2020/06/02 のログ
■ソラム > 「おろすよ」
短くそう言うと彼女の両手の中にその剣をそっと預ける。
手が自由になったからか右腰からホルスターごと取り出すとホルスターから抜いたハンドガンを眺める
■リス > 「はい、お預かりいたしますわ。」
バスターソード、その剣は、それだけで重くなり、十分な破壊力を持つ剣、剣というよりも大雑把な鉄塊である。
そして、見た目の金属の重量より、重たく、そして―――黒い色。
成程、と小さくつぶやくのだ、これは、普通の武器ではないというのは見た目でもわかるが、なるほどなるほど。
「ブラックメタル……ですわね。高純度の。」
特殊な金属というのは何処にでもあるものだ、光を吸い取るような艶の無い黒、そして……見た目よりもずいぶんと重たく感じるのは、感じるだけではなくて実際に重いのだろう。
固く強い金属であり、後、その色から黒騎士を名乗るものがよく身に纏ったり。
リビングアーマーなどの動く鎧、それらの素材としてある。かなり珍しい部類になるけれど。
自分の部下の一体が、たまたま持っていて、それを見たことあるからこそ、判ったものだ、謎の素材と言われてもうなづける。
「……そうですわね、これに関しては。ええ。ええ。あまりにも少なすぎるので。
砥石自体が存在しておりません、ですので、お時間を頂いて、お創りし、ご自宅にお送りする、という方法になりましょう。」
それでよろしければ、ご用意は可能ですわ、と少女は笑う。
珍しいものを作りたがるドワーフさんがいる、こういうモノをお願いすれば、喜んで作ってもらえるだろう。
それを送ればいいのだ、と。
「ありがとうございました。」
少女は両手で刃のほうをつかみ、彼女に柄を差し出して返す。
■ソラム > 「ありがと」
そう言って剣の柄をそっと握り背中に吊るすと店長の提案に同意するようにコクリと頷く。
■リス > 「畏まりました。ではそのようにさせていただきたく思いますわ。」
ブラックメタル用の砥石を作り、彼女の家に送る話しで固まりそうだ。それは問題はない。
なので後は、下世話、と言わざるを得ないが必要な話が出てきてしまう。
それは、無論の事であろうが。
「さて、それではお題のほうは如何しましょう?」
順当に考えるのであれば、今納品できる二つの代金を今支払ってもらい。
砥石のほうは完成し、届けた際に受け取るというほうがいいだろう。
少女はその方向で考えているが、彼女はどう考えているのだろうか、と。
もっと別の方法とかがあれば、それも、と。
■ソラム > 「とりあえずは代金払うよ」
そう言うと懐から財布を取り出して、代金の金額を調度支払うと、
「......荒れるな」
窓の外の曇った空を見てそう呟く。
■リス > 「はい、では、まずは……白銀用の砥石のお値段と、火薬のお値段です。
流石に、ブラックメタルの方の砥石は、今から作るのでお値段が出せませんので。」
代金というのは素材や手間などのコストがかかり、其処から算出されるべきものだ、前例のないものの値段を先に決めているなどはできない。
だから、今は売れるものの方の値段だけを受け取ることにして、それを受け取って見せた。
そこから、彼女の視線を見る、外のほうに向けられている。曇り空なのは見えるが。
「荒れる……?」
天候が悪くなると、妹が元気になるわねぇ、とそんな思考が一つ零れるのは竜故か。
しかし、急な話題の変化で、天候の話題なのだろうか、と思うのだ。
だから少女は、もう一度窓の方を見て、彼女に視線を向ける。
「天気、のお話、ですか?」
竜はヒトと違う感覚を持つ、それも、様々いるから自分の感覚と彼女の感覚が同じとは思わない。
だから、問いかけることに意味が生まれ、少女は、不思議と思ったことを問いかけた
■ソラム > コクリと頷き肯定すると
「.....一回天気の予測を怠って豪雨の中を走ってたから.....」
自身の苦々しい思い出を短く語る。
■リス > 「ええ、ええ。そういう時はフード付きの外套を着ると良いですわ。
素材によれば、雨濡れをかなり低減してくれるものもありますし、防寒にも役に立ちますもの。」
雨に濡れるというのは、実は少女の一族は嫌がる理由はない。そもそも親が海竜なので、水にぬれるとむしろ元気になる。
特に三女は台風の中だと全裸で走り回るぐらいにテンションをあげていくレベルである。
とはいえ、それは自分たちの常識、なので、彼女が苦い笑いで伝えてくれるのであれば。
少女は冒険者さんたちのお話を思い出しつつ、こういうのがいいですよ、という事で提案を一つ。
そんな、話をしている時におずおずと近づいてくる店員が。
何かしら、と視線を向けてみれば、何か大事な来客とお話があるそうで。
「申し訳ありません、お客様。
少し、私が対応しなければならない懸案があるようでして。
彼女に対応を引き継ぎますので、何かありましたら、お気軽にお申し付けくださいまし。
それでは、良いお買い物を。」
少女はペコリ、とお辞儀を一つ。
そして、別の店員に連れられて、降りていく。
彼女の脇には別の店員、買い物や道案内は問題ないはずである。
そんな一幕―――
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からソラムさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋」にジェイクさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「街道」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都から離れる事、半日。昼下がりの近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を凝らすための手段に他ならなかった。
「――――よし。次の奴、こっちに来い。」
でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。
ご案内:「街道」からジェイクさんが去りました。