2022/09/02 のログ
エレイ > ──九頭竜山脈のとある山の麓付近にある、やや寂れた感のある小規模な温泉宿を、男は訪れていた。
ロケーション的に立ち寄りやすい場所ではあるものの、あまり目立たない隠れ家的な
建物ゆえか客は殆どおらず、人気もあまり感じられない。
食事を済ませ、ひとっ風呂浴びようと露天風呂まで足を向け、脱衣所で服を脱ぎ
タオル一枚を携え、浴場へと足を踏み入れて。

「いつもの旅籠の温泉もいいのだが、たまには違う風呂も楽しんでみるのが大人の醍醐味」

などと得意げに独り言ちながら、目前に現れた露天の岩風呂を眺め回す。
見慣れた旅籠のそれとは違う趣に、表情を緩めて。

「あっちよりは出会いの期待値はちと低いが、まああそこら辺はしょうがな──て、おや?」

その視界に、先に湯船に入っている人影を捉え、男は意外そうに目を丸めた。
てっきり自分以外は居ないものだと思っていたので驚きだ。
そう思いつつ、タオルを腰に巻くと湯船にゆるりと歩み寄って行き。

「……やあやあドーモッ。湯加減いかがですかな?」

と、緩い笑みを浮かべながら、片手を上げつつ気安く声をかけてみた。

エレイ > その後どのようなやり取りがあり、何があったかは当人たちだけの知るところで──
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」からエレイさんが去りました。
ご案内:「寝室」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (――――――しとしと、しとしと、雨音が聞こえる。

 寝乱れたシーツに包まる少女の肢体は、シーツよりもなお白く、
 けれどそのからだの奥にはまだ、埋み火のような熱がある。
 からだがこのサイズに戻っているのだから、当座の空腹はおさまったはず。
 だけれども、それでも―――――枕になかば顔を埋めた『少女』のくちびるからは、
 ひどく悩ましげな吐息がこぼれて)

―――――… ぁ、……はぁ、っ…………。

(俯せたからだをもぞりと蠢かせ、伸ばした右手がシーツを掴む。
 微睡みのなかから抜け出せないまま、左手が向かう先は、

 ―――――――甘く蕩けて綻びきった、秘すべき花園、蜜を湛えたその奥まで。
 無意識に触れて、探って、―――――淫らな独り寝の快楽を、手繰り寄せようとしていた)

リュシー > (雨音は止まず、シーツを纏いつかせて蹲る身体の奥から、
 淫らな熱が引くこともなく。

 そうして、密やかな絶頂をいく度繰り返したのち。

 『少女』は再び、深い眠りに意識を逃がした、という―――――。)

ご案内:「寝室」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「ランドラン貿易店」にライゲノースさんが現れました。
ご案内:「ランドラン貿易店」からライゲノースさんが去りました。
ご案内:「ランドラン貿易店」にライゲノースさんが現れました。
ライゲノース > 今夜の機嫌はどちらかと言えば良し。
昨晩の冒険者脱走事件により該当する冒険者から幾らか金を巻き上げ、冒険者ギルドにも毒を吐き、文句も全て受付嬢に吐き出してきたからスッキリしている。

さて、今夜も遅い時間から店主自ら店番をしている。
何時ぞやと同様にカウンターに備え付けの椅子に腰掛け、来客にカウンター越しに接客できるよう座りながら、今日は巻き上げたばかりの硬貨を大事に大事に上質な布で磨き、それを一枚一枚数えつつ、積み上げていくという至福の時間を過ごしていた。

金銀銅に貴賎なし。
価値的なものは当然あるが、どれも可愛い可愛い我が子であり、血肉であり、一層富を自分にもたらす黄金色の鳥を招く餌でもある。

品なんてモノの欠片もない満面なるニヤケ面。
内面が表に溢れ出るその表情を隠しもせず、鼻歌を歌う。
喉があれでガラガラの声、少々アルコール臭い息、それを気にせず今夜も金を借りるか物を売ってくれるか……借金を返しに来る者を待つ。

カウンターの積み上げ始めた硬貨のタワーの脇にはデキャンタに溢れんばかりの安物の葡萄酒、其処にはハーブが浮き幾つかドライフルーツが沈んでいる……これは来客用ではなく自分用であるが故に、グラスはひとつしか置いてない。

ライゲノース > 自分で言うのも何だが自分は歌の才能があるのかもしれない。
それくらい今夜の鼻歌は何だか素晴らしいできである。
ふむ、鼻歌を歌っているだけでも喉が渇くものなのか?と少し渇きと荒れた感覚を感じた喉を手で押さえた後に、硬貨を磨く手を止めると、次に手を伸ばした先はドライフルーツとハーブの入った安い葡萄酒である。

軽く手首を左右にふり、解した後にワイングラスを手に取り、味気も何もないが自分の手でデキャンタを掴んで傾けてとぷとぷとぷとワイングラスに葡萄酒を注ぐと、表面が波立ち揺らぐ葡萄酒をひとくち飲もうとワイングラスを自分の口に寄せてクイっと傾ける――…美人の酌…まあないものは仕方ない。

喉に流れるその安い葡萄酒はハーブの爽やかな香りと共に葡萄の豊潤な香り、最後にするりとドライフルーツの甘みが口に広がる……これが高い葡萄酒だと葡萄酒が前に出て、こうはいかないだろう……と思う。

「ウンウン、これだよ…これこれ……我のオリジナルの冒険者にもってこさせたハーブとドライフルーツの割合、最高ではないかな!うん!!」

満面の笑み、そして自画自賛……自己満足の極み。