルミ > 売り物やそうでないものでごちゃごちゃとした店の中、奥のカウンターの中でじっと食い入るように本のページとにらめっこを続けている。かれこれ三時間くらいだろうか、その本は宝石魔術の入門書で、

「……んー、これで合ってるんだよね……」

本の記述と、机の上にポツンと置かれた小粒のルビーを見比べる。上質な宝石がかなり安くで手に入ったのはよかったけれど、上手く魔法の触媒としては使えないまま、ずっとこうして放置してある。自分の魔法はほとんどが独学で、宝石魔術に至ってはついこの間真面目に勉強し始めたばかりだ。はぁ、と大きく溜め息をついて本を閉じる。一から新しい魔法を学べばいい暇潰しになるかもしれないと思ったのだけど、この時間を他の術の研鑽に使った方がまだ有意義だったかもしれない。勉強が退屈なら、この町外れのは小さな店の中一人でやることはもうほとんどない。

「誰か来ないかなぁ……」