2019/05/03 のログ
リス > 「店員、ですね、そこそこの力、と。
 畏まりましたわ、では、少々お待ちくださいまし。」

 地下にたどり着けば、扉を開けて、彼女を招き入れる。
 地下の部屋も、それなりの広さが有り、そして清潔に掃除をされている。
 ランプの灯りもあり、そこで生活しても、息苦しさを感じさせないところであった。

「そうですね……ある程度の力持ちとなりますと。」

 先程、リスを呼びに来た犬のミレー族に、メモを渡す。
 しばらくして、やって来るのは。
 牛のミレーの女性、ゴリラのミレーの男性、狼のミレーの男性と、同じく狼のミレーの女性。豹のミレーの女性。 熊のミレーの女性。

 それらのミレー族の奴隷が、フリュネの前に並ぶ。
 どのミレー族も、綺麗な身形で、服装なども、整えられたものである。
 そして、どの奴隷も、健康で、目に強い輝きが有り、大事にされていることが分かるだろう。

「すぐに用意できるのは、このようなところ、でございますね。
 詳しく知りたければ、直接お話したりしても構いませんわ。」

 もし、お眼鏡にかなわないのであれば、専門に扱っているところに問合わせますので、詳しくお伝えいただけますでしょうか?

 と、少女は商談用のテーブルを猫のミレーに準備をさせながら言ってみせる。

フリュネ > 清潔に整えられた地下の広い部屋。
そこに案内され、間も無くやってきた種々折々のミレー族の奴隷達に目を丸くする。

「……こんなに揃えてるのね。…皆、とても元気そう」

大事にされているのだと一目で知れる。
一人一人を、じっと見つめて吟味。その中で目が止まったのは、豹のミレー族の女性だった。
数歩近寄り、間近に顔やその体躯を見つめて何度か頷き…

「…そうね。どれも捨て難いけど……この子なんか良さそう」

てきぱきと動けそうな印象を抱いたが、実際はどうか。
豹のミレーについて詳しく話を聞こうと、リスの傍に歩み寄る。
その間にテーブルが用意されたのなら、ありがとう、と猫のミレーに小さく礼を述べて。

リス > 「これは一部でございますわ、別の場所では、教育中の子もいますし。
 この店を24時間体制で働かせるには、人手が本当に必要ですから。」

 彼らの為の寮があり、そこで集団生活させ、食事を与え勉強させて、働くためのマナーを与える。
 トゥルネソル商会は奴隷も商品ゆえに大事に扱い、店員ゆえにしっかりと教育するので、質の高い奴隷ができるのだ。

「その子でございますね。
 豹のミレーの子は、一般的に言えば、瞬発力に優れています。
 とっさの行動とか、筋力はすごく高いですが持続力は、あまり多くありません。
 とは言っても、普通の人間よりは、多いと思いますけれど。
 性格的には、猫に近いです、護衛とかそういったものに向いております。」

 少女が解説できるのは、正直に言えば傾向である。
 個体差によって、いろいろ変わってくるので、これが全て、というわけではない。
 そして、個体差を隠すことはリスは奨励しているのだ。
 なぜなら、主人がどんな人か判らないので、主に明かすかどうかは、そのミレーに任せているからだ。
 だから、買われていった子が本当はどんな正確なのか、は知らなかったりもする。

「と、こんなところ、にございますね。」

 いかがでしょうか?と資料として、豹のミレーの一般的な性格の書いてある紙を、差し出して。
 下の方には、値段も書いてある。
 一般的な値段であった、流石に奴隷は安売りできない、理由は、それが、彼らの価値となるからだ。

フリュネ > 「成る程。……本当に質が良い子達なのね」

感心するように、並んだ奴隷達を見ながら何度も頷いていた。
これ程までに行き届いた対応。成る程、風の噂にも流れてくる筈だと納得する。
そして、豹のミレーに関する情報を耳にして…

「瞬発力、そして護衛…か。
……うん。店の番を任せたいっていうのが第一にあるから、ぴったりね」

差し出された紙の下、一般的な値。
こんなものだろう、と頷く。そもそも人を売り買いするということなので、値切りという行為はハナから考えていなかった。
適切な値段で、そのまま。

