2020/10/10 のログ
■獣魔目録 > 今宵は魔導書を見つけられる人間は居ないようだ。
司書の慌しい足音共に魔導書は誰かの手に取られるその日を待ちわびるように静かに書架の中に収まり続けるのだった。
ご案内:「大図書館」から獣魔目録さんが去りました。
ご案内:「薬屋 ―妖しい薬を生成中―」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都各地を転々とする薬屋のテント、本日は平民地区の空き地にぽつりと建っていて。
その内部では、王都の夢幻窟や娼館などに売り捌くための特殊な「香」の原料を鍋に火をかけ、煮込んでいた。
「ふーっ…すっごいにおい… 漏れちゃわないようにしないと。」
蜂蜜と肉と酒と香水を煮込んだような、むせかえりそうになる甘ったるく官能的な香りは、
心身の機能拡張・魔力覚醒・幻惑効果と、様々な効果を一度に人体に引き起こし、
吸った者に思い通りの幻覚や効果を表すというもの。
魔族の血ゆえに多少耐性のある薬師でも、くらりと正気を失いそうになる濃度の、瘴気のような香…
それが店の外の往来に流れれば、たちまちこの一角は乱痴気騒ぎのパニックだろう。
しっかり店内のテントは密閉はしているが、うかつにも表の看板を「開店中」にしたままで。
タイミング悪く訪れてしまったものや、この店からほんのわずかにもれる香の匂いに惹かれてしまったものは、
出入り口の天幕を開けば、この香の餌食となってしまうかも知れない。
小さな薬師はそんな予感を感じる由もなく、鼻歌交じりに鍋の中の具材をかき回していた。