2021/06/28 のログ
■ハヴァン・グレイナル > 城内訓練場
腐れた騎士団と言われる中でも、仲間内では気の良い者らが揃うだろう
同じ釜の飯を食らい、轡を並べ、闘う場所で生き残れば鎧姿で お前も生きていたか と抱きしめ合う
そんな環境がないわけではない
しかしそれでも派閥や対立 腐れる具合が区々故の言われ
訓練場内は、必要な型を教え、必要な筋肉を付け、必要な体力を持たせる
そして騎士団の持つ剣術を稽古で学ばせもするだろうか
中には街中の道場や自身の家の剣術などのほか、我流と化してしまうような喧嘩流まである
しかし強ければそれでいい
マグメールは整頓 清潔 などとは程遠い。
それを示す様に 鉄の撃が互いに響き渡る
「相変わらずっ 重い剣だっ」
木剣ではなく実用剣に等しい刃潰しされた互いの獲物
肉厚短剣と長剣による試合が今行われていた。
肉厚な短剣 長剣の切っ先の重さが乗った一撃に比べ、切れ味や力はあれど重さは足りない
それを補うように、連撃と剣の間合いに入り込むそれはまるで剣による殴り合い
剣花が咲き乱れ、互いの獲物が悲鳴を上げる。
周りは観戦空気で壁際で見られている中、臙脂色のフィッシュボーンという長い編み
それが獣の尾のように中空で跳ね続ける。
■ハヴァン・グレイナル > 金 権力 欲望
三つに重ね塗りにされ続けている中でも、一つだけ消えないものがある
それが闘争だった
互いが競り合い 切羽琢磨する
互いの差が羽一枚ほども感じないような剣撃をぶつけ合うという剣の世界
打ちあう合は何度続くのだろう
互いに、火竜を身に宿すとされた女騎士
特異なものもなく、剣と実技のみに重ねてきた長剣技
互いに宿す瞳は、今見えているものは互いだけ
互いに夢中で、互いだけしか見えていない
忌々しいと瞳が語る言葉を、それに競り負けないお前が何を言うんだ と
視線で会話しながらも、決着が迫る。
間合いの内側で打ち続ける肉厚な剣力 それに抗うように、受け止めると同時に剣の間合いが届く領域へ
其処へと弾き飛ばされたのはハヴァンだった
ブーツの靴底が床とこすれ合い、爪先と踵が耐え抜き、止まると同時に横薙ぎの一撃。
胴体が泣き別れになるかのようなそれを、短剣と鞘 二つを交差させて受け止めると同時に
互いの二の腕が盛り上がる 筋肉が震えながらに、受け止めたまま駆けだしたのはハヴァン
擦れあう火花と共に間合い詰めに行くと同時の、防具越しへの胴薙ぎ一撃
そのまま後ろへと駆けたのなら、振り返ると同時に一本制したハヴァン
互いに、舌打ちと共にくる獰猛な笑みを、フ、と息を出すような笑みと唇で見返し
互いに汗が額から幾度も垂れ落ちた
賭けに対しての奇声と喜声が響く中で、壁際へと戻ると手ぬぐいを貸してくれた同僚
顔を拭うと同時に、短剣を自身のものと入れ替え直す
「もう数度打ちあっていたら私の剣が折れていたかもな。」
傷だらけの模擬剣を見つめ、水を口に含む
この剣撃の後で火が付いた他の者達による、一対一のそれが行われているのを見ながら汗をぬぐい続け。
「戦いだけしか能がないと、ここの居心地も悪くない。」
ご案内:「王城 城内訓練場 」からハヴァン・グレイナルさんが去りました。