2018/02/04 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 専用区域F」にチュチュさんが現れました。
■チュチュ > (奴隷市場―――文字通り、奴隷を売買するための場所。とはいえそこにも「法」は存在している。そして、行われているのは「商売」であり、その効率化は図られて然るべきもの。需要と供給がより合致すれば商いは賑わう―――と、専門的な区画作りが行われていた。ここは「F区域」とされている場所。その用途は―――「商品、店側の者、そして客側の者全てが女性である」ということ。勿論そこには「両性」も含まれてはいたが、兎に角、「男「雄」と呼ばれる者は立ち入りを許されてはいなかった。そしてそれ以外に進入を拒む要素はないのであった)
「ん……」
(そんな区域、寒空の下。素足に薄着の少女―――幼女の方が相応しいか―――が一人、道を進む。行き交う者は勿論女性―――若しくは両性―――のみであるが、ほぼ全員といっていいだろう、少なくとも外見は成人だ。珍しいものでも見るような視線を幼女に送るが、幼女は意に介さない。というよりも、感情が表に出ていないような無表情。髪も肌も服も瞳も白い幼女は、陳列されている「商品」たちに視線を送ると、そこで初めて感情らしきもの示す。それは「羨望」に近いものであった)
「いいなぁ……」
(ぽつりと、幼女は呟いた)
■チュチュ > (幼女の足は奥へ奥へと進む。奥まれば奥まるほど、用意されている「商品」はニッチなものへとなっていく。陳列されているのは人間やミレー族だけではない。中には魔族―――殆どはその魔力を封じられた上で囚われ―――ですら並べられている)
「やっぱり……このお店が、いいの」
(そんな幼女が足を止めたのは―――「幼女」が「商品」となっている店だった。彼女がこの店に赴くのは初めてではない。折を見て、厚いガラスの向こうに並べられている商品たちを見にやってきていた。幼女自身、その商品たちを買う、ということはない。そもそも、彼女は金銭を持っていないし、奴隷を所有するような「戸籍」も「住処」もないのだから。もしかしたら、商品たちを買う、という概念もなかったかもしれない。全裸や下着一枚でその場に並べられている、悲痛や諦観、欲情を思い思いに示す商品たちをただただ見つめていた)
■チュチュ > (やがて少女は見飽きたのか、それとも別の好奇心を擽るものを発見したのか、その区画から姿を消していた)
ご案内:「奴隷市場都市バフート 専用区域F」からチュチュさんが去りました。