2023/06/01 のログ
ご案内:「平民地区」にサウロさんが現れました。
サウロ > 【待ち合わせ中です】
ご案内:「平民地区」にイベリスさんが現れました。
サウロ > (晴れやかな青空に日差しが差し、涼しい風が吹いて過ごしやすい陽気。
 やや風は強く雲の流れは早いので天候が移ろいやすい空気感ではあるものの、
 平民地区は軒並みいつもの様相で変わらず人が行き来している。
 職務に励む者、買い物をする親子連れ、屋台で物を売る商売人。
 この通り道はいくつもの区画へ続く通りが複雑に繋がっている為、非常に迷いやすい場所だ。
 食事処や酒場なんかも軒を連ね、似たような建物が多いのも原因の一つになる。

 今日は武器防具の点検で装備は一旦預けており、非番になったサウロは私服でその通りを歩いていた。
 目的と言う目的があるわけでもないので、店を構える商人が多いこの通りで散策がてら暇をつぶそうと。
 時折行き交う人々の様子を眺めながら、ただの平民にしては貴族らしい色合いを持つサウロは多少は目立つかもしれない。)
 

イベリス >  (表通りは今日も人々の活気に溢れていた。市民や旅人、冒険者を登場人物として構成された穏やかな街並みは、まさしく平和な日常そのものだ。
 ―――或る昼下がり。通りに面した広場のベンチへ腰かける男もまた、そんな平凡な風景の一片としてそこに存在していた。)

 「………、…」

 (ただし当人からしてみれば、街に溶け込めているつもりはまるでない。周辺の簡易的なマップを眼前に広げて、眉を下げたり寄せたりしながら首を傾げている。
 加えて云えば日常とも表し難い。なにせ迷子だ。手にした地図を回転させ、傾げた首の角度を更に深くして―――嘆息した。凝らしすぎて疲れた目を街並みの遠くへ向ける。
 向けた、先で。人並みの中で、少しの違和感を視線が捉えた。正体は遅れて間もなく判明する。道行く一般市民とは幾らか異なる装いの人物が、一人で歩いて来るのが見える。
 そのまま真っ直ぐ通りを行くのならば、間もなくこの広場に差し掛かる頃か。なんとなしに、マップから顔の上半分を覗かせた形で貴族風の青年を眺め視線で行方を追った。)

サウロ > 「……?」

(サウロが視線に気づいたのは偶然か、或いは何か感じるものがあったからか。
 通りに面した広場の方に、何とも違和感のある執事服をきた男性が地図のようなもので顔の下半分を隠しつつ、
 こちらに視線を向けている。気がする。
 サウロの装いこそ普通の平民が着るような質素なものではあるが、お忍びで街に繰り出してる貴族と見えても不思議はない。
 とは言え、動きが貴族然としているわけでもない。
 広場に座してマップを見ている執事風の男性。平民地区に置いては中々に見かけない光景だ。
 サウロの性分からして放っておくことは出来ず、余計な世話と知りつつも広場に足を踏み入れ、近づいていく。)

「こんにちは、良い天気ですね。何か、お困りのようにお見受けしましたが、どうかしましたか?」

(数歩前で止まり、人当たりのよい笑顔を浮かべながら、自然と丁寧な口調で問いかけてみる。)
 

イベリス >  (目が、合った。かち合う視線に瞬きを一つして、それでも逸らさず青年を見つめる理由は、相手もまたこちらを見て向かって来る為だ。
 太々しさか呑気さ故か、男の性格上この状況に気まずさなどはない。相手の出で立ちからしても、まさか因縁を付けられる訳ではないだろう。
 掲げていたマップを静々と下ろしていって、歩んでくる青年を待つ。やはり、青年は男の近くまでやって来た。目の前で立ち止まり、きれいな顔で笑いかけるその様を、緩やかに見上げて)

 「こんにちは。ええ、今日はとてもいいお天気ですね」

 (男もまた笑みを返す。挨拶を交わしながら広げていたマップを半分に畳み、向けられた天候についての話題をなぞり青空を一瞥してから)

