2022/10/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/清流」にオオサンショウウオさんが現れました。
オオサンショウウオ > (メグメール(喜びヶ原)の自然痴態にある綺麗な川。
清流の中でのたのた、のたのたと下流から上流へと歩いている。
少しエサの量が減ってきたので、エサが豊富な上流へと向かっているのだ。
身体が大きいため、外敵に狙われにくくなった半面、一日に食べるエサの量が増えてしまい、一つ所にいることが難しくなってしまった。
それでも、エサを食べなければ生きて行けないので、上流へと向かい水の中をのたのた、のたのたと歩いている。
昼間に移動をすると数少ない自分を狙う外敵に狙われてしまうので、夜を待って移動している。
目の良いものが見れば、月明かりできらきらする川の中を、こげ茶色の大きな生き物が移動しているのが見えるだろう)

オオサンショウウオ > (ときどき、立ち止まってはぷかりと水面に鼻先を出して息を吸う。
夜の空気は冷たくて気持ち良い、いつの頃からか昔なら眠ってしまいそうになる寒さにも耐えられるようになっていた。
そのときはいつにもまして動きがのろくなってしまうけれど、他の生き物達も動きがのろいのでエサを取ることは難しくなくて良かった。
そして息をしてからまたのたのた、のたのたと移動を始める)

オオサンショウウオ > (のたのた、のたのた、のた、のた……。
歩き詰めで少し疲れてしまったので、ちょっと一休み。
草が川の方に伸びて陰になっている場所の下に入って、身体を休める。
全く動かなくなってしまうと、身体の色が保護色になって上から見てもほとんどいるかいないか分からなくなる。
まったり休んでいると、近くを小さなエビが通りかかったので、それをひょいぱくっと水ごと吸い込む。
口の中でばりぼりと食べて飲み込んで、少し満足したので、今日はこのままここで寝るのもいいかも知れない)

オオサンショウウオ > (少し休もう、そう思って動くのを辞めてしまうと何だかどんどん眠たくなってしまう。
いいや、このまま今日はここで寝よう、急ぐ旅でもないのだし。
そう思うとつぶらな目を閉じて、すやすやとぐっすりと、眠りに落ちる)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/清流」からオオサンショウウオさんが去りました。
ご案内:「腐海沿いの翳りの森」に影時さんが現れました。
ご案内:「腐海沿いの翳りの森」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 「あはは、大丈夫よお。たくましいんだから。
 生まれた時から育てたって自分とは別の生き物だもの。想像できる範囲の悪いことなんて起こらないし、生きている間でも責任なんて負おうと思う方が野暮ってものよ。
 ――――でもま、気になるなら確かに止めた方がいいね」

内心、このひと思ったよりカタブツねえ、とか思うエルフの口の端はスカーフの下で上がっている。
(からかいがいがあるってものよね)

そのカタブツの彼からまんまと食料を口の中でころがすと、呼気がさわやかになってエルフは目元までほころばす。
森の中で本領発揮というか面目躍如で、足取りは迷いなく木々の間の斜面を確実にとらえて進んでいく。
上ってきた斜面をすべるように下って、つぎはまた下ってきた斜面を、すこし違う方向へとよどみなく登っていく。
あまり彼の方は振り返らない。付いてきている気配さえあれば、彼の無事など確認する必要がない。

―――――振り向かないまま足取りが少し早いのはそのせいか、遠くからのざわめきをエルフの長耳が捉えたせいか。

「ン?んーん、だいじょぶ。少しずつ溶かして食べる派だから。あ、カゲトキさんは齧っちゃう派?
 ……獣除け、は あるー けどー……」

そもそも
近寄らないほうがいい動物がいそうな場所や、痕跡が確認できた方向は避けて通っている。
急がば回れではないが、じつはたどっている道は森の入り口からここまで一直線などではない。地形のせいもあるが、その他のせいだってあった。
何を心配しているのだろう?
―――と考えてから思い至って、またスカーフの下、見えないことをいいことに笑みを浮かべながらエルフは足を止めて振り返る。