「……じゃあ、この子で決めるわ。どれくらいでうちに来てくれるのかしら」

リス > 「ええ、ちゃんと彼女らには、給料も与えておりますので。」

 そう、食事とか服装だけではなく、彼らにはしっかりと給料も与えている。
 自分たちで、お金を稼ぎ、使うことさえも教えているのだ。
 貯蓄する子もいれば、自分を磨くために使う子もいる、様々ではあるがどれも、お金は持っているという事なのである。

「毎度ありがとうございます。
 お届けというか、この委譲書に、サインをしていただき、役所に届けて頂ければそれでもう、貴女のものでございます。
 豹の子の荷物に関しては、わたくし共が責任を持って、フリュネ様のご自宅へお届け致しますわ。」

 本人がその場にいるのだから、いつ、とは言わない。
 奴隷売買とはそういうものである。
 料金と、書類、そのうち一つは契約書である。
 彼女と、豹のミレー族の間で取り交わす約束のためのもの。

 契約が済めば、あとは彼女がミレーを買ったことを届け出れば済む話である。

フリュネ > 給料、と聞いて瞬き、再び並んで立つミレー達に目を向ける。
奴隷というより、従業員か。王都におけるミレーへの風当たりが緩くなったかどうか、近頃は話に聞くことも少ないが…
しかし、此処は想像していた以上に良いお店なのだと、訪れて知ることが出来た。それもまた収穫だ。

「……あぁ、成る程。ごめんなさい、こういった買い物は初めてなものだから」

初めての奴隷売買。
理解して頷き、一先ずは今此処で出来ることは済ませてしまおうと。
料金の支払い、書類の受取。あとは自分の側でやっておくことか。

「………ふぅ」

商談、一段落。張っていた肩の重しを取り除くように、ふっ、と大きく息を吐いた。

リス > 奴隷とは身分であり、従業員というのは、職業である。
 店員として、従業員として働くのであれば、給金を支払うのは当然である。
 おそらく、商会での奴隷のミレー族の扱いとしては、可也いい方なのではないだろうか。
 ただ、商品であるという認識もあるからで。
 ほかを見れば、もっといい待遇の店があるかもしれない、この国は広いのだし。

「ふふ、ご心配なさらず、奴隷を恒常的に買う人は、貴族様、ぐらいなものですわ。
 普通は、あまり買いませんから。」

 書類をかきながら、彼女の言葉を聞いて、少女は笑ってみせる。
 今できることは、するべき手続きは、終わらせておかないといけないだろう。
 料金を確認し、書類を手渡しして。
 豹のミレーを見て、笑う。

「元気に頑張りなさいね。」

 軽く応援の言葉を放って、視線で彼女のもとへ行くように。

「他に、買い物はありますか?
 奴隷を買っていただけましたし、生活用品など、必要な物資はお勉強させてもらいますわ?」

 なんて、軽くセールストークも。

フリュネ > この国は広い。きっと、もっと良い待遇の店もあれば、残念ながら真逆の店だってあるだろう。
だが、それは自分達とは関係のない、また別の話として。
――何処かで交わってくる可能性は無いわけではないが。

「そうね。なら、今日の私は珍しい部類に入るのかしら」

手渡しされた書類を受け取る。
傍にやってくるミレーの少女に微笑みを向け、またリスへと視線を戻した。

「魅力的なお言葉だけど……今の所、大丈夫。…また今度、お店に寄らせていただくわ」

そして一度言葉を止め、ちら、と向ける眼差しは、あの温泉の夜を想起するような艶が微かに混じる。

「それと、店長としてじゃなくて。…プライベートな貴女とも、お付き合いしてみたいのだけれど。
……これは、私のちょっとした我儘ね」

それからふふっ、と屈託ない笑みを浮かべる。

リス > 「いいえ?いいえ。

 初めて買う人は、珍しくはありませんわ。」

 誰だって、初めてはあるのだし、それは珍しいわけではない、確かに奴隷を買いに来る人が珍しいかどうかで言えば、珍しいかも知れない。
 が、初めてというわけでもないし、売れているもの、なのだ。
 だからこそ、少女は彼女の言葉に否定を一つして、笑いかける。

