2020/08/05 のログ
ご案内:「忘れられた山小屋」にムラサキさんが現れました。
■ムラサキ > (それはとある山奥に建つ小さな小屋。かつては小さき神々や精霊、神主に巫女といった神聖なる存在・職のものは住んでいたとされるがその伝承も失われて久しい。気がつけば賊や魔性の者が住み着いている、なんて噂が流れるようになったとある山小屋。)
そこを知る大人は言う。そこには悪魔が住み着いているから近づいてはいけないよ、と。
ある子供は言う。あそこには悪魔じゃなくて神様が住んでいたんだよ、と。願いを叶えてくれたんだ、と。
流れる噂、話は人それぞれ十人十色。どれを信じるかはあなた次第。
ただ、満月の浮かぶ今夜。もしこの山小屋に訪れたのならば縁側に腰かけて酒を傾けながら月見を楽しむ小さな鬼の姿が見られるだろう。
決して鬼自身もこの小屋の主という訳ではなく、勝手に使っているだけであるけれど、満月に照らされて一人酒を嗜むその姿はどこか幻想的に見えるだろう。)
ご案内:「忘れられた山小屋」にアルファさんが現れました。
■アルファ > 晴れ渡る空から溢れる光に青みがかる森の木々が揺れる。来訪者が訪れた証。
柔らかな土を踏みしめる音が山の中にひっそりと佇む小屋にまで影が近づいた。
闇より濃い外套から覗かせる白い精悍な腕は扉にノックを叩こうとして、やめる。
闇の中でも微かに光る2つの薄紅の光は小屋の主が縁側にいると気づいて。
ゆっくり、軽快させぬように緩やかな足取りで向かってゆく。
そこで見た月光を受けながら酒を嗜む女性の姿に足を止め。
「夏の夜に月見酒かな。俺もご相伴に預かっても良いかい?」
縁側に佇む彼女からすれば右方向、入り口から壁伝いに庭に入り込んだ侵入者が小さく手をふる姿が見えるだろう
■ムラサキ > (はぁ、と吐かれる吐息は甘い酒の匂い。ふわりふわりと漂って夜の空へと消えていく。口の端からたらりと垂れた酒をぺろりと舐め取ってはコトン、と盃を傍らに置いて足を組み直し、微かに紅い顔をそちらの闖入者の方へ。ギラリと鋭い瞳は美しくもありながらどこか獰猛さを感じさせる危険な女の香りを匂わせて。)
なぁに、だぁれ あなた。
鬼が住む館に来たのなら供え物の1つや2つ持参したんでしょうね?
(街に流れるる噂。それは神か悪魔が住む小屋。実際に今宵この小屋を占拠していたのは鬼であるのだけれど、そんな小屋にやってきたのだ。手ぶら、なんて事は許されないし供え物の1つや2つあって当然であろう。そうでしょう?
鬼はじっと品定めをするようにその闖入者の方へ視線を向けていた。)
■アルファ > 睥睨されても身動ぎせずに振っていた手を落とす。
睨めつけに意も介さず細めていた眸を緩く閉ざし。
「俺はアルファ。冒険者だ。
この山の麓にある村から山の調査依頼を受けた者だ。
鬼か、神か、聖霊か。子供がなにやら噂をしている者の正体が危害があるものかどうか確かめてくれとな」
再び目を開けて相手を見遣ると小さく唇を震わせ。
「この山に住まうものへ敬意を払いに来たんじゃない。
だからお供え物はないよ。
見た感じ獣でもないから話し合いが出来るかと思ったが」
心を読み取る力はないがその言動と睥睨は察するに余るものがある。
調査すべき者の正体がわかれば、無駄に敵対心を煽る必要はない。
無造作に黒髪を掻き上げながら相手に背を翻して。
「どうも俺はあんたに期待されるような客人になれそうにない。
村の奴らには適当に報告しておくよ」
そのまま静かに立ち去ろうとした。
ご案内:「忘れられた山小屋」からアルファさんが去りました。
■ムラサキ > ーーへぇ。
つまりあんたは斥候、ってこと。
相伴に預かる、なんていうから供えの酒くらい持っているものかと思ったけど。
なぁに?もしかして私の酒たかりに来たの?鬼の酒を奪おうなんて、随分と勇ましいこと。
(かたり、と音を立てて再び鬼は盃を手に持ち傾ける。こくり、こくり、と喉を慣らし酒を味わい、暫しの後に口を離して。ふわりと酒の混じった吐息を空へと放つ。)
(そして言うこと言って満足したのか、さっさと立ち去っていった男を見ればあれはなんだったのだろう、と思いつつも再び酒を傾ける。立ち去る前に捕まえてみるのも一興ではあったけれどどうにもそういう気分にもなれず。ただその後ろ姿を見送って。
彼は村の連中に報告する、なんて言ってたけれどされたところで特に困るものでもなし。もともと、あったから使っているだけの小屋。お誂え向けの噂もあったことだし。
村の人達が調査・討伐の為に兵を向ける頃には鬼の姿は既になく、空になった酒瓶がいくつか転がっているだけとなるだろう。)
ご案内:「忘れられた山小屋」からムラサキさんが去りました。