2023/01/08 のログ
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──九頭竜山脈のとある山の麓付近にある、やや寂れた感のある小規模な温泉宿を、男は訪れていた。
ロケーション的に立ち寄りやすい場所ではあるものの、あまり目立たない隠れ家的な
建物ゆえか客は殆どおらず、人気もあまり感じられない。
食事を済ませ、ひとっ風呂浴びようと露天風呂まで足を向け、脱衣所で服を脱ぎ
タオル一枚を携え、浴場へと足を踏み入れて。

「いつもの旅籠の温泉もいいのだが、たまには違う風呂も楽しんでみるのが大人の醍醐味」

などと得意げに独り言ちながら、目前に現れた露天の岩風呂を眺め回す。
見慣れた旅籠のそれとは違う趣に、表情を緩めて。

「あっちよりは出会いの期待値が低いが、まああそこら辺はしょうがな──て、おや?」

その視界に、先に湯船に入っている人影を捉え、男は意外そうに目を丸めた。
てっきり自分以外は居ないものだと思っていたので驚きだ。
そう思いつつ、タオルを腰に巻くと湯船にゆるりと歩み寄って行き。

「……やあやあドーモッ。湯加減いかがですかな?」

と、緩い笑みを浮かべながら、片手を上げつつ気安く声をかけてみた。

エレイ > その後、先客との間に何があったかは当人たちだけが知ることで──
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に種喰らいの獣さんが現れました。
種喰らいの獣 > 暗がりに紛れてしまうような黒塗りの大型犬が、のしのしと路地裏を歩いていた。

久しく空腹を覚え、実績ある狩り場の路地裏を練り歩いているところ。
淫魔から頂いた力を用いて、取り込む価値ある雌をこそ誘う催淫の匂いを振り撒いて進む。
ただの町娘になど作用しない。一定以上の魔力だの、妙な能力だの。そんな因子に作用して、誘惑する。
そういった点では街とは上手く折り合いがついてると言えるのか。
ごくまれに何の能力もない駆け出しが引っかかることもあるようだが、それは恐らく『母胎』としての相性故だろう。

狙われた雌にはたまったものではないだろうけれど。
獣はそんなこと気にかけるはずもなく。

すん、すん。
時折鼻を鳴らして。
探るのはやっぱり、若く、瑞々しい雌の匂い。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルキアさんが現れました。
ルキア > 今日は久しぶりに買い出しに出て、その帰り道。市場で買い込んだ食材やスパイスなどの入った紙袋を両手に抱えて、下宿先へと帰る最中。
路地の近くを通りかかったときに、ふわりと不可思議な香りがした気がした。
酩酊するような感覚を覚えて、足は無意識に路地裏のほうへと進んでいく。
おそらくは、少女が内包する魔力が誘い催淫の香に反応したのだろう。

「あ、れ…こっちは帰り道じゃなかったような…?」

元々が大変な方向音痴のため、無意識に路地裏へと誘われた事に違和感を抱いたのは路地裏の奥まで入り込んでからだった。
ずくっと子宮が疼くような感覚を覚えて、無意識に片手で下腹部を撫でると道を探す様にあたりを見回していく。

種喰らいの獣 > すん、と鳴らした鼻に甘い香りが届いた。
ということは、その源である雌にも催淫の香りが届いているはず。
ただでさえ大きく割れた犬の形をした口が、にたぁ、と一際割れたように見える。

誘い込んだ路地は行き止まりとなり、奥へ向かえば後は暗闇が待つばかり。
その奥から、大型の犬の姿がぬっと姿を現す。
ここまで無防備にやってきた獲物に対しことさら姿を隠すような真似はせず、たし、たし、足元へと近づいて。
踵を返し逃げ出そうというのなら、飛びかかりも、吠え散らかしもするつもりではあるが。

獲物の脚から腰へ頭を擦りつけ、鋭い獣の眼で見上げて窺う。
開いた口から、犬のようで――犬よりずっと長い舌を零し、すらりと伸びた脚に巻き付かせる。
触手じみて、内腿をねぶろうとして。

獣から早々に種付けの準備を求め、催淫の香は遠く嗅がせていたそれよりも明らかに濃密になって路地を満たしていた。