2020/08/18 のログ
ご案内:「平民地区/路地裏」に獣魔目録さんが現れました。
ご案内:「平民地区/路地裏」にミズホさんが現れました。
ご案内:「平民地区/路地裏」からミズホさんが去りました。
■獣魔目録 > 平民地区のとある裏通り。
通りから通り、通りから酒場や宿や冒険者ギルドのある区画へ、富裕地区から平民地区へとを結ぶ細い通り道である。
その裏通りは確かに各方面に移動するには近道となる通りなのだが、その呼び名の通り【裏】酒場や宿屋諸々の店の裏手を通るからなのか、薄暗く、人通りは殆ど無い治安的にもあまり宜しくない通りなのだが、今宵もまたポツンと人影がひとつ。
――…その人影は人通りなんて殆ど無い裏通りなのに何かモノを売っているようで、敷物も敷かず地面に直接正座をして座り、代わりに自分の前に小さな敷物を敷いて其処に商品を並べて、裏通りをぬけようとする者が通りかかるのを売り物に興味を持つものを待っている。
灯りを照らすなら、その人影は酷く小柄で少年少女あるいはドワーフなどの背の低い亜人のように見えるが、全身を襤褸切れのように穴の開いたローブを身にまといフードを被り口元以外をすっぽりと隠し覆っていた。
「……魔導書に絵本に1冊如何ですか。」
路地裏に静かな声色ではあるが以前よりハッキリと人影は売り物をアピールし、ちらりと見せる口元に笑みを浮べては誰も居ないのに笑みを絶やさない。
声質も何処かよりヒトに近づいたような、けれども耳の良いものが聞けば気持ちをざわつかせ微かにノイズに似た歪み交じりの声ではあった。
さて、そんな笑みで声で売ろうと露店で扱っている商品は数冊の本。
可愛らしい絵柄の童話の本
如何にもな本格的な小説
タイトルの何もない怪しげな本
それと魔獣の皮で装丁された魔導書
他にも数冊の本が並べられている。
もし、通りかかった人間が本を手に取り中身が読みたいと言えば、人影は喜んで本を渡しどうぞと頷くだろう。
もし、ほしいと言えば喜んで人影はその本を売るだろう。
どの本を選んでもそれはもう嬉しそうに人影は応える。
■獣魔目録 > 「……売れないとマズいよ………。」
人影は本が1冊も売れないことに落胆した様子で、傍目から見ても多少オーバーな感じで両肩を竦めてから、ずーんと肩を落す。
どれもこれも【特別】な本である。
魔導書も童話も小説も怪しげな無名の本もどれもこれも。
そしてそれを売るのが使命であり、売らねば命の危険性すらある――…だから必死なのだ。
必死なのだが、場所が場所ゆえに人が通りかかる様子もない。
時々路地を覗き込む者達が奇異の視線を向けてくるが、こちらに足を向ける事は無い。
だから溜息をつく、肩を落す。
せめて、せめて1冊……売らねば帰れない
ああ長い夜を裏通りで過ごす事になりそうだ。
ご案内:「平民地区/路地裏」にネムさんが現れました。
■ネム > 夜の帳が落ちた裏通りは、間違って足を踏み入れるには暗くひっそりとしていた。
表通りの喧騒も、裏にまでは届かない。
仮に人気があったとしたならば、それは何か後ろ暗いものを抱えた者だろう。
事実がどうだかは別として、そう思わされる何かが、その暗がりにはあって――
そんな暗い通りに少女がひとり。
正確には少女とその腕に抱かれたぬいぐるみが1体。
猫のぬいぐるみの手には、小さなランプが提げられており、辛うじて少女の足元を照らしていた。
その明かりが、石畳の上に置かれた何かを浮かび上がらせる。
「―――?
こんなところで、お店を開いてもお客さん、来ないよ?」
どことなく眠たげな瞳を店主らしきローブの人物へと向ける。
ぼんやりしているように見えても、一応少女も客商売に携わる身の上。
どういったところでなら、客引きが良いのかということくらいは理解している。
それからすれば、どう考えても客など来ないだろう裏通りの露店。
何を売っているのだろうと、少し興味を持って足を留め。