2019/09/22 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──くーわわわ……」
──そんな中の一室で、施術台の横の椅子に座って待機しながら大欠伸をかましているのは、スタッフ用の作務衣に身を包んだ金髪の男。
男は正規のスタッフではないが、スタッフの一人である知り合いの頼みでヘルプとしてこの場に入っていた。
一応、名目としては冒険者としての依頼という形にもなっており、報酬も出すとのことなので、男としては断る理由もなかった。
──で、そんな事を定期的に繰り返しているうちに、男のマッサージは客の間で徐々に評判に
なりつつある、というのを知り合いから聞かされた。
男としてもここ最近妙に指名が多いような気がしていたが、どうやら気の所為ではなかったらしい。
まあ、評判になっているというのであればそれは良いことだと思う。
思うのだが──
「いや、それはいいんだが……俺様は一応冒険者なんですがねぇ。なんかもう
流れのマッサージ師にでも転身してやろうかにゃあ……おおっと?」
なんて、男個人としてはなんというか複雑な胸中をブツブツと吐き出していると、
ふとカーテンが開く音がして我に返り、顔を上げる。
さて、訪れたのはマッサージを所望の客か、それとも──
■エレイ > 「──何だお前かという顔になる。……ぬ、なんだと? ちゃんとこっちまで来いと言いたいところだが、
しゃあねえな……こう誘いがあっては一人の時間も作れない」
カーテンの向こうから顔を出したのは知り合いの従業員。
客の一人がマッサージを所望し、加えて男に部屋まで来るよう要望している旨を伝えられ、
そんな文句めいたセリフを吐きつつも口元は緩めながら、立ち上がり個室を後にした。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。