「はい、従業員共々お待ちしておりますわ。」

 また、来てくれることは大歓迎である、なので、どんどん来てくださいましね、と軽く言うように。
 彼女の笑みに答えるようにウインクも。

「ありがとうございます、では、お休みの日を調整しますのでその時はあらかじめご連絡いただければ。」

 流石に今はお仕事中である。
 なので、あとで連絡をいただければ、前向きに休みを調整すると伝えておこう。
 プライベートのお付き合いも、構いませんよ、という返答で。

フリュネ > 「あら、そうなの。…やっぱり、どこも人手不足ということなのかしら、ね」

売れているものなのであれば、まぁ深く突っ込むことはしない。
そういうものなのだと納得して終わる。
ウィンクを返されると、肩を小さく竦めるようにして笑みを深くした。

「ええ。じゃあ、後で連絡させてもらうわ。……あ、勿論仕事に差し支えないようにはするから」

流石に今すぐ連れ出そうとは微塵も考えていない。
一先ずプライベートの付き合いに行為的な返答が貰えれば、嬉しそうに頷いた。
この辺りは、比較的欲望に素直だ。

リス > 「そう、なのかもしれませんわね。
 奴隷の種類も多岐ですから、わたくしからは一概には言えません。」

 売れているといっても、性奴隷なども含まれてしまうのだ。
 彼女の言葉に、そうだ、と言えないものなので、それを正直に言って見せて。

「はい、ご連絡、お待ちしておりますから。
 ふふ、ありがとうございます、とはいえ、美人のお誘いは仕事放り出してしまうかもしれませんわ。」

 これは、素直な感情である。
 彼女に負けず劣らず、この店長も欲望に素直で忠実なのである。
 だから、ハーレムなんぞ作ろうとか考えていたりするのだし。

「……さて、ほら、皆は仕事に戻りなさいな。」

 そして、今回売れなかったミレーの店員たちに、パンパンと、手を叩いて仕事に戻るようにいうのだ。
 地下室から戻っていくミレーたちの後ろを、少女は見送る。

フリュネ > 欲望に素直で忠実な様子が、言葉の一端から読み取れる。
くすくすと笑いながら、仕事に戻っていくミレー達を見送ったところで、ゆっくりと立ち上がった。

「さて。用事も済ませたし…私はそろそろ、失礼するわね。
次は、プライベートで会えることを期待して……かな」

冗談混じりの、軽いウィンクをリスに送ろう。
サインした諸々の書類を手に、地下室から上階へと続く階段に視線を向けて。

リス > 「ふふ、そうね。
 その時を期待してるわ、お手紙、待ってるわ?」

 立ち上がる彼女、少女も立ち上がって。
 先程テーブルを出した猫のミレーが残っているので、彼女に片付けをお願いする。
 軽いウインクを受けて返し、書類を手にした彼女を先導するように歩いていく。

 今宵の商談は、これでおしまい――――。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からフリュネさんが去りました。
ご案内:「王都近郊の森」にヒュージさんが現れました。
ヒュージ > 「はっはっ… ぜひ… はっ…」

森の中を懸命に走る少年。
これまでどれほど、どの方角に走っただろうか…。
光を失ったが不思議な絵のように見える目での森の中の強行して、たくさん転び、いろいろな所に擦り傷が生まれ、研究所で来ていた簡素な服はあちこちが裂け、少年の肌にも血を滲ませるような傷がいくつもある。

少年の頭の中にあるのは、この場所から離れなければいけない。ただそれだけ。

喉が渇きお腹がすいた。
泣きそうになるが小さな唇をきゅっと噛みしめ、走るたびに揺れる大きな耳が聞く水の音を頼りに懸命に足を進める。

ヒュージ > 森の中しかいは青一色で役に立たない。
細かい所が見れるほど未だ精度がよくない。
だが、川の音は近づいてくる。
ながれる水の音を耳が、水の匂いを舌が感じる。

