2019/01/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にリーマさんが現れました。
■リーマ > 「おじーさん?だいじょぶ?」
(気分が悪そうな若者の背を擦ろうとしながら声をかける金髪に青い目の女。今日は、食材探しのついでに頼まれた魔物を討伐してきた帰り。たまにそういう仕事もある。その帰りにここで飲んでいて、自分も結構酔ってはいるが、一人で飲んで気分悪そうにしている白髪の男性が心配になったのだ)
「あぁ、違うか。お兄さんか……髪が白いからおじーさんかと思ったよ。」
(帽子の隙間から見えた髪の毛が白かったので老人が気分悪そうにしていると思ったらしい。ヘラヘラと笑いながら、差し出したジョッキにはレモンを浮かべたお水)
「はい、とりあえず飲んで?」
(と男性の背中を、嫌がられなければさすりつつ。店に作って貰った飲み物を渡そうと)
■キニス > 「うぅ…」
何やら聞こえてくる女性の言葉と背中を擦られる感覚
ちょっとだけ寝ていたようで少し気分は良くなったのか
おじーさんじゃねぇ、と心の中で反論する。まだ言葉に出しての反論は出来ないようだが
「お、おう…そうだぞー。まだ20代のピチピチのお兄さんだぞ…」
彼女の言葉を聞けば、低い声でその様に告げる
冗談のような言葉も酔いのせいかテンションは低く
差し出されたレモンを浮かべたジョッキを見れば水だろうと踏んでぐいっと飲む
「っと…ふぅ…ありがとうな。ちょっとマシになった」
顔の赤みも少し引き、背中を擦られるのと出された水で元気が出てくる
机から顔を離せば金髪に青い瞳の女性。
美人さんにかっこ悪い所見せたな…と頭を抱える。
■リーマ > 「そうだねー。カッコいいお兄さんだったね?」
(ニコニコした様子は変わらず。こちらも酔っているのか顔が赤い。
背中を擦ってあげながら相手が水を飲むのを見守って。)
「はい、よくできました。……あんまり無茶な飲み方しちゃだめだよ?」
(まだ背中はさすってあげて、頭を抱えた相手に首をかしげると、頭の天辺の毛がクエスチョンマークを作る。店の中では、彼女が世話焼きなのは周知なようで、特に珍しい様子では見られていない)
「水いっぱい飲んで、少し塩分とって寝れば明日には大丈夫だからね?」
■キニス > 「そういうアンタは美人なお姉さんだったな?」
年齢的には恐らく彼女の方が年上だろうと思い
水を持ってくる気遣いや背中を擦る優しさ、何処となく感じる包容力など
如何にも『お姉さん』のような雰囲気に少しだけいい気分になる
「あぁ…いや、水を持って来てくれたり、背中を擦ってくれたりしてくれるのはありがたいけどさ。その言い方…俺を子供か何かと勘違いしてるんじゃないか?」
とりあえずはもう大丈夫だ、と言い背中を擦るのをやめてもらおうとすれば
アホ毛がクエスチョンマークを作るのにぎょっとする。
何だ…まだ悪い酔いしてるのか?と目を細めれば、次に飛んでくる彼女の言葉を聞き
「わかったわかった。…本当にお姉さんみたいだな。アンタ。
年の離れた弟でも居たのかい?それとも子供か?」
掌を向けて、顔は少し赤いが言葉の呂律とかはもうすっかり治った様子で
彼女のその性格や仕草から、そう疑問を投げかける
■リーマ > 「美人なコックさん、リーマさんだよ♪この近くでビストロやってます。…《Spitz Kohl~シュピッツコール~》……知ってる?」
(背中を擦るのを嫌がっているようならやめて、美人と言われたら普通に笑みが深まる。というかもともとニコニコしている)
