2022/09/14 のログ
ご案内:「王都平民地区 酒場「快賊」」にエドガーさんが現れました。
エドガー > 夜も深まった現在
夜は酒場はどこも賑わっている
しかし朝は必ず訪れる だからか、酒も席も半ばで切り上げる連中がほとんどだ。

飲んだくれるだけの連中は隠居か明日が休み
もしくは金が大量に入り込んだ連中と相場は決まってる。
今日の酒を引きずって 明日胃袋を開きにされるような目に合うのは、連中は御免だと知っている。

だからエドガー自身も、店が終わってもろもろを片付け
人が薄くなった場所を狙っていろんな店に出るようにしている。
貌の繋がりもあれば、馬鹿に騒がしい場所で一人酒を飲むと、酒を頭に引っ掛けられただけで
殴り合うだけのつまらない時間になると踏んでいる。


店内に入ると、恰幅のいい店主が焼けた肉の匂いも出さなくなった頃だった。
周りは疎ら 売れ残りの娼婦もいるものの、酔いつぶれた老いぼれや静かに酒を楽しむ女など
静かな時間になっているのは間違いない。

カウンターに腰を下ろせば、互いに良い年だ。
はしゃぐような声色も出さず、再び顔を合わせた挨拶もそこそこにエドガーは懐から金属ケースを取り
中にストックしていた手巻き製 フィルターの無い今の時代らしい煙草を一本
黒いパイプに取り付けて咥えて見せる。


「いつもの“黒髭”と、良い肴があったらくれ。 まだ腹には入れずに来たんだ。」


マッチを擦り、ジュウと灼ける火の音と匂い。
火薬液の乾いたそれが燃える匂いと共に、ほんの少しマッチが荒ぶるのが落ち着いたなら
咥えた先端に火を点け、指先で持ち手を弾く一瞬のブレが、マッチの火を煙だけ残して消していく。


「ふぅー…、…。
 親父の店は途中から静かでいいな。」


目の前に注がれる黒いラム。
炭や墨汁のような黒さではなく、黒エールや熟成樽酒のような魅力的なブラック・ラムの色。
注がれた常温酒のそれを、グビリと口に運びながら、店主の親父がやかましいと言いながら
オーダーされた肴代わりをザクザクと刻んでいた。