何気ないふりで振り返ったその顔の、エルフはそのどんぐり眼をまん丸に見開いて見せて

「―――カゲトキさん…うしろ」

いわゆる表情を凍らせたように、その表情のまま彼の背負子に括り付けたドライアドの包みを指さす。ご丁寧に指先は少し震えてさえいる。
彼が言われた通り、視線を動かすなら―――

彼が足を止めたその瞬間、ざあっという音とともに彼の目の前を前をかすめていく小さな影。
同時にずしっと背負子に重みが増して、見遣った包みにぶら下がる栗鼠が一匹。
次に呼吸をする間に樹上から2匹さらにこんどはシマリスが背負子に飛び降りてきて―――さらにまた木々を揺らす音がして
よけなければ、べちゃっと彼の顔にモモンガがはりつくことになる。
動かないで居るなら、さらに、2匹目、3匹目―――

影時 > 「そうか? ほんっとうにそういうモンか? 若し植木鉢等から出て歩けンなら、そーゆー心配も無かろうが。
 ……どうにも厄介事のタネは、後には残したくないタチでな。
 ともあれ、自分で飼うにも育てるにしても、何かと気をつけなきゃならねぇのは確かなようだな」

鉢植えの盆栽を愛でるやら、口の広い白磁の甕や壺などで小さな観賞魚を飼うのとも、同じ次元では考えられない。
前者は兎も角、後者については壺中天の観念の如きものでない限り、己がもし死したらやがては死ぬだろう。
生業ゆえ、だろうか。仮に自分が死んだ場合、その痕跡は極力残しておきたくない。
後々に自分が何者であるか、ということで面倒が起きるなら、それは最低限、やがて風化する類である方が何より望ましい。
こういう考え方、気質も含めて堅物なのだろうか? 

さて、そんな同伴者の思いや思案には関せずまま、先行く姿に危なげなく追いついてみせよう。
男が放つ気配自体は、ともすれば掠れ消えるように薄い。だが、確かに追いすがると感じさせる最低限は確かにあるだろう。

「時と場合によるが、俺も前者だ。一気に飲み下すのはいまいち腹に溜まる気がしねぇんだ。
 持ってるなら、使っておきてえ……が、ンぉ?」

水よりもどちらかといえばお茶があれば一番いいが、野外活動中で無理は言えない。
今ないものは仕方がないとして、念には念を入れておきたい。
危険な動物が通りそうな獣道、痕跡が垣間見えるものは避けるように進路を策定してくれているようだったが、それだけでは不足だ。
ここは強行突破同然の手段を使ってでも、早々にこの森を抜ける、突破する形で目的を達成する方が望ましい。
そう考えていれば、エルフが眼をまんまるに見開いて背のほうを指さす。まさか。よもや――。

「――……と。ぉ。ぶはっ!?」

鼻先をかすめる何かに一瞬目が移れば、背にど、ど、と、と重みが加わってくる。
それ自体は非常に重いというものではない。件の包みにぶら下がるのはまずは栗鼠。さらに追加で二匹のシマリス。
さらにモモンガ、も一つモモンガ、おまけにモモンガーー……。

        「……――なんだなんだ。連れ出し厳禁とか云いに来たとか、ねえだろうなぁ、お前様方よ」

最後に顔面にしがみついてきたモモンガの一匹の首根っこを摘まみ、引きはがそうとしながらもごもごと嘯く。

ジギィ > 「隠すより現る、ってね
 獣除け使ったら、そこに誰かいますよーって伝えてるのも一緒だから、獣除けが効かないやつとかがきたりするのよね。獣除けを使うニンゲンを好む虫とか、虫とか。
 ふつうの森だったらそんなに問題ないと思うんだけどさー」

この森ではねえ、とわざとらしいため息をつきつつ、森の小動物にたかられている彼を見ている。
もちろん、スカーフの下ではにやにや笑っているに違いない。
この森はバランスを取る事に厳格だ。何かが突出すれば、すぐさまそれを均すための何かが起こる。
エルフはさらに彼に走り寄ろうと、地面を奔っていく栗鼠の一匹を器用にひょいとつまみ上げて

