2021/07/30 のログ
ご案内:「王都 自然地帯 悪魔崇拝の窟」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 夏の夜 月明かりと星が綺麗に咲いている、夕暮れが沈んだ短い暗闇
メイラは定期清掃だと言わんばかりに、同輩と雇われ冒険者ら 男女まじりあう集団を連れ
王都の外れた外側 地下水が枯れた湖痕という窟底へと訪れていた

全員が窟の中ということもあり、動きやすい装備
メイラに至っては外着の白ネクタイに黒の一張羅姿となんら変わりはない
ただ、それぞれが腰に備えるものは暴力に訴え出る為の伝導率は、かなり高い代物だ

「賊と信者 厄介比べならどちらでしょうね。」

窟の中を進みながら、見張りや声を出すための輩が、投擲された短槍やナイフで仕留められる中
世間話のようにメイラは先頭集団の中で声を出す

『獣だって本能で逃げます 恐れ知らずな信者の五体投地プレイには参りますよ、お嬢』

全員が、何かの為にと自己犠牲精神たっぷりに突撃し
斬り殺されてもその表情は救われたように歪み瞼を閉じる

その光景を幾度となく見つめているメイラや暴力に付き従う者ら
賊の逃亡と降参に比べれば、なんて面倒なのだろうかと答えを言う供のそれ
もっとも、メイラからしてみれば、王への反逆の意思 それだけあれば殺すには十分だ



聞こえてくる打楽器や弦楽器での演奏
火明かりを中心にして裸で踊り廻る信者
角獣の生首が強引に差し込まれた、首無しの仏像を崇め 全員が支配と王を侮辱する言葉を示す

現在の弱肉強食な王都の世界を、弱い者らが薬と狂いでキメて訪れる理性の終末
何もかもどうでもよくなるから、なにもかもを信じる者に差し出している

その中は火明かりと甘い匂い 媚薬か 麻薬か どちらにしろ、夏の蒸せる夜にはなんとも効きそうな空気の淀み
メイラも眉をひそめながらも、全員が武器を抜いて唯一の出入り口を連ねる

「―――殺しなさい。」

淡々とした開戦の合図と共に 一層この場所は悪魔窟らしい悲鳴と赤が増えることだろうか

メイラ・ダンタリオ > 悪魔崇拝と王への侮蔑
典型的な現実逃避とストレスからの脱却
この枯れた湖痕という舞台だけがそれであって
全員の必要な世界がこの石壁で囲まれた窟の中で完結している

ただ快楽に浸かって終わらせるだけの軽薄な者から
本当に悪魔の降臨を願う者
信じているから救われている者

本来なら秘密裡なそれも こうして討伐隊を組まれ、定期清掃されていく
中には首の値が高い者もおり、それらは捕縛されることとなる。
なんなら首から上だけでも塩か酒に漬けておけばいい
痕から手に入る罪の金額は中々のものだろう。




「あら、意外と良い身体してますのね。」

無駄な贅肉の無い、貴族とは違った体つき
男の女も、豊満とは言えない 屈強とも言えない
しかしそれは力であれ魅性であれ、それなりなものを感じながらも
メイラは鯉口を切った愛刀の反りのややきつい刀身
それが裸体のそれぞれへと横薙ぎに銀閃を振った

銀が、肋骨下の臓腑が詰まっているだけの無抵抗な場所へと
手慣れたように通り過ぎ、生モツが零れ落ちていく
悲鳴と今だ命が絶えない泣きの中で、膝を着いたことでメイラの瞳は細まる

「お気遣いありがとう。」

丁度いい高さとなった其処へと、カコンッと縦に一振り

二つの首が落ちながらも、手にナイフや打撃武器しか持てぬ輩を相手に、前進を続けるだろうか

この一つの場所で、歌と踊りと幻覚に酔いしれていた者らは
痛みと嘆きと現実に酔いを醒ましていくのだから。

ご案内:「王都 自然地帯 悪魔崇拝の窟」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。