2019/02/11 のログ
ご案内:「何処かのダンジョン」にヒルダさんが現れました。
■ヒルダ > ──何処かのダンジョン、内部には陽光が届かず時刻も定かでない。
無数に存在するであろう通路の一本、その宙空に突如光の粒子が収束する。
粒子同士が結合してひと塊となり……一瞬の閃光と共に弾けると、そこに現出する人影が一つ。
それは、帯剣した長身の女だった。
ゴテゴテした装備に身を包んではおらず、いかにもフットワークが軽そうな軽装である。
「──私とした事が、転移トラップなんかに引っ掛かるだなんて。
ああ、もう。頭がクラクラするじゃない」
女は、こめかみを指先で押し揉みながら、眼窩の奥にこびり付いた眩暈を堪える様にかぶりを振る。
ダンジョンに単身踏み入るくらいである、トラップ類に対する心得は十分有しているが……
百回に一回程度は、こうしてケアレスミスを犯してしまう事も有る。
単独で行動する者は仲間のフォローが望めぬのだから、避けられない事故とも言えた。
「愚痴は程ほどにしておきましょう……さて、此処はどの辺りなのかしらね?
見渡す限り辛気臭い風景が続いているけれど」
独りごち、一つ鼻を鳴らして気を取り直すと、女は黙って歩き出した。
この場に留まっていても、事態が悪化しこそすれ好転は決してしないだろう。
であれば、まずは元居た場所に戻る手掛かりを見付ける為に進まねば──
ご案内:「何処かのダンジョン」にグライドさんが現れました。
ご案内:「何処かのダンジョン」からヒルダさんが去りました。
ご案内:「何処かのダンジョン」からグライドさんが去りました。
ご案内:「平民地区/裏通り/娼館<白百合>」にリンカさんが現れました。
■リンカ > (平民地区の裏通りに存在する、一風変わった娼館。
女性が女性を買いに来る娼館の娼婦待機場で、やや手持ち無沙汰
気味にお茶を飲みながら客待ちをしていて)
「まだお日様も高いですし、お客様が来るかどうか分からない
ですわねぇ……来られたからって私を指名してくれるとも限らな
い訳ですし……」
(太陽がまだ頭の上で輝いている時間帯、昼間から享楽に耽る
ような爛れた女性も余りいないでしょうし、とそれなら夜から
開けばいいのではないかしらと思いつつ、昼間からの客の需要
もあるのでしょうねと)
ご案内:「平民地区/裏通り/娼館<白百合>」に紅葉さんが現れました。
■紅葉 > (彼女が待機場で待ち合わせをしていると、背の低い少女が待機場へと現れる。
緊張した面持ちで扉を覗き込むように様子をうかがっていたけれど、中に彼女が一人寛いでるのが見えるとゆっくりと中へと入ってきた。
丈も短く、白い生地も薄めなワンピースは着ているだけでも明るい場所ならボディラインを覗かせて、少女は恥ずかしそうにもじもじと体を揺らしながら丁寧に彼女に向けてお辞儀をして)
「ぁ…えっと…初めましてっ。
紅葉…と言います、ここで働くか迷っていて今日はお客さんとして見学に来たのですけれど…お姉さんはここの方ですか?」
(満面の笑みを浮かべて丁寧に挨拶をすると、お茶を飲んでいる彼女にゆっくりと近づいていく。
視線を泳がせている様子は緊張しているさまが容易に感じ取れて、ふぅ…と落ち着こうと深呼吸をしたりしつつも、眼の前にいる大きい綺麗な彼女に興味津々、という様子で視線を向けていて)
■リンカ > (待機場で一人お茶をしながら寛いでいると
ドアが開いて幼げで小柄な少女が入ってきて。お客様ならここ
までは入ってこないはずだけど、と首を傾げていればこちらに
近づいてきた少女に丁寧に礼と自己紹介をされてこちらも立ち
上がりお辞儀を返して)
「初めまして、私はリンカと申しますわ?あら、もしかしたら
未来の同僚になるかも知れない方でしたの。うふふ、それでお
客様として来るなんて勉強熱心ですのね?ここに所属している
訳ではないけど、契約はしているからここの人でいいと思いま
すわよ?それで、お客様なら私を御指名してくれるのかしら」
(満面の笑みを浮かべている少女に優しく微笑んで、緊張して
いるらしい少女へと近づいて行けばそっと優しく少女を抱きし
めようとする)
