2019/09/05 のログ
レイン・レジネス > ただ壁の傍に立って空間を埋める客――というのも、迷惑なものだ。
それは流石にわきまえているのか、女はふらりとカウンターへ寄る。

「お酒」

『どの酒だよ』

注文の適当さを店主に咎められながら、幾つかのやりとりを経て果実酒を注文する。
甘ったるい酒だ。酔うより先に腹が膨れそうな程の。
グラスを早々に空けて、女はまた壁際へ戻った。
店内の人の数は幾分か減り始めている。家へ戻る者、宿へ戻る者。
未だ酒場に残っているのは、生きる主の舞台が夜である人種ばかり。
空席は出来た。だが女は未だに壁際に立っている。

「……買うのはいいけど、無茶が効かないからなぁ」

給仕の娘はそんなぼやきを聞こえぬふりをして、ことさら視線を逸らして通り過ぎていく。

レイン・レジネス > 「――っ、と」

気付ば、ずいぶんと時間が過ぎていた。
寄りかかっていた壁を枕に、僅かに意識を飛ばしていたのだろう。
宿の中の人数は更に減り、あれだけ賑やかであった空間も、物寂しい空気に染められている。
嘆息と共に女は、最後の一杯の酒を求めた。
眠って抜けた酔いを足し、僅かに揺らぐ視界のままに帰路へ。
屋敷に辿り着く頃には、結局はこの酔いすら抜けているのだろうが。

ご案内:「王都マグメール平民地区 酒場」からレイン・レジネスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の露天」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 小さな旅館が抱えるには、あまりに広い露天風呂
無色透明の温泉を今日は独り占めである
ご機嫌そうに、少年は鼻歌を歌う、綺麗な音色が夜の露天に響いて

「ふふーん、おーんせん、おーんせん♪」

温泉が大好きな少年はゆっくり肩まで浸かる。幼い顔をふにゃふにゃに崩して

シャルティア > あたたまると温泉から出て、とたたっと脱衣所に駆けて温泉から去っていく
ご案内:「九頭龍の露天」からシャルティアさんが去りました。