2017/06/03 のログ
ルーク > 「………そうですね。私が貴方様にこのような事を言う事になるとは思いませんでした…。けれど、あの時の貴方様のお気持ちが、少し分かったような気がします。」

あの時、嬉しさや美しさなどの心地よい感情ではなく、痛みや苦しみといった感情を相手にも感じさせてしまう事に躊躇した。
けれど、こうして立場が逆転すれば痛みも苦しみも出して欲しいと願った彼の気持ちが分かるよう。
大切に想う人の痛みや苦しみを少しても分かち合い軽くしたいと想う。
すがるように抱き寄せていた腕から次第に力が抜けて、もたれかけさせるようにする彼の頭をぎゅっと抱きしめる。
視覚も聴覚も符号に侵されるのなら、触れることで、温もりを感じることで少しでも安らぎを与えられたらと願い。

「…老いて死ぬこともない…。………貴方様のお言葉は、人の身の事も先ほどの木のように変化させることが可能なのでしょうか。」

人ではない体になるというのに、精神は人のままというのはなんと残酷な事だろう。
権力者などが不老不死を望む事があるが、老いず、死なず、時の流れから取り残されていくのはどれほどの孤独だろう。
想像すらできないその立場に、彼はいるのだ。
過去の符号紡ぎの存在と、その者の末路に彼がこれから抱く絶望がうっすらと見える。
ならば、その者が抱いた絶望を彼に抱かせない為にどうすればいいのか、それは同じ存在がもしくは、同じ時を生きる存在が隣にあることではないだろうか…。
少し長い沈黙の間、ルークは想像すらできない彼の立場を必死に想像してそして言葉を紡ぐ。

「……辛いや苦しいに、男も女も関係ないと思われます。…感情や、心というものを理解しきれていない私は、頼りなく思われるのも仕方ないと思いますが、全て身を委ねていただきたいと、思います。」

胸元に顔をうずめる彼は、いつもよりもとても頼りなく見える。
そんな彼を抱きしめながら、ぎこちない手が彼の髪を撫でる。
いつも彼がルークに与えてくれる温もりと、同じものを少しでも彼に与える事ができればと、震える彼を抱きしめて彼の仕草を思い出す。

「…怖がるうちは…どうすれば、怖くなくなりますか?」

符号に埋もれる世界、愛する者の姿すら見ることができない、こうやって掛ける声も、彼の耳に入れば符号と交じり合う。
拷問のようなその状況に、精神をすり減し瞳を閉ざす彼にルークができることなど殆どない。
もし目を取り替えれば、耳をとりかえれば解放されるというのなら、いくらでも差し出すというのに。

アーヴァイン > 「それは嬉しいこと…なんだが、素直に喜べないところが困りどころだ」

男としての意地が、意識しなくとも、条件反射のように躊躇わせてしまう。
確りと抱きしめられていく感触に、安堵の吐息を溢しつつされるがまま。
温もりとともに、密着した胸元から聞こえる、彼女の命の音にも符号が僅かにだが混じっていた。
それでも鼓動が大きく聞こえるほど、そちらが心地よく、焦燥していた雰囲気が次第に緩み始める。

「……っ、ルーク、それは駄目だ」

沈黙の後に掛かる問いかけに、びくりと体が震えると、勢い良く顔を上げて頭を振る。
それは彼女を狂わせかねない、危険な符号を紡ぐことと同意なのだ。
やっと人らしさを取り戻した彼女から、自ら人らしさを奪うような気さえする。
珍しいほどに慌てふためき、見せる表情は僅かに青ざめるほど、その願いを恐れる。
ぎこちなく髪を撫でる掌に安堵しながらも、自分の闇を口にするのを只管に躊躇っては、視線を逸らす。
何故言えないのか、どうしてかと考えながら、ぎゅっと眉の間にシワを寄せ、思考に頭が締め付けられていく

「……急に違う世界に放り出されたような心地だ。ルークの顔を見たくとも、符号が視野を塞ぐと…心を休めることすら出来ない。ずっとこうなのか、ずっと見れないのか、ずっと…違う世界なのかと、意識せずとも心の中がループしてしまう」

少しの合間だけでも、好きな人を見つめていたい。
それすらも奪われた視野が、心を狂わせようとしていく。
普通の人間なら、その異様な世界に壊され、あっさりと廃人となってしまうだろう。
それだけの変化が彼を苦しめる。
言葉が途絶え途絶えに成り、少しだけ、音が涙混じりになっては、その先を隠すように顔を胸元へ埋めていく。