■紅葉 > (彼女が立ち上がってこちらに丁寧に挨拶をしてくれると、少女は彼女を見つめるだけでかぁぁ…と顔を赤くしてしまう。
自分とは違い大きくてスタイルのいい体、見慣れないけど可愛らしい衣装、触れたらすべすべして気持ちよさそうな肌、まだ彼女に比べれば子供の少女にしたら憧れても仕方がないほどに彼女は素敵に見えてしまった。)
「リンカさん、ですか…はいっ、宜しくおねがいしますっ。
お部屋を借りたのですけれど家賃を払わないといけなくて…まだ小さいですし、お金を稼ぐ手段があんまり思いつかなくって。事情を話したら今日はお客さんとして、って言ってもらえたから…えへへ、そしたらお姉さんみたいな素敵な人がいて、凄く嬉しいですっ。
はい、もしよろしければ…ん、リンカさんにはまって抜け出せなくなったらどうしましょう…」
(くすり、と照れくさそうに笑う少女。
彼女が抱きしめようとしてくれればそれを返すように懐に近づいて、ぎゅ、っと背中に手を回す。
丁度頭のあたりが胸元に埋まるような身長差だけれど、柔らかな感触に包まれて、小さい体がぴくぴく…と心地よさで震えてしまう)
■リンカ > (挨拶をすれば顔を赤くする少女にくすりと笑って。
少女の事情を聞けば幼い体つきが好きな客からは、これだけ可
愛ければ指名が殺到しそうですわねと心の中で考えて)
「あらあら、家賃の為にこちらのお仕事を?うふふ、それなら
こちらに泊まりこんでというのもありかも知れないですわね。
所属契約をきちんとすれば、娼婦の宿を確保してくれるでしょ
うから。うふふ、素敵って言って頂けて嬉しいですわ?でも
お客様としてなら御代が発生しますわよ……なんて、冗談です
わ。今日は見習いへの指導、ということにしてタダにしてお
きましょうね。私に嵌って抜けられなくなったら、たっぷりと
私の可愛い妹にして可愛がってあげますわよ?それで……お部
屋にいきますか?」
(ぎゅっと抱きついてくる少女の顔が胸元に埋まるのを感じれ
ば、胸を押し付けるようにして抱きしめて。背中をさすってあ
げたり、髪を梳いたりとして優しく優しくあやしていく)
■リンカ > (場所移動)
ご案内:「平民地区/裏通り/娼館<白百合>」からリンカさんが去りました。
ご案内:「平民地区/裏通り/娼館<白百合>」から紅葉さんが去りました。
ご案内:「ハイブラゼール 高級ホテルの一室」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > お約束待機中です。
ご案内:「ハイブラゼール 高級ホテルの一室」にナインさんが現れました。
■ナイン > 理解しようとする――それは重要だけれども。其処に拘泥すれば、それこそ、掬われるという物でもある、し。
適度にやらせて貰うさ、踏み込んだ分踏み込まれる…晒した分だけ晒される。未だ、全ては見せられないよ。
(僅かに苦笑したような。己を晒す事の苦さについては、どうやら少年の方も同じらしいと。ささやかな共通点を見られたからか。
それに。枷になると解っていれど、歪める事の出来無い自我の一側面という部分にも。異なるようで似ている、と…それも亦。矛盾として。
だがそれも。矛盾を抱くというのも、きっと人が人である故に。…悪くない。そう思う。
尤も、今にも苦笑を通り越し、笑い出してしまいそうな心象を。表に出す事なく飲み込むが。)
其処は、お互い様――必ずしも。足を引っ張るのが、お互い同士だとは。限らないのだから。
客は客で、きちんとしていてくれないと……金さえ出せば、好き勝手をして良いと。そういう輩は多そうだけれど。
(つくづく金は厄介だ。使うも使われるも。取り分け、有れば有る程。払えば払う程。全てが自由に出来る、そう奢る輩等。
…目の前の少年はどうだろう。一瞬問いたくなったが――やめた。そも、今の少女自身が。
金の力という物を出来得る限り、利用しようとしているのだから。人の事など言える筈もない。)
――っ、ぇ゛ふ…!けほ、っぅ゛ぇ……っ…!…くふ。あぁ、まぁ――言いたい事は言えた。決めたい事は決められた。
好い加減、色々と。放り出したい所だよ。せめて、今夜一晩くらいは、な…?
