2020/08/16 のログ
エレイ > 「──ってお前かい。ったく……で何か用かな?」

現れたのは知り合いの従業員。露骨にガッカリしてみせてから、仕事の話を始めて──。

ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「ロブームの城 謁見の間」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 玉座に座り、部屋の入口にある扉をじっと眺めている肥満体の男。
その表情は退屈そうに緩んでいるものの、しかし何かを待っている様でもあった。
城の最奥とも言える場所。そこで誰を待っているのかと言えば、今しがた攫ったとある王族の娘を救う、『誰か』を待っているのである。

「(偶には、こういうやり方も乙な物。人間達の語る物語を、なぞってみるのも悪くはない)」

魔王ロブームに攫われた、姫を救う勇者。
それを彼は待っているのだ。
勿論、人間が魔族の国の奥深くにあるこの城を探し出せる訳もない。
きちんと、この部屋に繋がる扉状のポータルと、『返して欲しければこの扉をくぐり、我が城に来い』という声明を書いている。

「さあて、誰が来るものかな……。騎士か、従者か……はたまた、本当に勇者が来ても、それはそれで面白いというものよ。
だが、どうせなら女が来た方が、楽しみは長く続くだろうが」

などとそんな身勝手な事を言いつつ。
男は、勇者と言う名の賓客を待つのだった。

ご案内:「ロブームの城 謁見の間」にレフェーリアさんが現れました。
ご案内:「ロブームの城 謁見の間」からレフェーリアさんが去りました。
ロブーム > 「……多少、演出を凝りすぎたというか、原典に近づけすぎたかもしれんな」

中々現れぬ"勇者"を待つ内、ぼそりとそんな事を言う。
考えてみれば、行方不明になった姫の部屋にぽつんと扉があるのは些か怪しさが過ぎる気もする。
罠を張っているつもりはないが、それは相手には分かるまい。ポータルを魔術的に調べれば、少なくとも扉自体に罠が無いことは直ぐに知れるだろうが。
無論、それを敢えて引き受けてこその勇者という気持ちもあるが、それを差し引いても些か不親切だったのは否めない。

「ふうむ。今度はもう少し工夫を凝らすべきか」

とはいえ、その声に落胆はない。
元々、思いつきだったのだから、次にやる時はもっと良いやり方をすれば良い。
ロブームの時間はうんざりするほど長いのだから。

ロブーム > ――男は、そのまま待ち続ける
ご案内:「ロブームの城 謁見の間」からロブームさんが去りました。