2020/06/18 のログ
アントワーヌ > 追い駆けてきた彼らが口々に罵詈雑言を吐き散らし、
乱暴に彼方此方のガラクタを取り払っては獲物の姿を探いている間、
己はずっと身を硬くして、様子を窺うこともせず――――

呟く声音におずおずと顔を上げれば、いつの間にか相手は再び、
其の姿を露わにしており。
婚約間近の青年貴族、である筈の己が、『同じ』男性に抱き竦められている、という事実に、
そして、囁くように告げられた言葉に、今度こそ頬が真っ赤に染まるのが解った。

「―――――肝に、銘じておきましょう」

俯いて、辛うじて其れだけ応えたが。
大通りに出て、無事、馬車へ乗り込む頃にも、恐らく頬は紅い儘。
相手に直接礼を告げたのは、己では無く近習の男であっただろう―――――。

ご案内:「王都 裏路地」からアントワーヌさんが去りました。
ご案内:「王都 裏路地」からマレクさんが去りました。
ご案内:「ある地下迷宮の地上部」にエゼルさんが現れました。
エゼル > そこは王都からさほど離れてはいない、冒険者たちの主戦場とも言えるダンジョン。
──しかし。ダンジョンを訪れた女に用があるのは、ダンジョンの内部ではなく、その「外」であった。
外はどうなっているかと言えば、古い時代の都市が形を残す、広大な廃墟になっている。
ところどころに冒険者がキャンプを張り、緩い形でお互いの安全を担保し合っている。
女の仕事は配達人で、こういう場所を巡る趣味も無いので、訪れた理由は当然仕事だ。

エゼル > 女が勤めている配達屋は、ダンジョンを攻略せんとする冒険者向けのサービスを随分前から商いにしている。
さほど珍しい技術でもなく、それを可能とする道具もある遠話魔法を用いて、道具や装備の配達を行うというものだ。
これが中々好評を得ていて、冒険者しか訪れないような場所に配達を行うことは女にとって、珍しい事ではない。
ただ、気を付ける必要があるのは、この辺りもダンジョンを徘徊しているような魔物の類が出没するということだ。
女は今、キャンプ地とキャンプ地の間あたりを走っている。周囲は廃墟で、人の気配は無い。
人の気配が無いのと、魔物の類の気配が無いという話はまったく別。魔物の気配は、種類にもよるが人より分かりにくい。
荷物を積載した背負子を背負い直し、気合を入れ直してテンポ良く走っていく。

エゼル > 足元の煉瓦が割れていればそれを飛び越し、怪しい沼が有ればそれも飛び越し、
袋小路に行き当たれば、左右の壁面を立て続けに蹴って三角飛びで飛び越し──
時折三次元的な動きを織り交ぜながら駆けていく姿は、長身に加えて女性らしさに満ちた体型とは思えない身軽さであり。
その身軽さの正体は耳や尻尾を見れば、獣人族由来のものだと一瞥で判ぜられるだろう。
特別夜闇に強い種族ではないにせよ、一般的な人間に比べれば夜目も効く。
全く月も星も見えない夜空の下では流石に難儀しただろうが、今日のような普通と呼べる天気であれば、困る事は無い。
体力配分を考え、少し速度を落として、辺りに視線を配りながら配達先を目指す。

ご案内:「ある地下迷宮の地上部」にライヨウさんが現れました。
ライヨウ > (ダンジョン地上部の廃墟となった都市の一角、元は街を流れる水路だったと思われる水の流れ、その源流…今は風化して湖の様になってしまっている場所にキャンプを張っているのは一人の男…ダンジョンの入り口からは離れている所為か他の冒険者達のキャンプは周りに存在していない所為で孤立しているのだが、水とそこに住む魚によって食料が確保出来る事からこの場所をキャンプ地と決めた要因だった)

「良い場所なのだが、流石に魚尽くしには飽きて来たな…明日辺りには荷物が届くと良いのだが…」

(ダンジョンから連絡員を通してギルドへ荷物の配達依頼が無事届いていれば明日辺りには荷物が届くだろうか…そんな事を考えながら
物資の残りを確かめていた)