2019/01/23 のログ
ご案内:「設定自由部屋」にセアティムさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋」からセアティムさんが去りました。
ご案内:「廃れた海岸のコンテナ置き場」にセアティムさんが現れました。
セアティム > 折れたボウガンの矢、小さな火薬臭い空薬莢、壁が煤けてるのは魔力ではなった炎の痕だろうか、ここは戦場。小さな反王国組織の集会場となっていたその場所を、突如襲った者がいる
者たち、ではない。襲ったのは一人、別に英雄譚の英雄が如くちぎっては投げを繰り返す訳でもない。小規模とはいえ、反王国組織者は10名以上いた。
コンテナの高い場所からボウガンで奇襲をかけ、煙幕で目眩ましをし混乱させて散らし、あとは個別にじっくり、じっくり時間をかける
逃げ道は2つ用意してやる、そちらに逃げたならば別働隊が逮捕するだろう、最後まで抵抗してた男は王国の犬とか叫びながら剣を振り回してたが、素人ならば問題はなく、抵抗の意思はあるならば

――肉を重く、鋭く、切り裂く音

自分の力では首は切れぬが致命傷には十分だろう。


「――クリア、全敵性能力者の排除は終了。要救護者なし、繰り返す、要救護者なし」

逃げ遅れた、あるいは逃げなかった人間は全員始末したという事になる
懐中時計を見ればもう深夜。とりあえず、適当なウェスで血を拭う。怪我はしてない。単騎で戦う以上怪我は最もしてはならない行為の一つだ。拭うのはあくまで返り血である

「任務完了、このまま本部へ帰投する。明日までに報告は済ます」

口調は冷たい男のものだが、凛と立つ少女はわざと声質を弄ってる
淡々と、男のように聞こえるように。
組織の人間が撤収する気配を感じてから、コンテナにずる、り。ともたれかかるように倒れ込んだ。怪我はしてない、疲労は限界ではない。
――ただ、やはり殺し合いが終わると力が抜ける。後から恐怖心が湧き出るのだ

セアティム > 「…っと、ん?あはは、腰が抜けちゃったか」

先程までの台詞とは、口調も声色そのものも違う。こちらなら中性的ではあるが、女の子、と言っても違和感はないだろう
立ち上がろうとしたのだが、足に力が入らない。実は結構危ない橋を渡ってた、後数センチズレてれば頭部にボウガンを受けてたかもしれない
別のことを言えばコンテナから飛び出してきた時の相手の稚拙さにも救けられた。 運も実力のうち――なのは重々承知だが、思い返すと恐怖に身震いしてしまう
口調は軽くいったつもりかもしれなかったが、少し経てば、歯が、カチカチとなり、寒さに加えて生き延びた安心感とそれ故の恐怖心に身体を震わせる。ガタガタと

「ははっ…こんな恥ずかしいとこ、皆には見せられないなぁ」

ご案内:「廃れた海岸のコンテナ置き場」にエリーナさんが現れました。
エリーナ > コンコン。コンテナの一つを手で叩く音。

「失礼するよお嬢さん。……大丈夫か?」

涼やかな声が少女にかけられる。
はたから見れば、惨劇の現場に取り残された少女。被害者の側に見える。
戦場勘のあるものなら、この状況で1人生きている少女にこそ警戒心を注ぐ。

月光を背に、物語の魔女のような装束をまとった女が居た。

「血の匂いが酷いから来てみれば……
怪我はしていないか?
やれやれ。10人と少しか」

黒い三角帽子のつばを持ち上げて、顔を持ち上げるようにしながら
銀髪の、眼鏡の女は、ゆっくりと歩み寄ろうとする。

セアティム > ――ざっと、周囲の空気が変わったのが分かっただろうか
声がした瞬間、少女の周辺の空気が一気に冷たくなる、一瞬で組織員としての自分のスイッチをオンにしたのだ。
生き残り?帰ってきたテロリスト?思考を巡らせ…相手の一瞬の動きにも反応できるように前かがみにしゃがもうとしながらゆっくりと後ろをむいた。
呆気に取られる。背が高く、そしてその腰まで届く銀髪が月明かりに浮かんでる。それが第一印象、魔女、というのは美しいモノ、という刷り込みをされたかのように呆けてから、ようやく三角帽子のつばの中からメガネが見える。魔術師、だろうか。敵意は感じない。いつでも動けるように深くは腰をおろさないまま

