2021/11/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 夜の公園」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > その日のメイラは、北方や国境 タナール ゾス村など
戦働きとなる場所から離れ王都周辺に位置していた

往復で任期を考えれば一月二月離れていることなどザラ
街中の知己などは片手で足りる程度が増えも減りもすることもあるだろう
しかし逆に、戦場ではなぜか顔見知りが増えていく一方だ

だからだろうか、メイラは独りムラ染めコートを袖を通しただけの姿
前も留めずにいる理由は、腰からコートを抜けて覗く二つの柄のせいもあるだろう
最も、、暗闇になるほど冷えては白い吐息が出てくるだろう気温にも
身体をまるで震わせることはない

赤い瞳は冷たさで細まることもなく、その鮫やトラバサミのような口元から白い吐息が一定の間でこぼれ出ていくと
暗い中 冷たい中でほどにダンタリオの中の魔を感じるかのような出で立ちだった

メイラからしてみれば、どこかで食事でも済ませて一人、酒の火照りを冷ましているだけかもしれない
けれども、周りから見てみれば武器持ちの身分も低くはなさそうな人物が徘徊していれば
手慰みに 気まぐれに 辻斬られそうに思えるような危険度を持つように見えてしまうかもしれない

「……これだけ冷たいと、逆に体の熱が高まりそうですわ。」

それは普通なら錯覚か、体が冷えに抵抗しているだけだというだけのものかもしれない
しかし、公園に差し掛かり、ただ広いだけの場所で柄を撫でながらぶらりと立ち寄る姿は
安全に見える方がおかしいだろう。

どこかに酔いどれて潰れている、中年何某屋の店主や冒険者でもいれば、ひぃっと遠ざかりそう。

メイラ・ダンタリオ > その日は不思議と月がない
明かりもほとんどない夜の公園
富裕地区に比べ街灯というものが無く、より治安の悪さを醸し出す
そんな夜だからこそ、一人ぶらつく黒長い髪は、女と一目でわかるのだろう

夜を徘徊する不審な人物らも、夜を見通せる
数人が集まれば、気も大きくなる
寒さにかじかむ鼻のせいか 危険な匂いも香らないのか
懐のゴルドを目当てにか 腰のものや革 髪だっていい金になるかもしれないと
数人と対峙た頃には 嗚呼 嗚呼 メイラの口元には、普段なら起こり得ない出来事だろう
恐喝行為 見せるダガーや革袋に小石を詰めた鈍器 一人は小振りな短杖を持っている
その杖が、勇気を一つ手に入れていたのか

だからメイラの口元には、弓張り月が描かれていた

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飛沫の音 泡と声の混ざる音
剣撃を重ね合う火花 剣花を咲き散らすことさえ無かった
長い髪を冷たい風で揺らめかせ、抜身の大刀 鍔元から濡れ滴る赤を
一息で吹ききるように重ねた簀子造りの紙が数枚 綺麗に織り重ねては
その刀身を拭いきってしまう。

暗闇の中では星々の明かりだけ 青白い月明かりとは違い、光る術はない刀身
それを赤い瞳はまるで見えているかのように見つめ、ゆっくりと指先で反転させたなら
柄を逆手に握るそれが、まるで飲み込むような音を立てて最後に

        チィ ィン

と小さく伸びた、納刀音

口元は今だ弓張り月を描き、ジグザグに描かれた歯列はそのままに
まるでその弓張月に任せただけのような出来事が終わった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 夜の公園」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。