(互い未だ、こなさねばならない事を、ごまんと抱えている事は。つい先程迄彼が居た机を見ても。良く良く分かる。
それでも。互い溺れるというのなら、せめてその合間だけは。雑事を忘れ、唯一つにのめり込まねばならないだろう。
ずるり。生々しい程に溢れる滴りを、白濁とした粘液の糸に変え。幾本も引き摺り乍ら引き抜かれていく、牡。
散々に喉奥を抉り抜かれた嘔吐感に。途端、噎せて咳き込み、逆流する胃液に嘔吐き。それでも、瞳を緩めてみせる。
――改めて、真っ直ぐに目を向けるなら。仰々しい迄にそそり立ち、反り返り。威を示す牡、その物が在る。
知らず息を飲まされ、一瞬、目眩すら抱きそうな程。…過日の術は残っていない筈なのに。
焼き付けられてしまった物は、刻みつけられてしまった物は。……我欲も、被虐も、何もかも。決して消えないという事か。
揶揄めかされているのであろう少年の言葉にも。柔く微笑み、何一つ否定してみせぬ侭で。一旦腰を浮かせ立ち上がった。
するすると衣擦れが、微か。言葉を重ねる事すら無粋だと言わんばかりに、その侭。ドレスも何もかもを脱ぎ捨てていく。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「違いない。それに、私と貴様が互いの手の内を全て晒し合うのは詰まらぬ。陰謀を、野心を、理想を、そして己の弱みを。持つ札は限られている。相手の手札が無くなってしまうのは、遊戯としては悪手故な」
全ては見せられない、と告げる彼女にさもありなんと言わんばかりに楽し気な笑みを見せる。
結局、人として抱く様々な思いや感情は、自分自身という存在に付随した手札でしかない。
それを全て曝け出し、交換し合うのも人ならば、騙し、隠し、手札を切らせるのもまた人の性。それもまた一興なのだろう。
「好き勝手にさせておけば良い。支払った対価に見合っていれば、客の喧騒を呑み込むのも度量というもの。
だが、舞台を壊す様な真似はさせぬさ。どんなに金貨を積み上げようと、野次を飛ばす様な客は追い出さねばならんからな?」
確かに、金によって其の場を支配していると。金を受け取った相手に対して己が優位な立場であると考える輩は多い。そして、それを頭ごなしに否定する訳では無い。だからこそ、多少の狼藉は金を出しているならば目を瞑る事もある。
だが、それで全てを台無しにして良い訳では無い。此方が作るルールに同意して金を払ったのならば、ルールが守れない者には消えて貰うしかない。そういった点では、金を支払った者と受け取った者。両者は本来対等な立場でなければならないのだろう。
――尤も、こうして財貨によって少女を蹂躙しようとしている己が言えた立場では無いのだが。
「…そうだな。泥沼に浸りながら汚泥の処理を語り合う事等、後で幾らでも出来る。今は、此の夜だけは、誇りも尊厳も投げ捨てて、互いに堕ちてしまおうか」
年齢に見合わぬ策謀を巡らせ、敵を騙し、味方を欺き、他者を蹴落とす二人。
だからこそ今だけは。彼女の言う様に、情欲と狂気に溺れて全てを快楽の坩堝に溶かしてしまおうか。
屹立した己の肉棒を見つめる少女の瞳に過日と同じ様な欲望の光を。虐げられる被虐の悦びを見て取る。最早魔術等行使する必要も無い。ただ、眼前の少女を喰らい尽くし、貪り、奪ってしまう事だけを考えれば良いのだから。
そして、立ち上がって服を脱ぎ捨てていく少女を見つめながら、窮屈な礼服の上着を脱ぎ捨て、乱雑に緩めていく。
肌着の上にシャツを一枚羽織っただけの姿になれば、衣服を脱ぎ捨てた少女の腕を取り、乱暴に寝台へと押し倒そうとするだろう。
それは、嘗ての夜の様に己の余裕を見せる様なものではない。
少女は今宵自分のモノなのだと、己の肉欲を発散させる為だけに此の場にあるのだと。それを示す様な乱暴なモノ。
少女を押し倒す事が叶えば、そのまま少女の身動きを封じる様にのしかかってしまおうか。昏い嗜虐心の炎が灯った瞳で、少女を見下ろしながら。
■ナイン > 勿論、だからと言って出し惜しみをするつもりもない…けれど、な?それで負けては元も子もないという物だろう?
