2021/08/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 屋外訓練場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 王都メグメール 昼間 王城周辺の空いた土地 屋外訓練利用場
夏虫の音と日光が身体を焼く感覚がまとわりつく外
鎧を着こみたがる者も厚着を好む者もいやしない
王を含む、生地と布の量で富を示す者らは工夫をこらしているものだろう
それに比べ、メイラは簡素な訓練着を身に纏って汗を全身からにじませていた。
背中には刃を抑える革と鎖で支える大剣擬き
腰には双剣を携えるその見た目からも通じるだろう重量
それを背負ったまま、自身が採るべき幅の感覚を培うままに走り込みを行っていた
体力を鍛え 運搬を担い 体の限界を知らなくては戦者は始まらない
ギザ付いた歯列からは、熱い息が漏れながら、額から鼻筋へ流れていく汗の掻きたくなる刺激なんて
もはや通り過ぎていった慣れがあるだけ
「ゼッ ゼッ ゼッ ゼッ ……!」
貴族のつまらない仕事を終え、王に貢献する仕事もなければ
こうして鍛えつづけるか寝食を過ごし、身体を楽しませるしかない
背負う鉄塊のようなそれのまま、メイラの両腕も、両足もすでに筋肉の凹凸がうっすらと出ているままに
魔族混ざりの強化交配はまだまだ、引きちぎれ続けるわけではない
王城を数周した後には、狂い暴れ続けたときに比べ、体は疲労を感じていた
きっと体の中から分泌されるべき興奮作用が訪れていないからだろうか
「ぜぇッ はぁっ ゼッ……!」
それでも、メイラの顔色は貪欲なままに求めている。
たどり着いたポイントで、緑皮の果肉を握りしめて滴るそれを口の中に落とし
塩水を少し含んでしまえば身体をもう一度苛めにかける
■メイラ・ダンタリオ > メイラの体は、敵と 王の害虫を殺すだけの振るいに値する者の前にいるわけじゃない
身体は狂気にも狂喜にも浸かっていない
だからこそ正直に、疲労を感じているのだろう
でもメイラは喜んでいる
あと数日もすれば、こうして苛め抜いている 鍛えている意味が出る故に
今から期待と楽しみが混ざり合っていて仕方なかった
「もうすぐですわ……っ!」
依頼していた鎧が、もうすぐ訪れる
そう思うと、身体が湧きたって仕方なかった
全身に纏い 暴れ 狂う それを想うと 簡単な息切れも
腕も脚も悲鳴を上げさせるなど、許せるはずがない 絶対に。
「それまでに、もっともっと 王に貢献できるように仕上げておかなければ。」
手ぬぐいで汗を拭い、右手の黒鉄を纏う五指を、ギチッ ギヂンッ と握りしめる
今ならばトロールの顎ですらも殴り砕けそうな気がしてくる
そしてその指先は、背中に携えていた大剣擬きを握りしめる
鎖を解き、身体から浮かせた大剣を片手持ち
地面に切っ先を剥けるようにして腕の肉が若干盛り上がると
汗と熱で冷めぬ身体 外という空気の中
背中から黒い尾のように、長いポニーを時折跳ね浮かせながら
剣の素振りを始め 続けていく。
一振り一振りが、変わらない一撃を求めている。
ご案内:「王都マグメール 王城 屋外訓練場」にアリゼさんが現れました。
■アリゼ > 日差しがいっそう強くなる中、全身を黒の甲冑で覆い尽くした女性が彼女に近づく。
炎のように赤い長髪を熱気を纏った風になびかせるその女性は、アリゼという名前だった。
「『怪力令嬢』はこちらの訓練場にいると伺ったのだが…あなただろうか?
