2020/09/09 のログ
ご案内:「王宮図書館」にフォティアさんが現れました。
■フォティア > シンと静まり返った王都マグメールの王城にある図書館の一角。一般にも開放された、深閑をたたえた空間に、はらりと髪の擦れる音が響く。
折り重なった古書独特の匂い、しんと静まり返った空気の中、堆い書架の一角にて年若い銀髪の少女が梯子へと腰掛けて、古書のページを捲っていた。
背表紙から読み取れるタイトルに、好奇心を掻き立てられればそれを手にとって、それを確認していく。
次々と本を膝に置いて、一見無節操な乱読状態。
しばし、そうして本を積み上げていれば、さすがに膝が重くなってくる道理、ゆえに表情が苦笑を帯びる。
「………さすがに、少し棚に戻したほうがいいかな。でも、さすがに王宮図書館、蔵書の桁が違うというか……ああ、でも、もう少し、子供が喜びそうな冒険物語が豊富ならいいのに」
貸本屋を営む少女は、そんな贅沢な呟きを零しつつ、梯子に向き直って本を元の場所へと戻そうと手を伸ばす。
梯子の中段に足をかけ、少しばかり不安定な危なっかしい体勢で、丁寧に一冊一冊を本来あった場所に戻していく。
「でも今日は、自分で読む本を借りに来たんだし」
そう独り言ちる声音はどことなく浮き立っていて、久しぶりの定休日に趣味の読書用の本を見繕いに来た様子。
■フォティア > しばし楽し気な鼻歌とともに、書架に掛けられた梯子からはページを捲る音が響き──やがて、時間とともに消えていったという。
ご案内:「王宮図書館」からフォティアさんが去りました。