2020/07/11 のログ
■チマキア > そうしていつも通りの時間を、一晩中でもすごしていた
ご案内:「娼館の廃墟」からチマキアさんが去りました。
ご案内:「ゴールドパーク邸」にアリアドネーさんが現れました。
■アリアドネー > 「ふんふんふーん。」
やたらと広い部屋の中、少女の上機嫌な鼻歌が響く。
目の前には背の高さよりも高いガラス張りの容器。
その中には血のようなモノを滴らせる悪趣味な大輪の花を咲かせた蔦状の植物。
背伸びしてガラス容器の上からぽいぽいと投げ込んでいるのは何の肉かわからない血を滴らせる肉片。
そして、少女の足の下には首輪だけを身に着けた褐色の肌の少女が四つん這いで台になっていた。
「ねえ、チョコ。
綺麗に咲いたと思わない?
やっぱりアリアが毎日ちゃんと愛情注いでるからかしら?」
主の声に足下の少女はくんくんと鼻を鳴らす。
誇り高かった南蛮の姫が言葉を喪って久しい。
そして、餌やりが終わる頃、部屋のドアをノックする音が響く。
「あら?今日は何か予定あったかしら?」
血に汚れた手をペットの少女に舐め清めさせながらドアへと視線を向ける。
今日は何かあったかしら……?
闘技場やオークションで買った奴隷が送られてきたのか、それとも慰み者にするために貧民街の斡旋所に張り出してあるいかにも怪しい高額な依頼書に釣られて冒険者が来たのか、それとも父親のオトモダチがやって来たのか……。
「なーに?入っていいわよ。」
とりあえず考えるのはやめにして、ドアの外に声を掛ける。
そして、恭しくドアを開いたメイドが連れてきたのは――。
ご案内:「ゴールドパーク邸」にディコック・シチフクさんが現れました。
■ディコック・シチフク > 裏で様々な貴族へと賄賂や融資を送っているゴールドパーク家、もちろん、自身のシチフク家も賄賂を受け取っており。
様々な便宜を図ったり、派閥貴族へと紹介したりと受け取ったものへの見返りは十分にしている。
表だけでなくこういう裏に強い豪商は使い勝手も良く、比較的懇意にしている為、時々ではあるが屋敷に招かれては饗応を受けていた。
「今日もそんな日だと思ったのだが、な。
娘の事だけは目に入れても痛くないと豪語するくらい可愛がっていると聞いていたが、それだけこちらとのコネを強くしたいということか」
自身の従者を伴いメイドに案内されて娘の部屋まで歩き、メイドがノックをして入室の許可が出て。
それから開かれたドアをくぐり、室内へと入っていきまじまじと見るなど不粋な真似はせず一瞬だけ室内へと視線を動かす。
それから胸元の露わなドレス姿の少女へと視線を向けると、後でドアが閉まる音を聞きながら、にこやかな笑顔を浮かべて軽く礼をする。
「初めまして、アリアドネ―嬢。
私はディコック、貴女の父上と懇意にさせて頂いている者でね。
父上から今日は貴女がもてなしてくれると聞いて、こちらに参上したのだが、宜しいかな?」
室内に飾られている様々なモノ、そして首輪だけで全裸でいる褐色肌の女は目に映っていても目に入っていないかのように振る舞う。
実際、もっと異様な部屋というのは見慣れている為、これくらいならば驚くほど絵でもなく笑顔で少女の方へと歩み寄っていく。
ただ、一緒に入った従者のびくっと震えるような気配を感じては未熟者めと心の中で罵って。