2017/10/25 のログ
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > 平民地区と富福地区の境目の大通りにある、レンガ作りの大きな商店。
 少女が店長として存在し、あとは奴隷の店員のみ。
 今日もお客様を出迎えて、満足して貰うために、あれやこれやといろいろおもてなし。
 今は日誌を作るために少女は一階の事務室にいるけれど。
 奴隷の店員では、手に負えない事があればすぐに呼び出せるようになっているし、呼び出すように教育をしている。
 売れ行きや在庫管理などの、日々の帳簿をつけてそろばんで売上を数えながら、ちょっと休憩しようかしら、なんて大きく伸びてみる。
 最近は特に寒くなってきたし暖かな紅茶もいいわね、と考えてみたり。

リス > 立ち上がり、奥の給湯室へと移動して、お茶を入れる。
 ポットを温め、お湯を入れて、茶漉に紅茶の葉を入れて、蒸して蒸らして。
 本職ではないから、上手とは言えないかもしれないけれどまあ、自分ひとりで飲む分だからいいだろう。
 お茶が落ちて、紅茶ができる様子を眺めながらふと思う。

「そういえば、そう言う召使とかを雇ったことはなかったわね……。」

 まあ、人を雇うという時点でお金がかかる。
 大きな家を維持するための使用人はある程度雇っているけれど。
 自分の身の回りのあれこれをしてくれるようなメイドとか執事とか。
 そういったのを雇ったことはない。
 自分のことは自分でするというところ、庶民の感覚なのであるのだが。
 そんなところにかけるお金はもったいないな、と思うのも事実。
 そういうの雇うのはどうなのかしら、と軽く首をかしげてみたり。
 興味は、ないわけではないけれど。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にヴェオフラムさんが現れました。
ヴェオフラム > 軽やかな足音が困惑した店員の声音を伴って給湯室へと近づいてくる。
どうも店の奥へと向かう客を止めようとしているようなのだが、足音の主はそんなのお構いなしな様子。
ついには焦れた男性店員が少々乱暴に止めようとした様だが、その手をするりとあしらって―――――ばぁんっ、木扉を勢い良く開いて給湯室へと飛び込む人影。

小柄な狼が影の様に疾駆して、ティーポットを前に佇む女店主の懐へと迫る。
そして彼女が避けぬのなら、やけに華奢な前腕を大きく広げた狼は、軽い体躯でどーんと彼女の乳房に突っ込んで、ぐりぐりぐいぐい鼻先を胸の谷間に埋めさせ、くんかくんかと激しく匂いを嗅ぎまくる。

そう、狼の如く見えたのは、先日この店で出会った小さな獣娘であったのだ。
そんなタイミングでようやく数人の店員が駆けつけ、女店主に指示を仰ぐ様な戸惑った視線を向ける。

リス > 「――わ。」

 思考の海に入り込んでいるところ、騒がしい音に気がつくのに遅れた。
 急な扉の開かれる音に驚いたように振り向けば、小さな小さな動物が。
 狼が自分に駆け寄ってくる、子犬のようだと思えるぐらいに小さなそれは自分の体に飛び込んできて。
 思わず少女はそれを受け止める。

「えーと?」

 優しく抱きしめて、頭を軽く撫でてから気が付くのは先日の少女だということ。
 戸惑う店員に、軽く笑みをこぼして見せて、大丈夫だから、と仕事に戻るように指示をする。
 まあ、こういうのが頻繁にあっても困るだろうな、とは思うので、自分の胸元に鼻を押し付けている彼女の頭を撫でながら見下ろそう。

「こんばんは、フラム?
 もうすこし、大人しく遊びに来て欲しいわ?」

 ね?できるでしょう?と問いかけながら、自分の胸元に花をすり寄せる彼女を抱き寄せて首を傾いで問いかけよう。

ヴェオフラム > 鼻腔から肺腑を満たす友人のいい匂い。
優しく髪束をなでてくれる繊細な手指の気持ちよさ。
いつにもまして毛艶の良い獣尻尾をぶんぶか振って、たっぷりと彼女の体臭を楽しんだ後、獣娘の小さな頭部がひょこんっと持ち上げられて上目遣いの視線を絡める。

