2020/06/20 のログ
ご案内:「王都平民地区 屯所前」にシゲンさんが現れました。
シゲン > 昼。日差しは日に日に強さを増しているようであるが、今はまだ日陰に入れば風が吹き心地良い
とは言え、手配書の張り出された掲示板を見上げる冒険者、賞金稼ぎ達は皆一様に額に汗を浮かべている
そんな中で自分もご多分に漏れず、額の汗を手拭いで拭いつつ適当な賞金首でもいないものかと、
手配書を眺めていたがそう簡単に都合にあった賞金首がいるわけもなく難儀をしているわけである

「馬車襲撃犯…グループで3000ゴルド…人数不明の為、追加賞金もあり…単身では一寸…パス
 グリフォン…番と思われる。目撃場所、九頭龍山脈森林地帯…広すぎだし、遠い…パス
 王都襲撃未遂犯…ミレー族男性…あああ、政治がらみはパス。面倒くさい…」

他の冒険者、賞金稼ぎに混じって掲示板の前でぺらぺらと張り出された手配書に目を通すが、
どれもこれも、手間に対して賞金が少なかったり、賞金は良いが情報が少なかったり…
早い話が王都内に潜伏していて、割合、手頃に捕縛できて情報も集めやすい、そんな手頃なものを探しているが、
そんな奴は大抵、既にとっ捕まっているか、人知れず王都内を流れる水路に浮かんでいるかなのである

「楽に一月ほど暮らしていける金を手に入れる方法はないものか…
 人並みの食事と清潔なベッド、それさえあれば後は何も要らないというのに…」

やれやれ、と思いつつ掲示板から離れれば張り出した屋根が作る木陰に退避する
相変わらずパラパラ、と掲示板の前には人が集まり、時折、如何にも腕の立ちそうな人物であったり、
修羅場を掻い潜った顔付きの一行がビリッと手配書を手に勇ましく去っていくが、はてさて、
何人ほどが帰ってきて賞金を受け取っているのだろう?
誰かが帰り誰が戻ってこないのか、興味はないが金は欲しい

シゲン > 日差しを避けることができれば日向に立ちっぱなしでいるよりは涼しく過ごしやすい
手拭いで目を覆いぐったりとしているうちに、何か奇跡のようなことが起きて金貨でも降ってきやしないか、と
馬鹿げた妄想をしていたが一向に奇跡が起きる気配はなく、何時までも日陰でぼんやりしていても仕方ない、と
立ち上がれば再び掲示板に近づいていき、一番近くにあった掲示物をひったくるようにビッと手に取る

記載されている賞金首の情報を見れば、次第に表情が険しくなっていく
しかし、働かねば腹は減る一方…こればかりはどうしようもない、と目を通した掲示物を懐にしまい込めば
通りを吹き抜けていく風に背中を押されるようにして、人の波に紛れて消えていくのであった―――

ご案内:「王都平民地区 屯所前」からシゲンさんが去りました。