「やー、ごめん……ウチにもまだ若い住み込みの従業員がいるからついついね?一応独身だから子供はいないよ~?」
(基本的に明るいのと、すでにコイツも酔っ払いなのだ、背中を擦るのをやめたかと思ったら、バシーンバシーンと背中を叩くのだ。あと割と力が強い)
■キニス > 「へぇ~、こんな美人なコックさんの存在を知らなかったとは、俺もまだまだだな
しゅ…しゅぽっ…?いや、知らないな」
彼女の言葉を受け、その顔をじっくりと眺める
何だか難しい名前の料理屋だが、コックということはとりあえず料理が上手なのだろう
まだしっかりとしてない認知能力でそのことは把握する
「俺の名前はキニスだ。ここで冒険者をしてる。…ほう、そんなに美人さんなのに勿体ないな。何なら俺が、いててててて!?」
自己紹介の後に少しキザったらしいセリフを吐こうとしたら背中を叩かれる
割と厚めの服に、背筋も結構あるにも関わらず割と痛い
めっちゃ酔ってるじゃんこのお姉さん…!?と内心でとても驚く彼であった
■リーマ > 「そんな美人美人絶世の美女呼ばわりされると照れちゃうなぁ!?」
(なんかやたら笑いながら背中を叩く。その後痛がる様子にケラケラ笑うから、それはもうガッチリ酔っ払いだ)
「……んで、ペニスさんは冒険者なわけね?私も今日、ギガントアリゲーター討伐してきてさ?……サイズが8mくらいあったんだけど、尻尾の方が美味しいのね?店で使おうと思ってしっぽは貰ってきたから、明日はギガントアリゲーターのシュニッツル(カツレツ)ですよ?
ソースは玉ねぎと完熟トマトの特性ソースで?前菜はどうしようかな?
でもまぁきっと美味しいよ。値段は決めさせてもらえなかったから明日になればわかる。」
(すげぇしゃべる。生物の名前は魔物の名前で、相手の名前は酷い間違え方をしていた。実はこっちのほうが悪質な酔っぱらいなので、だから周りの男性陣は絡まないのだ)
■キニス > 「いや、そこまでは言ってなっいてててててて!!!」
めっちゃ背中を叩かれ、体が揺れながらそういう
取り合えずガチ酔いしてる相手だ。言ってもやめないだろう
故に片手で数発はいなしつつ
「俺、割と長年冒険者やってるけどそんなひでぇ名前間違いした奴初めてだぞ
ってか全然聞いてねぇのにめっちゃ喋るな!?知らねぇよ!
それにお前よく8mもあるワニ殺せたな!結構手間かかる相手だろそいつ!?」
こんなにツッコミを入れたのは久しぶりだ
なるほど、彼女が独身である理由が少しわかった気がする
ついでにそこら辺の男たちが手を出さない理由も。
「いってぇマジで…少し落ち着けよ。それにペニスが好きなのはいいが、俺の名前はキニスな。いや、俺にもペニスは付いてるが」
落ち着くように彼女の肩に手を置けば、ため息交じりにそう告げる
■リーマ > 「えっちゃんがね?……
【リーマが値段決めたら直ぐに原価割れするからだめだ】
って値段決めさせてくれないの……私がオーナーシェフなのにあんまりじゃない?」
(とりあえず、えっちゃんとは件の住み込みの従業員のことである。彼のおかげで店は今日も潰れていない。すごい勝手にしゃべる)
「ワニはぶつ切りにしたからしっぽ貰った……
んで、そのえっちゃんなんだけど。これがまた可愛くってさ……」
(自分は勝手にしゃべるくせに相手の冗談を完全にスルーする辺りとても酷い。相手に肩を乗せられて、若干潤んだ目で顔を寄せるから、見た目だけはいいのだが。内容は酷いものだ)
「それで……合わせるワインのことなんだけど……」
