2019/09/04 のログ
ご案内:「王都マグメール平民地区 酒場」にレイン・レジネスさんが現れました。
■レイン・レジネス > 景気の良い話と、酒と食事。それがあるところに人は集まる。
王都内のとある酒場は、夜間とは言え活気に満ちていた。
ギルドに併設されたこの酒場には、仕事や酒を求める冒険者と、冒険者を探す依頼者。
或いは酒で緩んだ懐を狙う娼婦。或いは情報を売る者。多種多様の人間がいる。
だから地区の雰囲気に似合わぬ衣服だろうが、この酒場ではさして気にされない。
「賑やかで良いこと……だとは思うけど、うん。人の圧力が凄い……」
椅子が埋まっているからか、その女は酒場の壁に寄りかかっていた。
疲れたような気怠げな表情だが、それは常の事。
寧ろその目は冷徹なまでの厳しさを以て酒場の中を見渡している。
探しているのだ。
何を、か。
「……あ、あっちの子は……割とかわいい」
身も蓋もなく言えば〝この夜の獲物(あいて)〟であった。
共に暮らす相手と言えば従者ばかりの寂しい身の上。一夜限りの相手を探すことは珍しくも無い。
が、育ちの良さか選り好みの激しい女だ。
人の溢れる宿であるが、中々壁から離れようとしないのは、気に入った相手を見つけられない為。
「……なんだか、こう。壊れにくそうな子、いないかなぁ」
呟いた言葉に、通りすがった給仕の娘が、ぎょっとした顔で振り向いた。