鍛錬の途中ならば、終わるまで私は待つが…」
一つの大きな仕事を終わらせたアリゼの耳に飛び込んできたのは、『怪力令嬢』が王都の郊外で鍛錬に勤しんでいるという噂。
女性の身ながら巨人を超えるとも言われる剛力を持つその強さに、興味を持ったのだ。
衛兵たちや貴族に伝手を持つ友人に話を通すよう頼んでみたところ、『彼女には直接行った方がよいだろう』との回答。
そうしてアリゼは、熱波が押し寄せる中歩いてきたのだ。
とは言っても彼女も騎士の端くれであり、うっすらと額に汗を浮かべる程度であったが。
■メイラ・ダンタリオ > 熱の中でも 嵐の中でも 鎧は身体を弱らせ震わせ 水に浸かればただの重りに代わる
それを防ぐように 鎧を自身の一部に変える為に 大剣を素振りし、全身の汗が渇かぬまま
大剣を振るいあげる
例えどんな環境であったとしても、メイラはその乱杭歯を噛みしめ
大剣を振るいあげ、鎧を脱ぐことなく吠えて見せる
左右し、決めるのは、手綱を握る己自身だと
「シッ!」
空中で、思いきり振り上げ、静止させる
ただ地面へと振り抜くだけのような動きならばともかく
途中で軌道を変える動きや、振り抜いた切っ先を地面に当てぬように制止させる
それは基本的な動きであれ、その鉄塊のような大剣擬きであればあるほど
両手足は戦働き同然に起き上がり、汗をにじませるまま昂っている
この今は誰もいない屋外場で、素振りを始めて80は数えた頃
タンクトップも、脚絆も、汗を全身が吸い上げてぺたりと張り付き若干の重みを感じる
『怪力令嬢』はこちらの訓練場にいると伺ったのだが…あなただろうか?
鍛錬の途中ならば、終わるまで私は待つが…』
全身を包む、甲冑という形式をとった装備
装備としては贅沢なほうだろう おおよそ冒険者とは違う身形の様子
メイラの赤い瞳は二度瞬きしながらに肩に大剣擬きの根本を乗せるようにして、担ぎ
そして近づいていく。
「如何にも、メイラ・ダンタリオですわ
……紅い髪 背中のそれ 貴女、大剣使いのアリゼですの?」
怪力令嬢はよく知っていると言われる
しかし、それがメイラと合致させた認識力は低い
化け物のような異名は独り歩き噂を広げている様子は 相変わらずの様子だ
しかしメイラは、紅髪と黒い鎧 大剣を背負う姿に、パーツから名前を言い当てて見せた。
メイラ自身が黒を良く身に着け、そして重量級の武具を振り回すだけに
戦場や酒場で似たような奴がいるという話は耳にしている
大剣使いというパワーファイターは、目の前のアリゼを含めればメイラ自身片手の本数にも満たない認識しかない
相手が、アリゼであると認める様子ならメイラ自身、王以外の相手の構えや礼儀など、左程気にしない
背中へと大剣を納め直し、支えとなるベルトと鎖が大剣を再びメイラの背に住まわせた
■アリゼ > 彼女はやはり、メイラであった。
常人であれば何人も必要とする大剣を、まるで木剣か何かのように振るうのだから。
とはいえ、いかに剛力の持ち主でも汗はかくものらしい。
彼女の服は汗をすっかり吸ってしまっていた。
「……ダンタリオ家の騎士に名前を知られているとは思わなかったよ。
その通り、私の名前はアリゼ。かつてはアルクール家の騎士だった」
大剣を振り回す女性、というのはやはり珍しいのだろう。
同業者や傭兵に名前を知られるのはありがたいことだが、武闘派とはいえ
貴族にまで名前を知られていることに、アリゼは驚きを隠せなかった。
そこで一旦間を置いて見開いた目を戻し、事情を話し始める。
「あなたに会いに来たのは、一つの用事があるからだ。
私と一つ、戦っていただけないだろうか?」
怪力令嬢と謳われる彼女と似た装備、似た戦い方をする自分。
ならば、その実力はどれほど近づいているものか。
戦士ならば誰もが気になる、強さ比べというものだ。
「何も今すぐというわけではないし、命のやりとりをするほど徹底的なものではない。
ただ――あなたがどれほど強いのか、私はどれほどそれに近いのか、知りたいんだ」
■メイラ・ダンタリオ > 「ふぅん 王都では聞かない名前ですわね。」
アルクール 王都でも、そして港湾都市でも聞くことにない家名
メイラは、アリゼを見つめる儘に思うことは一つ
それは互いに似通る匂いを感じていたことだった
互いに体格の 高さの差はあれど 大剣を使い 黒を好み そして武器の扱いさえも
故に、アルクールを アリゼを名前程度 似た者という小話しか知らなかった
他にも、ダンタリオの内の一人なのかと、同じような材料でできているのかの確認を聞くくらい。
故に、メイラがアリゼのアルクールが王都に存在していれば知らない方がおかしいのだ
戦場で並ぶこともあっただろう逸材には違いないのだから。
「アルクール家はともかくとして、アリゼならばそれなりに知られているのではなくて?