(このまま放っておけば延々と脈絡のない話を聞かされることになるはず。色気のある展開には、今日はならないのだろうね。)
■キニス > 「Who is えっちゃん。いや、いきなり俺の知らない登場人物出されても困るんだけど」
困ったように目を細め、そのように発言する
とりあえずは店の関係者で、割と地位の高い人なんだろうと考えつつ
彼女のマシンガントークを浴びる
「いやまぁ…うん、とりあえず、これ飲んで今日は帰ろうな?」
先ほど、目の前の彼女から貰った檸檬水の残りを差し出し、そう告げる
見た目は凄い美人で今すぐにでも一夜を共にしたい所ではあるが
如何せん自分も相手も酔い過ぎたと思い、素直に帰ろうとする
彼女が水を飲み終えれば、肩を貸して冒険者ギルドから出ていくだろう
勿論、この調子で情事に発展することなど無く、頑張って彼女のビストロを発見すれば、そこに送って自分も帰路へ戻る
一つ心配事があるとすれば…
「俺の名前、ペニスで覚えられてねーよな…?」
そんなことぐらいであったか。
■リーマ > (肩を貸せば踊り出すし、途中で野良猫を見つけて追いかけるし、ずっと上機嫌で鼻歌まじりだったのだけど。色々促されるとちゃんと言うことは聞くし、気分も悪そうではない、送って貰えれば素直に帰る。
そして酷いことに、彼女は今日の出来事のほとんどが記憶にないのだった。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からキニスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からリーマさんが去りました。
ご案内:「ハイブラゼール 高級ホテルの一室」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ご案内:「ハイブラゼール 高級ホテルの一室」にナインさんが現れました。
■ナイン > 仮定は、仮定。……ふ、ふ。可能性位は考えておくさ。――無論。私が、そうなるかもしれない…というのも。忘れてはくれるなよ?
(見たい、事は確かだ。次なる王の誕生を。…此の国が、次なる形へと切り替わる瞬間を。
それが誰なのか――願わくば、愚王たり得るな、とだけは願うのだが。
取り敢えず、今は未だ見えない可能性、ばかりだ。少女も、少年も亦――と。同じなのだと、信じた侭で。)
それに対抗しようとすれば。結局数便りだ――お陰で先日来、彼方此方駆け回っているよ。
序でに、及び腰な連中の尻に火を点けて回る毎日だ。
残念乍ら連帯という意味では――結局。共通の敵という認識を植え付けて、脅し回るしかないのが現状…かな。
その上で…量だけでなく、質でも抗おうと思うからこそ。貴方の協力が必要になる訳だ。
(そもそも。理想など、人によってそれぞれだ。取り分け欲に塗れた貴族達ともなれば、目的も手段も、バラバラで当然の事。
少年が、少女の理想を理解しかねるのも。――少女が、少年の理想を見誤るのも。だから仕方ないのだろう。
…敢えて語るではないが。現段階の少女が求めているのは、此の国に於いて、嘗て一族が有していた物、誇っていた物。
此の国で、なのだから。国無くしては意味が無い――玉座は、その後の事。
その上で。玉座の腐敗が、国その物を腐らせるというのなら。逆も、亦然り――である筈だ。と。)
――王座はともあれ、周囲の腐敗を、頂点に迄届けるのも。感心しない事だから。
とはいえ、今は。目先の戦争を最優先しなければ――な。腐るよりも先に、国その物が奪われるなりしてしまえば。
賭けも何も、勝負事自体が成立しなくなるだろう?