もう少しだ。
足を懸命に前に振り出す、走り慣れていないことが一目でわかる不恰好な走り方。

ヒュージ > 森の中を川が切り裂く。
ようやくたどり着いた。
ふらつく足で靴も履かずにボロボロになった脚を引きずり、這いつくばる様に川の中に顔を沈め口を開く。

「んっ…ごく…ごくっ」

ヒュージ > 空っぽの胃袋に川の水が流れ込む。
癒されていく喉の渇き。
少年はじゃぶじゃぶと掌に水をため顔を洗い人心地つくと、少年はそのままかわっぺりに倒れ込み眠りに落ちていく─。

ご案内:「王都近郊の森」からヒュージさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋」にヒュージさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋」からヒュージさんが去りました。
ご案内:「王都近郊の川」にヒュージさんが現れました。
ヒュージ > 極度の疲労でかわっぺりで眠ってしまった少年。
寝返りを打つもぎりぎり落ちはしなかったが、
春の不安定な気候。山の上では雨が降ったようで徐々に川は増水する。

そして、極度の疲労で昏睡に近い寝入り方。
自分の体が濡れる事も気づいておらず仰向けのまま、流され始める。

ヒュージ > どんぶらこ、どんぶらこと増え始めた川の流れに下流へ押し流される少年。
体中が濡れてなんだか不快に感じながらも、まだ目を覚まさない。

ときおり川の水が跳ね顔にかかれば目をしかめ、けふっけふっと小さく咳をする。

ヒュージ > だが、そんな奇跡のような時は長くは続かない。
「がふっ… ごほっ! 水! なんでっ!」
起きたら水の中。
少年は混乱しじたばたとも額も目が開かないため自分が今どこの辺りでどんな状況になっているのか、溺れて流されている事しかわからない。
近い方の騎士も分からず、冷静になろうとしながらも、じたばたともがいている。

「どこ、いくのっ ごほっ」

ご案内:「王都近郊の川」にクーラグさんが現れました。
ヒュージ > 「ひっぅ… ふっ…っふっ っぷぁっ」

逃げてきたときに来た服は濡れ、体に絡みつき拘束具の様にも感じる。

何とか沈みこまない様に浅く引きつけが起きそうになるも何度も呼吸を繰り返し、浮くことに専念し始める。

ご案内:「王都近郊の川」からクーラグさんが去りました。
ご案内:「王都近郊の川」にクーラグさんが現れました。
クーラグ > 川の流れから正反対の方向。二つの袋を持って歩く背の高い女。
幾つかの薬草と糖蜜が入った物で、後は知り合いから受け取る生薬があれば
目的の物を作る事が出来る。知り合いが時間に雑な所もあるのでそんなに急いでいない。

「糖蜜が一件で済んでよかった。量的に何件も回る事になりそうだったから」

ヒュージ > 閉じられた瞳開けたところで実際の外を見ることも出来ないが、長いうさぎの耳が自身を巻き込む水音の奥、流れていく先に人の声を捕らえる。

「っん たすっ だれか! たすけてっ たすっけてくださっい!」

助けを求める様に大きく手を振り懸命に声を振り絞り、存在をアピールする。
相手は気づいてくれるだろうか…。

クーラグ > 「ん?」
ふと頭を上げると何か助けを求める声が聞こえる。目の前からは川に流される少年の姿
少年なんだろうか?首をかしげながらも少年に向かって一枚の金貨を投げる。

投げた金貨が広間の絨毯一枚ほど広くなると、竜の皮膜翼のように少年を包んだ。
そして金の皮膜は少年ごと勢いよく川に上がり飛んでいくと女の足元である川岸に
着地し、ふわりと広がる。少年を陸地に置くと再び金貨に戻って女の手元に帰る。

「…………助けたわ」

ヒュージ > ばちゃばちゃと手を広げる少年。その頭の上には兎の耳が揺れている。何かが飛んでくる音と、空気を叩く様に場ふりと広がる音。
その中に包まれたかと思えば急な加速と浮遊感。

