2018/11/02 のログ
■レイン・レジネス > 腕も脚も身体も全てを絡め取った触手群は、だが痛みを与えるような拘束だけはしていない。
逃げることもできない。両脚は、女の唇を迎え入れる為に広げられて閉じる事も赦されない。
羞恥心を煽るようなやり口は、本質的には嗜虐趣味の女の〝愉しみ〟なのだろう。
海洋生物の触腕を、或いは迷宮に巣くう魔物を思わせる無数の肉蔦は、快楽を知る肌を撫で擽る。
人の手であれば、わななき仰け反れば逃げられもしよう。だが、身体に巻き付く触手から遠ざかる事はできない。
いかに身を捩ろうとも快楽の度は変わらず、いやむしろ〝それが良いのか〟と覚えるように的確になって行く。
そこに苦痛を与えようという意図は無い。快楽を数値としてスコアを競うような、無邪気な探究心さえが有った。
「こういうの――使うよ? もちろん、うん。……君の身体の外も中も、触れてない場所なんか残さない。
だから君も、それまでは絶対に逃げられないんだって――期待しててくれなきゃ、だーめ」
少女の願いに応じるのは、女自身の舌ではない。それは一本、群れの中から長く這い出した触手だった。
人より僅かに高い体温を粘膜から発して、喉を這い登ったそれは、少女の顔の前に揺らめいた。
指を三本束ねた程の太さ。蛇のように自在に蠢くその触手は、頭部を少女の唇へと押しつけ、押し入らんとする。
唇に触れる粘液はどこか甘ったるく、飲み干せば薄い酒のような香気を帯びている。
濡れそぼった肉の蛇は、少女の口腔を我が巣とせんと望むように、その門を開けてくれと、少女の歯を幾度も擽った。
「――ん、ふっ、んむ、……ちゅ、っふ、んん、んっ」
その一方で、降りきった舌と唇は、遂に少女の芯に至った。
秘割れを下から上へと唇でなぞり、舌先を淫孔へと押し当てて沈めて行く。
少女の甘い声と、撓められる身体が、行為を採点する――その採点に合わせて女は、口唇の愛撫を修正する。
初めの、処女をほころばせる為の静かな口付けから、次第に、快楽を奥から引きずり出すよう貪る口付けへと。
〝濡らす為の前準備〟などではなく、それそのものが少女を愛する為、鳴かせる為のものだった。
――そして。口付け、蜜を吸い、濡れた唇で肉鞘と真珠を時々は愛でながら。
女自身の両手がそっと、少女の陰唇へと添えられた。
左手の指でそれを押し広げ、沈められるのは右手。人差し指と中指と、たった二本の指が、狭隘な肉洞を搔き分け潜り込む――。
■ティリア > (それは紛れもなく、未知の体験だった。
…逃避じみて力を欲し、軍務に就きなどしても。所詮貴族家の小娘が、例えば魔国や迷宮等での任に就く筈も無く。
こういった異形の存在を目にするのも。触れるのも。ましてや、絡み付かれすっかり包み込まれてしまうのも、初めて。
平時ならばそれはきっと。泣き叫び、身藻掻き、何としてでも逃れようとした筈の物。
だが、今こうして身を委ねてしまうのは。信じてくれる事を、信じられる事を、信じたいと。
彼女に諸々を委ねる決意をしたからこそか。
…それだからこそ、の筈だったのだが。
実際に味わえば、矢張り、変わる。頭足類か何かを思わす自在性と粘り気とに、膚という膚を這いずられる感触が。
不快ではなく、快感となる。指より細やかに、腕より強かに、一本一本が喉を、胸を、腹を…何処も彼処もを。
濡らし、舐り、擽って。性感帯に触れられているというより。触れられる場所が、快感を教え込まれる。
ますます躰は熱を帯び、しっとりと汗ばんで上気して。今やドレスの純白とは似ても似つかぬ、朱に火照った肌身が捩られて。)
ぁ、っふぁ、ぅ……色々…本当に色んな、目に遭った、のに――っ…
軽々、越えてくる、塗り替えようとしてくる、なんて ――っひぁ、は…! ぁ、 貴方は、本当に…
(どれだけ。予想を、想像を。良くも悪くも裏切ってくれるのだろうか。
それが悦を教えてくれるのだと、充分に躰が理解してしまったから。眼前へと突き出された触手に、唇を捧げる事にも。
今更忌避など抱けなかった。舌のぬめりと、手指の弾力と、人体では在り得ない長さを兼ね備えた異形との接吻。
唾液とはまるで異なる、甘く痺れるような味わいが。舌に絡み、頬肉に擦り込まれ…喉に迄、満ちる。
喉を鳴らし嚥下したなら、それも亦。か、と食道を、その先を…今度は躰の内側からを炙られる様。
歯列がそれを堰き止める事など、もう端から在り得ずに。彼女の頭上で奏でられる、娘が触手と睦み合う口付けの音。)
くぁ んっんふ あは――ぅ くふ …っひ、ぅ…!?