――使うべき物は使わねば意味がない。それこそ、金なぞは。その最たる物だ。
かといって。使い道を誤られても。…いや、今回の場合は、アレか――払う先を違えられても、困るからな。
どうにか上手い事。見えない手綱を握ってやるさ。
無作法者を出禁にするのは賛成だが。どうせ舞台上で踊るんだ。踊らせてやるのも亦然り…だろう?
(少なくとも。今回の一件で出すべき手札については、惜しむ素振りを見せなかった。
誰と誰が関わっているか等も、大体は少年へと仲介しているし…自分自身、という手札に関しても。今正にこうやって、差し出している。
代わりに少年から。金や、それに付随する手札を出させる為なのだから、惜しみはすまい。
…序でを言えば。同じ舞台に上がる者。上がろうとする者が居れば。当然、札を切って貰う事は必須。
巻き込み巻き込まれた他の貴族やら軍属やらが。如何なる顔を、手札を見せてくるのかと。
想像すれば…少し愉しかったのか。喉を揺らし、嗤った。粘付く唾液を、胃液を。口腔奉仕の残滓を垂らす唇で。)
気晴らしが欲しい所では有った、し。……くふ、それと引き替えに、自分自身を、どれだけ差し出せば良いのかと。
考えてしまうと…高い買い物だ、そう思う。……思っているけど、何、貴男の事だ。
…私が差し出す物に、見合うだけの報酬を――狂おしい程の、焼け付く程の、壊れる程の…あの夜のような悦びを。約束してくれるんだろう?
(寧ろ。さもなくば赦さないと。そう言わんばかりの断言かもしれず。
此方が膚身を晒す間に、少年の側も亦、多くを脱ぎ捨てていた。
一枚、二枚、残すのみの様相に。だが些か不満だと言わんばかりに、唇を尖らせてみせる。
一足先に、此方が全てをさらけ出したのだ。相手もそうでなくては、不公平という物だろうと。
尤も、そんな不平を口にする暇すらなく。まるで投げ落とされるかのように褥の上へ。
転げたその先、柔いスプリングが軋むよりも早く。更なる重み、二人分となった体重が褥を撓ませる。
シーツの中へと埋もれて、頭の脇へと投げ出された両手でも、掴まれてしまうなら。それで少女は囚われの身。
少しでも良い、膚と膚が触れ合うのなら。其処から相手へ伝えるのは、少女自身の熱っぽさ。露骨な、欲情の気配。
歪むように弧を描く瞳は、その通り、貪られる事に…餓えていた。
一切を投げ出し、忘れて溺れたい、というのなら。それこそ、誰かの上に立つ、従える、統べる、導く、虐げる等――諸々の所作を捨て。
単純に、一匹の、牝へと。堕ちたいという事なのだから。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…確かに、出し惜しみをした挙句、各個撃破されては元も子もない。貴様は良い軍略家にもなれるやも知れんな、ナイン?
……まあ、其処に関しては正直な所心配はしておらぬ。貴様が投資するに相応しいと判断されれば、手綱を握る事も容易であろうしな。だが、投資される事と買い叩かれる事はまた別の事。己の身を投げ打つのは良いが、安売りはせぬ事だ。私とて、貴様には高い値を見積もっているのだからな」
彼女の策謀の手腕については、杞憂を抱く様な事は今のところ全く無い。無論、完璧にこなしているとまでは断言しないが、少なくとも大きな過ちを犯す事は無いだろう。
だからこそ、今宵の様に己の身を投げ打つ際には、それなりの対価を引き出せと静かに告げる。尤も、淫蕩の残り香漂う口元に浮かべた笑みを見れば、心配はいらないかと薄く笑みを返すのだが。
「…勿論だとも。私は…いや、ホーレルヴァッハは不当な取引を好まぬ。貴様が差し出したモノに相応しい、貴様自身を壊し切る程の快楽を与えてやるとも」
と答えつつも、唇を尖らせる少女の表情と視線に何を訴えているのか理解すれば、クスリと可笑しそうに唇を歪めるだろう。
心配しなくても良い、と言わんばかりに、押し倒した寝台の上で、シャツも肌着もスルリと脱ぎ捨てた。少女に晒すのは、日の光を拒む様な己の白い肌と、華奢な身体。そして、その身体に不釣り合いな脈動する肉棒。
