2018/06/29 のログ
ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」にシナトさんが現れました。
シナト > タナール砦…現在は人間が砦を占拠しかろうじて維持を保っているような状況。
何があったのかは知らないが、そんな砂上の楼閣じみた砦を攻め落とさず膠着状態を続ける魔族の前線。
どうやら、何らかの密約か取引でもあったのか、この膠着状態は意図的なモノもあるらしい。
とはいえ、散発的な戦闘はあちこちで起きているし死者もゼロではないのだが…。

「…んーー成る程成る程。ところでそこのオーガっぽいお兄さん。このお酒もう一杯無い?」

…その魔族側の最前線の端っこ。何故か堂々と座り込んでお酒を飲んでいる黒ずくめに隻眼の青年。
無論、種族的には青年はこちら側が本来正しいのだろうが青年は別に人間・魔族どちらにも深く肩入れする気も無い。

…が、こちらの顔を覚えていた魔族が数人居た様で…何か色々あって現在酒盛り中だ。

「…しっかし、ダラダラしてる間に何か色々起きてるもんだねぇホント。王国軍が魔族の国に遠征かぁ」

風聞で聞いた程度なので、正直詳細とかそういうのはサッパリであるが。
ここに来たのも半ば偶然みたいなもので、その遠征の話題に釣られた訳でもない。

ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」にシナトさんが現れました。
シナト > 「…おー、ありがとオーガの兄さん。…んぐ、んぐっ…ぷはーーっ!やー魔族の国のお酒飲むの久々なモンで。相変わらず喉越しがピリッと来るねぇ」

ソレもその筈で、この酒はそもそも度数としては色々突き抜けている。
まず人間ならば味覚がぶっ壊れていない限りはまともに一杯飲む事すら不可能なモノだ。
古くから一部の知性有るオーガ達が伝え続けていた伝統のあるお酒らしい。

で、それを平然とちびちびとだが嗜みつつ、最前線の様子を端っこからぼんやり隻眼で眺めてみる。
実際、最前線の端っことはいえこうして軽く酒盛り出来る程度には平和だ。
勿論、中央近くでは散発的な戦闘行為も起きているようだが、この辺りはまぁ和やかなもので。
だからこそ、青年もこうしてごく自然に混じって酒を楽しんでいるのだけれども。

ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」にシナトさんが現れました。
ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」にシナトさんが現れました。
シナト > で、酒の摘まみ代わりに最前線の魔族達からあれこれ世間話の感覚で状況を聞いている現在。
ほぅほぅ、とか頷いて相槌を打っているが…正直ピンと来ていない所も多く。

「ふんふん、王国の第七師団が…えーと、水晶の谷?…で、よくある略奪行為とかは?あ、それは無いの?
…んまー、下手にソレすると周囲の力のある魔族や魔王さん達が一斉報復に出る事もあるだろうしねぇ」

まぁ、部下も領地も無いはぐれ魔王の一人である自分にはそこはあまり関係の無い事だが。
領地とか色々としがらみや背負う者がある人は大変だなぁ、と思う程度。

「…え?俺?俺は傍観するよ。と、ゆーか俺が魔族の国に行ってもねぇ。
どちらかというと嫌われてるといいますか、疫病神扱いよ?」

魔族の一人からの恐る恐るの問いかけに、笑って酒瓶を振りながら否定する。
今回の遠征や、それに関わるあれこれ…見てる分にはいいが、そもそも参加する理由が無い。

ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」にシナトさんが現れました。
シナト > 「まーー、もしかしたら知ってる顔が居るかもしれないし、冷やかし程度の見物は面白いかもだけど。
…んー、他の魔王さんや魔族さんにいらん刺激送るのもねぇ。」

そもそもが『簒奪』の魔王だ。誰が付けたか何時の間にかそう呼ばれるようになったが…。
お陰で、自分より格上の連中から、『コイツ今の内に始末しとくか』的な扱いをされた事も多々ある。
まぁ、それでも何とかかんとかこうして生き延びてきてはいるのだけども…。

「――まぁ、気が向いたら冷やかし程度には行くさぁ。それで、何か理不尽な略奪があったらいちおーは止めとくさ。
そもそも、略奪とか奪うのは俺の領分だからねぇ……あ、今の冗談だからね?」

別に理由も無く奪う必要も無いのだし。まぁ奪っても返せるのだけど。
世間話?にしては、些か内容が変過ぎるが魔族の間ではよくある事だ。

ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」にシナトさんが現れました。
シナト > (とはいえ、面が割れると折角の気侭でグータラな冒険者生活が難しくなるしなぁ)

見物するにしても、矢張りあちらに感知されないギリギリのラインから…が、ベストだろうか。
完全に冷やかしに行くノリになっている気がするが、多分次の日には止めているかもしれない。
最早完全な気分屋である。とはいえ最近刺激的な出来事も自分の周りには無い。
ならば、多少のリスクは込みで見に行くのもそれはそれで暇潰しにはなるだろうか。

などと、酒をちびちびしていたら周囲の連中は休息を取っていた。
まぁ、休める時に休むのは大事だろう。人間然り魔族然り、と。一人酒になってしまったが仕方ない。

「しっかし、どう転がるものなんだかねぇ。賽は投げられた、というやつなんだろーけども」

シナト > しかし、アレだ…魔族の前線は男女問わずだが、この辺りはむさ苦しい男性魔族ばかりである。…華が無い。

「…もーちょっと出る場所を考えるべきだったかなぁ、これ…でもど真ん中に出ると砦の連中に気付かれるし」

どうでもいい事にこっそり嘆きつつお酒を酒瓶から直接ちびちびと飲む。
摘まみは…携帯用の干し肉があったので、それを取り出して噛り付く。
しかし、こいつらよく寝てるなぁ、としみじみ思う。まぁ、魔族とて疲労を感じたりもするのが多いからしょうがない。
…むしろ、寝首掻かれたりとか考えていないのだろうかこの雑魚寝している連中は。

「いちおー、悪名「だけ」はそこそこ今でも高い筈なんだけどなぁ俺。でも逆にホッとしたかも…。」

どちらにも肩入れはしないが、魔族の国は古巣ではあるからその連中に一部とはいえ受け入れられるのは悪くない気分だ。
…考えたら、自分の悪名は先代と自分の固有能力が原因な気もするけど、それはそれとする。

シナト > 「…さーて、じゃあ一旦帰ろうかねぇ…あ、そうだ」

ここで雑魚寝してる連中に感謝の意を込めて。軽く腕を振って周囲を「切る」動作をする。
それだけで、雑魚寝している連中の疲労を根こそぎ「奪い取る」。
これで、目覚めた時は気分爽快で体力も充実している事だろう。奪う力も使いようだ。

「…さてさて、じゃあささやかなお礼も済んだ所で。」

軽くもう一度腕を振るい空間転移の術式を発動。次の瞬間には、空になった酒瓶を残して青年の姿はそこから消え失せていただろう。

ご案内:「タナール砦―魔族の前線―」からシナトさんが去りました。