っぁ、あ っ貴方 …のっ、貴方 …が、くれるの… っひぁ、ぁ、 は……!
(同質の濡れた音が。下肢にも亦満ちていく。
芯を掘り当て爪弾いて、花弁を拡げ舐り上げ、沸き立つ蜜を啜り上げる彼女の手管は。
過分な程に的確で、攻撃的で。為す術も無く蹂躙される、とでも思いたくなる程に、快感が飽和する。
源泉を掘り当てられたかの如くに、悦を訴える蜜が湧き、溢れ、糸を引く中へ。
舌が退かれたその刹那、収縮する迄の一瞬だけでも。ありありと、紅く熟れて濡れそぼった内肉を晒した秘孔へと。
今度は指先が攻め入ってくる。
浅ましくひくつく肉孔の口を、ぱくりと拡げられる感触に。くぅ、と喉を鳴らして首を振り。
覗き込まれるのか、と感じれば身を竦め。…そんな、竦み上がる肉襞を、二つの指に掻き広げられて。
堪らず喉を、肢体を反り上がらせた。濡れそぼった蜜孔が、攪拌される水音に。触手を食んだ唇からの喘ぎが混じり合い…
先程、求めたその通りに。爪弾かれて、啼かされる。)
■レイン・レジネス > 或いは文献を読み漁ったのなら、こういう物を知る事もあるのだろう。
異形の身体を以て異種の雌を絡め取り、陵辱の果てに子を為すという魔物の存在を。
然し文字列から読み取れるものは、それがいかに悪逆なる生命であるか、それがいかなる悲劇を生むか、それだけだ。
その触手がどこまで精密に動き、雌をどのように蕩かして身体を開かせるか、その手練手管は記されていない。
それは、我が身にて味わった者だけが知る人外の快楽だ。
直接の性感帯と呼べぬ箇所までが高められて、新たに快楽を味わう為の箇所へと変じて行く。
快楽を得られるなどと知らなかった箇所から、背を撓ませる悦が這い上がって来る。
真白の式布の上、甘く濡らされて行く少女の白肌。二つ異なる趣の白が、互いを飾りあうようだった。
口内を満たす触手は、その熱も太さも、唇や頬裏に擦り付けられる粘膜の感触も――或いは〝思い出させる〟物となろうか。
けれども、その時とは何もかもが違う。甘い酩酊感、腹の底から立ち上る火。
自らの意志で開かれた歯の向こう、触手と睦み合う舌の奏でる水音が、少女の耳を犯して蕩かす。
そしてまた、水音を聞く女を――愉しませて、少しばかり残酷にさせる。
「色んな――それを聞きたいなぁ、私は。ね、そしたら……。
その〝色々〟を一つ一つ、全部私がしてあげられるから……ティリア、聞かせて?」
〝何をされた〟と問うようで、その実、問いの意は〝何をされたい〟だ。
滾々と湧き出す蜜に濡らした唇が、紅を差したより鮮やかに艶めかしく強請る。
二つ蠢かす指は、襞や凹凸や、複雑に折り重なる少女の内部を、記憶しながら掻き回す。
仰け反る身体――逃がさない。触手が少女の腰に巻き付いて、浮かせて逃げる権利さえ奪う。
だから少女はただ、ただ、痛苦の一切無い快楽を延々と注ぎ込まれるだけになる。
女の身体を知り尽くした、女の指。同じ箇所でも触れ方で、触れる速度で変わる声の、最も心地良い音色を探る。
どこをどう嬲れば少女は高く鳴き、下肢を戦慄かせるのか、それが全て知られてしまう。
「……ティリア、可愛いよ。だからもっと、うん……酷く、しちゃいたい」
