2020/01/30 のログ
ご案内:「路地裏」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 住宅地や雑貨屋が並ぶ平民地区の一角に、
許可を得て空き地に建てられたテントからは、美味しそうな甘い匂い…とすら言える芳香が漂っている。
「ふふーっ♪ いいにおい… これなら、どんな美味しくないお薬も、
あまーく…おいしく飲めるんじゃないかな?」
王都の各地にテントで店を開いている少年薬師の、住居 兼 店舗。
そのテントで、弱めた焚き火のとろ火で煮込まれている鍋の中身は、
チョコや飴菓子、果物にクリーム… 様々なニュアンスを感じる、
お菓子作りの最中のような甘い香りが漂って、とても薬作りの最中とは思えない。
その鍋の前でちょこんと座りながら鍋の中の煮詰まる薬の面倒を見ている少年薬師。
あたたかそうに焚き火の火にもあたりながら、穏やかな時間と香りにうっとりとまどろむ
なんらかの、そのままでは苦くて飲むのが困難な薬を、
甘く、おいしく摂取できるようにする研究中のようだ。
ご案内:「薬屋のテント」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「平民地区/古本屋」に獣魔目録さんが現れました。
■獣魔目録 > 平民地区の一角にある古本屋。
評判も品揃えも悪くない、平民地区の本好きならお店の名前くらいは聞いたことがあるくらいの知名度の古本屋である。
かなり古くからそこで古本屋を営んでいるようで、今は3代目である少年が無くなった両親からお店を引き継いで1人で切り盛りしている。
眼鏡をかけた可愛らしい少年が店番をしている古本屋はどこですか?と訪ねると十人に八人くらいは名前をあげる、そんな古本屋である。
だがその古本屋、普段であればお店がOPENしている時間のはずなのに今夜に限って何故かシンと静まり返っていた。
出入り口のドアは開いている、室内は天井から釣り下がるランプに灯りが灯っている。
外から中を覗ける大きな窓から中を覗いても、ガラス扉越しに店内を覗き込んでも、店主である少年の気配は無い。
なのに今の今まで誰かが居た気配はある、あるのだが……実際にその姿は見えない。
さて、話は変わるがその古本屋の店主である少年が仕入れることに成功した魔導書がある。
オークションにかけられる程の希少価値のある本ながら、どうも古美術商から購入したらしき希少な魔導書。
その名を「獣魔目録」と言う。
古今東西、大陸に巣食う魔獣で一度でも人の眼に触れた事がある魔獣であれば全て網羅され、その生態から繁殖方法から弱点まで書かれた魔導書であり、その書の頁に記述された魔獣であれば召喚術の適正がなくても、その名を認識するだけで召喚する事が出来る上に、テイマーでなくても一度だけ交渉することが可能という、ある意味で希少であり貴重であり誰でも容易く力を手に入れることが出来る可能性を秘めたものである。
古書が並ぶ書架が四つほど、人の膝丈くらいの高さの台が幾つか並び、奥には代金をやり取りする為のカウンターと更に奥に居住区に繋がるドアが有る、それに今夜に限っては居住区に繋がるドアまでもが半開きで、盗賊に入り込まれた?にしては荒らされた形跡も無く、不思議な事になっている。
ただひとつ、あえて言うのなら魔術に適正のある人間が一歩古本屋に踏み込めば、その身に凄まじい嫌悪と怖気が走るだろう、まるで竜の巣にでも踏み込んでしまったかのような、そんな感覚、だが其処に竜はいない。
代わりにカウンターには1冊の本が開いた状態で置かれている。
其処に目を向けるなら、丁度そのタイミングでぺらりと誰も触れても風すらないのに1枚だけ頁がめくれる不思議な光景を眼にするだろう。
その頁に書かれているのは【ミミック】なのか【ドッペルゲンガー】か【フロートボール】か【ヘルハウンド】か、それとも他の魔獣なのかは近づいて書を覗きこまないとわからないだろう。
――…耳を澄ませば聞えるヌチッと粘り気のある液体が捏ねられ空気を混ざる音、それは獣魔目録から既に召喚された魔獣の足音か、それとも居住区の奥で何か起きているのか、それもまた見に行かなければ判らない。
書を手に取るのか、それとも居住区の奥を探すのか、好奇心か善意か、それにより今宵古本屋を訪ねた人間が何を見て何を感じるかが変わるだろう。
■獣魔目録 > ――…一歩、鍵のかけられていない扉をあけて一歩でも古本屋に踏み込めば感じるであろう嫌悪感は好色な男の眼差し、怖気はそれに加えて獣が獲物を見定めるような眼差し、それが入り混じった物、それが書架の隙間からカウンター越しに、天井から奥の半分だけ開いた居住区から、古本屋のあちらこちらから感じよう。
より深くそれを探ろうとすれば視線だけではない、微かに輝く何かの眼が無数に見つかり、それらは視線が重なるとすぅっと消えて、またどこかで眼が開かれる。
獣魔目録が呼びし物か、それとも店主の視線……ではないだろう、だが現実として古本屋には無数の視線が蔓延り、足を踏み入れるものを卑猥な視線で値踏みする。
ぺらり、また頁が一枚めくれる。
ぺらり、ぺらり、ぺらりと……次々に頁がめくられる。
だがそれでも視線は消えず、消えないどころかますます視線は明確なものとなり、灯りのついた古本屋の物影という物陰から視線はザワと鍵の開いた出入り口の扉へと向う。
そして、ぐちゃ、と濡れた肉が落下する音がひとつ。
半開きの奥の居住区より響くと、ふわ、と獣臭とは違う生臭い香りが其処から店内へと広がっていくのであった。
居住区にもし踏み込んで店主を探すのであれば、お店の奥にある半開きの扉を開けて、つながる短い廊下を進むと二つの扉が見える。
店主が在宅か明らかに光の漏れた部屋と奥に浴室のある脱衣所らしき部屋からも光が漏れている。
店主がいると思われる部屋からは漏れた光に時折揺れる影が。
生臭い香りは脱衣所のほうより匂い漂う。