ルーク > 「嬉しいのに、喜べない、ですか。喜んでいただける方が、私は嬉しいと思います。」

男としての矜持が、全てをルークに委ねる事を躊躇させてしまうという心の複雑なところに微かに首をかしげる。
しかし、抱きしめる感覚に、伝わる鼓動に安堵の吐息をこぼして力の抜けていく体は少なからずルークに頼ってくれているというのを感じられて嬉しくなる。

「……私が言おうとしている事が、お分かりになるということは欠片でもそう望まれているのだと思っていいでしょうか。
 駒として、物としての価値のみで生きてきた私に人としての生と心を貴方様は与えてくださいました。
 そして、その心は貴方様と共にありたいと強く思います。
 貴方様が人とは別の場所に立ってしまわれたなら、その隣に在りたい、です。」

ぎこちない手は彼の髪を何度も撫でる。
少しの沈黙の中で、彼が彼の内にあるものと葛藤しそして口が開かれる。

「では、同じ世界に私も連れて行ってください。符号というものが、みえ続けるのは変わらないかもしれません。アーヴァイン様の瞳に私の姿が映らないままかもしれません。それでも、同じ世界でこうやってアーヴァイン様を抱きしめさせてください。」

ガラリと変わってしまった世界の変化、常人が発狂しそうなその状態で発狂せずにいられるのは、彼の精神力の強さ故。
それでも、その精神力もいつまでもつかはわからない。

涙の混じる声に、きゅっと胸が締め付けられる。
ルークにできることは、ただただこうやって彼を抱きしめることだけだ。
だから、取り残される恐れをなくし温もりを伝え続けることで、少しでも彼を癒すことができればと想う。

アーヴァイン > 「ルークの言うとおりだが……それで素直になれないところが、男の面倒なところだ」

吐き出してしまえばいいのにと理性で思っても、本能が否定する。
その繰り返しで困ったように笑っていたのも、彼女が危うい領域に踏み込めば消えてしまう。
人でなくなってしまっても、自分の傍にいたい。
それだけ想ってもらえているのは、自分が人の心を与えたからだと思えど、それを理由に彼女の自由を奪うと思えば、ためらう。
真面目過ぎるが故に選ばれて、そして自由を選べないジレンマ。
少しずつ、二つの感覚がぶつかり合う力が強まって、腕の中で震えてしまう。
徐々に彼女の言葉が躊躇いを抑え込む、一人ではないと改めて思えてきた瞬間、ほんの少しだけ頭の中がすっきりとしていく。
冴えていく思考が、やっと自分にあった本心を探り出す。
ここまでやらかして、大きくして、それなのに自分の拠り所を求めるなど、勝手過ぎる。
そう縛り付けていた事に、只管に寄り添う彼女の言葉に引きずり出されると……小さく溜息を零した。

『…他の奴には俺とルークが見えない』

いるけれど見えない、感じ取れない空間へと二人だけを切り離していくと、遠くの喧騒が一瞬にして消え去っていく。
少しだけ荒くなった呼吸のまま顔を上げれば、ゆっくりと瞳が彼女を捉える。
愛している、だから壊したくない、縛りたくない。
けれど欲しい、ずっと欲しい。
そう願って良いのだと思った瞬間、びくっと体を震わせ、一瞬だけ瞳が青く染まりつつ、目を見開き、慌ててあたりを見渡し、彼女へと視線を戻す。

「……消えた、符号が」

その言葉の後、沸き立つように、徐々に笑い声を強めると己に呆れながら眉をひそめて、クタリと彼女へと寄りかかる。

「ルークと同じだ、本当はルークを俺と同じにして…ずっと傍において、俺がくたばるまで愛したいと願っていたのに、ルークを壊すんじゃないかと怖がって躊躇っていた。似た者同士だ」

喜劇でもみた後のように笑いに呼吸を荒げたまま、もう大丈夫だというように顔を上げる。
コントロールを得た今は、彼女の顔がはっきりと見え、普段と変わらぬ温和な笑みを浮かべながら頬に触れた。

ルーク > 「もし、貴方様にとって私が必要のない存在になればその時は貴方様のお言葉で私を消し去ってくださって構いません。
 それまでは、貴方様の隣に存在したいとそれが、私の願いです。」

困ったように笑っていた表情が、告げた言葉によって消えてしまう。
そんなアーヴァインを、表情の変化は少ないけれどまっすぐに澄んだ琥珀色が見つめる。
人としての心を与えてくれたからとか、主だから、とか…そんな理由ではなく、誰に強制されるわけでもなく自由な心が彼の傍にいたいと願う。

