2020/09/02 のログ
ご案内:「乗合馬車」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 4頭立ての大きな馬車が街道を往く。
王都に近づき、徒歩で移動する大きな背負い袋の商人や武装した剣もぴかぴかに磨かれ気合十分の冒険者、頭に水瓶を載せた母娘の姿もちらほら。そんな中をひずめの音を鳴らしながら、中の乗客を王都へと運んでいく。
各部を金属で補強され、予備の車輪とスタック用のシャベルを括り付けられた馬車は乗合馬車で、8人分とその荷物を収容できるスペースがあった。
何人かがそこに思い思いの姿で座って居る。
そのうち1人、褐色肌の冒険者は眠りこけていた。
日除けの織り布が下げられた小さな窓から日差しが横顔を照らす中、鞘に入った曲刀を両腕で抱えて、すやすや。
夏の間ダイラスに滞在し、熱い季節が終わったので王都へと舞い戻ってきたのだ。
先日まで急なギルド依頼が入っていたために睡眠をとっておらず、馬車の乗り心地は最高の揺りかご。
馬車内の治安はあまりよくないのを知っているが、いつしか夢の中に意識を泳がせていた。
馬車内の他の人影にも構わず、無防備な寝顔を晒して。
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。
■エイガー・クロード > 馬車を停めて、その中を見て確認するのもまた王都を守るものの勤め
といっても本来は騎士階級のものがやることではないのだが
そんな雑用を半ば強引に任されたのが彼である
もっとも、別にこういう仕事も嫌いではない。なにもなければなにもないままだから
馬車が王都へと近づき、検閲を行われていく
一部商人が苦い顔をしたが、手荒にはしないと言うと少し安心した顔をした
そして馬車の中、一人だけ降りない少女がいるのを確認して
「あら?お疲れの寝坊助さんかしら…起こすのは忍びないけど…」
申し訳なさそうに、一人の、女性のような化粧をした騎士が少女を起こそうと籠手に覆われた右手を伸ばした
■タピオカ > 検問のための静止を求められると、御者は被っていた帽子を脱いでぺこりとお辞儀をする。慣れた手付きで手綱を引けば、緩やかに4頭の足並みは遅くなっていく。乗合馬車の運行責任者でもあるその御者は乗合馬車と御者台とを隔てる垂れ幕をめくると入っていき、停めた理由と人相改めのために外へ出るように指示する。
客の何人かはぐずつくものの、概ね素直に従った。
外に顔を出せば、王家に認められた貴族のみが着用を許されるマントの紋章が目に入ったからだ。その家が王都の防人として長らく努めていた事を知る老人は特に、慌てて馬車から降りていく。
そんななかぽつりと取り残された褐色肌の冒険者と言うと。
すー。すー……。
すっかりと熟睡で軽い寝息をたてていた。
騎士が右手を、篭手に覆われた触手を伸ばしていても反応を見せず。変わらず、心地よさそうに瞳を閉じていて。座席にもたれるような寝姿で。緩んだ襟元から鎖骨を覗かせていた。
■エイガー・クロード > 検閲は概ねつつがなく進んだ
こんな没落寸前でもわかる人はわかるのだな、と少し思いながら目の前の少女に目をやる
褐色の、冒険者。おそらく長旅だったのだろうすやすやと寝息をたてている
少々気まずいが、仕事である以上は仕方がない
「ほらほら、起きなさい。もうすぐ王都を着くんだから、ね?」
そう声をかけながら肩を軽く揺さぶった
■タピオカ > 「ん……。
ふぁ!はっ、……は、はい……!