…あぁ、勝ちは勿論さ。戦うには勝つつもりでいかなくては――
(少なくとも。敢えて負けると解っていても、その上で戦を起こす等というのは。愚かしいと言わざるを得ない。
次の勝利の為、尊い捨て石となるだとか。失敗すると解っている造反で、敢えて国に正義を問うだとかは。
結果として巻き込まれる部下だの民衆だのに犠牲を強いる、上に立つ者としては赦されない愚策だと。
勝ちに行く、その為に。出来得る限りの策を事前に練ろうとしている――貴族同士を連携させる為。
第七師団という格好の偶像を論うのも。第三師団という絶好の標的を槍玉に挙げるのも。
直接動くよりは危険の少ない方法だと、諸侯に金を捻出させるのも。
…それを更に、武器という形にロンダリングする為に。少年を頼るのも、だ。
……勿論。少年自身に向き合う為。彼と話を付ける為。…謂わばそれも。一種の戦いとして。少女は何も惜しまない。だから。)
――それは、買い被りという物だよ。私は、唯――傷付けて良い物と、そうでない物とを。知っているというだけだから――――
(そして。少女は自分自身を、後者には含めていないという事だ。…余所で語った言葉だが。直接の戦場ではなくとも、己も亦、争っている。戦っていると。
ならば矢面に立つのも、傷を負うのも、それを厭わないのも――当然の事なのだ、と。
人の上に立つ、他者の命運を背負う、せめてもの自負を口にしたのなら。その唇はもう一度、今度は少年の側から塞がれる。
ねじ込まれる舌先に、一瞬、びくりと戦く少女の舌は。それでも、侵略を受け容れる。――それがどれ程の悦びに繋がるのかを。
少年に犯されるという事が、如何なる物なのかという事を。心以上に、先ずは躰その物が。既に刻み込まれていたのだから。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「グリューブルム王朝の成立、か。その際は、王国経済の立て直しは任せて欲しいものだな。宮中政争よりは、其方が本業故な」
それは、偽りの無い本心からの言葉。元々王位継承権そのものに大した興味が無い己としては、彼女が王として即位する方がまだ"面白い"。
尤も、己が彼女の理想の国家に協力出来るかどうかは定かではないが、今は唯、彼女の言葉に緩やかな笑みと共に頷いてみせるだろう。
大公の権勢に抗おうという事そのものに、利益を感じる貴族がどれ程いるかにもよるだろう。既に権益を持つ貴族は、現在の体制とバランスが崩れる事を良しとすまい。盤上遊戯と同じだ。上位のプレイヤーが、起死回生を狙う下位の者共に協力などすまい。それ故に、大貴族と自負する者程、大公と敵対する事に利益が無くなる。無論、極論に過ぎぬがな。
とはいえ、それでも尚抗おうというのだから、貴様も中々に物好きよな」
貴族も所詮は国家のシステムと制度に過ぎない。体制側にある者は、現状の変革を良しとしない。
彼女が各地を駆け回って貴族達に発破をかけなければならないのだろうと、その苦労は理解するし同情もする。
しかしだからこそ、道は違えど理想を求める貴族のよしみとして、彼女にかけるのは厳しい言葉。淡々と、しかし敢えて冷ややかな口調と共に、彼女の瞳を見つめるだろう。
「全くだ。そもそも、現在戦時中だという事を忘れているのではないかと思わんばかりの宮中には呆れを通り越して笑いしか出ぬ。奴ら、自分が魔族の胃袋に押し込まれてから漸く戦争していた事を思い出すのではあるまいな。
…その意気や良し。とはいえ、精神論に投資するつもりもない。期待はしていないが、信頼はしている。失望させるなとは言わぬが、期待くらいは抱かせてくれよ、ナイン?」
彼女が己に支援を求めた事も、軍部での抗争を利用した政争も、自らの目的の為に努力する人間は好意に値する。
それは、己が求めるところの強い意志であり、闘争である。如何なる手段を以てしても、目的の為に我が身を擦り減らす彼女には、敬意すら覚える程だ。
―――そして、その気高い少女を貶める事もまた、己の深奥に眠る仄暗い嗜虐心を呼び覚ます事になる。
「尊厳と自尊心を傷付け、己の身を貶めても尚、お前は貴族として気高い。だからこそ、喰らい甲斐がある。その誇りも、心も、魂さえも代価にして、理想を叶えるが良い、ナイン」
それは、彼女を陵辱し、犯し、己の欲望で汚す前に投げかけた己なりの賛辞だったのかも知れない。
そして、ねじ込んだ己の舌先は少女の舌を絡め取り、咥内を無造作に荒らしまわる。互いの唾液を絡ませ、それを少女に嚥下させるかの様な舌使い。
その間にも、隆起した己の肉棒をゆっくりと、しかし強く少女の肢体に押し付ける。それはただ単に、少女の肢体で肉棒を扱き上げるかの様な、道具として使っているかの様な快楽のみを求めた動きで。
■ナイン > …勿論、利用させて貰うさ。ホーレルヴァッハは――貴方の力は、魅力的だ。
共に、願う物を叶える為に。手にする為に。精々利用し合おうじゃないか、ギュンター・ホーレルヴァッハ?