「っ 何! 浮いてる…!?」

混乱するうちに相手の前にたどり着いた少年。
顔のつくりは良いが、背中には小さな蝙蝠の様な翼にお尻の辺りからは尻尾が生え、頭の上には兎の耳。
閉じられた目のまま声のした方に顔を向け、
ほっとしたような笑みを浮かべ。
先ずはお礼と、ペタンと座りこんだまま頭を下げお礼を。
「ありがとう。ございました。 えっと お礼は…どうすれば…? えっと、お金も無くて…財産?は服と僕だけで…」

そして助けてもら宝には何かを返さなければいけないが…少年は逃げて着たまま。
金目の物もない。唯一価値があるのは少年自身ぐらいだろう…。

相手の前に立つ少年は、あちこち血が滲み怪我をしている体に同じ個所が裂けた簡素な服。傷はもちろん足や手、顔とあらゆるところにあるが、応急処置もされていない状態であった。

クーラグ > 少年の前にしゃがみ込む女。全く冷淡という訳ではなくある程度の明るみを持つが表情が殆ど変わらない。
お礼をされれば、どういたしましてと無言で頭を下げる。

「今日び、王国貧民地区の子供でもこんな川で溺れて助けを求めるなんて中々無いわね」
「お礼って言ったら何でそんなベタな感じで流されていたのか知りたいわ」

近くに寄れば、女の全貌が見えるかもしれない。
女の胸元にフィルム状の金が飛んで来ると、少年の傷に張り付き、収縮して抑える事で傷口を
塞いでいる。

ヒュージ > 兎耳はひくひくと動き相手の動きを追う。
無言で頭を下げられれば、しょうねんはとじたひとみのまま顔を向ける。
空気の流れでなんとなく相手の動きを察知して口を小さく開け、相手をピット器官で捕える。
ボンヤリとした姿が見えるが表情までは分からない。

「そう…なんですか? えっと…いろいろあって 森の中を走って逃げていて… 一日ぐらい走って逃げて喉が凄く乾いて辛かった時に、川の音が聞こえて、」

何故かと問われれば懸命に説明して。
「お水飲んだら疲れて眠っちゃって その後の記憶は…  っ!! なにこれっ!? くっついてる!?」

閉じた瞳のまま、傷ぎtに張り付いた薄い何かに驚き、少年はそれを払おうと恐怖に震える。
相手は気づくだろうか離している間、ほぼ瞼は閉じられ、あいたとしてもその焦点は合っていない全盲であると。

クーラグ > 「個人的には色々あった、その色々を聞きたいのだけど状況を考えるにソレ以上詳しく言えというのは」
「酷な話になりそうね」

慌てる少年。そして開かない瞼に首をかしげる。女の体温は非常に低い。
何か気付いたように一瞬上を向くと、女は自らの体温を少しずつ上昇させる。

「メクラだったのね、張り付いてるのは気にしなくていいわ。傷口を塞いでるだけだから」
体温の差異を細分化し、出来るだけ細かい姿が見えるように自らの身体を調整している。

「だた…光で捉えないだけみたいね…熱で私の姿を捉えているという事でしょ?」

ヒュージ > 酷な話になりそうといわれれば、少年は口をキュッとかみしめる様に閉じ頷く。

そして、原理は分からないが、相手が体温を調節しながら上げれば、顔や体の輪郭がなんとなく見える様になれば、少年は感動する様に殺気よりもよく見えます!等と嬉しそうに呟き相手をよく見ようと口を小さく開ける。