少女の膝を触手が絡め取り、胸の高さへ持ち上げて割り開く。淫裂も、それより小さく窄まったもう一つの孔も、濡れ光る様を見られるように。
その二つ孔の、後ろ。交わりの為でない箇所に、ぴと……と触れる触手の先端部。
ぬめり滑るそれは、指よりいとも容易く沈み込みながら、根へ近付く程に膨れ上がって、恥辱も苦痛も快楽も、何もかも混ざった物を押しつける。
その一方で――こりっ……二つの指先が、中の一点を抉った。鋭敏な神経の集中する、僅かに固さの異なる箇所だ。
其処が呼び起こす快楽の火は、より激しく燃え盛って少女を灼く。灼いてしまう。
だのに、その火を収める前に女の舌が――愛撫も疎かな肉真珠に絡みついた。
舌が子蛇のようにうねり巻き付いて、ずるずると磨き上げ、はじく。もっと鳴けと、言葉無くも命じる
■ティリア > (異形。人外。街の中、城の中だけで生きていれば。先ず実際に触れる事など在り得ない。
…仮に物語で触れたとしても。それは往々にして、人が異形を滅ぼす英雄譚か。或いは悪趣味と言われる悲劇物か。
文字の羅列だけからは、決して実感出来ないであろう、文字通りの人知を越えた悦楽を。我が身を以て教え込まれて行く。
まるで。膚全てに媚毒を擦り込まれ、染み込まされ。指一本の先端に到る迄、悦欲に昂ぶらされているかの如く。
そう、毒なのではないかとすら思えてしまう粘液が、口付けを介して直に、取り込まされ染み込んで。
太く熱く、長く雄々しい、ともすればおぞましさを想起させかねない肉蔦を。受け止め、絡め、舐めしゃぶり。
唾液と粘液、触手と口蓋の粘膜、それ等が音に塗れれば塗れる程。喉奥に、頭の奥に、熱と悦とが明滅するばかり。
外から濡らされた肌身が、じっとりと濡れていくドレスの上で、躍る様にくねる度。
内側から濡れそぼった蜜液が、唾液が、糸を引いて垂れ落ちる。汗が、涙が、更に混じって己で己をますます濡らし。
上から、下から、奏でられ、或いは奏でる蜜音が止まらない。強まるばかりの、牝の馨と共に。店内に立ち籠め拡がって。
もう、他の客も店員も居ない今ならば。例え褥が仮初めでろうとも、彼女と己との為、それだけの場所。
…床に貼り付いたドレスが、悲鳴を上げた。きつく、きつく。何かに縋って耐えようとする指先が、その絹地を掴み締めたから。)
色々 、は 色々 ――――っん んは 、っぁ…! っぁ ぁ、意地 …意地悪……
こうやって、与え …られて ……でも、っ もっと…それはもっと、 大きくて、熱くて 怖く――て…
それなのに 、痛いのに、気持ち良く ……いや なのに、気持ち良くなる―― まで、 何度も 何度でもっ …
(そして。答える側からすれば、〝何をされ直したい〟だ。
望まぬ苦悦を、望ましい喜悦へと。今、己が彼女に、何よりも望む事。
だからか、触手を、舌を指を。嘗ては耐え難い苦痛と快楽を強いられたであろう牝の肉孔達が、今は望んで受け容れようと。
潤んだ襞肉の揺らめきと狭まりは、食い込まされた指を押し出す、排斥する為ではなく。
より奥へと引き込み、搾り上げ、それが牡であったなら、熱を搾り出さんとする為の蠢きその物。
嫌で、嫌で。それでも覚え込まされてしまった、牡を悦ばせる為の戦慄きが。繰り返し彼女の指へと食らい付いては。
改めて、望んだ快楽としての享受を図る。