「…とはいえ、貪る前に下ごしらえをせねばならんな。素材の味を楽しむのも一興ではあるが、多少は手をかけた方がより美味というもの。夜は長い。じっくりと堕とし、狂わせてやるとも」
眼下の少女の肢体に腕を伸ばし、その乳房に触れる。
恐らく、今すぐに肉棒で少女を貫いても十二分な快楽を互いに得る事は出来るだろう。少女の肢体から伝わる熱は、既に少女の身体が己を受け入れられるだろうと容易に想像がつく。
だからこそ、そこから更に少女の肉欲を引き上げる。戯れの様な、擽る様な愛撫が乳房を中心に少女の上半身を撫で上げる。それは、傍から見れば愛しい者を愛でる様な柔らかな愛撫。だがそれは、既に情欲の炎が灯った少女を焦らしつつ、決して慈悲を与えない残酷な戯れ。
透明の汁をコポリと垂れ流す肉棒が、その熱を押し付ける様に少女の太腿に押し当てられていた。
■ナイン > 何、この程度は――嗜みという物さ。策略のというよりは、賭け事の。
…ふは。勘違いはしてくれるなよ?私は、決して。私自身に投資させている訳じゃぁない――貴男は例外かもしれないが。
言った通り、踊らせる役。糸繰る役。地方氏族を煽り、不平貴族を纏め、軍閥の片割れと繋げ……っと。いけない……
気を抜くと、仕事の話に戻ってしまいそうだ。…折角貴男に、売り付けている真っ最中なのに。
(何を、と問われれば。それは勿論、少女自身の肉体を。牝としての存在を。少年の言う見積もりには、期待していると。
確信と願望を主張するのは、軽口の混じる言葉よりも。色帯びて火照る膚であり、そして…横たえられた先、シーツに僅かに潤みを滴らせる…
一足先に彼の牡を頬張らされて。確かな発情に潤んだ下肢に他ならず。
そんな昂ぶる様を隠しもせず。いっそ、殊更に見せ付けて。交わし合う快楽の口約束だけでも、酷く快さ気な吐息を零すなら。)
期待している……あぁ、本当に、何処迄も――…っぁは、今宵の貴男は。どうやって、私を壊してくれるのだろう。
亦浅ましい牝犬に堕ちるのか、身も世も無く唯管に狂わされるのか、それとも…
(考える、それだけで。目元に刷く朱を増す一方。
常日頃、押さえ込まねばならない、被虐嗜好。破滅願望。それ等を肉欲として満たしてくれる少年は。屹度希有な存在だから。
実際、言わずとも伝わる願い。少年も亦全てを脱ぎ捨てて。膚と、膚が重なり合う。
温もりを。熱さを。全身で感じ入る事の喜ばしさを。両腕を差し伸ばし、背を抱き寄せる事で訴えて。
同時に、更に増すばかりの、欲。それは仕方がないという物だろう…密着すればする程に。実感する事が出来るのだ。
腿を焼くか、臍すら擽るか。其程に昂ぶる、彼の牡自身。押し当てられれば、びくんと膚身を震わせる。)
――――、…は。それは…随分、人間的で…理性的、じゃないか…ギュンター…?
獣のように交わるか、犯されるか、だなどと。思っていたのに――
(くすぐったげな。もどかしげな。身震いと、甘く高い少女の声音。
乳房を啄む、擽る、そんな酷く淡い触れられ方を。快く、但し、物足りない代物だと感じる故に。
僅かばかり背を浮かせるように、此方から上体を反らせ、双丘を少年へと差し出して。より確かな牙を望む獲物自身。
薄く尖りを帯びていく先端を、少年の指に、掌に、強く潰し転がして欲しいのだと。
素直な貪欲さは、当然、下肢も同じ事。脚を絡め合うかの如くに膝を立たせ、傾ぐ内腿を、反り返った牡へと触れさせて。
…ぬるりとした、確かな予兆を感じるのなら。反らせた喉を小さく鳴らし。腿と腿、挟み込んで捏ね回すような、牡への戯れを此方から。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…互いの悪い癖やも知れぬな。どうしても、互いの利を。仕事の話をしてしまうのはな」
思わず零した苦笑い。さりとて、このまま言葉を続ければ彼女と同じ様に滔々と仕事の話ばかりしてしまうかも知れない。
それ故に、其処で口を噤み、彼女の肢体を愛撫する事に意識を向けるだろう。
擽る様な、撫でる様な、そんな微弱な快楽を与える様な愛撫。
