2023/01/31 のログ
ご案内:「設定自由部屋」にテイファーさんが現れました。
テイファー > 【部屋名設定ミスの為再入室します】
ご案内:「設定自由部屋」からテイファーさんが去りました。
ご案内:「人里離れた森の中」にテイファーさんが現れました。
テイファー > 夜に鳴くのは鳥や獣ばかりとは限らない。
迷宮から久方ぶりに顔を出した淫妖もまた遠吠えの様に1つ鳴くのだ。
それは自分のばらまいた手先や斥候役の魔物を呼び戻す合図。
月明りに星明りでさえも通さない森の中に金色に輝く鱗粉が1つの目印。殺到してくるのは苔を食べて生き延びていたスライム。
そのスライムは視力と記憶に特化して、テイファーの身体に戻った際に映像を脳内に直接伝えてくる。

掌サイズの骨で作られた骸骨鳥。それは肩口に留まると毛皮の中に潜り込む。その特化された能力は聴覚。聞こえてきていた物音が同じように脳内に。

或いは足元を這いまわる蔦の様な触手生物。
それは地面の振動を記録してこの森の危険性や他に住人。或いは通行人がいないかを確認していた。
振動の大小、多寡を基準にして計算されたそれも自分の中に入り込んでくる。

「――ほう。」

細められた瞳。引き締められた眦が遠くの痕跡を千里眼で捕捉した。
冒険者だろうか?判らないがこの森近辺に人影があった様だ。
獣ではない。人型をした存在。巨人でもない。
振動の記録からまるでこのポイント周辺を警戒しているかのようにグルグル彷徨している。その足跡と目印の様な紐が木に巻き付けられていた。

テイファー > 男であれば血肉は良い養分となる。
魔力を持つならそれを消化すれば良い。
女であれば魔力を持たずとも孕み袋として用がある。
魔力を持つならそれも抽出して自らの力に。或いは自分の眷属に分け与えていくのも良い。
ただ、余程警戒心が深いのか、それとも只の迷い人なのか。10㎞程度の自らの視界の範囲には人影が映らなかった。

(魔力の痕跡は消した筈だがな)

魔力の痕跡に気づいて下がったなら、それは面倒な事態に繋がる可能性がある。
応援を求めて去った可能性があるのだ。いかな勇者でも1人であればそこまで怖くはない。
だが数が揃えばそれは十分過ぎる程脅威になってくる。
思考時間が長く続く。出口として作ったポイントだが逆解析されれば入口としても使われる危険性がある。

(ハイエルフと人間と魔族の魔法を組み合わせた物だが)

過信は禁物。相手が只の迷い人なら問題が無い。
最悪の可能性を考慮すれば新たな餌場とする予定だったこの地を放棄する必要が出てくる。
それは些か以上に勿体が無い話だった。

テイファー > 悩んだ結果、安定択である放棄を選択した。
その日、この森は束の間の平穏を取り戻したのだ。はたして足を踏み入れたのは何者だったのか定かではない。
その誰とも知らない人物は恨まれる事になるが、それはまたの話

ご案内:「人里離れた森の中」からテイファーさんが去りました。