(現状。少女の方が圧倒的に、借り入れが大きいのだが。それでも、最後迄負債を抱えた侭で済ませるつもりは毛頭ない。
今は、取引。だが、少なくともそれも亦、手と手を繋ぐ行為に他ならない――せめて、等しい立場で握り合えるか。
或いは、片手で握手を交わす侭、もう片方の手で殴り合う…そんな力を持つ所迄を目指せるか。
どうやら。少年の願いを気取れぬ侭だからこそ、とはいえ。少女の目指す物は亦一つ増えそうだ。)
今正に、崩されようとしているのさ。それこそ大公側によって。
…一方が増えれば、もう一方が減る。王国という器それ自体の容積が、中身が変わらないのなら。
そして、誰とて己の取り分は増やしたい、減らしたい物だろう?…ギリギリの鬩ぎ合いを、今、崩されるのは真っ平御免だ。
後は――上位の者程。下位に堕とされる事を、良しとしない物だから。
あぁ勿論。宮中での小競り合いを繰り返している合間に…横合いから殴りつけられる可能性など、幾らでも有るのにな?
現状、人間の他国に関しては…第五師団等が優勢なようだけれど。殊魔族に関してだけは如何とも。
……っふ、ふ。これでも私は――賭けるに当たって、準備は怠らないタチなのさ。 今は未だその途中。仕上げは結果をご覧じろと、な――。
(無論、体制側に在らざる――今回の場合、貴族と反りの合わない軍の方へも。適宜働きかけているが。
寧ろ貴族達が体制側であるからこそ。其処から弾き出されるかもしれない、という可能性を危惧させる事が肝要だ。
大貴族と自負する者にこそ、立場を奪われる、足元を崩される危険性を吹き込んでやる…疑心暗鬼を煽り立てる。
当然自負出来ない者へは、成り上がりの可能性を囁くし、更に全てを失う恐怖も注ぎ込む。
システムを、バランスを、現状の危うい均衡を――何れ来る変革の瞬間迄は、護り抜かなければならない。
その為にさんざ他人を騙くらかし、焚き付け、脅かし…随分と、穢れた遣り口だ。
だが、その悪業を自覚して。それでも決してやめるつもりはないと。ともすれば猛進、さもすれば盲信…少年を見返す瞳に宿し。)
既に傷付いた、貶められた、そんな躰でも。使える物なら幾らでも。
…欲しい物、取り返したい物。叶えたい物。護りたい物――嗚呼、本当に多いから。
っ、はは。…あは。まるでこれこそが本当の契約だ。…魔族よりもずっと。悪魔を思わせるな…ギュンター。
(それが、褒め言葉なのだという事は。きっと耳元で柔らかな声音を受け止める、少年自身にしか伝わらないだろう。
ならば、後はもう。その契約を――魂をすら代価とする取引を重ねるだけだ。
口付けの深さに、僅かに膝が震え力を弱め…その分。高低差がほんの少しでも増せば。
舌と共に口中を侵略する彼の唾液が。嚥下と共に喉奥をすら、他者の熱に浸していく。
侵される…その事実に。ひくりと膚身が震えてしまうのは。牡が擦り付けられる程に密着していれば、言葉よりもずっと解り易く。
――使われる。犯される。穢される…自覚した上で、感じる物を隠せない。
少年を魔に例えてみせるのならば。少女はとっくに、人としての多くを政争に…政の狂宴に捧げてきた、生贄だから。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…ああ、勿論だとも。だが、俺とお前は対等ではあるが平等ではない。お前が魅力だと言ったホーレルヴァッハ家の財力は、決して豪奢な生活を送る為のものではない。
我々は武力を尊ばず、財貨を以て物事を支配し、黄金の海に敵を沈める。俺を利用するのは構わない。だが、我々の黄金がお前を呑み込まぬ様、努力する事だな」
言葉は敵対的であり、挑戦的。だが浮かべる表情は寧ろ楽し気であるだろう。彼女ならば、己と対等に闘争出来るのではないか。彼女ならば、何れ己の亡国の理想を止めるのではないか。
彼女を対等と見做したからこその宣戦布告であり、同時に手を携える相手であると認めたが故の言葉だった。
