2017/11/01 のログ
ご案内:「平民地区の外れ」にシュガーさんが現れました。
シュガー > 平民地区の外れにあるボロ屋の中で、今日も青い少女が一人働いていた。すっかり日も暮れ、また1日が終わろうとしている。

「……けっこう、汚れてきたかな…。」

と、自分の透明な身体の腕や手を見つめながらそう呟いた。普通の人間と違い、疲労に強く、長い睡眠も必要としないが、彼女の身体は、あるものを定期的に摂取しなければ、透明感が失われ、濁り、人間で言うところの病気にかかってしまうのだ。その、ある物とは、他の生物の体液や精液。濁った物を体内に入れて、透明度が増すというのは、矛盾しているようにも思えるが、スライムの身体とは、そう言ったもののようだった。

「……………」

ポケットの中から取り出した小さな小瓶。真っ赤な瞳で見つめる瓶の中身は、人間の精液。直接摂取する相手も、そんな勇気もない彼女は、魔術用に売られている精液を定期的に摂取することが唯一の食事だった。
純粋な人間だったころとは違い、果実の甘味や野菜の瑞々しさ、肉汁のうま味など今の彼女には、殆どわからなかった。
この白濁の液体だけが今の彼女の空腹を満たしてくれる。

シュガー > ――――――キュッ、キュッ…と、密閉された瓶の蓋を外し口元へと傾ける。もう、この身体になって2年近くの月日がたったと言うのに、まだこの行為には慣れなかった。慣れないと、言うよりも慣れたくないと言ったほうが良いのかもしれない。人の身ではけして解らない精液の味を味わうたびに少しずつ人間性が失われているようで……。

「……!…!?……んぅ、ン…ぅ…ン……」

瓶を傾け、粘りのある白濁が少女のゼリー状の舌へ零れ落ち、栗の花の匂いにも似た甘い香りを感じながら、身震いを覚えるほど甘美な味わいが広がった。
身体が、まるで自分とは別の生き物のように震え、少女の意志を蝕むかのように語り掛けるのだ――――――もっと――――沢山――直接――――。

「………うぅ…う…もう、大丈夫…いらない…いらない……。」

まるで自分に言い聞かせるように、もう1つ残っている小瓶をしまい、代わりに暖かい紅茶をティーカップへ注いだ。

ご案内:「平民地区の外れ」からシュガーさんが去りました。