「こらぁ
 ドライアドを捕まえて不埒なことばっかりかんがえてるニンゲンめー!
 せいばいしてくれるー!」

ちぃちぃ鳴く栗鼠に合わせてエルフが言葉を紡ぐ。
そのあとけらっと笑うと栗鼠を自分の肩において、更に頭上の樹から飛び降りて彼の頭に着地せんとしたシマリスを視線で追いかける。
――――そのシマリスを彼が除けられたかはともかく

「随分好かれてたみたいだね、そのドライアド。…まあ、里が無くなった後調停する役目をしてくれてたのかもね。
 本当はスモモの樹の傍につれて行こうかと思っていたけど、このコたちに預けるっていうのもいいかも」

エルフが喋っている間に
今度は少し遠くの繁みを揺らして狐が頭を覗かせる。エルフはそれをみると眉を顰める。
―――恐らく、狐のほうは栗鼠たちを狙っているのだろう。

「取り合えず
 カゲトキさん、走れる?」

言いながらエルフは彼の顔に貼りついたモモンガをべりっとはがす。
それから剥がしたそれを彼のお腹の辺りにもう一度貼りなおすと、返事は聞かずに斜面を跳ね飛ぶようにして走り出した。
根太が這って滑りやすい足元ではあるが、同時に硬い取り掛かりもある。
追いすがるのは容易なはずだ、とふんでかエルフは振り返らずに斜面を登って――――

登り切ったそこは、ぽかりと丸く開いた見通しの良い草原だ。
そこに、エルフが目指して居ただろうスモモの樹が―――大樹が真ん中にひとつ。
先に登りきったエルフは足取り緩め、とめる。
息こそ切らしていないが、額を手の甲で拭って
付いてきている筈の彼のほうを、ようやく振り返った。

―――さて、道中どれくらい小さな襲撃者が追加されただろう?

影時 > 「…………成る程、云われてみりゃあそれもそうか。
 この森は殊更だろうが、矢張り何処の森などで通じるようなその手はない、と。
 って、蟲ばかり強調してるが覚えあンのかねジギィさんよ」

少なくとも、この森は特殊だ。特殊であると考えざるを得ない要素、立地条件がそろっている。
獣除けの香などという便利なものは、マグメールの地に至ってから知ったが、聞けば成る程と思考を回せるだけの所以は確かにある。
普段とは逆だ。己が気配を周囲に埋没、同一化を図るのではなく、その逆だ。凡そのものが嫌う匂い、香りを発するものが確か主だったか。
蟲を二度云うのは大事なことだからなのだろうが、実体験が染みついているような気がしたが、さて。

「セリフを当てんでもよろしい、ったく。種の段階より不埒れるほど我は奇特じゃぁないつもりだが。
 成敗するつもり……かは、流石にわからんが、その見解だと、下手に持ち出すよりもマシな気がしてきたな」

流石に小動物の心理、言葉までは何もなしでは解しようがない。
蟲――過去に調伏した蟲型の大妖の眷属を呼んで、通訳でもさせても、否、それも無理があるか。
顔に貼りついたモモンガの一匹をどうにか剥がし、なんとなしに頭の上に置きつつ、覆面の下で渋面を浮かべる。
己が趣味は兎も角、種を持ち出される=かどわかされるという思考は、小動物たちの中でも思える、思い至っている共通項だろうか。
飛び降りてきた栗鼠がモモンガのうえに乗って、さながら正月に飾る餅めいた様相になりつつ、周囲を見やる。

鼓膜を震わせる微かな音は、己が耳にも嫌でも聞こえてくる。
その音がした先には別の獣が見える。恐らくは狐の類。それこそ、撒き餌に寄ってきた小魚を狙う大魚のよう。

「……こいつらが邪魔してくれねえなら、問題ない。ええい、お前ら全員籠に入っていろ!」

顔の覆面に爪立てるようにしがみついたモモンガたちのうち、片方がはがされて己が腹に貼りつけられる。
せめて放り出してくれ、と言わんばかりの目をエルフのほうにやって、仕方がないと走り出す。
転がる栗鼠たちが無事に背負子の籠に入ってくれればいいが。走りながら、小さい者たちの動き、有様までは気を配りようがない。