「彼らは反王国のテロリストです。私は対テロリストの武装組織に所属するセア。何か疑問点があるなら、王国の警備兵を呼んでいただいても構いません」

先程よりは少しだけ冷たく凜とした口調で、そういう

エリーナ > 少女の空気が変わる。なるほど、訓練されている。
はは、驚いている驚いている。ウケがいいんだよなあこの服は。だからお気に入りなんだ。やめられない。
姿勢も、万全には出来ないまでも、動きを殺さない。
風か強化の魔法でもあれば、十分にこちらに肉薄できる。

若いけれどいい兵だ。だがそれが悲しくもある。

「うん。そうだろうね。装備は結構雑多。
どこからでも集まれるような、どこからでも出現できるような服。
民に混じって暴力を振るうにはもってこいだね」

改めて見回しながら、転がっている死体たちのことを評し。

「そして、うん。こいつらがテロリストなのは納得はいくが……
対テロ部隊ではなく、武装組織ときたか。非正規かい?
……ならちょっとうかつな名乗りに思えるけれど。私は喧嘩する気はないけど、その気の相手<<反体制>>には、襲ってくださいといってるようなもんだ」

ちゃんとした兵1人も安くないんだぜ?と肩をすくめてみる。

セアティム > 殺気は次第に、収まっていく。相手の纏う空気は戦闘態勢とは思えない、自分のような小物相手に殺気を完全に消すアサシンを雇うとも思えない
テロリストでないならば善良な王国市民であろうし、そうあってほしい、この王国は変わり者が多いのも知っている
自分の反応に満足そうな魔女だが、月を背に忍びいった事にようやく気付く。さっきまでの驚きは、魔女の美しい容姿と長い銀髪にだ。身体も女性らしいのに背が高い。嗚呼、いいな、羨ましいなと思ってしまう。

「王国が管理する意味では正規ではありません。治安維持が目的ですので、王国軍には協力をしています、良好な関係ですね」

どこまで言っていいやら、と考えつつも、言葉を選びながら語る
うかつ、と言ったその言葉に、少し考えてから小さくうなずいて

「確かに、しかし、この惨状を見た人間に隠し事をするのはむしろ信用されないことを危惧しました。」

もう、ここに反体制もいないだろう。とも判断してるが
少女の声は冷たいが、拒絶するものではない。むしろ王国民にはきちんと説明する義務があると思っている

エリーナ > そしてまた、空気を変える。うん。オンとオフがしっかりしている。そのあたりのチンピラでは一生無理なこと。
(そしてこの女は少女の驚きがいきなり魔女というところだと思いこんでいる。鉄板の持ちネタというやつだ
本人は150台の身長が良かったと常々思うのだが。ない。服が)

「ふむ……自警団の上位といったところか。驚いたな。
この国は少なからず荒れているし、それをに歯止めをかける動きも政には少ない。
……強いんだな、君は」

王室の混乱、貴族や官憲の腐敗。そこいらで隆盛を極めた貴族が陥れられ、そこいらで女が犯されて晒される。
そんな国情で、国家直轄ではない、反体制へのカウンター。
はたして創設者は愛国者なのか、妄想狂(あいこくしゃ)なのか。

「うーん。それもまた不安なところだなあ。
でも…… うーん。ま、いいか。浜辺まででようか。ここは臭う」

うんうんと頷き、少女に手を、握手でもするように伸ばす。
もし少女の言が全て偽りで、もし殺人鬼なら、完全に攻撃範囲内だ。

セアティム > 「そうですね、民間の自警団と捉えていただいて構いません」

ようやく、好意的に少し笑う。一般の王国民には安心して日々を過ごしてもらいたい。だから我々がいるのだという気持ちはある。だから少しでも相手に嫌な顔をされないのも、仕事であり、本心でもある

「俺はそう育てられたので。
王国の内情がどうあろうと、人あっての国です。情勢がどうあれ我々は国民の安全を守る事が仕事であり目的ですから」

振り回されるのも、不幸になるのも最初は国民なのである
そのように生かされて訓練してきた「特注品」ではあるが組織に忠誠を誓った覚えも、王国に忠誠を誓った覚えもない。少女は少女の意思で守りたいものを守りたいのだ

「そうですね、ここは王国兵が処理はしてくれるはずです」

一瞬だけ迷う、が、あっさりと手を伸ばした
自分を殺すならさっきの腰が抜けた時以外にない、自分の姿を晒して、話をするメリットがないのである
石で護岸された浜辺へ向かう。風が冷たい

エリーナ > 「国のコントロールの外にある集団の力は、一歩間違えれば騒乱も起きそうだけれど、
最初に良好な関係ともいっていたしね。君を信じるよ」

うん。笑うと綺麗な顔をするじゃないかこの子は。
良識派貴族の私兵や職業軍人以外、オンとオフ、そしていい笑顔のできる者なんてそういない。
ああ。いい子にあったな、今夜は。