「―――おとな、しく……、わぅう……?」

きょとんとした顔で小首を傾げ、結局了解したのかしないのか、不意にその表情を屈託のない笑顔で塗りつぶして言う。

「りすっ、りすっ、あそびにきた! くるしゅうない、もてなせ、もてなせっ!」

再び彼女の乳房に顔を埋めて、焦茶の頭部をぐりぐりと擦り付ける。
そこから香るのは以前に感じた太陽と埃の匂いではなく、清潔そうな石鹸のいい香り。
普段は奔放に跳ねまくっている焦茶の髪も、今日はいくらか落ち着いて天使の輪さえ乗っけていた。

リス > 彼女の鼻は少女の胸の谷間にしっかりと挟まって、顔中でリスの胸を堪能するようにも見える。
 クンクンと匂いを嗅いでいる音が聞こえるような勢いで貪りついて、ちょっと顔が赤くもなろう。
 しばしの間、彼女の思うがままにさせては居たものの、彼女の顔が持ち上がり、自分を見る。

「そ、もう少し大人しく……ね?」

 にっこり、と笑みをたたえて問いかけて見るものの。
 チョーっとばかり効果が薄いのかもしれない、すごく元気な笑顔が見える。

「もう。」

 ふぅ、と大きく息を吐き出すも、あまり困った様子ではなくて。
 以前よりもサラサラな髪の毛を優しく撫でてお風呂に入ったあとのような髪の毛と頭を撫でて。
 さあさあ、とフラムを近くのソファに腰掛けさせて見せる。

「紅茶と、クッキーで良いかしら?」

 急な来客、たった今作り終えたそれをポットに入れてから注ぎ。
 お茶菓子としてクッキーをさらに入れてソファーの目の前にあるテーブルの上に、並べていく。

ヴェオフラム > 困ったような溜息をつきつつも、こちらの暴虐を優しく許してくれる彼女の気配にヴェオフラムの尻尾はますます嬉しそうに振りたくられた。
彼女の胸元にぎゅーっと抱きついていた獣娘ではあったが、誘いに従い抱擁を解くと指し示されたソファにお尻から飛び乗った。
その際にふわりと浮いた貫頭衣の白裾から覗くのは、太腿と同じベージュの色合い肌の色。
獣娘は本日も元気にノーパンスタイルを貫いているようだった。
そんな裸のお尻をソファーの上で跳ねさせて、スプリングの効いた座面の柔らかさにしばしはしゃぐ。

「こぉちゃあ? くきぃ……?」

問いかけに向けられたオレンジの瞳は、やはりよく分かっていなさそうな顔で小首をかしげるばかり。
しかし、上品な香りと共に湯気立つティーカップと、さくさくの表面も美味しそうな茶菓子がことりと供されれば、バッと獣耳が揺れる勢いで顔を上げ、まん丸な瞳で問いかける。
「なにこれなにこれ!」そんな視線。

リス > 「全く、困った子。」

 やっぱり、色々と彼女は足りないのだろう、常識とか。
 会話が上手くない所からも、前々から思っていたがそうなのだろうと確定を。
 彼女は野生に近い種族なのかもしれない、下着も履いていないその部分は、以前と同じスタイルだったことを思い出して。

「そ、紅茶。飲み物よ
 あとクッキー。は、食べるもの」

 紅茶は、彼女が飲みやすいようにと砂糖とミルクを入れてあげよう。
 そして、こうやって飲むのよ、と自分の分のカップを手に取って持ち上げて飲んで見せよう。
 クッキーもひとつ、サクサクっと食べてみせる。

「それとも、フラムはこの間のような交尾のもてなしの方が良かったかしら?」

 軽くいたずらを込めて、クッキーの粉のついた己の指をちろり、と舐めて問いかけて艶然と微笑んでみせる。

ヴェオフラム > 「た、たべ……のみ……っ。」

ほんのりと漂ういい匂いに誘われて、ふらふらと近付く鼻先が匂いを嗅ぐ。
見たことも無いが甘い匂いはとても良い。
思わずごくりと喉がなる。
彼女が手本を示して飲み食いするのを、「待て」を命ぜられた子犬の如くそわそわと見守る。

「―――か、かいでよい? のんでよいっ? たっ、たたたべてよいっっ!?」

獣娘の三段活用が興奮のあまりどもった。
血色の良い小さな唇の端には、早くもじるりと涎が伝う。
獣娘の中で、餌をくれる彼女は上位者である。
そんな彼女の許しもなく餌に飛びつく様な躾のなっていない子供ではないのだ。
だから早く許可をくれ! 嗅ぎたい! 飲みたい! 食べてみたいっ!