だが、それでも彼らは少なからず賢いものでもあったのだろう。
或いは、何かの遊びかのように思っていたのだろうか?
種が入った包みが括りつけられた、男の背の籠に向かって、ぴょい、さらにぴょいと幾つもの影、小さなものが飛んでくる気配が続く。
太い根、節くれだって歪んだ枝ぶりを掻い潜る中、追加の栗鼠やらムササビ、名も付かぬ丸々としたリスめいたものなどが、入ってくるのだ。
斜面を登り、息を切らせずながらも聊か緊張した面持ちで走り抜けて――、到るは大樹が見える草原。先行く姿に僅かに遅れて、立ち止まれば。

「……学院で見る玉入れ競技じゃぁないんだぞ? お前らよう」

増えに増えて。籠の半ば近くまで、毛玉めいた小さな獣の山が出来上がっていた。

ジギィ > 覚えがあるか、と聞かれると少し眉をしかめてしっかりと頷く。
「…ためしてみたんだよね、これ行けるんじゃないかなーってヤツ。
 取り敢えずの所上手くいってそうだったから、これは大発見だと思って里に帰ったらさあ。
 ………背中に、カメムシがびっしり。獣除けの香のせいで私自身はきづかなかったってわけ。
 服は、カメムシが嫌いな動物除けようの道具に再利用。
 …見る度にくやしかったなー」

普段反省と言う言葉を知らなそうなこのエルフの、遠くを見る眼は珍しいかもしれない。

喋っている間にも振って来た栗鼠が彼の上に降り積もって、流石にこらえきれなくなったエルフは吹き出し、暫し彼に背を向けて肩を震わせる。

「んふふ……カワイーわよ、カゲトキさん。
 ―――――じゃ」

走れるか、の答えを背中に聞いて
エルフは森の住人の面目躍如、飛ぶように樹々の間または繁みを駆け抜けて或いは跳んで、目指した方向へと奔る。
時折すれ違う小さな気配は、彼の方へと集まっていったようだった。
なに、悪いものではないのだし―――と気に留めてはいなかったが

「!! ――――んふふふ…!!」

辿り着いた彼の、その声を掛ける籠の方へと歩み寄ると
それはもこもことした毛玉で半ばまで埋まっていて、こちらを見上げるとちぃと一斉に鳴いた。
また堪えきれなくなったエルフが口元を抑えて肩を震わせていると、ざあっと吹いた風がスモモの樹の方から甘いかおりを運んできた。
それを潮に漸く笑いの発作が収まって来たエルフは顔を上げる。顔は銅色の肌でもそれと解る程上記して、どんぐりまなこの目の端には涙さえ浮かんで居ただろう。

「ひゃ―――――わらったわらった。
 やーん、可愛いねえおまえたち。カゲトキさんちの子になる?」

けらっとまた笑うと彼に顔を向けて、視線でスモモの樹の方を指す。

「大丈夫?重い?―――ってことはないかもだけど
 中型とか大型の獣はこういう草原の中までは来ないからさ。このコたちはスモモの樹にあずければ取り敢えず安全だよ」

ひとまず樹の元へいこう、とエルフは歩みを進める。
ひろい草原の下栄えはひくく、牧草地を思わせる。よくよく観察すれば馬のものか他の動物か、蹄のあとが残っているのに気付くだろう。
そんな草原の真ん中に低くひろく枝を渡すスモモの樹は、陽光を透かして薄い影を地面に投げている。
根元まで来てちらつく光を見上げれば、枝の合間に芳香の元、スモモの実丸いシルエットがちらほらと確認できる。

「さって。
 カゲトキさんも食べるよね?」

エルフは着いて早々ブーツをぽいと脱いでいて、あっという間にするりと一番手前の枝まで登っている。
――――何度も、登り慣れて居ると解る仕草だ。