2018/06/03 のログ
ご案内:「王都マグメール近郊」にタマモさんが現れました。
タマモ > くぁ…少女が欠伸を漏らす。
今少女が居るのは、王都マグメールが遠目に見える程度の距離にある河川。
その付近にある程良い大きさの岩、周囲を狐火で照らしながら、その上に座っている。
何をしているのか?と問われれば、その手にした釣竿を見れば分かるだろう。
ちなみに、いつも通りに側に置いてあるタライの中には、何匹かの魚が泳いでいた。

「ふむ…やはり、この時期はこの時間帯の釣りが一番じゃのぅ」

どこか、しみじみと語る風。
まぁ、本日の日中に一度この場所に釣りに来て、暑さでさっさと戻った、と言うのがあったのだ。
さすがに、この時間はまだそれなりに涼しい…それなりに。
時折、手にした扇子で扇いでいるのは、まぁ…うん、そう言う事だ。

タマモ > 調子は程々、もう少し釣りを楽しんだら戻るとしよう。
そう考えている少女なのだが…ぴくり、その耳が揺れる。
だが、それだけだ、今のところは釣りを止めるつもりはなさそうな感じで。

そうしている少女、茂みの影から何かが近付いて来る。
ひたひたと足音を立てず、ある程度の距離で足を止め、何かを探るように少女に意識を向けていた。
が、少女がそう警戒の色を見せてなかったのは…

「………獲物を求めやって来た、が…ふむ…
ただ空腹なだけじゃろう?…ほれ、持っていくが良い」

少女は手をそのままに、背後に視線を向ける。
そこに居たのは…一匹の魔物だった。
ふむ、と一つ頷けば、扇いでいた扇子をひたりとタライの水面に触れさせ…さっと上げる。
途端に、ばしゃりと中を泳いでいた大き目の魚が一匹飛び出し、その魔物の前に落ちた。
一瞬驚いたような様子を見せる魔物だったが、まるでその言葉の意図を察するかのように、その魚を咥える。