「……――え…?」

彼の中にある様々なものを吐き出すようにため息が零されると、ぼそりとしかしはっきりと聞こえる声が紡ぎ出されて遠くに聞こえていた喧騒が消え去ってあたりが静寂に包まれる。
ゆっくりと胸元に埋められていた顔があげられると、その先のルークの顔には柔らかな微笑が刻まれていた。
愛しい人に添いたいと、心からの願いの表れる微笑は彼の愛に満たされて浮かぶのと同じもので。
しかし、一瞬瞳が青く染まり、驚いたように彼の瞳が見開かれ慌てたように辺りを見回すのに驚きの表情に微笑は消える。
彼を苛んでいた視界を覆う符号が消えたと、そう呟くのに疑問の声があがる。
見えなくなったということだろうか、と微かに首をかしげながらも笑い声を強め、寄りかかる彼を抱きとめる。

「…壊れません。貴方様が望んで下さるなら、いつまでも、どこまでもお側にいます。それが、私の願いです。」

彼の瞳が、はっきりとルークの顔を捉えると彼の言葉に再びルークの唇が微笑を浮かべる。
いつもの温和な笑みを浮かべ、頬に触れさせるその手に両手を重ねて包み込む。

アーヴァイン > 「そんなこと出来るわけがないだろうっ、ルークを消すなんてこと!」

消し去ってもいいといえば、激昂したかの様に声を張り上げる。
此方を見つめる瞳が、嘘偽りないと言っているのがよく分かるものの、本当であっても消すなんて事はできず、彼女の言葉に踊っていく自分に呆れ、小さな溜息を溢し、肩を落とした。
そして、覚悟を決めて彼女を不死にしようとした瞬間、彼女を壊す恐怖を乗り越えたことで、コントロール得ていき、寄りかかったと同時に、そのまま押し倒すように転がそうとしていく。

「言ったな? それならそのまま受け止めるとしよう、だが…この力は他人に作用させるには結構面倒なものだ。今回だとルークが承諾しないと、発揮できない」

他者を書き換えるには、他者を力で抑え込むか許可を得るかの条件が必要となる。
彼女に許可を求めながら覆いかぶさったまま琥珀色の瞳を見つめ、コントロールを得たことで一層澄んだ音は、綺麗にはっきりと聞こえるだろう。

『ルーク、君が望むなら、俺と共に生き続ける。君が死ねるのは、俺が死んだ時だけだ』

死がふたりを分かつまで、ではなく、死が終わりを告げるまで、二人は生き続ける。
その誓いを囁きかければ、体に何かが入り込もうとする感触を覚えるかもしれない。
魔力や気配とも違う、冷たい風が入り込むような感触は許可を獲れば、それが入り込んでしまうのが分かるかもしれない。
それが彼が操る符号であり、彼女に刻まれた符号が書き換わる瞬間だ。

ルーク > 「…っ…。必要のない存在になれば、の話です。貴方様に必要とされないならば、生きている意味はありません。」

激昂したように声を張り上げるのは、恐らくルークが初めて見る姿だった。
その様に、驚いたように瞳を丸くしてびくっと小さく体が戦慄くが、首を横に振って同じことを再び口にする。
彼の隣にいたい、傍にいたい、と願う。
けれど、その願いは彼に必要とされないならば成り立たない。
だから、その時は消して欲しいと願うのだ。

「――っ…」

寄りかかる体は、押し倒すように力が込められて背中から地面にルークの体は押し倒される。
真上にある彼の瞳を琥珀の瞳がじっと見つめて、符号を書き換えるのに必要な条件を説明する言葉にこくりと頷いた。

「…はい…この身も、心も、アーヴァイン様と共に、死もまたアーヴァイン様の死と共にありましょう。」

彼の言葉とともに、ひやりとした風がルークの体の奥、深い深い場所へと吹き込んでくるような心地を覚える。
けれど、深い場所にある扉の前で立ち止まるかのように一定以上入り込むことはなくゆらめいている。
彼の言葉を最後まで聞いて、一度噛み締めるように瞳を閉ざして再び彼の瞳を見つめると誓約を紡ぐ。
冷たい風は、するりとルークの奥深くに入り込み体の隅々まで染み渡っていくように書き換えていく。

アーヴァイン > 「……すまない、急に」

驚きの様子が見えれば、今自分が怒りを露わにしたのだと彼女を通して気付き、視線をそらしながら謝罪を紡ぐ。
彼女の言う言葉は最もで、それに返す言葉もない。
それだけ自分が彼女の心を惹きつけてしまったのだからと思えば、書き換える言葉も今は躊躇いなく言える。