「そうだな。人が居なければ国ではなく、人を守らなければ国ではない。
それを果たしてくれるのか……。嬉しいな」

搾取の対象。麦と金を納める下民。そんな風にみるえらいひとはたくさんいるだろう。
この子は、人を守りたいと真っ直ぐに思っている。
これでもハーフエルフ。見た目よりは長く生きている。
ただの絵空事を吐くだけの嘘つきなら、綻びがでる。それがない。
いい子だ。

「ああ。そのうち巡回がくるだろう。見つかったら面倒だ」

手を握る。うん。ちゃんと訓練を受けている。少し感触が硬い。
自分だって剣は一級品に使えるが、生きてるうちにちょっとずつそうじゃなくなっていってる。
若さに最初から刻まれた硬さ。勲章と取るか、傷ととるか。この子は憐れまれるなど御免だろうな。

浜の風を受ける。この季節の夜風は流石に冷たいが。

「寒いけど、さっきの血風呂に比べれば、随分爽やかだなあ
月も出ているし、いい具合じゃないか」

よっこらせ。と、丁寧に削られた石の面に腰を下ろす。

セアティム > 「ご安心ください、王国軍との関係は非常に良好です」

彼女の心配は杞憂だが、こちらもどこまで手の内を晒して良いかもわからない。故に、安心させるように穏やかな表情を見せるしかない
まあ、組織の人たちはもう撤収してるし、問題はないだろう
あまり、組織の人間には他人とお喋りしてるところは見せたくないのだ。主に身内の馴れ合いを拒否したい意味で

「そのとおりです、人が国を作ります
平和で安全な国を維持してれば人は育ちます。彼らはやがて王国に従事する事も、王国内で出世するやもしれません」

少女の息は、白い。遠くの海をを見ながら、穏やかにしゃべる

「幸せを享受できなかった人間が国を幸せにはできません。守られたことがない人間は他人を守りません。だから我々のような者は働くのです。」

別に偉ぶる様子も、達観してる様子でもなく、ただ「そうであった欲しい」という願いを込めるように言葉を紡ぐ
王国市民が、組織の孤児たちが、皆が、少しでも幸せに暮らせる世界がいい。

「ああ、ここの襲撃は王国には前もって通達してあります なのである程度の兵士が処理と掃除に来るでしょう。俺がいれば事情は説明できますから
良い月ですね――」

じっと、エリーナを見つめる。
エリーナがこちらを向いたら、その金色の瞳を見つめて

「ああ、その瞳は、月に似てるのですね、綺麗です」

エリーナ > 「うん。信じた。 十人と少し。いきなり市で暴れるだけで百人は近く殺されていただろう。
大掛かりな計画でもあれば、もっとだ。
ありがとう。ええ、と、名前聞いてもいいかな?
私は、エリーナっていうんだけど」

少女のように、穏やかな笑顔で。
自分は、結構強いとは思う。しかし、誰かを守って闘う事に人生は傾けていない。
つまるところ、自分の興味に生きる我儘勝手な小娘のままだ。

「ああ。ちゃんとした世代がある。それは本当に、国の宝なんだろうな。
派兵だなんだでポンポン消費しちゃいるが、人が10まで育つのに、一体どれだけのリスクがあると思ってんのかねえ。
……さっき君は、どっかのだれか百人以上の幸せ、守ったんだ。すごいな」

ただただ、そうあろう、そうあってほしい。そんな気持ちが伝わる。
幸せ。ああ。私が毎日幸せに生きているのも、もしかしたら。

「ああ、良好なら連携も取れるな。
ああ。――いい月だなあ」

見つめられていることに気付く。ん?と見返す。
緋色が綺麗だ。

「っ。 あ、あー……。う、嬉しい、な。まずいな、すごい照れてるぞ」

嬉しいので、笑顔。いたずら小僧のような笑顔をむける。
だが、その頬は朱色にそまっている。肌が白いから。

セアティム > 「数の問題ではありません」

少女は、少しだけ強く言う、怒ってる、わけではなく真剣な様子で海を見つめて、時間が、少し経つ。言葉を探してるようだ、波の音がしばらく続き、波の音に消されないようにハッキリとした口調で言う

「一人でも凶刃に倒れれば、家族は悲しむでしょう。働き手を失えば露頭にまよい、犯罪に手をそめるかもしれません。何より、皆が悲しみます。 真面目に、立派に生きてる人間の命は一つでもとても重いです
私には、背負えないほどには」