「……其処迄理解しているのなら、俺の言葉は余計な御世話であった様だな。ならば精々足掻いてみせろ。折角、特等席のチケットを売りつけられたのだ。それが喜劇であれ悲劇であれ、満足のいく結果であることを願うよ。
――戦争の趨勢については、お前が憂慮せぬ様此方も動くとしよう。何せ、王国軍は最大のお得意様だ。滅んでしまっては、支払いが滞るからな。程々に勝たせ、現状を維持出来る様な兵站は準備しておこう」
言うなれば、盤上の駒を操作する様なもの。
彼女の掌で全て踊っている、とは決して言うまい。しかし、様々な貴族達をどう動かすか、という点においては、己よりも寧ろ彼女の方が優れているかもしれない。遣り口等問題ではない。彼女がプレイヤーとして立ち回っている事が重要なのだ。
だからこそ、幾分危うい色を湛える彼女の瞳を、それは過ちでは無いのだと告げる様に優しく見返す。尤も、それは彼女を焚き付ける様な、肯定によって猛進を煽る様なものであるかも知れないが。
「…く、ククク…。悪魔、悪魔か。良い響きだ。
ならばナイン。望むがままに求めるが良い。お前の身体、尊厳、魂。全てを売り払い、黄金の山を抱き締めるが良い」
己の事を悪魔の様だ、と告げた彼女に、心底愉快そうな声色と共に嗤う。そして、全てを捧げろと囁いた後、嘗ての夜の様に少女の肢体を蹂躙するだろう。
散々に荒らし回った唇を離し、銀色の糸が互いの唇を繋いで、消える。
抱き締めた腕はその蜂蜜色の髪を撫でた後、緩やかに背中へ、そして臀部へと下り、その柔らかさを愉しむだろう。
その一方で纏っていた己の下衣を片手で器用にはだけさせ、張り詰めた肉棒を露わにする。
既に先走りの汁が浮かぶ肉棒を彼女の肢体に擦り付けながら、彼女の腕を取りその肉棒を握らせようと―
■ナイン > 全くだ。…その財力によって作られた物を買う為にも、諸侯を焚き付けている訳だしな?
先ずは数を揃えるしかない、というのは――大公殿に対してだけじゃない。貴方に対しても言える事だよ。
――勿論。こんなにも程近い所から、真っ先に足元を掬われる愚は――良く良く見知っている事だから。
(近しい者にこそ、何かを奪い取られる光景は――幼き日の喪失は、少女の脳裏に焼き付いている。
少年の愉悦を含む声音に対し。此方は一瞬だけ、色を失わざるを得なかった。
だが、それでも。正に掬われかねない足元を曝し続けるような愚は犯すまい。本当に…本当に、一瞬だけの、素、だった。
彼に――否、己の前に立つ者達に。見せるべきは、何処迄も。今のレーヴェナインなのだから。)
悪魔のお墨付き。――くく。悪くない気分だよ…嗚呼当然だ。
踊り始めたというのなら、最後迄踊ってみせなければ――観客も興醒めだろうし。
――っふは、話が解ってくれて。本当に…助かるよ。こちとら未だ未だ手一杯だ、それこそ、観客にも舞台の上から。手を差し出すしかない程に。
(寧ろ少女も亦。王国の貴族という、等しく、演者に他ならない。
同じ阿呆なら何とやら、という訳ではないが――先程、傷付く可能性から、自らだけ除外する訳にはいかない。そう語ったのと同じ。
踊るからこそ踊らせられる。誘うからこそ巻き込める。手を差し出すからこそ…二人で、それ以上で。壇上で踊る事が出来るのだ。
何もかもを裏からのみで回すには…それこそ足りない物が多すぎるから。彼の存在は実に有難かった。
矢面に立ちたがる少女は。それこそ、失敗すれば敗者の象徴。見せしめにでも生贄にでもなりかねない…それも亦、粛清劇という演目じみて。
その危うさは当然自覚しているが。さりとて、立ち止まりはすまい。焚き付けられなどせずとも。初めから、進む以外の選択肢を。
持ち得ていない、奪われた、それこそ在りし嘗てに於いて。)
っ、…っふ、……んん、っぁ、ふぁ…!…加えて悪魔に捧げる宴は――姦淫を、淫蕩を好む物…だろう?
