2019/04/11 のログ
ご案内:「王都~ダイラス間の定期船」にトルテさんが現れました。
■トルテ > (やけに早い時間に目が覚めたのは、精々数日の事とは言え帆船での旅というシチュエーションに少し興奮しているからなのだろう。ケープを羽織ったお嬢様は最低限の明かりだけが灯された廊下を進み、未だ青白い時刻の甲板へと歩み出た。すっかり春らしくなったとは言え肌寒さを感じる早朝の海風に亜麻色髪を遊ばせながら、旅客の姿はもちろんの事、水夫の姿もほとんど見られない甲板の景色に好奇心旺盛な黒瞳を走らせる。ほぼずっと船酔いに苛まれていた前回とは違い、今回のお嬢様は健康状態も良好であった。)
「やはり街で見るものとは日の出の趣も違う物なのですね。とても綺麗……」
(セーターの縦縞を歪ませるたわわな双乳を舷側の手すりに乗せ、頬を撫でる髪束を淑やかな所作で耳に掛けるお嬢様が、群青の夜空が曙光のオレンジに塗り替えられていくグラデーションの美しさに溜息を零す。両目を閉ざせば軽快に海を走る波切りの音と巨大な船体の奏でる重厚な軋み、生臭くもどこか清浄に感じられる潮風の匂いが強く意識させられた。そんなお嬢様が改めて黒の垂れ目を開いた所で―――。)
「――――きゃあっ!?」
(大きめの波がぶつかったのだろう。突如傾いだ船体に足を取られ、運動音痴なお嬢様が危なっかしくたたらを踏んだ。甲板に倒れ込みそうになって咄嗟に伸ばした細腕は、傍らを通りかかった誰かがいればその体躯に豊乳を押し付ける形で抱きついてしまうだろう。相手がお嬢様の肉付きの良い体重に負けてしまえば、そのまま押し倒してしまう事すらあるかも知れない。)
ご案内:「王都~ダイラス間の定期船」にザイヴァーさんが現れました。
■ザイヴァー > 早朝の定期船。その甲板にいるのは、一人の貴族然とした20代前半に見える青年…に見える、50代の男。
ザイヴァー・グランフォード・カイゼルで。なぜ、彼がこの船に乗っているのかというと……
『なあ、ザイヴァー。なんでわざわざ船旅なんだ?飛竜を使えすぐじゃないか』
「黙れ、偶にはゆっくりと時間を過ごしたいんだよ。
良いじゃないか、たまには船で揺られて、街を目指すのも」
『そういうもんなのかねぇ、剣の俺にゃわかんねぇよ』
そう、ダイダラスに用事の合ったザイヴァーは、あえて飛竜を使わず、ゆったりとした船旅を選んだのだ。
春先の、涼しい風を受けつつ、太陽が昇る水平線を眺める。
この美しい太陽が昇る世界。ここを守るのが俺の使命だと気持ちを新たにしていたところ…
ぐらり、と船が揺れる。大きな波が襲ったようだ。
とっさに身構えるが、倒れそうになっている女性を見つけ……
サッと騎士よろしく近づき、彼女の体を受け止めよう。
その際、ふんわりと相手の豊乳が、自身の硬い胸板でつぶれる……
だが、流石にこちらは男なので倒れはしないが。
「大丈夫ですか?レディ」
そう言って、相手の体制を整えようと……
■トルテ > (伸ばした両手が空を切り、顔面さえガードせぬままびたーんっと甲板に叩きつけられる無様な自分。そんな未来を幻視していたトルテなので、いっそふわりと抱きとめられた事に気付くのに時間がかかった。発育過剰な乳房は硬い何かに押しつぶされて拉げているものの、それは決して無機質な木床の感触ではない。ほんのりと暖かく、力強い鼓動を内包し、更には仄かに雄の匂いを感じさせる―――。)
「―――――………、っ!?」
(恐る恐る持ち上げた黒瞳が涼やかにこちらを見下ろす青年貴族の赤瞳と目を合わせ、白磁の頬をボッと一気に燃え上がらせた。わたわたと大慌てで姿勢を正し、殿方の胸板に押し付けていた縦セーターの柔肉と炎熱した頬を離す。マシュマロの如く柔らかな感触が、桃の果汁めいたトルテの匂いを残して距離を取り)
「あ、ありがとうございます。おかげ様で助かりました」
(赤く染まった顔を俯かせたまま小声で礼を口にしたお嬢様はそのまましばらくもじもじした後、意を決した様に顔を上げ、少々ぎこちなくはあっただろうが淑女らしい笑みを浮かべてみせた。未だに心臓はばっくんばっくんしたまま。鼻孔には男の匂いが微かに残り、乳房と頬には鍛え上げられた胸板の厚みと人肌の体温が消え残っている。)
■ザイヴァー > (転びそうになった相手、その肉体を甲板に叩きつけないよう庇ったのだが、思いのほか相手がワタワタした反応を取ったので……つい、クスリと笑んでしまった)
「はは、大丈夫……の、ようだね」
(相手の黒瞳と、自身の赤い瞳が交わった後、体が離れれば……鼻腔に残るのは、相手の果汁めいた香りと、柔らかな肉体の感触が、自身の硬い肉体から消える。ほんのりと残念というか、離れるのがもったいないなと思ったのは、やはりザイヴァーも雄だからか)
「ああ、貴女にけがが無くてよかったよ……君も、早朝の美しい海を見に来たのかい? 」
(そう相手がなぜここにいるかを聞きつつも、甲板の手すりにもたれかかり……)
「美しい海だろう?早朝の朝日と、暗闇も混じった空が解けていくようで……っと、自己紹介がまだだったな。」
(そして、姿勢を正せば……胸に手を当て、貴族としての礼をし……)
「俺は、ザイヴァー。ザイヴァー・グランフォード・カイゼルという。まあ、船旅の間、よろしく頼むよ」
そう言って、相手の手を取り、その手の甲に、キスを落そうか……