 「いいお天気、なので。ジェラードを食べに出てきたんです。なんでも、最近流行の美味しいお店があるとか」

 (眉を下げて男はそう言葉を続けた。どうかしたか、その問い掛けに対しての答えとして更にもう一言二言、然して困っても居なさそうな穏やかな口調で、結局なんの役にも立たなかったマップを掛けるベンチの傍らに置いて)

 「いえね、街中で女性たちが話しているのを聞いた程度なので。詳しい場所が分からず、どうしたものかなあと。
 ご存じありません?すごく美味しいらしいんです、レモンピューレの季節限定品」

サウロ > (視線は合ったまま、声を掛ければ穏やかな声音で応えがある。
 怪訝にされたり邪見にされることのない反応に少しばかり安堵して、彼の言葉に耳を傾ける。
 白銀の髪に緋色の瞳、温和な雰囲気と風貌からして平民とは異なる雰囲気である彼がこの場にいる理由を聞けば、
 成程と頷いて、顎に手を当てて思案する。)

「確かにこの通りで氷菓の店があるというのは聞いたことがありますね。
 なんだかお話を聞いてたら私も食べたくなってきました」

(美味しいものに目がないので、情報は常に頭の中にある男である。
 季節限定のレモンピューレのジェラート。絶対美味しい。氷菓の店は仲間から聞いた事がある。
 あれは確かどこらへんだったかと思い出すように考えつつ、通りの方を見てから記憶と景色を擦り合わせる。)

「うん、おそらく少し歩いた先でしょうか。
 複雑な道に入りますので、宜しければご案内しましょう。
 ────と、申し遅れました。今は私服ですが、私は自由騎士所属のサウロと言います」

(治安がいい、とは言い切れない場所ではあるので、まずは此方から身分を詳らかにする。
 安心してもらって大丈夫だというように、表情には曇りもなく、善意からの申し出だと察せられるだろう。)

イベリス >  「おや、よろしいんですか?ええと―…サウロさん。
 あぁ、僕はイベリスと申します」

 (呑気な笑みの形が初めて変わる。青年の申し出に、男は目を丸くして驚きを素直に表情へと表した。
 彼が店の場所を知っていそうなところまでは幸運だったと喜んでいるだけだったが、道案内まで買って出てくれるとは想定外だ。
 騎士、と名乗る青年の素性に、平民地区の人並みに混ざる彼の僅かな違和感を思い出して合点がいったように口を開くと)

 「なるほど、騎士さんでしたか。見たところ今日はお休みのようですが、貴重な休日にわざわざ申し訳ない気もします」

 (眉を下げて、男は再び笑う顔の形を作った。毒気のない緩い表情と遠慮を見せる句に合わせ、置いたばかりのマップを片手に手繰りもう半分に折り畳む。
 小さくした地図を懐へ差し込み仕舞うと、ベンチへ預けていた体を起こして立ち上がった。申し訳ないとは言いつつも、続けざま男は同行を願う言葉を続けて)

 「ですが、助かりました。ジェラード、サウロさんもぜひご一緒しませんか?今日は少し暑いから、きっと一段と美味しいですよ」

サウロ > 「イベリスさんですね。特に予定もありませんでしたので、大丈夫ですよ。
 散策しながら買い食いをしようかと思っていたので、イベリスさんが良ければ是非ご一緒させてください」

(非番であることは気にしなくて大丈夫だということを伝えながら、立ち上がるのを見て笑みを浮かべる。
 すらりとした痩せ型の彼はサウロよりも少しばかり背が高い。
 目線を少し上げて、彼の笑みにつられるように表情を柔らかくしながら広場の出口へと向かおう。)

「今日は日差しがありますから、きっと合いますね。
 では、行きましょうか」

(こっちですね、と通りの方を指して、歩き出す。
 貴族めいた色合いの青年と、執事服の男性が隣に並び立って歩く姿は、果たして周囲からどう見られているか。
 そんな視線も介さず、他愛ない雑談を交わしながら道案内も兼ねて店の方へと向かい、時間もあまりかからないところでたどり着くだろう──。)

サウロ > 【次回継続】
ご案内:「平民地区」からイベリスさんが去りました。
ご案内:「平民地区」からサウロさんが去りました。