蠱惑的な所作に食欲以外の部分がドキリと跳ねるも、今はやはり眼前の食い気が優先である。
今にも飛びつかんばかりにじりじりしつつ、しかしじっと許可を待つ。
このまま焦らし続けていたら、駄々っ子の如くじたばたと暴れ始めるのではないかという気配。

リス > 「――ええ、冷めないうちに食べて、ね?」

 [待て]をされて必死に我慢している子犬を連想させる。
 本人は必死なのだろう、それは見ていてわかるし、別に意地悪をしたいわけではない。
 そんなにちゃんとものを食べてないのだろうかとも心配になるが口にはせずに、許可をだけ出して、彼女の様子を見守ろう。

「誰も取らないから、落ち着いていいから、ね。」

 嗅いでもという意味はよくわからないものの、許可を出す。
 相手の対面に腰を下ろして、食べ物に興味津々な様子を見ている。
 自分の分の紅茶を一口すすり、食べている様子の彼女に問いかける。

「もしかして、ちゃんとご飯食べていないのかしら?」

 お腹、すいてるの?
 まずは食欲とばかりの相手に問いかける。
 ちゃんと食べてないならば、食事の用意も考えなければなるまい。
 とはいえ、今すぐ用意できても、干し肉とかドライフルーツとかが関の山だが。

ヴェオフラム > 「―――わぅうッ! わふぅぅうんっ、わふふっ、わふっ、んわふぅううっ!」

こんな美味しそうなものを前にして、欠食児童が落ち着いてなどいられるはずもない。
クッキーの盛られた皿に口から飛び込み、ガツガツガツガツッ。
周囲に欠片を飛び散らせつつ、皿をガタガタ言わせつつの、テーブルマナーを清々しいまでに無視した食いっぷりであった。

「たべっ、はべれぅ! ひゃまに、ひゃんとはべれぅお!」

齧歯類の如く頬いっぱいにクッキーを溜め込んで、もふもふと口元を動かしたまま返す答えはまともな言葉になっていない。
その甘菓子を半分くらい飲み込んで、クッキーの粉を付着させまくった口が、今度はそのまま舌を伸ばして湯気立つ液体にダイブして

「ひに゛ぁあぁああぁあああ゛あ゛あ゛――――ッッ!!?」

案の定、その熱に舌を焼かれて飛び退いた。
ぎにゃぁああっ、ふぎゃぁああっと上げる悲鳴も哀れに、獣娘は床上をごろごろと転げ回った。

リス > 「―――あ。」

 思った以上に慌てて食べている。
 別に貴族でも、上流階級でもない、父親が成り上がって、その下にいる成金の一般市民。
 マナーとかを気にしているとか、そういうレベルのものではない。
 元気に食べる様子を眺めていたが、紅茶に飛び込むように飲もうとするのを見て止める前に突っ込んでいた。

「もう、落ち着いてって、言ったのに……!」

 暴れている少女、先ずは口を冷やすための水を取り、コップに注ぐ。

「フラム、フラム、お水よ、先ずはちゃんとコレで口を冷やしなさい。」

 とはいえ、転げまわっていれば危ないので、彼女に近づいて、抱きとめて落ち着かせてからにしよう。
 こういう時どういうふうに介抱すればいいのかわからないし。

ヴェオフラム > 無論、獣人とはいえ料理くらいする。
生水生肉を食する未開人などではないのだ。
当然シチューくらい作るし、熱々のそれに舌を焼かれた事など数知れない。
にも関わらず、再びこんな体たらくをさらしたのは、あまりに、そう、あまりにも美味しそうな匂いがしたから。
これはもう仕方のない事である。
決してフラムが頭の足りない粗忽者だから、なんてことではないのだ。

「ひぅぅ……へぅぅう……っ。」

犬耳は情けなくヘタらせて、獣尻尾もぷるぷるさせて、床の上にアヒル座り。
信じがたい裏切りにあったと言わんばかりの上目遣いには、涙の雫さえ浮かんでいる。
少しでも冷まそうというのか、突き出した小さな舌の先端は赤く充血して痛々しい。

差し出されたコップを受け取って、こわごわと水に口をつける。
抱擁の優しさと、舌をじんわりと冷やす水の清涼さに、震えていた尻尾もようやく落ち着きを取り戻した。

「はふぅぅぅう………。」

リス > なにを言えばいいのだろうか、涙目になって、座っている彼女。
 恨みがましい視線が自分に突き刺さり、冷やそうとしている舌が赤くなっている。
 コップの水を少しずつ飲んでいる様子に息を大きく吐き出して、苦い笑いを。
 どうしたものだろう、何といったものだろう。
 落ち着くのを待っていたが、ようやく落ち着いてきたようだ。

「大丈夫だった?
 もういっぱい、水飲むかしら?