戦うことは出来る。守る事はできる。でも、救う事はできないのだ
その人の、もっといえばその周囲の世界までは見ているわけにはいかない。自分の力なんてちっぽけだと思う

「…ごめんなさい、うまく言えなくて。でも、皆が幸せになって欲しいってのは本当ですし、褒めて頂けるのは、嬉しいです」

いつしか、見つめるのは金の瞳だけではなく、銀の長髪、顔立ち、肩、胸元とゆっくりと全身を見る

「銀髪も凄い長くて、びっくりするぐらい綺麗です。スタイルも凄いし…私は、おべっかや嘘は言いません。あの時、天使か女神が立っていたように見えましたから
あっ、俺は、セアと言います」

目を細める。月明かりを背にまとったエリーナは神々しかった

エリーナ > 「…………」

数ではない。そう。命は数ではない。人は数ではない。
たった1人は、たかが1人という意味ではない、この世界にたった1人しか居ない。
長く帳簿とにらめっこをしたせいで、嫌な大人になったか、私は。
楽しく笑える世界が好きだったはずだ。私は。なのに。
自分以外が目に入らなくなって。この、馬鹿が。

「そうだな……1人は、一人きりだが、ひとりぼっちじゃないんだ……。
連鎖していく。笑顔も、涙も。幸せも、恨みも」

師匠が此処に居たら、思い切り殴られていただろう。
折れた歯が口で暴れる感覚はもう御免だよ、師匠。
明日からはもう少し、子供に戻るか。私も。

「いや……大人なのに、私は軽く事をいってしまったな。君の言葉は、さっきから私の胸に熱く響く。
みんなの幸せを真剣に思う、そんな君がこの国にいる。本当に嬉しくなる。大人として」

うん?すらりと見られる。やっぱりこの服は珍しいのかな?

「っ!?!? う、ん。き、きみ。 あ、あー。 なんだ。
わ、私だって、その。女だからね。そんなに褒められるのは嬉しいよ。すごく、嬉しい。
だ、だが同時に、まっすぐだからな。……もう。
……こんなにかわいいのに。私の前にだって、天使は居るぞ?」

細くて、きっと胸はさらしかなにかで潰しているのだろう。
それでも、この子は天使だといえる。清らかで。だから美しい。
赤く染めた顔のまま……そっと、石の上で、手を重ねようとする。

セアティム > 口に言えない事もある。割れ窓理論だ
一度テロを許してしまえば、今の王国はあちこちで火が着いてしまう
だが、余計な心配や不安を抱えさせる必要もない、と黙っている

「はい、できれば――できたら、エリーナさんも幸せになってください。そして、その幸せを他人に分けてあげてください」

エリーナの葛藤する表情に、穏やかにお願いする。自分の言葉より、こうしてお願いされる方が気が楽になるだろう。と
きっと、この人は真剣に考えてくれる優しいひとだから。好奇心でも、興味でも、あの現場の自分のような人間に声をかける必要がどこにあったのか。気にしてくれたんだろう。

「大丈夫です。俺は、皆を守ります。 勿論全ての事象から守れはしませんが、王国の国民同士が殺し合い憎み合う世界は、俺も嫌ですから」

慌てた反応が面白い。喜んではくれてるみたいだ

「最近は、富裕層向けの高級なブランドが服を着てくれるモデルをさがしてるらしいですよ? きっと、エリーナさんなら似合います。売れっ子になれますよ」

お世辞ではなく、本心からだが、9割は反応を見て楽しんでるだけである
だが、天使、と言われて…キョトンとする。色んな意味で

「エリーナさん? 天使のような男ってどういう意味ですか?」

まだ、シラを切る様子。腕が伸び、立っている自分の手に触れた。ピクンっと、驚くように震えたが…拒絶はしない。しゃがみこんで、エリーナの手を包むように握る

「温かいですね」

ようやく、にっこりと微笑む

エリーナ > 当然のように、組織は理想だけでは動かない。
理想と見間違えた慢心で動いた結果が今日の死体たちだ。
セアの組織とて、予防として動くことが主だろう。対テロ、内にあるものを切るのはそういうことだ。
病巣を切除する。そういう手術だ。転移しないために。
時にそれは、本当にあれは正しかったのかという議論も起きるだろう。だが、後がない問題でもある。
きっと理想みすえ、現実というタイトロープを踏みしめていくんだ、この子は。

