2021/04/01 のログ
■ソラム > 「今日は此処で、休む、かな」
廃墟となった古城、その大広間でそんな言葉を口から漏らしたのは、150センチ程という小柄な体格の少女。
勿論ただの少女ではなく、黒いコンバットスーツに群青色のロングコートという異色な装備を身に纏い、右手には身の丈ほどある巨大なバスターソード。
もう片方には、普段は右腰に収まっている純白の拳銃。撃ちまくったからなのか、その銃口からはうっすらと煙が立っていた。
久方ぶりに外で野宿しようと決め、この廃城を訪れたが、やはり誰もいない。強いていうならオークなど格下の魔物程度。
殲滅し、休息場所を確保したなと思っていると、新手の魔物の集団。休む時間はまだまだあとになりそうだ。
「(休む時間はなし!?).....上等!」
珍しく声を荒らげ、自身のチャームポイントでもある漆黒の3本ツノを右片方の額から生やすと、赤い瞳を滾らせ、集団へと突撃する。
バスターソードで複数のオークを薙ぎ倒し、逃げ出そうとするオークには魔力弾を撃ち込む。
その戦闘音は静かな廃城を騒がせることになるだろうか。
■メイラ・ダンタリオ > ゴブリンとは違い、オークは体格、肉骨がそれよりやや強く、初級冒険者では太刀打ちは難しい。
人型であり腰巻程度から人の装備を奪う者
棍棒から鉈まで使えるものも広く、そして全身の肌は汚く見え、数が多いほどに厄介。
物語で出てくる、数で挑むあの集団に、背中が冷えなかった奴らはいないだろう
雄も、雌も存在する癖に、女を廻し犯すことだってしそうなやつら。
殺し合いと、今の装備で挑むなら丁度いいと言えた。
あれらは獣人の中の蛮族。 道理もルールもない 殺し殺されるだけの世界。
血は滾り、髪の毛根が力みで起き上がりそう
そんな感覚の中で、二階へと進むと、聞こえるのは独特な銃声
そして、戦闘音
―――は?
「……先客が、いらしていたの?」
肝試しではないだろう
声がほぼない。連携を組んでいるパーティ面子ではない音がする。
完全にメイラは、ソロプレイ もしくは幾人も絶え、独りになっている状況か
自身と同じような環境にいる相手に対し、感じたそれはなんだろうか
「……手練れですのね。」
悪態もなにもない
剣撃と銃撃の音が響く
独特なそれは魔弾か。
長い髪を片方、ガントレットで救い上げ、耳を澄ませてはそうつぶやいた。
嗚呼、完全に後手とは。
「冷めた晩餐 いえ、途中まで齧られたステーキ?」
今の状況にそんな気分を答えたのなら、腰に下げたイルウーンの握りを撫で、考える。
赤い瞳に感じる魔は、ギザ歯をゆっくりとかみしめ、舌を打つ。
「チッ。」
貴族令嬢にあるまじき振る舞い
そして、錠前の飾りが揺れる音と共に、その入り口と思える場所までいくと腕を組んで待っている。
オーク以外にも、その場所へ赴く者はいるだろう
オークと共生している 例えばゴブリンや飼いならされた獣
混じるほかの声はそれだろうか。
「……嗚呼、そうですわ。」
ぼんやりと考えた結果が出ていた。
目の前に残った最後が強いのだから それでいいだろうと。
故に、無造作に入室した先 視線はオーク 四つ足の獣
新手の仲間とでも思われているのだろうか 向かってくる鉈や斧
廃材利用のような脚椅子の棍棒
「―――うるせぇですわ。」
そう言って、イルウーンを貫いた。
目の前の戦闘よりも、目の前の獲物。
赤い瞳が揺らめき、黒い身なりは吠える。
それはどんな感情が乗っているのか。
ただオーク達は、逃げたか、滅したか
それだけが待っている。
知らずとも目の前にいる龍の者と
混ざり合う魔の者が暴れるのだから。
「―――■■■■ァッ!」
そして、ただただ、暴れ、肉となっていく者
逃げる者に分かれ、目の前には二人が残るだけになっただろうか。
■ソラム > 「.....やっと、休憩」
そう言うとバスターソードを地面に突き立て、拳銃を右腰のホルスターへと納めると大きく伸びをし、体をほぐす。
「(それはそうと、だね)」
心の中で呟くとチラリと乱入してきた女性に瞳を合わせる。
黒い革でつくられているであろう詰襟にガントレット。全身が黒を基調とする服装だが、その瞳は赤く、獣のようだ。
「獲物横取りしちゃった、みたい?」
佇んでいるであろう女性にそう問いかけるだろうか。
横取りしてしまったのなら、ちゃんと謝らないとと彼女は心で思いながら、女性の返答を待つだろうか。
■メイラ・ダンタリオ > 廃城 二階広間 現在
周囲に立ち込める、獣と血の匂い
臓物と体液の匂い オークの臭い匂いが広がっている。
片や白銀 角を持ち、剣と銃を使いオークや増員を滅した者
片や黒髪 赤い瞳とギザ歯という魔を匂わせる、イルウーンとガントレットの狂戦士のような振る舞いをしたメイラ
メイラは、培った経験よりも、まるでその怪力とイルウーンに頼るだけの、獣のような戦い方
ガントレットと頬にまで赤い飛沫と濡れるそれが未だ滴る中で、黒革の身なりも同じく、布とは違い赤が吸いきれていない
垂れ堕ちるままに、イルウーンを鋭く振るうと、ビシャリッと赤が掃われ、床に曲線を描いて広がった。
「……構いませんわ。」
そういうメイラの視線や表情は、一汗をかいた後の表情とは言い難い
まるでメインを前にしてサラダばかり食んでいたかのような顔。
様子をうかがう相手に対し、剣は未だ握ったままだ。
此処から先を、起こすことはできる。
