2022/02/05 のログ
ご案内:「娼館通り」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「荒らされた薬師のテント」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 「……うううーーーー…」

営業中は整然と薬瓶や素材など品物が並ぶ、幼い薬師の店舗であり自宅であるテント。

しかし、商品や衣類はそこらじゅうに転がり、煮詰めていた商品用の鍋はこぼれていて、
テントも骨組みが一部はずれて店内に布地がよれかかっている有様で、
王都の自警団や兵が目撃したならば、何者かに襲撃されたとすら思われるだろう。

「んぅ、う、よい、っしょ…っ…うぁー、やっちゃった…っ」

その布地の中からひょっこり起き上がり少女のような顔をもにもに擦りながらアクビをしたのは、裸の店主である幼子薬師本人。

昨夜、新商品の薬を「味見」しすぎて、すっかり酔っ払ったようにテントの中で好き放題にひとり踊り、歌い、てきとうに薬を酒の如くがぶがぶ飲んで、また舞い踊る。

そんなことを一晩続けた結果がまさにこれ。
二日酔いの患者のように耳鳴りのする頭を抑えながら、けだるそうに起き上がり…

ひとまず、人通りが増えてきそうなので、なにか羽織るものはないかと倒れたテントのカゲに裸身を隠しながら、
ごそごそと周囲に散らばったものの中から衣服や体にまとうものををさぐる。

ご案内:「荒らされた薬師のテント」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「まれびとの道」にエリザさんが現れました。
エリザ > 現在、ヤルダバオートの戻り。
目的地へ向かう前から、既に陽は沈み掛けていたので、当然ながら帰りは暗い闇の中、一人で王都へ帰還する事になる。
整えられた地盤と僅かな街灯を頼りにしなければ、忽ち表街道から外れ、危険な一夜を過ごす事になるだろう。

とは言っても、普段ならば心を多少なりとも踊らせる爽快な景色も、この時刻には辺り一面が黒く塗り潰されており、目的も娯楽も無いので、ただ数m先だけを見据えて、前進するだけであるが…

ご案内:「まれびとの道」にネメシスさんが現れました。
ネメシス > 夜のまれびと街道に響く蹄鉄の音。
暇を持て余したネメシスとその従者数名が駆る騎馬数頭である。
夜の闇など恐れるに足らずとばかりに軽快に駆け抜ける。

「こんな夜はなんだか面白いことがありそうな気がするのよね。」

戦闘を走る白銀の女騎士はこれから起こりうる展開に胸を膨らませつつも、周囲に視線を巡らせる。
すると方角的に神聖都市からの帰り道であろうか。
一人の旅人か冒険者らしき存在が歩いている姿を目撃する。

ネメシスは馬の速度を徒歩程度にまで落とすと、悠然とそちらに近づき声を掛けた。

「こんばんば。 こんな時間におひとり?」

エリザ > 流石に目的も終えて、思考する刺激も無く只管道に沿って歩くのも飽きてきた。
しかし、このような場所で準備も無しに一夜を過ごすのも無謀な話である。
冴えない足取りに、辛気臭そうな表情。

無機物の様な状態だったが、固められた地盤を打ち付ける音が次第に大きくなるに連れて、意識がこちら側へと引き戻されていく。
その速度や音は人間の物と思えず、また複数の何かが此方に迫って来ていると理解した。

「ああ、そうか。一応居るんだな、こんな時間にも…」

薄暗い光を取り込んで眩く反射させる鎧、入念に手入れされている。道に沿って此方に近付いていた事も間違いないので、何処ぞの騎士団であるのは、容易に理解できた。
安堵でもなく、警戒もせず、ただ一般人に出会した感覚で相手に返す。

「一人、依頼の帰りだからな。それで、そっちはパトロールでもしているのか?」

ネメシス > 相手の佇まいや依頼と言う言葉から冒険者であろうと推測した。
おまけに女性で、見た目もなかなかだ。

「ええ、そんな所よ。
夜は取りたてて物騒だしね。
で、それを踏まえてなんだけど…。
後ろに乗っていかない?
方角的に王都に戻る途中だと思うんだけど、
まだ王都迄は距離があるし、ここらで野宿もお勧めしないわね。」

白銀の騎士は機嫌がよく、それが声色や態度に出ていた。
後方に控えている従者たちも口出しすることなく二人の同行を見守っている。


今の所警戒されている様子はなさそうであるが、はたして。

エリザ > やはり相手も同じ事を思っているか。思考が一致した事だし、立ち話をするにも、騎乗による身長差やヘルムで表情も分からない武装した人間に囲まれるのも落ち着かない。
悪い話ではないし、この様な集団に紛れていれば、余程切羽詰まっているか、頭のネジが飛んでいない限り賊も簡単には近寄れないだろう。

「それは有難い話だな。身体は冷えて、後は戻るだけだと考えたら、この時間はかなり苦痛だからな」

なので、こくりと頷けば、相手の提案を特に違和感も抵抗もなく聞き入れた。

ネメシス > 「なら決まりね。
ついでだしうちに泊まっていけばいいわ。
温かい食べ物も用意できるし、お礼に貴女のことを知れれば嬉しいのだけど。

私はネメシス。王都やその周辺に居るから見かけたら宜しくね。」

白銀の騎士が載る馬は全体的にがっしりとした大型の馬であったが、調教が行き届いているのか
相手が載りやすい様にその場に屈むと、後ろに跨る迄じっと待っている。
騎乗を終えれば、王都へ向けて出発するだろう。
その際は来客を載せていることもあり速度は多少遅くなるも真っすぐ王都へと向かうはず。

王都へ向かえば従者たちと別れ、富裕地区内にある宿へと向かうことになる。
そこは騎士の息がかかった宿である。