2017/10/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の路地裏の一つ。昼間は人通りが多いが夜は人通りの少ない裏通り。
それだけに怪しげな店が点在する路地に入ってすぐの場所に
店を構えて欠伸をかみ殺している男の姿があった。
店を構えた場所は初秋の涼やかな風と良く晴れた日差しが丁度差し込む場所なせいで
男の座っている場所は意外なほどに居心地がいい。

「今日は特に世は全てこともなし、だねえ」

薬類を中心とした自分の店の商品を見下ろし、それから人通りの全くない道に視線を
むけるとどこかつまらなさそうに頬杖を付いた。客が通りがかりそうな気配もあまりない。

ジード > 「おや、何か探し物かな。ああ勿論薬ならば――」

酷く退屈そうに店番をしていた男の前に何やら怪しげな代物を求めてきたらしい客が現れる。
人当たりの良さそうな笑顔で男は応じ、ひそやかに商談の声が響いていく。
まだしばらくの間通りから人の声が消える時は遠そうだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」からジードさんが去りました。
ご案内:「朽ちかけた教会」にアリエスさんが現れました。
アリエス > 冒険者ギルドで請けた、メグメールの高原にあるという小さな洞窟の調査と何かいればその排除の依頼。
いざ赴いてみれば、そこには数匹のゴブリンが住み着いていた。
ゴブリンが複数いた所で特に敵にもならず、仕事をあっさりと終わらせて帰る途中。

「………?」

草原の中に、蔦まみれになった石造りの建物を見つけた。
誰かが住んでいるとも思えなかったが、引き寄せられるようにそちらへと足を向ける。

アリエス > 近づけば、入り口だろう扉を慎重に薄く開ける。
ぎぃぃぃぃ…という耳障りな音が、元の仕事柄僅かに苛立つ。
中の様子を伺えば、完全に扉を開ける。
――中は、神の像が残っているだけで他はすべて朽ちていた。

アリエス > 天井も僅かに崩れ、その穴から差し込む光が舞い散る埃を神々しいもののように映し出して。
真っ直ぐに敷かれた絨毯の両脇には、長椅子だったのだろう木材が崩れている。
特に何があるわけでもないけれど、そこに足を踏み入れた。

「………いつから……」

ここはいつから無人だったのだろう。
信じる者がいなくなって、何も無くなって。
それでも神だけは残っている、その光景に言葉にできない物を感じる。

アリエス > 「………」

なんとなしに、像の前へと足を進めた。
ハンカチで、出来る限り埃を落として綺麗にしていく。
自分がまたここを訪れでもしなければ、誰もここに来ることなど無いのだろう。
そうは思うが、それでも良かった。
埃を落とし終われば、信仰とは違う何か別の感情のまま像に頭を下げる。