ならばギュンター。貴方の、そして私の。お気に召す侭に、さ――――
(千切れ落ちる銀糸すら、自ら飲み下してみせようか。口付けの深さと、それ以外の熱とに乱れ始める吐息を、隠す事など投げ出して。
髪に触れられた頭を軽く揺すり、背面を撫で下ろしていく掌を追い掛けて。
膝を落とす、跪く、面持ちを下げていく――手に包むだけでは尚足りない。彼の牡へ口付ける為、喉へと受け容れる為に。
…互いの唾液に濡れた舌を、張り詰めた牡へと巡らせていく様は。
あの夜に全てを狂わされた術を使われずとも。既に、少年への…彼に堕とされる事への。欲を抱いている証。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「奪われる事を知りながら、それでも尚立ち上がる者に、俺は敬意を抱く。奪われる弱さを知り、奪われない為の力と強さを求める貪欲さを持つ者をな。
だが、俺はその弱さを知らぬ。知りたくも無い。弱さは罪であり、俺は常に奪う側だ。他者を踏み躙り、財貨の欲に溺れさせ、他者の全てを己の利とする。……それだけは、忘れるな」
何故こんな事を彼女に告げたのか、自分でも分からなかった。
彼女が告げた言葉に感化されたのか。或いは、ほんの一瞬。此方も訝しむ程の束の間見せた彼女の素に無意識に反応してしまったのか。
何れにせよ、此方が露わにしたのは獰猛なまでの強者としての矜持と、それを自ら否定する様な自嘲めいた笑み。それは彼女とは違い、ありありと見せた己の素の姿であったかもしれない。
「余計な野次があっては、演劇を愉しむ事も出来ぬからな。行儀の良い観客である努力はしよう。
……とはいえ、流石に舞台に引き込まれては、素人同然の動きしか出来ぬさ。台本を台無しししてしまっても、恨み言は聞かぬからな?」
クスリと笑みを浮かべて、彼女の言葉に頷いた。
勿論、此方とて観客として高みの見物を決め込むつもりはない。己の手の届く範囲で、彼女の策謀に力を貸す。それは"契約"を交わした以上果たすべき義務である。
だが、それが彼女の求める結果に繋がるかどうかは保証しない。己という悪魔をどう利用するのか。それすらも愉しみであると言う様に唇を薄く歪めた。
「……ん、ん……は、ぁっ…。クク、ああ。そうだな。そうだとも。快楽に、肉欲に、獣欲に堕ちる様こそ、贄の姿に相応しい。だから、壊れろ。そして、壊れるな。壊れ切っては、つまらぬからな」
静かに跪く彼女に合わせる様に、這い回っていた手は彼女の髪の毛を撫でながらその頭の上に置かれる。
そして、己の肉棒に彼女の柔らかな唇が触れ、先程まで蹂躙していた舌が肉棒へと絡められた時。彼女の小さな頭を両手で掴むと、肉棒を深く加えさせようと強く引き寄せた。
「此方から言わずとも浅ましく咥え込むとは、随分と腹を空かせた犬も居たものよな。とはいえ、餌を下賜するのも飼い主の務め。精々、早く褒美を得られる様に励め」
そのまま、彼女の頭を前後に揺すりながら、己も緩く腰を振って彼女の咥内を肉棒で蹂躙する。
固く張り詰めた竿が。膨張し、とめどなく透明な液体を吐き出すカリ首が。何の配慮も恩情も無く、彼女の咥内を犯すだろう。
唾液と先走りが入り混じり、ぐぽぐぽとくぐもった水音が室内に響き始める。