……そう、躰は何処までも望んでいた。忘れるのではなく、再び与えられる事。
欲求はあまりに貪欲で。肉孔は何度でも指にむしゃぶりつき、素直に弱い箇所をさらけ出す。
藻掻く事すら出来無い程に、縛られ押さえ込まれてしまったなら。筋力はますます括約ばかりに集約されて。
今や望んで彼女に貪られ、抉られたがる。浅く深く、何処も彼処も、擦り混ぜられる喜悦に、濡れた肉を漫ろめかせる…
娘自身の知覚が、意識が、悲鳴を上げようと構わずに。)
――――ぁ……っ、ぁひ、ぁ ……!?
待っ っ其処――や だよ …いや、嫌ぁ だっ、 そんなの、絶対――――っぁ゛、あっ!?
っひぅ ゃ、ぁ゛、 んっっぅ゛ぅぅ、っ…………!!
(――絶対。耐えられないから、と。
大きく拡げた脚を持ち上げられてしまえば。尻から腰迄、大凡下半身という全体を上向かされた上。
淫らに濡れひくつき続けている花弁を。其処から溢れた蜜を塗される侭、繰り返し竦んでは緩み…其処すらも。
其処すらも、やり直して貰わなければいけない、悦びを知ってしまっているのだと主張する後孔をすら。
彼女にも、己にも。高々と掲げさせられ見せ付けられる。
…剥き出しとなった、もう一つの肉孔へ。宛がわれた先端に、堪らず怖じけた声は。
最後迄制止を請う事など出来無い侭、次の瞬間、歓喜の奏楽にすり替えられた。
濡らされきった後孔の窄まりは、あまりにもあっさりと、その触手に穿たれて。
異物感、排泄感、それ等が混じり合う、得も言われぬ感覚が。どんどん深い所へと拡がっていく。
もう一方の孔をも満たされ、その分圧を増した膣孔が、悶える如くひくつき、指に絡み付き。それも亦抗えない快感で。
――莢を剥かれれば、痛い程に充血しきっていた花芯へと。
触手以上に熱く柔らかな舌遣いを与えられたのが、完全なとどめとなった。
抱えられ、縛り上げられ、それでも尚。下肢が足掻いて身悶える。
どろどろに蕩けきった蜜にまみれ、あらゆる粘膜が藻掻きに藻掻き…口中の触手と交わっていた舌が、牝犬の如くに突き出され。
抗いようのない快楽、絶頂、それを謳う喘ぎ声。
膣が、腸が、喉が。膚が、四肢が、表情が…娘の、全てが。彼女へと差し出され、そして、彼女に因る快楽に…堕ちた、瞬間だった。)
■レイン・レジネス > とうに夜は更けた。店の中を照らす灯りは、カーテンの隙間から差し込んだ、月光と街灯の混ぜ物ばかり。
その暗闇の中に少女の白い裸身が、悦に酔わされて躍っていた。
異形の触手に絡め取られ、口腔までを犯されながら、雌の香りを撒き散らす淫蕩の肢体。
今や白き褥は、少女と触手の零した二つの蜜の香に染まり、縋る指に掻き乱されて、元の形を失っていた。
婚姻を象徴するような衣装が惨めに崩れて、淫らな舞台と化している。その様に女が、心地良さそうに喉を鳴らした。
奥へ、奥へ、奥へ――指を吸い上げ呑み込む貪欲な媚肉。
意志とは裏腹に身体が覚えた動きが、今また引きずり出されて少女を喘がせるのだ。
身を捩り快楽を逃がす術さえ奪われて、胎の中を、孕む為でも奉仕する為でも無い、上り詰める為だけに。
少女は愛される為だけに横たわり、裸身を貪られている。
「何度も、何度でも――ああ、ああ、分かった。