「今は争う意思も無いじゃろう?
ほれ、さっさと去った方が良い、何か来てからでは遅いぞ?」

そこで言葉を終え、再び小川へと視線を戻した。
それ以上、その魔物が何かを行う事は無かった。
魚を咥えたまま、茂みの中へと消えて。

タマモ > 「ふむ…」

魔物の気配も消え、再びこの小川の付近には少女一人となった。
釣竿から垂れる糸の先、その水面をのんびりと眺める。

「また、新たな争いの火種が…らしいのぅ?
………して、今度は何じゃ?」

誰かに向けているかのような、呟き。

『ミレー族だ。ナズナ殿の話では、古い歴史的な問題とか…
どの時代も、世界も、変わらんな…その手の輩と言うのは』

男の声で、その言葉が返ってくる。
その言葉に、少女は溜息を一つ。

「まぁ、妾等は変わらん。
今まで通り、あの周囲の情報収集と…守れる者は守ってやるのじゃ」
『………了解した』

短いやり取り、その言葉を最後に、再び沈黙が訪れる。

タマモ > 「そう、妾等は変わらぬ。
妾はやりたいようにやるだけじゃ、うむ」

そろそろ、釣りも終わりにしようか。
そう考えれば、がしっ、とタライを引っ掴む。

「きゃっちあんどりりーすじゃっ!」

そのまま、ばしゃーっ!と中の魚ごと小川へと水をぶちまけた。
うっかり戻し損ないが無いのを確認すれば、うむ、と頷く。

「さて、と言う訳で…今日は久々に、遊べる相手でも探し回ってみるかのぅ?
可愛らしく、楽しませてくれる男子か女子か、見付かると良いものじゃ」

つい先程までの真面目な流れ、それを自らぶち壊すスタイル。
そんな欲望駄々漏れな言葉を紡げば、まず手始めにと周囲の気配を改めて探り出す。

タマモ > …が、少しそれを続けただけで、探るのを止める。

「考えてみれば、先の魔物とて偶然現れたんじゃったな。
それ以上の偶然なんぞ、そうそう無いじゃろう」

自分で言いながら、うんうんと頷いて。
となれば、次はどうするか?それを考える訳で。

「あれじゃな、やはり王都に戻るのが良いじゃろう。
むむむ…遊べそうな相手は多いが、調子に乗るとあれなんじゃよな…
ま、何とかすれば良いか、行くとしよう」

ぽんっ、と手にしていた釣竿を消し、足元に転がるタライも消す。
まだ暑いので、扇子だけは消さずに残し…また扇ぐ。

移動方法は…まぁ、歩きで良いだろう、そう遠くは無い。
そうと決まればと、扇子を扇いで涼を取りながら、少女は歩いてその場を後にするのだった。

ご案内:「王都マグメール近郊」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にノーガルトさんが現れました。
ノーガルト > (ノーガルトは、少しだけあきれたような顔をしていた。
肩を落とし、抜身のディンを軽く払って背中の鞘に納める。

今日は、商人の商談の日だった。
そこをこともあろうに、ミレー族のテロ集団が襲い掛かってきた。
確かに貴族を狙っているのは知っていた、だからこそ自分がここにいる。

だが…。)

「……数、だけか……。」
『そのようだな、戦法も何もかもがあまりにもお粗末だ。』

(全員、殺してはいない。
肉厚の両手剣、ディンだからこそ気絶程度で済ませられた。
もしそれで済まない相手ならば、ノーガルトも心を鬼にしただろうが…。

だが、あくまでもノーガルトの仕事はここまで。
あとはこの気絶したミレー族をどうするかは、この国が決めることだ。
生かすも殺すも、もはや自分は関与できないところ。
ただの一人の冒険者であるノーガルトは、与えられた仕事をこなすのみである。)

ノーガルト > 「………テロ集団というよりも、そのテロ集団に触発されたミレー族の集団、という見方はどうだ、ダイン。」
『……貴様としてはずいぶんと冴えているな、ノル。』

(戦闘能力、それを考えても明らかに不慣れだった。
ただ突っ込んでくるだけの動き、単調でまるで山賊か何かを相手にしているようだった。

この国は、ミレー族の恨みはずいぶんと深い。
今までずっと、奴隷として扱われていたのだから仕方がないといえば仕方がない。
だが、ただやみくもに襲い掛かってくるだけでは…結果は見えている。)

「…………気持ちはわからなくはないんだがなぁ…。」

(苦虫をかみつぶしたような顔をして、ノーガルトはごちる。
恨みはわかるのだが、できれば別の方法を考えてほしいところだ。

テロに走ったところで、冒険者に止められるようではあっという間に飲み込まれてしまうだろう。
だからこそ思う、もっと別の方法を考えるべきだと。)

『…ノル、あまり考えるな。貴様は貴様のできる範囲で動けばいい。』

ノーガルト > (ダインはそういうが、どうしても考えてしまう。
この国に来てすでに2年という月日が経過している、その間にいやというほどこの国の現状というものを見せつけられてきた。
腐敗した貴族、奴隷のミレー族、その間にいる庶民たち。

その奴隷を売買しようとしているものもいる。
この国は、きっとミレー族にしてみたら我慢ならないものなのだろう。
それがついに爆発したと考えるならば、おそらくテロリストのミレー族に正義がある、とみるべきだ。

だが、ノーガルトにとってそのことは関係ない。
あくまでノーガルトは、金で動く冒険者に過ぎないのだから。)

「世界の勇者は、俺には似合わんな。」

(気絶しているミレー族が憲兵たちに引きずられていく。
それらを眺めながら、久しぶりにノーガルトは煙草に火をつけた。
家ではどうしても、なかなか吸えない。
だからというわけではないのだが…外で吸うたばこは、少しだけ多くなりがちだった。)

ノーガルト > 『ノル、あとは仕事の報告だけだろう。さっさと行け。』
「ああ、そうだな…。」

(どうにも、気分が落ち込んでしまっている。
やはりどっちが悪かを判別しにくい争いごとは苦手だ。

たばこの煙を吐き出し、吸い殻を地面に落として火を踏み消す。
その吸い殻を拾い上げて、屑籠に入れると、ノーガルトは仕事の報告のために一度ギルドへと向かった。)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からノーガルトさんが去りました。