「ああ。私は今でも十分幸せさ。毎日好きなことができて
その上、病人を沢山救える。ふふ。これ以上もっともっと幸せを分けないとな」

私が君に声をかけたのはね。震えた声が聞こえたから。大人として、無視できなかった。
少しは、気持ちは楽になってくれただろうか。

「ああ。人の両手で持てるものは限られている。
けれど、どう持てばいいのか、きっとセアは沢山かんがえてくれるんだね」

流石に、流石に照れる。まったく、まったく衰えたというかなんというか。
普段は私は口説く側、だったんだけどもっ。この子のまっすぐさは……本当に好ましい。

「へえ、モデルか……少し、そのブランドでもみてみようかな」

そんな副業だって、悪くはないし。この子が似合うといってくれるんだ。見せれば、喜んでくれるだろう。どうやって、なんて考えてない。

「ふふ。国によって違うが、天使は両性の場合もあるからな。そういう意味でも私の言は間違っちゃいないが……」

無理に踏み込まない。隠したいのだろう。なら、明かされるまで纏う。

手を、握る。ああ。温かい。

「ああ。セアの温度は優しいな」

本当に、天使なんだな、この子は。
そう思いながら、ぐっとこちらに引き込もうとする。
少し乱暴かな。ああ、でも。
夜風は寒いんだから、2人で重なったっていいだろう?

セアティム > 自分は幸せ者だと思う。色んな事があれど、今は皆心配してくれる仲間もいる。理解してくれる仲間もいる。自分だって、テロリストだからといって殺したいほど憎んでるわけではない。彼らも王国民であり、家族や友人がいただろう。だから、殺したという事実は噛み締めないといけない

「病人を?ということは、薬師か、医者ですか?
あ、ああ…震えてましたか。恥ずかしいな」

否定はしない。怖いものは怖かったのだ。生死、命をベッドして生きるのが楽しい訳がない。でも、今日はエリーナのおかげでだいぶ救われた気がする

「俺は…うーん、やれることは、限られてますんで」

困ったような笑い。自分は、皆が少しでも幸せになってくれればいい
当たり前に学園生活をして、組織に残りたければそれでもいいし、もっと自由に暮らせればいいのだ。 そのための自分である

「俺は天使ではないですよ、ただのヒトゴロシです
ヒトゴロシがいい人なわけないんですよ。いえ、そうあっちゃいけないんです。」

正直に、言う。なんでだろう。言うべきでもない言葉が溢れる。
初対面の相手なのに、不思議だ…でも。
抱き寄せられて、そのぬくもりに触れていると、まあ、いいかと思う
少しだけ悲しい気持ちは――きっと、この人のことを好きになったら、この人も、拒絶することになってしまうのか、と
今だけ、今だけは…と、エリーナの腕に頭をもたれさせる。密着するほどにくっついて

「じゃあ、しばらくこうしてあげます。明るくなったら、兵士が来る前に朝食にしましょう」

自分から誘ってしまった。自分でも少し驚いてる。
しかし、そのとおり、朝食を食べに行くまでは動かず、そして朝日がのぼるころには2人はもうここにはいなくて

ご案内:「廃れた海岸のコンテナ置き場」からセアティムさんが去りました。
ご案内:「廃れた海岸のコンテナ置き場」からエリーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソラさんが現れました。
ソラ > 日も暮れた時間の平民地区の一角、酔っ払いや仕事帰りという人々が行きかう通りで異国の服装で歩く姿。
手には大きな袋を持ち、人の波を避けるように右に左にと身体を揺らして。
時々に技とぶつかろうとする酔っ払いもいるが、そう言うのも綺麗にさけ逆に脚をかけて転ばすという茶目っ気も見せたりとして。

「早く帰らないと駄目なのに、道間違えたかも…」

何かやっているのか普段は人がも少し少ない道。
予定ではもうとっくに帰れているはずが未だに帰れずに。
これなら裏道を言った方が良かったかもしれない、そう考えて歩き続ける。

ソラ > そのまま大通りを抜けて新しく借りた自宅へと帰っていく…
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にキニスさんが現れました。
キニス > 王都マグメールにある冒険者ギルド
幾人もの冒険者やその関係者が行き交う交流の場であるそこの一角
机とイスが置かれ、冒険者同士の談話として利用できるであろう場所において
一人の男がエールの入ったジョッキを持って俯いていた

「うぅ…やべぇ、飲み過ぎたか…?」

少し大きめの依頼を終え、調子に乗っていたのがつい数時間前
顔を真っ赤にしつつ、顔を少し上げれば気分が悪そうにそう呟く
夜風でも当たりに行くか?いや、水が先だろうか?
ともかく、決して良い酔い方はしていない彼には介護をする相手は必要となるだろうか
…そんな親切な相手がいれば、だが