2020/07/22 のログ
ご案内:「湿地帯」にルルーエンさんが現れました。
■ルルーエン > 霧雨が降る、蒸し暑い湿地帯。雨で僅かに濁った水の上に古びた石造りの東屋が浮かび
その椅子に黒づくめの男が奇妙な形と幾何学の模様が刻まれた傘を傍らに、これもまた奇妙な瓶を
抱えて佇んでいる。隣にぺったりと座り込んでいる人の拳ほどの蒼い触手は手持ち無沙汰なのか
男の側にある傘をつついたり、足元をウロウロしたり、大きな不定形の何かが影となって濁った水を
泳いでいるのを眺めたり、背もたれに乗って霧雨を眺めたりしている。
「……………………」
人目から遠く離れた自然地帯。禍々しい自然物が多く存在し、中には町にも現われない
淫奔な存在が現れるかもしれない。自分がいる間は暫くお目にかかっていないが
もしも邂逅出来るなら、そういった淫らな存在をこねくり回す方法は幾らでもある。
しかし方法は増えて行くものの、ソレを試したのはタナールの砦以来で、男の身体にうごめく
触手も鬼も海魔も獣も淫らな存在にむしゃぶりつく事も出来ずすっかりご無沙汰であった。
といってもそれらの意思は全て男の物一つであり、大人しい物である。
霧雨が降っている。何かが現れる気配は今の所無い
■ルルーエン > 「ふははは、まぁこんな国では出歩くのは殿方ばかりで」
「人里離れた。淫らな魔族も大人しく洞窟で誰とも会う事は無いという訳ですな」
急に喋り出すのでぴょこんと隣の蒼い触手が跳ねる。蒼い触手はそうだそうだと言わんばかりに跳ねまわる
水の中の潜んでいた巨大な影がゆっくりとうごめくと、その衝撃で古びた東屋が揺れた。
男は特に気にしない。何故なら水の中の巨大な影もまた、男の中にいる魔物だからである。
欲求不満はいくらか気を紛らわす事が出来ても、身体を動かさずに男の人型の器の中に納まっているのは
身体が鈍る。なので最近はこうして、人里離れた禍々しい自然地帯で
自らの中にいる魔の一部をこうして泳がせているのであった。
「いや、しかし…来る日も来る日も暇ですな。」
「私もまた何処かで兄弟達の砦での仕事に混じるとしますかな…」
「いやはやそれもまた憂鬱ですな…」
男は一つ伸びると、合わせて隣の蒼い触手もゴムのように柔らかく伸びた。
ご案内:「湿地帯」からルルーエンさんが去りました。