「……く、クク。そうさな。どうやって壊してしまおうか。どうやって喰らってしまおうか。どうやって、お前の尊厳を。お前自身を。唯の道具へと変えてしまおうか」
愉し気に告げる様は、嗜虐心と支配欲に満ちたモノ。
重なる互いの身体が灯った熱となって交わり合い、その熱が易々と理性を溶かす。
尤も、既に理性など無いのかも知れない。こうして交わす言葉の全てが、既に獣欲に堕ちる為の手段でしかないのだから。
「…ほう?そうか。そう思うか、ナイン。だがな、私はこうも思うのだ。壊すのなら丁寧に。その過程も大事にしなければ、壊し甲斐が無い。それを人間的だと、理性的だと思う余裕があるのなら――それはそれで、愉快な事だ」
クスクスと嗤いながら告げられる言葉は、ある意味で少女にとって残酷なものであったかも知れない。
上半身を弄りながら漸く片手が少女の下半身へと伸ばされる。だが、太腿や股座に触れる指先は軽く、少女の中に指先は侵入すらしない。背を浮かせ、強く舐って欲しいのだと懇願する様な乳房の先端も、軽く触れる程度で決して決定的な刺激を与えようとはしない。
それが続く。少女の肉欲が昂り、見ただけで次の快楽を求めていても尚、焦らす。舐る。少女の肉体を支配しているのは己だと示す様に。少女が理性をかなぐり捨てて懇願するまで、決して慈悲は与えられない。
その一方で、まるで引き込む様に、求める様に腿の間に挟まれる肉棒は、少女を尻目に存分に快楽を味わっている。緩く腰を動かし、透明の液体が太腿を穢す。
それは潤滑油の様に肉棒と太腿の間に垂れて、淫靡な水音となって室内に響くだろう。
■ナイン > ――……くふ、ふ。じゃぁそうだな――折角だ。此処から先、仕事の話を持ち出してしまったら…何か、罰だ。
それはそれで、愉しそうだと思わないか…?
(挑発めかせて瞳を笑ませ。指先を振ってみせた。
互いの難儀な性分だと、解りきっているからこそ。この位思い切ってしまわねば、キリがないと踏んだのか。
…それとも、だからこそ絶好の口実として、戯れる事を望んだのか。
勿論、乗るかどうかは少年次第ではあるのだし――それに。言い出した側である少女自身も。油断すれば、失言を零しかねないのだから。
決して不公平な賭けにはならない筈だ。)
思う。あぁ、思うとも。そうやって……貴男の言い草を借りるなら。
如何なる手札を切ろうか思案して。如何に弄ぶかと策略を巡らせて。それは充分に、理性的で…人間的、だよ。ギュンター。
一匹の獣でしかないというのなら、目の前に餌をぶら下げられたのなら、真っ先に飛びつく物だと。思わないか?
(こんな風に、と言いた気な。牡を挟み込む内腿へと込められる力。粘付き糸引く予兆を搾り出せば。擦れ合う牡に、腿に。糸を引いて音をたて。
少年の側も、腰を揺らしてくるのなら。振幅の差に期待して、少女も亦腰を揺すろうと、ずり下ろそうと…
彼方から触れてくれないのなら。此方から向かってしまえとばかりに。牡の穂先へ、股座を擦り付けようとすら。
とは言え、屹度それすら。上手い事逸らされてしまうのか。指先を求める尖りにも亦、淡く掠められる程度の物ばかり。
求めて、追い掛けて、望む侭に硬く其処は尖りを帯びてしまうのに。どうあっても欲しい物には届かない。
腿の揺らぎはともすれば…彼を悦ばせたい、煽りたいからか。或いは腿同士擦り合わせてしまう、焦れ故の物なのか。その境すら曖昧に。
行き場を躊躇う両手が。意を決し、彼の頬へと伸ばされたのは。どれだけ焦らされてからだっただろうか。
口付けを交わさんばかりに間近、頬を捉えて真っ直ぐに、貌と貌を。瞳と瞳を。重ね合わせていくのなら。
熱を燻らす嘆息と。一度伏せ…もう一度上げた瞳を、酷く艶帯びた色に塗らす侭。
近く、近く、彼へとだけ囁くのは。)
…本当に。本当に私は、こんなにも。差し出しているのに。…差し出したいのに。全額賭けてやりたいのに。
もっと、欲しいのか?更に根刮ぎ奪いたいのか、ギュンター…貴男は。
だったら、差し出すから。…肉を、心を、渡すから。ちゃんと――奪い去ってくれ、全てを……っ。