……ごめんね、私は意地悪だからさ。嫌だなんて言われたら、もう、耐えられない……!」
脚を掲げさせられて、己が目に映るその箇所が、愛される。
自ら差し出すように、反応で弱点を示す膣内を、二つの指は飽かず止まずに掻き乱し続け。
後孔を満たして遡る触手は、狭隘な筈の腸内を、身をくねらせながら這い登る。
かつて知った、教え込まれた快楽。自ら望む筈も無かった、悪夢と繋がるものが――新たな色で描かれて行く。
薄壁を挟み擦れ合う触手と指と。いずれが奥まで届くかと競うように少女を暴き立て。
底なしの洞を穿つ触手は、長大な身体を沈めた窄まりを、逆薙ぎにして引き抜かれて行く。
重ねられ、積み上げられる快と悦を爆ぜさせたのは、張り詰めたままに捨て置かれた女芯。
日頃の涼やかさを思わせぬ痴態を晒して、少女が高く喘ぎ鳴いて絶頂する。その様を碧の双眸が、じっと、痙攣の止まるまでを見つめていた。
「――初めての、気持ちは?」
やがて、少女の呼吸が僅かにでも整う頃……それはいかほど後の事か。
触手の拘束を説きもしないまま。脚を掲げさせた姿勢もそのままに、少女の身に覆い被さって女は問うだろう。
その答えが如何であれ、与えられるのは――或いは奪われるのは、唇。
少女の〝初夜〟を祝福する口付けを一つ、女は落とすだろう。
……だが、その直後。少女を絡め取る触手達は、再び蠢き、肌を這い始める。
後孔を埋めたままの触手が、ずるりと引き抜かれ――同時、秘唇を押し広げて入り込むのは、少女の口を犯していた触手。
自らの唾液に塗れたそれは、先より二回りも肥大しながら、熱く解れた肉孔を穿つだろう。
「まだだよ、もっとだ。まだ君の全てに触れていない。
……ティリア、眠れるなんて思わないことだね――っ」
――月が沈み、空が黒から濃紺へと移り変わる頃。異形の陵辱も、女の指と舌も、満ち足りて動きを止めるだろう。
シーツの代わりに敷かれたドレスで少女の裸身を包み、そのまま抱え上げて――運ぶ先は何処となるか。
レジネスの家? それともアマレンシス伯爵家? 軍の宿舎か?
そのいずれであろうが、この女は物語の騎士めいた姿で堂々と、我が名を知れとばかりに素顔を晒して歩くのだろう。
私のものだ――子供じみた独占欲と優越感が、五分ずつ浮いた微笑みを浮かべて、
■ティリア > (きっと。長い、長い時間。悦に蕩け続けている。
気が付けば――否、娘自身は気が付く事すら出来ぬ侭。無人の店内は、とうに閉店時間を越えて。
外の街路も、行き交う者など限りなく零に近付いてしまう時間。
そして、数少ない何者かが、店の外を通ったとしても。果たして知り得たかどうか。
カーテン一枚、硝子一枚、その向こうで。人のそれを越えた宴が、どれ程に感極まってるのかを。
やがて到った悦の極地。そして…到達してしまえば。もう、其処から戻るのは至難の業。
感じればより奥へと引き込んで。繋がりが深まれば、喜びを得る範囲も増える。
だからこそ、更に、更にと。指を触手を、膣も腸も離さない。
高まる程に深く、深まる程に高く、その果ての見えない歓喜の繰り返しを。もう、完全に思い出してしまった躰。
今再び女として、それ以上の牝として…快楽に溺れ貪るばかり。)
ん――っふ、ぁふぁ 、っぁ、ああ、っ、 ぁ――は ……!!
