2021/03/06 のログ
ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」にスピサさんが現れました。
スピサ > 王都平民地区 昼間
工房を持つ者らは中の構造や立地にも気を配る
それは鉄の音が響く工房は昼と夜で打ち鳴らされるから

昼は鉄を鍛え、夜に形を仕上げる
火の色を明確に見極めるための行いであり、工房内が薄く濃く暗い場所があるのもそれが理由だろう
スピサは、逆に明かりの中でも鉄が燃える色を見分けられる
単眼族としての見極めの域が高いのか、時間に関係なく、玄翁を振り下ろす

金床の上でいくつもの槌を使いわけ、炉にいれた鉄の塊は一本の棒へ
一本の棒は平たく、一体化された柄と握りを生み出していく。

鉄と鉄がぶつかり合う音は、激しいものではない
火が鍛えた鉄の融解が鉄の衝撃を吸い込んでいくからだ
それは鍛冶師の魂が何度も、何度も込められていくように鉄の中へと入り込んでいく

それはコォンッ コォンッ と鋭い音の突起を吸い込んだような、燃える緋色の剣が叩かれる音。

「……。」

ヤットコでつまむ刃を立て、厚み 歪み それは手と槌一つで仕上げられていく。
工房内は客が来ない限り、独りと鉄が向かい合うだけの時間

スピサ > 鍛え上げられた剣の形をした、燃える色の剣
形状が満足できたのならば、冷たくした油の中へそれは漬けられる
水による焼き入れと違い、急速な冷却による硬い刃 そして燃焼した油熱による焼き戻し
混合油から生まれる靭性は形状変化も拒みやすい。

やがて燃える油の中からゆっくりと引き揚げられたそれ。
細かなまだ残る表面の不純物を鋼毛のブラシで汚れを落とし、具合を確かめる。
小さく叩き、音を確かめたのならば研ぎの時間へと移るだろう。

両刃 根本の山形の凹凸 柄の盛り上がり
全て手作業に仕上げられていく。
砥石 ブラシ 鑢 鍛冶師が行うそれは芸術はいらない
実用のみに特化されるべき造りがなされていく。

「……ん。」

汗が、今になって湧いた
集中 運動後に体が気づいたかのようなそれ。
薪の縁に押しあて、横に寝かせる 食い込んだそれはいい切れ味を生んでいる証拠だった。

「好い剛性になれた。」

革のグリップが巻かれていく。
一枚のそれに対し、今度は強靭な紐で全体を巻き付けると熱湯処理。
そうすると、革の表面には細かな糸巻き凹凸が生まれ、滑り止めの役割を果たす。

数度、バスタードソードとなったそれを振るうと、空気を割いた音が数回。

ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」からスピサさんが去りました。
ご案内:「王都の街中」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、文字通り、平民の多くが生活する街は、
王都の中でも最も面積も広く、人口も多い賑やかな場所である。

上下の身分、多種多様な種族が往来する街並みは貧民街に比べれば、
一見すれば治安が良く、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所が存在する平民地区では必然的に街中を警邏する兵士の数も多く、
行き交う人々に彼等が目を光らせている。
だが、それが必ずしも治安維持のために輝いているとは限らない訳で。

「――――其処のアンタ、少し良いか?」

なめし革の胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
道を行き交う女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が彼好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛か

ご案内:「王都の街中」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にレンチェフさんが現れました。
レンチェフ > 平民地区の大通りに面した一軒の酒場。
安さと味の良さでそれなりに繁盛をする店内の一角、隅の席で酒を静かに飲む男の姿。
頭に生えたこそ髪に隠してはいるが生えた尾はそのまま。
そんな姿で酒を飲んではいるが周囲も特に気にせずに酒盛りや話が盛り上がっている。
そんな光景を酒の肴としてエールカップを口に運んで。

「偶の儲けだ。今日は飲めるだけ飲むのも悪くねえな」

普段はあまり飲めない酒も今日だけは解禁とばかりに飲み。
カップが空になればお替りを頼み、それが届くまでカウンターに肘をついて店内を眺めて。

レンチェフ > そうしていれば新しいエールが届き口を付け。
その後何倍か飲めばほろ酔いのまま店を後にする。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からレンチェフさんが去りました。