 たまにと言うのはちゃんと食べてるって言えないからね?」

 先ほどの彼女の言葉。
 もしゃもしゃしながらでも、なんとなくこういう事を言っているんだろうなと、推測のままに言葉を一つ。
 もう大丈夫かしら?と頭を優しく撫でて見せて。

「お腹がすいてるなら、先に言いなさいな。」

 少なくとも、軽い食事ぐらいなら出せるから、と。
 自分の手持ちから数枚の金貨を取り出し、店員を呼んで、干し肉とドライフルーツを一食分買い付ける。
 持ってきたそれを、差し出して、水とともに食べなさいな、と。

ヴェオフラム > 眼前にあった彼女の細首に、思わず八重歯で食らいつきたいと思うのは、羞恥をごまかす八つ当たりの気持ちから。
とは言え、別に悪意があって罠に嵌めたなんてわけでもなく、今も甲斐甲斐しくフォローしてくれている彼女に噛み付くほど恩知らずでもない。
また撫でてくれる頭が気持ちいいし。

「もぉらいじょーぶ。」

水に付けていた舌先をれるれるっと動かして、クライシスを脱した事を確認する。
コップの水を一息に飲み干して、少しだけはにかんだような笑みを彼女に見せた。

床の上から立ち上がり、改めてソファに腰を落ち着かせ、苦々しい顔でティーカップを脇にどかす。
代わりに出てきたのは獣少女にも馴染み深い保存食。
今度はちゃんと手を使い、しかし八重歯を剥き出しにして食らいつく有様はやはりあまり上品とは言えない所作。

「ふらむ、きょうは、すいてない、あまり。きの……お、おとつい? りんご、たべた。」

拙い発音で知っている単語を並べ、数日前に食べたばかりだから今はそんなに腹ペコでもないと伝える。

リス > 「そう。ご飯は逃げないから、慌てないでゆっくりと食べなさいね」

 大丈夫だと言ってくれる彼女に、困りの空気を多分に含ませながら言葉を放つ。
 半分動物のような彼女に、さてどう言い含めたものだろうか、と悩んでしまおう。
 水を飲んで、落ち着いて飲み干す様子に、ふぅ、と少し披露の交じると息を吐きだそう。

 ティーカップをずらす少女、残りは少し覚めているだろうけどもう飲まないんだろうな、と。
 保存食にかぶりつく彼女を眺めて、その言葉に眉根をハの字に下げて困り顔。

「フラム、ご飯というのは、普通は毎日食べるものなのよ?
 今だって、お腹は減っているでしょう?」

 数日前に食べて腹ぺこではないってそんなわけ無いでしょうと、彼女に言い切る。
 その証拠に、さっきも、今だって。
 干し肉に、クッキーにしっかり口にしているのだから。

「どうしたもの、かしら。」

 うーむ、と肉を食べている少女を眺めて考える。
 なんというか、見るに忍びないわね、と。

ヴェオフラム > 元々、フラムの部族が住む里は森の恵みもさほど豊かではなく、1日2日食事が無いなんて事もざらだった。
少女の氏族が小柄なのは、少ない食事で長く活動の出来るコンパクトな体躯が必要だったからという理由もあるのかも知れない。
村を飛び出し旅に出た後も貧相な食料事情は大差なく、結果、美味しそうな物を目の前にするとついつい飛びついてしまうのである。
だからもう、先程の粗相も仕方がないのだ。

「……………?」

それは勿論、毎日食べられるなら食べたい。
けれども、そんなに沢山食べていたら、すぐに食べるものがなくなってしまうのではないだろうか。
そんな疑問を傾げた小顔に浮かべて、しっかり齧って柔らかくなった干し肉をごくんと飲み込む。

「りす、りす、くきぃ、ない? もぉ、ない?」

ぺろりと口周りの粉を舐め取り、問いかける。
人の良い女店主の懊悩など、全く知らぬげな暢気な顔。