しかし明確な敵意や戦意もない相手に向けるということは
戦闘狂のようなメイラにとって、それは違っていた。
涎を垂らし、牙をむき出しに襲い掛かってきてくれたら
第二戦だと喜々として向かってくるならば、また悦べただろうに。
ここは戦場や、争いの場所ではもうなくなったのだから。
「早い者勝ちですもの。
戦利品も興味ありませんし。」
そう言って、剣身の未だ残る血脂を拭うように、剣に拭われるために出された布
剣身の状態を確かめたのなら、鞘へと戻しながら頬の血を親指の腹で拭って見せる。
「あなたのような手練れが既に挑んでいたと知れていれば来ませんでしたわ。
後でクエスト依頼場のあの女は殺しておきましょう。」
ハンッと鼻で笑い、廃城の現在状況を聞いたときに担当した受付人
あれの首を捥ぐと堂々と言って見せた。
王都貴族の、暴虐の一面。
■ソラム > 「なら、いいんだけど」
立ち上がってそう言いつつ、拳銃を抜くとスライドを手動で引き、弾詰まりを起こしていた空薬莢を吐き出させると、スライドは元いた場所へ自動で戻る。
息は既に整えられており、激闘になると予め察していたようなほど、迅速な対応だった。
「......戦いたいの?」
剣を握ったままの女性へそう問いかけると、近くに突き立てていたバスターソードを回収する。
バスターソードを一度背中におさめると、今度は右手を左腰へと伸ばし、拳銃と同様の純白の筒のようなものに手をかけ、柄のような部分を握ると抜き放つ。
刀身も柄も純白に染め上げられたエストックの切っ先を相手ではなく地面に向け、女性へ首をかしげる。
「私も味気なくて消化不良を起こしそうだったし、丁度いい、けど」
貴方もどう?と物足りなさそうな様子で剣を持つ女性に声をかけるだろうか。
■メイラ・ダンタリオ > 「……。」
メイラは、ガントレットの血糊も拭いながら、バスタードを収めた相手の言葉を聞く程度はする。
血の香りが残りながらも、黒鉄色のそれは拭いきれただろうか。
さて、剣も納まり、肉と体液の海となった場所
エストックを貫きながら、消化不良と称し、こちらの消化不良でも察しているのか
一対一を望むならしようか 等と、宣っている
瞳を細め、片方で編んだ房をいじりながら、歯列が合わせるジグザグのギザ歯
白銀の角付き相手を見ては、一言つぶやいた。
「……気遣われる、なんて。」
クスクスと笑んでは、状況に笑ってしまった
メイラにとって。気遣われるような場面など、中々なかったせいだろうか。
エストックに切り替えた理由は対人戦における絶命手段の変更かと
少なくともバスタードを収めた理由が加減しているそれには見えはしない。
「やめておきますわ。
興が削がれた状況で、わたくしを奮わせるほどの事も起こらないでしょうし。」
肉を前にして草で腹を満たされたようなものですわ。
そう言って肩をすくませた。
「私は……そうですわね、オークはこうなったわけですし。
亡霊側でもいってみるとしましょう。」
そう言って、思考を切り替えた。
■ソラム > 「......はぁ(やむ無し、か)」
女性を奮わせる程のことが起きるはずがない。
彼女はそう言っているが、少女には1つだけ策があった。
「貴方、強い奴と、戦いたいん、だよね」
女性にそう問いかけたつつも、心臓にかけていたリミッターを外し、自身の力の源でもある龍の血を体全体に流し込み始める。
「5秒だけ、目を瞑っててくれる?」
起こしてあげるよ、奇跡。
そう付け足し、女性に目を瞑るように促す。
心臓は問題なし、血流も良好。
体のコンディションを確かめると、準備を整え終わる。
女性が目を瞑れば、少女は自身の本来の姿______大きな翼脚を持つ奇妙な白銀の龍へと変化するだろうか。
■メイラ・ダンタリオ > 互いに、偶然居合わせただけ
先手と後手に分かれ、喰い損ねた狂人がいただけの話。
互いに殺し、苦し、血染めとなった舞台の上
何を思ってか引き止めに来る角付き
メイラのようなわかりやすいほどの、戦闘中毒とは思えない
互いに仕切り直しましょうと、その場を離れようとしたメイラに、角付きは止めにかかる。
「なんですの角付き
これ以上いたところで―――。」
狂気も 殺意も 闘志もなく
ただ目の前で、竜になって見せる相手
獲物を食らう意思もなく、我に興味を持てと、そう……どこかで見たような。
「貴女 同じような相手 前にも見ましたわ。
奥底でただ ボゥ といただけの老いた魔物。」
久しぶりの相手に待ち構える戦士どころか茶話に興じようとするかのような 話に飢えていた者
それと同じ匂いがする。
「ふぅ。」
メイラは鼻で察したように溜息を洩らし、ガントレットで包まれた指先を向ける。
そして、クイと下向けて指を指し。
「戻りなさい。」
そこで、角付きが何か返事をしても。
「御黙りなさい さっさと戻りなさいな。」
そう言って元に戻った相手に近づく。
自身よりも小柄な相手だ。
そうして、腰に下げていた松明を投げ渡す。
「共をしなさい 角付き。」
丁度、片手が塞がるのもどうかとおもっていたところですわ。
そう言って、目の前の手練れに、供回りを銘じた。
それも、魔物蔓延るこの世界では耳にする役回りだろう
「松明持ちとして。」
そう言って、互いに場所をそのまま移動するだろうか。
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