2019/07/23 のログ
ご案内:「平民地区 訓練所」にスバルさんが現れました。
スバル > 平民地区にある、冒険者用の訓練所は、今の時間だからか、人の姿が少ない。
 そんな場所に、こそり、こそりと入ってくる少年。
 この場所は一般開放されている場所なので、別にこそこそする必要はない場所である。
 しかし、少年がこそこそするには理由があるのだ。
 別に犯罪者だ、とかそういったものではなくて、ただ単に少年が気弱すぎて、人と顔を合わせるのが苦手だ、と言うだけである。
 しかし、それは少年の技術―――武器の方ではない技術の方の訓練にもなっていた、本人は意識していないが。
 そして、誰もいないことを確認してうん、と頷いて少年は、訓練を開始することにする。

 先ずは、自分の体をほぐすための準備運動から、である。
 屈伸など、自分の体の筋肉をほぐすことにするのだった。

スバル > 柔軟運動をしていれば、少しずつ体が温まってくる。
 しっかりと体が温まれば、体もほぐれてくるから柔らかくなってくる。
 この程度でいいか、と少年は、ふぅ、と少し熱のこもった吐息を吐き出した。
 とは言え、最初から剣の訓練をするわけではない。
 基礎体力は必要なので、体力作りから始めなければいけないと思う。
 母親からもらった訓練メニューにもしっかり描いてあるし。

 だから、少年は走り出し始める。
 訓練所の外周をゆっくりと回りこむように、走り出すのだ。
 ぐるり、ぐるり、と自分のペースで、呼吸をしっかり意識しながらのランニング。

スバル > 訓練場をぐるぐると走り回って、少年は息を荒くしながら目標の周回を終わらせる。
 かなり体が熱くなり、この時期でこれは地味に辛い、汗を流しながら少年は、自分の荷物が置いてある場所へと移動する。
 そこで、少年は荷物をあさり、タオルと水筒を取り出して水を飲む。
 魔法の力で冷えたままの水が喉に心地よくて、少年は一息を突く。

 そして、荷物に水筒を戻してから、少年は軽くもう一度体を動かして。
 腰から小太刀を鞘毎引き抜く。
 そこから、隅っこで武器の訓練――――突き技の訓練を始める。
 打木に向かって、少年は踏み込み、突きを繰り出す。
 必殺の攻撃とばかりに、中段正眼の構えから、喉に向けて。
 力が弱いから、出来るだけ早く、出来るだけ正確に、と。

スバル > 構え、狙い、踏み込み、突き。
 自分の型を、突きの方法を確認するように少年は、一回、一回をしっかりと確認しながら打ち込んでいく。
 突きが打ち込み台に当たれ、こつーんと音が響くのだ。
 それを繰り返すように、少年は踏み込み、突きを繰り出していく。
 できるだけ早く、出来るだけ、鋭く。彼女に教えてもらい、母に教練を賜った動き。
 それを繰り返し、繰り返し、繰り返す。
 訓練とは同じことの繰り返しを肉体に覚えさせるようなもの。
 動きを最適化するべきもの。

 ―――踏み込み、狙い、突き込む。
  ―――踏み込み、狙い、突き込む。

 コーン、コーンと、誰もいない夕暮れの訓練場に突きの音が響く。

スバル > コーン、コーン。
 何度も、何度も、繰り返し、繰り返し。
 訓練をしていれば、時間も過ぎて、腕も、体力も尽きてくる。
 息が上がればその分、狙いが甘くなり、打つべき場所もずれてくる。
 ふらふらしてしまいそうになり、少年は鞘を腰に戻す。
 そして、水を飲んで空を見上げれば結構いい時間がたっている模様。
 そろそろ戻らないと。

 少年は、そう思って、荷物を纏めることにして。
 そして、家に戻っていくのだった。
 夜の街の中、人に見つからないように、こそり、こそり、と。

ご案内:「平民地区 訓練所」からスバルさんが去りました。