っひぁ、あ、っ、止め 止まら な、っ ぁぁっ、 ぅぁ っぁ、あ は っんんんぅ ぅぅ、っっ……!?
(先程から、どれだけ達し続けているだろうか。
更に高く、手指と触手との結合部は持ち上げられて、あからさまに、透ける月光で濡れ光る下肢。
火照りきった肉孔を掻き回す、彼女の指は、絶頂の長さに比例するかの如く、ますます深く穿ち込まれ、更に大きく抉り抜き。
同時に与えられた触手は、人相手では決して知る事の出来無い、深い深い結腸深く迄、人外の悦を教え込む。
それが引き抜かれていく感触ですら、排泄を強いられる恥辱よりも、快感ばかりを思わせる…認識が置き換わる。
肉を掻き混ぜられているのか、蜜沼を攪拌されているのか。それすら判らない程に濡れて、濡れすぎて。
噛まれ舐られる花芯が、さながら、スイッチであるかの如く。悲鳴じみた嬌声が迸り、悶えて悶えて暴れ回り。
尚痙攣し、収縮し、弛緩と緊張を繰り返し…吐き出す。噴き零す。飛沫を散らす。
際限なく飛び散る蜜が上から下へ、当然の如く降り注ぎ。
ドレスも、膚も、顔も髪も…触手諸共濡れる肢体は。嘗て犯され抜き穢され切った、壊れた有様を思わせるのに。
今この瞬間、其処に存在しているのは、快楽――唯々、快楽。
穢す為でも狂わす為でもない、唯々悦びだけを与えられるこの交わりに。娘は全てを差し出し、委ね、溺れ……)
―――― っぁ …あ。 は ……ぁ 、 ぅ、 っぁぁ ……
(…そして。更にどれだけの時を経た後か。
感じて、感じて、只感じ続けて…最早喘ぎすらも侭成らない程に、酷使を重ねて涸れた喉。
潤いを、呼吸を求めるかの如く。やっと与えられた、唇同士の繋がりを貪った。
彼女の口唇に触れ、舌を震わせ、微かな唾液を嚥下して…やっと、言葉を吐けたのならば。)
…はじ、めて。 …っふふ …貴方で、良かった…よ、…
こんなに。狂おしい …貴方くらい にしか、 見せら れな――――っふ かふ…!?
ひぁ んっ、ぅ!? っゃ、待っ …だ―― まだ、 全然 止…ま、 っぃ、く、 いくの、 止め、られ…っぁはぁ、ぁぁああっ…!?
(口付けの続きを求めた喉が仰け反り、頭を振って。
指の退かれた、それでも未だ、浅ましくひくつき続ける肉孔に…指三本分から、遙かに膨らんだ触手が突き立てられた。
ずるずると引き抜かれていく腸内のそれと入れ違って、最奥すらも抉り抜き。
次の瞬間には襞肉を削いで掻き出され乍ら、再び腸内を遡上され…繰り返しが始まった。
前を後ろを、深く深く、何処までも。初めて味わう、人では在り得ない喜悦で染め抜いていく。
掲げられた己の下肢を、蠢く触手が掻き回し続ける光景に。彼女の眼前で見開いた瞳は、だが……今はもう。
満たされる事の快楽と喜悦を湛えるばかり。甘く啼くばかりとなった唇も、再び、彼女を求め始めて…
それが尽きるのは。文字通り力尽きるのは。もっと、ずっと後の事。
捨てたいと願った、女としての己を思わすドレス姿で…だがそれは、淫蜜と毒液に塗れた、牝の如き装いで。
なりたいと望んだ姿のような、彼女に身も心も委ねて拐かされていく、その先は――何処であれ。
最早、決まりきっている。何が行われるのかという事は。)
ご案内:「富裕地区 服飾店」からレイン・レジネスさんが去りました。
ご案内:「富裕地区 服飾店」からティリアさんが去りました。