相手が傷口を塞いでいるといわれればその収縮する表面を不安そうに撫でてから顔を再び相手で向ける。

「っ。 はい。 実際には見れないけど… 熱と、匂いで… おねーさんを見てる?です。」

相手の言葉にこくこくと頷き、

「えっと…いろいろ…傷まで治してもらって本当にありがとうございます…。っくしゅ…」

まだ少し不安なのかフィルムの表面を撫でたりしつつ、もう一度頭を下げるが、濡れたままの服を着ているため体は冷えくしゃみをしてしまう。

クーラグ > 「でも決して不思議な事ではないわ。蛇などもそうやって物を見ているの、そういう器官が備わっていてね」

しゃがみ込んだままずっと少年を眺めながら薄く張り付けられた金箔を撫でている様子と
身体が冷えているのを見れば、張り付いていた金箔が伸びて頭以外の全身を覆う。

「乾いたら元の大きさに戻るわ。傷が治れば剥がれていくから」
「その間も心配しなくていい、ただの金よ」

お礼についての言葉を要約思い出すと目を細めて一瞬だけ考えると、少年の方に向き直す
「アナタ、多分この辺に来たばかりだろうけど、薬師とかに知り合いっている?」

ヒュージ > 良く分からない研究所でいろいろと合成された結果とも言えず…相手の言葉にコクリと頷く。

表面に延びる金箔が頭以外を覆えばびくんっと体を震わせる。

「ありがとうございます…。 って金?指輪とかで使われている…?高いのに…僕なんかに、ありがとうございます…。」

世間知らず故よくわからないが金は高価なものと言う認識はあるようで。より慌てながら、どうやってお礼をすればいいのだろうと、悩み始める。

「えと…ごめんなさい 僕。外に出ること自体…久しぶりですし…そもそも知り合い…いないです。」

相手の言葉にこたえるうちに、自身が天涯孤独で寄る辺となる親戚もいない。 ずっと施設でモルモットのように扱われていたので仲のいい人もいない。
その現実に気づいてしまい悲しそうな表情を浮かべ首をふるふると横に振るのであった。

クーラグ > 「大丈夫よ、家に沢山あるから」
女にとっては貨幣価値以外に幾らでも使い道があるので手元の金には困らない。

「……………」

悲しそうな顔をする少年を見ると、目を細めてため息をついて肩を落とす。
「随分悲しそうにしているけど、王国や帝国では長い事一人でいる者なんて大して珍しくないわよ。」
「一歩街に出れば手篭に出来そうな奴以外には見向きもしないような人や」
「下半身での交わりが出来ないなら邂逅して話そうともしない」
「そんなのばっかりよ。」
「王国の町を見ていれば、長い事一人でいるのに誰も話しかけないわ」
「皆一人だからよ、一人誰もいないような奴が王国には沢山いるの」

「ん?…何が言いたかったのか良く分からないわね。まぁココには【一人】が沢山いるから…」
「その代わり、その様子を見ると自由になったんだから王国をウロウロしてれば
【二人】ぐらいにはなるかもしれないわね」

ヒュージ > 金がたくさんあるという言葉に、少年は小さく頷き、特に深い事も考えずに凄いなぁ、等と考えながら頷き、
ため息をつく相手から向けられる言葉。
首をかしげるも、最後の要約で捕まってまだ若干湿り気を帯びるシャツで顔を拭き。こくりと頷き柔らかい笑みを浮かべる。

「ありがとうございます。 お姉さんは【一人】寂しくない? 大人は大丈夫なの?」

等と問いかけながらゆっくりと立ち上がり、相手の表情をよく見ようと少し口を開けたまま近づこうとする。

クーラグ > 「大人は一人が沢山いるから大丈夫よ、皆で一人になってるから、寂しくないわ」
顏が近づくのを感じるとグィと女も少年に対して顔を近づける。

「それに私はお姉さんじゃないわ、クーラグよ。」
胸元から出てくる金が女の足元で形を変えると、それが簡素な椅子になり
女はそれに軽く腰かける。

腰かけて全身が確認できれば、熱で形を見るのであれば服は着ているようだが
随分と身体の凹凸が随分をくっきり見えるかもしれない

ヒュージ > 「そうなんだ…僕はまだお父さんとかお母さん思いだしちゃうから…まだまだ子供… 早く大人になりたい…」
顔が近づいて来れば相手の事を観察する様に目を閉じた少年は、小さく口を開け閉じた時にごく微量だが甘い匂いを感じる。

