2018/08/03 のログ
ご案内:「看板の無い店」からルシオさんが去りました。
ディアベル > ──その魔女は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
魔女が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預け、悠然と足を組み。
対面には誰も居らず、煙草は吸わぬが長い煙管を指先でやんわり弄んでいる……。

店の出入り口には魔女の魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、魔女の獲物となる……。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。

店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──
洗脳効果を受けた者は、魔女の傍まで来た時点で効果から解放されて我に返るだろう。

ご案内:「看板の無い店」からディアベルさんが去りました。
ご案内:「平民地区/喫茶『風鈴』」に琴音さんが現れました。
琴音 > 平民地区の片隅、一般家屋に少し手を加えただけの喫茶店があった。
内装はシンプルに長椅子とカウンターのみ。
そして、窓際には青いガラスで作られた風鈴が涼しげな音色を奏でる。

「ほな、気ぃつけて帰りや。
 あんま走るとこけますえ。」

勢いよく開いたドアから少年がひとり飛び出し、それを涼しげな異国の消息姿の女が手を振って見送る。
浴衣の胸元の合わせは少し乱れており、深い胸の谷間がわずかに覗いている。
口元を手拭いで拭いながらドアを閉めおっとりとした足取りでカウンターへと戻る。

「濃ぉおざったなぁ♥」

まだ口内に残る少年の味。
それを堪能しながら満足げな微笑みを浮かべ椅子へと腰掛けた。

ご案内:「平民地区/喫茶『風鈴』」にミロさんが現れました。
ミロ > 丁度、少年はその喫茶店の入り口に立ったところだった。
店の雰囲気を眺めた後、扉を開けようとしたところで、

「うわっ…!?」

一人の少年がすれ違うように店内から飛び出して来る。
危うくぶつかりそうになりながらも、自分の脇を通り過ぎていく少年を眼を丸くして見送り。

「危ないだろ、気を付けろよな!」

その背中に文句を飛ばしてから、一体何が有ったんだろうと首を傾げ、改めて入店。
店の中を眺める…店員か店主らしき女性が一人、椅子にかけている。
特に何か逃げ出さなくちゃいけない事が有ったとはとても思えない。
まあ、逃げ出すように走っていただけで、実際何かから逃げたとは限らない。
そのまま、女性の方に向かい、

「あの…何か、あったんですか?」

琴音 > 口元を拭い、風鈴の音色を愉しんでいると開くドア。
引き戸のほうが雰囲気が出て好みであるが、元々の建物がドアだったのだから仕方ない。

「よぉおこしやす、一見さんやねぇ。
 外は暑ぅおざったやろ?
 そこにお座りやす。」

ドアから現れたのは初めて見る少年。
満面の笑顔を浮かべて出迎え長椅子を指し示す。

「別に何もあらしまへんよ。
 わっぱは元気いっぱいでよろしおすなぁ。」

洗練された優雅な手付きでガラスのコップに麦茶を注ぐ。
そして、お盆の上にそれを載せて少年の横へと歩み寄り膝を突いてそれを差し出す。

「これはサービスどす♪
 今後共ご贔屓にしたっておくれやす♥」

よく冷えた麦茶を少年へと握らせ、吐息が掛かるほど近い距離で甘い微笑みを向ける。

ミロ > 時節の挨拶には会釈をひとつ。
東方の方言…だろうか、不思議な響きの言葉。とりあえず、何を言っているかは分かった。
示された長椅子に向かいながら、この店に来た経緯を思い出す。
促したのは年上の兄貴分だった。
彼は四つ折りの紙片を渡し、この喫茶店に言ったら、これを注文しろ。
裏メニューだ。凄いサービスを受けられるぞ…と、そんなことを言われた。
彼はにっこり笑って帰ってきたら、お前も大人の仲間入りかな?
などと意味の分からない事を言いながら、はははと笑いながら去っていった…。

「そうですね。夏は少しくらい、大人しくなって欲しいと思ったりしますけど。
あ、どうもありがとうございます」

普段はこんな丁寧な言葉遣いではないが、目上には丁寧にというのがグループの教えだ。
大人から仕事を貰って、なんとか子供たちだけで共同生活しているのだから。
良く冷えた麦茶を飲みながら、四つ折りの紙を開く。

「ネーチャン、エーチチ、シトンノー…?」

…思わず声に出して読み上げ、思わずきょとんとした後、

「姉ちゃんええ乳、しとんのう…!?」

メニューではない! 何だこれは、悪戯か、暗号か…?

琴音 > 「おとなしゅうか。
 面白い言い方しはりますなぁ。」

少年の言葉の選び方がツボにハマったのか口元にお盆を当ててころころと笑う。
そして、何やら紙片を取り出した少年が口にした言葉を聞くと瞳を細めて唇を弓の形に深い笑みを作る。

「誰から聞きはりやったん?
 おませさんやねぇ、お内は。」

耳元で擽るように囁き、浴衣の下には下着を着けていない柔らかな膨らみを腕へと押し当て、そして、右手が少年の股間を掴んだ。

ご案内:「平民地区/喫茶『風鈴』」から琴音さんが去りました。
ご案内:「平民地区/喫茶『風鈴』」からミロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリューゼさんが現れました。
リューゼ > 遅くなったな。そう呟きながら青年は通りを歩いて行く。
いつもの商人所帯の移動を護衛する依頼。
今日中になんとか王都に…という希望を聞いたらこんな時間になってしまった。
近距離であっても街道沿いで野営をすればよかったんだけどなぁ、と思ってしまう。

ただ、依頼料自体は割増で受け取ったので懐具合はそう悪くなかった。
ギルドへの報告は明日になりそうだし、遅くなったが食事と酒をいただいて宿に帰ろうか…
そんなところである。

「…ま、たまにはこんな事もあるか。」

呟きながら、店を探す。
店自体は空きが多い。もう酔いつぶれているか、帰ったか。
いまだに元気よく騒いでいる連中は少ない。

ふと、外飲みメインの店を見つける。
テラス席、という程洒落ているわけでなく、ただテーブルと丸太椅子を並べたような雰囲気。

(ここでいいか、風もあるし。)

そんな風に考えて、席を取る。2人掛けだが構わないだろう。
いるのは潰れたのが何人か。給仕の娘。窓から覗く大将。
給仕にエールと、串ものでもいくつか、と注文し、テーブルに肘をついて風を楽しむ事にする…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルレさんが現れました。