貴方を欲しがる家もありそうですわ。」
メイラはそう言って、自身の評価を知らぬアリゼに腕を組んでそういった
メイラを含める 怪力が 大剣を振るって活動すれば それなりに認識されるものだろう
そんな些細な話をしながらも汗を拭うと、アリゼから出てきた言葉は少し予想に反していた
せいぜいが、同じ体を資本とした屈強な部類 少し縁を持ってみたかったのだろうと思えば
あろうことか、メイラと刃を交えてくれと強請るなど
この王都という腐った もしくは股に力むことを覚えるほうが速い者らが多い場所で
随分と熱のある言葉をあげるものだと、メイラはギザ歯を三日月型に口角を持ち上げ
「 へ ぇ ? 」
楽し気に笑みを浮かべて応答した
この国でわざわざメイラに剣を向ける者も そして剣を交えたがる骨太も少ない
「好いですわよ わたくしも、貴女の身体、興味ありますもの」
それは性的な言い方ではない
むしろ、メイラという身体の造りがなぜ怪力を帯びるのか
それを踏まえたうえで、アリゼはなぜ大剣が触れるのか
それに興味を抱いている様子だった
「運動着で来たのは失敗でしたわね。
湯を浴びて、鎧を身に着けて、でいいんですの?」
その鎧姿に見合う恰好を求めるならば、今すぐ湯を浴びて着替えてくるぞと
メイラは体験を交えるまでの間を、そう長くは欲していないとしている。
■アリゼ > アルクール家はここより遠く離れた国にあった名前ゆえに、この国での知名度はないに等しい。
そちらへの反応はアリゼも期待していなかったが、戦いという言葉にはやはり反応した。
「我が家名はここよりはるか西にあった国のもの。
もっとも、そちらの一族より小さなものであったが…戦においては同じ、最前列に立つ者だ。
他の家に移るのは考えられないさ」
そうして彼女の笑みを見た。
尖った歯をむき出しに笑うのは、笑みが本来持つ意味を想像させるもの。
すなわち、狩り。自分は常に狩る側であると、絶対的な自信を持つ強者の笑みだ。
ぞくりと背筋に走る恐怖を抑えながら、口調を意識して冷静に話し続ける。
「……私もまた、普通の身体ではない。だからこそ気になるのだ。
どこまで私はやれるのか、その限界を」
アリゼもまた、笑みを返す。
それは狩りというより、自らを奮い立たせる決意の表情。
空元気を張り続ければそのうち本当になると言いたげなもので、額から頬を伝う汗は暑さによるものか、冷や汗かは分からない。
「条件については…それで構わない。
場所はこの場でいいだろうか?そちらが場所を指定しても問題はないが…」
■メイラ・ダンタリオ > 他家に身をくれてやるつもりのないアリゼ
貴族や商人は護衛としてほしがるし、メイラのような強い体を求める家も欲しがるだろう
強い子を産むという意味で。
しかしアリゼは、自身をアルクールのままとし、せいぜいが職の行き先程度での求めに応じるだけなのだろう
その全身甲冑に包まれた屈強そうな身と同じく、アリゼもメイラに挑む気概が良い
「その口ぶりはダンタリオとはなんであるかを知っている、と
まぁわたくしも隠しているつもりはありませんが。」
純粋な人間ではないと聞き、メイラはアリゼの身体に興味を少し強めた
アリゼの振舞方は、ある意味でダンタリオに欲しがられる振舞だ
自身を普通の体ではないとほざいて、ダンタリオに近づくなんて ある意味マゾヒストだと言える
「そうですわねぇ とりあえずアリゼ。」
顎に手を当てると、自身より背が高いという少し珍しい対格差の相手へ
見上げながらも圧されていない様子で一つ頷いた
「湯を浴びに行きますわよ “一緒に”。」
片方だけさっぱりとさせるのも変な話だと
その黒鎧を脱いで汗を流し、一定の水分をとったら始めようとメイラは述べる
「ここで脱水させて弱った貴女とヤりあっても仕方ないですもの。」
屋内訓練場に場所も移しますわよ と メイラは条件を限りなく平等に持たせていく。
■アリゼ > メイラの身長は、アリゼよりも少し低い。必然的に、彼女はメイラを見下ろす形となる。
にも関わらずメイラが纏う雰囲気は、まるで巨人を相手にしているかのような圧迫感を思わせるものだ。
気圧されていると思われぬように、彼女は意識して背筋をピンと伸ばした。
そこに突拍子もなく飛んできた言葉に、思わず彼女は姿勢を崩して驚いてしまう。
「ゆ、湯を…?一緒に!?
