2019/07/24 のログ
ご案内:「裏通りの骨董品店」にルビィ・ガレットさんが現れました。
ルビィ・ガレット > 夕暮れ時。夕立に見舞われ、うんざりした気持ちで通りを走り抜ける。
込み入った道を適当に曲がったり、まっすぐ進んだりすれば、何の店かわからないけれど、
ドアのところに「OPEN」と札が下がっている建物を見つけて――、

慌しくドアベルを鳴らしながら、半吸血鬼は入店した。
店には軒が無いものだから、店前で雨宿りはできなかった。

「………」

外套や髪から滴り落ちる雨雫に気まずさを覚えながらも、店に入った途端、
その匂いでわかった――ここは、古美術や古道具を扱う店だ、と。

店奥で籐椅子に腰掛け、何かの書類に目を通している老店主は、
丸眼鏡越しにちら……と、こちらに一瞥をくれ、軽く会釈してくるくらい。
寡黙な人らしい。ともかく、彼が厭そうな顔をしなかったのは幸いだった。

ただ、せめて――「すごい雨ですね」とか。「商品を濡らさないようにしてくれよ」とか。
なんでもいいから、ひと言でもいいから言葉を発して欲しかったけれど。
彼が無表情で無口なものだから、こちらも控え目に視線を合わせて、申し訳なさそうに
軽く頭を下げるくらいしかできなかった。

ルビィ・ガレット > 店内には自分と彼――店主しかいないようだった。
店の奥に扉だとか、二階に続いているらしい階段だとかが見えるので、
ひょっとしたら別室に彼の家族がいるかも知れないけれど。

轟音とも言える雨音が、室内にいても伝わってくる。
どこか暴力的な音。しまいには、店の窓越しに光の明滅を感じたと思ったら、
遅れて数秒後、雷のうなり声。……文字通り、雲行きが怪しくなってきた。

最初は「通り雨」だと思っていたのに。

「――値札が無いんですね」

なるべく余裕のある通路を選んで、商品に外套が触れたり、水滴が落ちたりしないようにしながら。
店内の半ば近くまで進んで、無難そうな言葉を探して言った。
彼は手短に、「交渉で値段が変わる。決まる」と。……無駄が省かれた物言いに、女は苦笑いを浮かべ。

ルビィ・ガレット > 会話が続かないものだから、女は黙って周囲を見渡す。

今では稀少で伐採が禁じられてる木で造られた、コート掛けや円卓、食器棚。
女神や妖精、天使などをイメージして造られたと思われる石像たち。
どこかの宮殿を精緻な筆筋で画かせた油絵。その隣には幻想的な風景の水彩画。

表面の瑕がいささか残念だが、光沢や細工、見目が上質なオルゴール。
本当かどうかわからないが、数世代昔の王族や貴族たち直筆の手紙だとか。
先端に青くて丸い水晶が嵌め込まれた、自分の背の半分以上はある杖だとか。

――どれも、一見、「古さと希少性」を兼ね備えたものばかりだ。
中には魔力や呪詛を秘めているものもある。そういったものにはわかりやすく、
張り紙で説明があったり、何かの札が意味ありげに貼られていたりする。

ルビィ・ガレット > 雷の轟きは聞こえなくなったが、雨音は止まない。
店主は、自分を煙たそうにしている様子はなく。……かといって、歓迎しているかも怪しく。
雨脚が弱まったところを見計らって、「お邪魔しました――」と。ダンピールは店を出て行く。

ご案内:「裏通りの骨董品店」からルビィ・ガレットさんが去りました。
ご案内:「娼館『女王の腕』亭」にルドミラさんが現れました。
ルドミラ > 王都の一等地に、通りがかりの者がはて、ここは何だろうと首を傾げる建物がある。
ガーゴイル像が玄関に立つ者を見下ろす、堅牢な三階建てのヴィラ風建築。
そっけないほどシンプルな分厚い扉には、
女性の腕を図案化した紋章つきのドアノッカーがついているが、住居らしくはない。
かといって看板の類は一切なく。魔術的な防音処理でも施されているのか、 大抵静まり返っている割に、
夜には人の出入りが絶えない──そこが、『女王の腕』亭という会員制娼館であった。

日中、営業時間外のいまは、酒類やリネン類の入れ替え、清掃などで業者が出入りする時間帯であり、少々慌ただしい雰囲気だ。

ルドミラ > 娼館の内部はちょっとしたホテルめいて部屋数が多く、
なかなかに入り組んでいて慣れぬ者にはちょっとした迷宮。
迷ってとりあえず鍵のかかっていない扉を開けると、その先にはどんなプレイに使うのか、
おどろおどろしげな器具がズラリ並んでいたりもするため、
何も知らずに来た者は度肝を抜かれることもあるだろう。

──この迷宮めいた館の女主人は、執務でもしているのか、
業者と打ち合わせでもしているのか、まだ姿が見えないものの。

彼女に用がある者や迷い人がいれば、どこからともなく現れるであろう。
あるいは、すでにそんな誰かと館のどこかで対面しているところかもしれないが、さて。

ご案内:「娼館『女王の腕』亭」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「いやぁ本当に……オレの知ってる「娼館」とは大違いだぜ――」