「? お姉さん・・・クーラグさんなんか良い匂いする… あっぼくは…ヒュージ…です。」

胸元から出てくる金を立体的にはとらえられなかったが椅子になった様で相手は腰を掛ける。

自分や研究所にいた者は全員が男で相手のような匂いもしなかったし、熱を感じながら、こんなに凹凸もはっきりしてはいなかったなと思いながら、再び長く細長い舌の先をちらりと口から出し匂いの因子を取り込んでしまう。

「クーラグさんの匂い…甘い…もっと嗅がせて?」

少年はもっと匂いを嗅ごうとちらちらと蛇の様に舌を出してはしまううちに、足元が疎かになり躓くように相手の方へと倒れ込んでしまうのだった。

クーラグ > 「大人になるのは結構楽かもしれないわね、その代わり色々自分で何でもしなくてはならないけど」

「ヒュージというのね、宜しく…匂い?」
女から発せられる香りは香水ほど不自然ではないが女性特有の香りというにはもっと華やかで
甘い香りが漂っている。

「匂いぐらいなら時間の許す限り問題ないわ、ぉっと」
倒れ込む少年を抱きかかえると少年の顔が女の乳房に埋まる、上半身を抱えるように手を回すが
その時に女の柔らかさを感じるかもしれない

ヒュージ > 「ふふ。早く大人になりたいな…」
ぱたぱたと背中の小さな翼と尻尾を揺らめかせながら呟き。

相手が自分の名前を呼んでくれると嬉しそうに微笑み、ながら鼻と舌先で匂いを嗅ぐ。

「ふゎ… ごっ ごめんなさい… でも… クーラグさん良い匂い…ポカポカ…柔らかくて気持ちいぃ…」

相手の甘い匂いに寄ったように胸の谷間で小さく囁き、顔を包む乳房の柔らかさに小さな体を震わせ恐る恐る相手の身体に手を回し、すりすりと体と顔を摺り寄せながら、舌で胸の谷間を舐めあげ匂いを舌先に付けると口に含む。

「っぁ… ほんとに甘くて良い匂い…」

空気に散った相手の匂いよりも濃い匂い。もっとと求める様に相手が止めなければ、ちろちろと、胸の谷間の柔らかい乳房を舐め続けてしまう。

クーラグ > 「そうね、身体については良く褒められ……っぁ」

腕を回されると女の身体の柔らかさがより強く感じられるかもしれない。
そして胸に顔を包んでいると衣服の下から感じる感覚だと女は下着を付けていない事が
分かるかもしれない。

女は胸を舐められると小さく声を漏らすが、身体を震わせることも無く
不思議そうにその様子を眺める。

ヒュージ > 「うん…研究所の怖い人たちはもっとごつごつしてたのにクーラグさん柔らかくて…しかも甘くて良い匂い…。 女のひとはみんなこんなに良い匂いがするの?」

等と今までとの違いを説明し、問いかけながら胸の谷間に顔を埋め柔らかい乳房をチロチロと舌が舐め。
喉や鎖骨のあたりを長い耳が擽る。

そして、服から覗く細く伸びた首筋は白いが、金色の膜のお陰で体温が上がり魔法陣の幾何学模様が肌にうっすらと浮かび上がる。

下着をつける付けないに関しては、少年にとって付けないが常識であったため驚けもしない。

表情の機微が分からない少年はまさか不思議そうに見られれているとは露とも知らず。

「ふぇ…嗅いでも嗅いでも辞められない…もっと…」

少年の長い舌は匂いの濃い場所を探そうとするかのように胸の谷間や、鎖骨、項をちろちろと舐め始める。
顔を寄せていれば少年の甘く熱っぽい吐息が相手の鼻孔を擽っていくと同時にもこもこの長い耳が相手の顔を優しく撫でていく。
相手の視界に映るのは舌に刺青の様に刻み込まれた淫紋。それは催眠系の淫紋であり相手には効かないかもしれないが、興味は引くかもしれない。
そして相手は気づくかもしれない、少年の兎耳も、長い舌も後天的に埋め込まれ改造されたものという事に。

