2018/08/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/露店通り」にカインさんが現れました。
カイン > 薄暗い貧民地区の路地の一つ。
様々な商品を商う露天商たちの集う通りの中で、
露店の一つの前に足を止めて品物を眺めて思案顔の男がいた。
その露店で商われているのは荒事に従事している物ならば、
一度は目にしたことがあるだろう治癒や気付けの薬品類や消耗品の類。
そしてそれらの商品から隔離されるように置かれた怪しげなラベルの瓶である。

「えーと、これとこれと…後はそうだな…あー…。
 もう少し負からん?買う量増やしてもいいし」

商品を指定し多後、男とも女とも解らぬ全身をローブで
隠した怪しげな店の主を一瞥しそう交渉を持ち掛けるも素気無く断られる。
残念そうに肩を揺らしながらも一旦そこで注文を区切って再び思案を始める。
傍目には随分と怪しげな、少しはた迷惑な客に見える事だろう。

カイン > 「あー、よし、これで決めておこう。
 全く、少しくらいは色をつけてくれてもいいだろうに」

常連相手に連れない事だとぼやきながら金を先に渡すと、
店主が目の前でそれなりの量の荷物を包み始めるのを眺めて肩を竦める。

「消耗品の類は平民地区とかだとちと足が付きかねんからなあ。
 全く世知辛い。昔はもう少し大雑把だったんだがな、この国」

自分の身の上的に考えていた仕方のない所ではある。
大手を振って歩ける身分では本来ない以上はどうにもならないが。
商品を用意してもらう間に周りを見回せば俄かに人の増えた様子。
それでもちっとも賑やかと思えないのがなんとも陰気である。

カイン > 「歓楽街ほどに陽気でもそりゃ反応に困るんだけどな、ここまで辛気臭いのもまた困り物だ。
 あんまり騒ぎすぎると怖い人たちが来たりするのかもしれないが」

改めてみてみれば、遠くから聞こえてくる喧騒から完全に隔離されたような通りに、
声を潜めた人々が行きかう様は何とも異質な光景に見える。
横目に店主を見てみれば自分の荷物の用意ではなく他の事をし始めたことに、
げんなりした表情を浮かべながらも道行く人々を眺める。
時折快活な声が聞こえたりするのだが、全体的な陰気さは覆しようがない。

「時々この辺も騎士の見回りがあるから大人しくしとくのはしょうがないんだろうが」

こんな所までくる輩は悪徳な輩か、あるいは潔癖な輩かの二択なことが多い。
前者なら金でも掴ませれば何とでもなるが後者は口先で何とかするしかない。

カイン > 「客としてはもう少し愛想があったほうが助かるんだけどな。
 値切ったりもできないし」

ちらりと一瞥を店主に向けて見せる物の、未だ取り掛かってない様子。
わざとらしく大げさに肩を竦めて見せながらも、
仕方がないとばかりに露店の隣の壁に寄りかかる。
流石に出歩く人間も少なくなってきた様子に天を仰ぎおおよその時間を図り。

「…この地区的にはこれからが本番といえば本番なんだが。
 静まり返った後が一番怖いというのはらしいといえばらしいが」

カイン > 「全く、出てくるのが遅いぞ」

暫く待たされた後に漸く用意された道具の数々を手に取って渋い顔。
仕方がないとばかりにぼやきつつもそのまま手を振って踵を貸して去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/露店通り」からカインさんが去りました。