メイラ、ああいやメイラ様、私のような下賤な者と一緒に湯など浴びては
変な噂が立ち家名に傷がついて他の貴族からの評判が下がり他国に何と思われるか云々」
同性とはいえ、出会ったばかりの者と裸になるというのは
彼女にとっては異性と共に風呂に入ることと同じくらい恥ずかしいのだ。
口から流れ出る言い訳を怒涛の勢いで語りながら、ぶんぶんと頭を振り、両手を振り回して彼女は必死に抵抗する。
「そ、それなら私は時間をずらして浴場に入れば……うう…」
確かに条件だけならば、限りなく平等だ。
互いの実力以外に、違う点は何一つない。だが、メイラと共に浴場に入るということは、呪いが発動してしまうということでもある。
メイラがこの時のアリゼの内心を知れば爆笑してしまうかもしれないが、
この時彼女はメイラを浴場で襲い、剛力すら縛り上げる呪いのタトゥーの力で手籠めにしてしまうことを恐れていたのだ。
メイラが常人と異なるのは、剛力だけだと思い込んで。
「いや…条件を了承したのは私なら、受け入れるしかないか。
浴場に案内してほしい。汗をかいていないわけではないからな…」
とはいえ、呪いのタトゥーが疼きだせば彼女はそれを止めることはできない。
口から出る言葉は肯定であり、そのままメイラについていくことだろう。
■メイラ・ダンタリオ > 「なにをぎゃあぎゃあと言っておりますの
今は遊歴でも騎士だった身でしょうに アリゼ。」
仮にも貴族が一緒に湯を浴びるなどと言い訳を始めるアリゼを
メイラは両手を腰に当て、言葉一度でズドンッと絶ってしまう
既に事は決まったというように、重量を物ともせずに一緒に歩き出す傍ら
別々など他の方法を模索する様子に、 ぁん? とメイラは怪訝そうにし
「ダンタリオがそんな小さなことを気にするものですか
わたくしだって、相手が異性や王でもなければ誰であろうと気にしませんわよ。」
女冒険者や遊歴の身 流浪人などが一緒に入ることへの抵抗を
メイラ・ダンタリオがそんな小さなことを気にする者かという始末
互いに歩きながらも両腕を時折グッグッとほぐしつつ。
「まぁアリゼには髪でも洗ってもらうのを手伝ってもらいますわ。」
一緒に入る、適当に抵抗の薄れる言葉
もちろん、戦場での駆け引きでの、獣のような感覚が働いているのか
メイラはそれ以外でメイラと入浴することへの躊躇い 何かを感じ取る
しかし後々に二人はきっとどうでもよくなってしまうだろう
アリゼが不安だった行為 貴族へ向けてはならない行為はメイラに都合がよく
下手をすれば、メイラがアリゼを理由を付けて囲う手口になってしまう
アリゼは虎の巣に、自身で考えているすれ違った思考により、どうなってしまうのか
それは浴場で身体を清めれていれば知れていくだろう。
ご案内:「王都マグメール 王城 屋外訓練場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 屋外訓練場」からアリゼさんが去りました。