クーラグ > 「さぁ、どうかしら……私も他の女性について深く考えた事はないから」
抑揚の小さい女の声が淡々と発せられる。
自分の乳房を夢中で舐めてくる少年に対しては嫌悪感も無い代わりに高揚する気配もなく
それを受け続ける。女の乳房は舌先が当たる所には大福のような、舐めて行けばマシュマロに近い
ムッチリとした弾力があり、それは女の躰全体でも言える事だった。

「…キメラに近い物だったのね、研究所と言っていたし。精神性が成熟した状態からの合成はリスクが高いのね」
「私は人に会わないといけないから、もう少し堪能したら離れてもらってもいいかしら?」

ヒュージ > 「んッ・・・ 」
柔らかくむっちりした乳房。
舌先で触れる柔らかさと弾力。

そして甘い匂いにこういった甘い経験のない少年は体を震わせる。
「キメラ…? 良く分からない…」

そして人に合わないといけないからもう少し堪能したらという言葉に少年は名残惜し気に小さく頷く。
舌を引っ込めくらくらとしたアtまで相手の胸の谷間に甘える様に顔を埋めてから見上げ。

「っ…ごめんなさい…今日のお礼に、僕にできる事があったら…何でも言ってください。
あとあと、すごく温かくて気持ち良かった…です。
また…逢える、ますか?」

自分が相手を見つけるには今日覚えた匂いをたどればなんとかなるかななどと考えながら小首を傾げ問いかけた。

クーラグ > 「そうね……今の所は思い浮ばないわ。」
「気持ちよかったのね…其れは良かった…………次の逢瀬はまたあると思うわ、あなたが望むなら」
女はゆっくりと立ち上がると、椅子になっていた金が滑るように女の手元に飛んでいくと
金貨になりその手の中に納まった。

「それに匂いが気に入ったのであれば、もしかしたらまたこの匂いを探ると会えるかもしれないわね」
荷物であった二つの包み紙をもう一度抱えると、少年の衣服を眺める

「乾いたみたいね」
金は少年の全身を覆う物から、最初の絆創膏程度の大きさに戻っていった。

ヒュージ > 「できる事は少ないですけど… クーラグさんになら何されても大丈夫な気がするから…。」

又あると言われれば少年は嬉しそうに微笑み、椅子があっという間に消える所は出来れば赤外線ではなく直に見たかったと寂し気に思いながら続く言葉にコクリと頷く。

「うん…匂いは得意だから…僕頑張って逢いに行くね。」

と、うれしそうにほほえみながら服は渇き、相手との別れの時間が迫る。

「くーらぐさんも気をつけてね…?」

クーラグ > 「まるで私がアナタの意に反して無理やり何かをするかのような言い方ね?」
歩き出そうとしたところで投げかけられた言葉にやや目線が冷ややかになりながら振り返る。

「まぁ、生い立ちからしたら仕方ないわね。私も大人げなかったわ」
少し頭を下げながら女はゆっくりとその場から立ち去っていく。

「それでは気を付けて過ごしてね」
身体に張り付いた金箔は傷が治り、剥がれる頃になるとひとまとまりになり
それなりの金になるだけの金塊になるかもしれない。

ご案内:「王都近郊の川」からクーラグさんが去りました。
ヒュージ > 相手の言葉にびくりと体を震わせ。
「そんなつもりじゃなくて… 僕なんて素材取りと実験ぐらいでしか役に立たないって…いわれてたから… クーラグさんは違うってわかってるけど…」

怒らせてしまったことに気づくと少年は悲しそうな顔を相手に向け、大人げなかったという言葉にふるふると首を振り。

「僕の方こそごめんなさい… はい。今度は元気な顔が見せられるように頑張ります。」
そんな言葉を返し、相手の姿が赤外線で他の物に紛れるまで手を振っていく。

そしてせっかくもらった筋ではあるが、次あったときには相手に返そうとぎゅっと握りしめるのであった。

ご案内:「王都近郊の川」からヒュージさんが去りました。