そうつぶやく男は、普段身に付けることのまずない、高級な警備服を身に纏っていた。
主従の契約を結んで以降、いよいよ主の城へと登城を許され、「仕事場」の案内を受けていた――
客の選りすぐられたこの場所ではまず起きない心配事ながら、時折不埒な「客以下」の者が現れた場合――速やかに、かつ厳格に対応するために、男もまた「厳格な」試験をパスしてここにいた。

館内では比較的小さなプレイルーム――それでも高級宿のスイートの様相を呈していた――のソファーの上。
主従にあるまじき風景がそこにあった。
下僕の方がソファーの上に脚を投げ出して座り――その上に、主人が下僕を「ソファー」として座っている。
未だ館内に大勢の出入り業者が慌ただしく作業をしているというのに――

「……ご主人様、ここじゃ何人くらいの娼婦を抱えていなさるんで――」

そんな、街の男達ならば誰でも興味を抱かざるを得ない質問を問いつつも――この男の方はといえば、腕の中の主の腰を抱き、細い首筋を撫で――耳元へ甘い声を囁いているのである。
仕事場の「案内」――主の後に続いていた男が野生を押さえきれぬまま、この場所へ彼女を「攫った」のであった――

ルドミラ > 女主人を筆頭に、娼婦をのぞく従業員の服装は黒づくめで統一されているこの館で、新入りの警護員の出で立ちもまた例外ではなく。
主人と下僕は館に巣食う影のように、白昼のプレイルームで身を寄せ合っていた。

扉一枚隔てた先には、人の行き来する気配が絶えぬという状況であるにもかかわらず。

ソファの上の、親密な秘め事の空気は濃度を増してゆくばかり。

案内の途中でここに連れ込まれた女主人はといえば、腹の上あたりに置かれた男の手を引き剥がそうとするのを今しがた諦めたところ。
襟足の後れ毛を逆なでにするような手つきと、耳元へ被さる呼気。
分厚い胸板に、女の背筋がひくんとしなる動きは誤解しようもなく伝わってしまっただろう。

「……時期によって違いはあるけれど、40名ほどよ。
まさにこれから顔合わせをしようとしていたところだったのだけれど──」

白い顔が、肩越しに男を振り返った。堪え性のない男を咎めるふりをして煽る、そんな目つきを間近に合わせて。

「──『気分転換』の方を先にしたいの……? エズラ……」

もぞり。男の脚の間にがっちりと捉えられた尻肉の丸みが、衣服越しにそこを掬い上げるように動いた。

エズラ > 「そりゃすげぇ――」

あっさり告げられたその人数に、貧民街の者達なら舌なめずりすることであろう。
しかし、男の口調はどこか空虚――まだ見ぬ40人の美女のことなど頭になく――今は、間近に漂う色香に身を任せるのみ。
耳元から首筋へと舌が這い、こちらからも腰を動かし、主の動きを受け止める。
布越しに盛り上がった熱く固い感触を、それと真反対な主の臀部へと押し付けて――

「ご主人様の腰を後ろから眺めてっと、どうにもいけねぇ、辛抱がきかねぇ――」

一方の手はドレスの胸元へ伸び、片手に余る柔肉の感触を手のひら一杯で味わう。
もう一方は、ドレスの奥へと伸び――下着越しに、秘部へと柔く、巧みな奉仕を開始する――

「どうかこのけだものに、お情けをくださいませんか――」

歯を立てることなく、吸い痕を付けぬよう加減しながら、主ののど笛を柔く食む――狼が獲物の息の根を止める時のように――

ルドミラ > 「はぁ……ッ、あ……そうよ、ほんとうにいけない子。いつからこんなに硬く、して──んン……!」

檻のような腕が、己に向かって狭まり。からだの中心に向かって引きつけられ、
肉の丸みの最も柔らかな二ヶ所を抑えられた女主人は顔を仰け反らせた。
詰めた息をゆっくりと喉から抜いていると、待ち構えたように歯列の固さをあてがわれて。
逃げ場というものを一切与えぬ男のからだの使い方もまた、獣じみたもの。

そして女主人は、そういう男だとわかっていて主従の契りを結んだのだ。
スカートの奥をあまくまさぐる手のリズムで、捕らわれた獲物は、静かに息を弾ませており。

「……あげてもいいわ。……情けではなく、──躾なら、……」

そう、抗弁するような素振りはどこまで続けることができただろうか──。

エズラ > ドレスの生地の上から、熱く張りのある、それでいてどこまでも指先が沈んでいく乳房を揉みしだく。
布の上から先端の位置を探り当て、つまむようにしてこね回す――

「フーッ……フーッ……――」

そうして、獣はますます肉感を確かめ、鼻息荒くする。
がばり、ソファーの上に主をうつ伏せに寝かせると、一気にドレスをたくしあげ――露わになった下着の真ん中へ鼻先を突っ込んだ。

「ふぅっ、チュッ、じゅるっ、ちゅうっ……――」

もっちりと両手で尻肉を直に鷲掴みにしながら、下着をずらし、蕩けるような淫香に満ちた秘肉を直に味わう。
「待て」のできない愚かな飼い犬のように、しかし舌先の蠢きは異生物のように――
丹念に、執拗に、忠実なる奉仕を続けるのである――

ご案内:「娼館『女王の腕』亭」からルドミラさんが去りました。
ご案内:「娼館『女王の腕』亭」からエズラさんが去りました。