えっ、あ、……あー……、あはは。
ごめんなさい、馬車に乗るまで丸一日以上眠ってなくて」
肩を揺さぶられて、ぱちりと青緑の瞳を開くが。
やや寝ぼけ眼気味に状況を掴もうと必死。
馬車の中と外、乗客が皆降りていることと目の前の騎士の姿。そして穏やかに手招きをする御者の姿に事態を察すると、気恥ずかしそうに頭を下げながら。荷物を背負い、自分も車外へ。
■エイガー・クロード > 「いいのよ。降りれる?」
そう聞きながら手をさしのべる
可愛らしく驚く彼女に優しく微笑む
「ほら、手をつかんで。今は安心していいのよ」
そう言いながら、彼女を安心させるように目線を会わせる
■タピオカ > 「うん、大丈夫。……えへ、ありがとお姉さん。
いつもは冒険者ギルドとか船乗りとか、荒っぽい人しかそばに居ないから。馬車から降りるのに手を伸ばしてもらえるなんてちょっとくすぐったくて嬉しいな」
幼少期を奔放な遊牧生活ですごした褐色肌の冒険者にとって、相手の喋り言葉が性別の判断基準だった。
彼を優しい騎士のお姉さんと認識しつつ、その真摯さに目元を綻ばせ。
何の疑いもなく相手の手を掴んで馬車の外へ降りようと。
■エイガー・クロード > 「あらあらアタシのことをお姉さんなんて、嬉しいこと言ってくれるじゃないのよ」
嬉しそうに笑いながら純粋な少女の言葉に頷く
「段差に気をつけてね?」
そう言いながら馬車から降りるのを手伝う
他の客たちはまだかまだかとその様子をイライラしながら一部見ているのを感じた
■タピオカ > 「はーい、お姉さん」
彼の手を掴んで、馬車の外へと降り立った。
そんな自分たちの様子に腹を立てている人を見かけると、何にイライラしているのか不思議そうに首を傾げ。ぺこりと頭を下げる。
「えっと……。怪しい人が馬車の中に居ないか、危ない荷物を持ち込んでいないかお姉さんが調べるんだよね?
身体検査とかもするの?」
他の客たちや馬車内への確認はもう終わったところだろうか。相手を見上げて語尾を上げ。
■エイガー・クロード > イライラしている一部を見ても涼しい顔をして少女を下ろす
彼らも国の騎士の手前、決して野蛮な真似はしないだろう
「えぇ、合ってるわ。身体検査も念のためにね?
ごめんなさいね」
そう言いながら馬車の中を他の雑用と共に確認していく
勿論その中にいた冒険者たちも全員だ
一部…少女への確認に鼻息を荒らげるものもいるが…
■タピオカ > 「ううん、お姉さんもお仕事だもの。どこに悪い人が居て、いつ入ってきて、王都の住民を困らせるかわからないから仕方ないよ。だから、どうぞ。
これが僕の荷物。冒険に必要なものと、保存食と水。砥石にランタン。あとは、替えの下着」
ゆるく首を振って。そばの木のたもとによく使い込まれた背嚢を置くと口を開く。中を覗かせて危険物やご禁制の品が無い事を示した。少し気恥ずかしいが、衣類も確認してもらう。
「あとは、身につけてる愛用の曲刀。中に仕込みはしてないよ。それから、笛。
他に持ち物は無いよ」
荷物を終えたら、自分自身の番。
曲刀を腰布から鞘ごと引き抜き、柄に物品を隠していない事を示し。同じく笛も、ただの横笛だというのを証明するように見せ。
それから脚を揃えて立ち。両手を軽く上げて。
身体に何も身につけていないのを確かめてもらおうと身体検査を求める。
■エイガー・クロード > 「ふふ、とても嬉しいこと言ってくれるじゃない。
アタシはエイガー・クロード。あなたのような綺麗なお嬢さんのお名前を聞かせてもらってもいいかしら?」
そう聞きながらも中のものを確認する
特に冒険者としてはおかしなものはなく、つつがなく終わりそうだ
「乙女の着替えまで覗いて本当にごめんなさいね。王都についたら穴埋め代わりにいい宿紹介するから」
そんな少女の身体検査を始めようと鼻息を荒らげた男を押し退けて自分で行う
ブー垂れる男のスネを蹴りながら、優しく、慎重に、丁寧に仕事を始めた
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。
ご案内:「乗合馬車」からエイガー・クロードさんが去りました。
■タピオカ > 「僕はタピオカだよ。あは、綺麗なんて……。ありがと、お姉さんにそう言ってもらえたら嬉しいな。
よろしくね、エイガー……、卿?エイガー……、さま?
うーん、……騎士様には礼儀をもって接しなきゃいけないんだろうけど。僕苦手で。……だから、エイガーって呼んじゃうね。よろしく、エイガー姉さま!」
はにかむよに笑いながら、騎士位を持つ相手への敬称にしばらく迷って。結局は気安い呼び方になれば、笑顔綻ばせ。
「いいよ、気にしないで。
エイガー姉さまの紹介なら、素敵な宿なんだろうな!
ちょっと期待してるよー」
ゆるく首を揺すって。雑用係らしき男の人とのやりとりにふっと笑う。きっと上下関係があっても仲が良いんだろうなあと微笑ましく。
彼が篭手と、生身の手で触れるところは何ら異常はない。
薄い、子供のような柔い肉付き。
両脇の下にも、少年じみた腰つきにもほっそりとした腿にも、こっそりと物を吊るしたり隠している様子はなかった。
ご案内:「乗合馬車」にエイガー・クロードさんが現れました。