「……これだけいい娘を駒にしていたあの人の気がしれないな」

彼女の中で人間という枠組みが一つ壊され、寿命の概念が消えてしまう。
同時に老いも失われ、二人は永遠にこのままの姿となった。
誓いの言葉を、躊躇いなく受け入れた彼女を抱き起こすと、落ち着いた心が少々悪戯に満ちる。
使いすぎて人でなくなるかもしれないと恐れた気持ちも失せ、使えるならば使いこなそうと前向きに考えれば、普段と変わりない薄っすらとした笑みも浮かべられる。
ふいに、彼女の胸元に手を添えれば、ちらりと遠目に見える歩哨を務める少女をみやり、あの声で言葉を紡ぐ。

『ルークの服は、あの娘と同じ姿だ』

すると一瞬にして彼女の服を書き換えてしまう。
黒いブラウス状の上着に、ワインレッドのリボンを首元に。
赤主体に黒いラインが入ったチェック柄のスカートと、特殊な素材で作られたパニエがスカートを膨らませつつ、守りを固める。
白いソックスも魔法金属が織り込まれ、防御力もそこそこにあり、僅かに太腿の肌が境界線となって晒されていく。
靴は焦茶のロングブーツだが、それぞれが重なり合うと、戦闘衣というよりは着飾った可愛らしい格好になる。
元の娘は上からマント状の上着を一枚羽織っているが、それがないと大分違ってくる。

「最近、義妹とかの格好が好きな組合員が増えてな、こういう可愛い格好をする娘も増えたらしい」

と、前々から女性らしい、可愛らしい格好をと言っていたのを自らの異能で再現して見せれば、悪戯な笑みを浮かべながらその姿を眺めるだろう。

ルーク > 「いいえ…。普段お声を荒げられる事がないので、少し驚いてしまっただけですので…。」

バツが悪そうに視線を逸らしての謝罪に、首を振って大丈夫だと告げる。

「いい娘かどうか、分かりませんが…アーヴァイン様が教えてくださった様々な事が今の私を作り上げてくれているのだと、思います。それに、感情を覚えそれによって戸惑いや躊躇が生まれる事を知り、駒として感情を必要とされなかった理由も少しだけ理解できたように思います。」

冷たい風が体に染み込むようにして、人間という枠組みが壊されていく。そして、彼の命にルークの命が結び付けられていく。
それに痛みもなく、寿命と老いの概念が失われたという実感はあまり沸かない。
国を維持する為に投入するのであれば、余計な野心や情けを持つ人間よりもより確実にその意思を遂行する駒であったほうが扱いやすい。
心奪われた者への献身さ、従順さというものは駒として育て上げられた経歴が大きく影響しているだろう。
しかし、駒の時と違うのはそこにルークの意思が存在するということ。

「―――っ?!」

彼に押し倒された状態のまま、視界は空と彼の顔しか映らない。
いつもの上着の上から胸元に手を当てられれば、彼が先ほどのようによく通る声で符号を書き換える。
瞬乾の間にルークの服装が切り替わり、女性らしい可愛らしい服に変わる。
あの娘?と瞬く視線が彼の顔から、自身の体へと降りれば黒のブラウスに首元を飾るリボン、チェックのスカートは押し倒されている状態でもパニエで膨らんでいる。
すらりとした足を覆うのは以前履いていたものとそこまで大きく異ならないが、全身でみれば雰囲気がガラリと変わってしまっている。

「――っ…っ…組合員の、格好ですか…いえ、以前から女性らしい格好をとは言われてはいましたが…突然すぎるのでは、ないでしょうか」

今の自分の格好を認識すれば、カァっと頬が熱くなっていくのを感じる。
今までしたことのないような格好で、それを見られるのをなぜか恥ずかしいと感じてしまう。

アーヴァイン > 「俺はキッカケを与えただけだ。そこから育てて開花させたのは、ルークが願ったからだと思う。確かに、不安定にはなるかもしれないが…それを含めての人間だ」

義父が考えていたことは何となく分かるものの、だからといって人を潰してまで、駒を作っていいとは思えなかった。
理解は出来ても賛同はしかねる、そういう様に頭を振る。
そして、自分も人ではなくなったのだからと、少しぐらいは楽しもうと言わんばかりに、早速彼女へと悪戯を働いていく。

「あぁ、もっと甘ったるい格好している娘もいたな。意外と裾やらは短くしている分、動き回りやすいそうだ。ははっ、これぐらい引っ張らないと、ルークは遠慮がちな気がする」

真っ赤になった彼女の姿は、細身の体付きとスタイルの良さもあって、綺麗で居て可愛らしい。
満足気に口角を上げながら、すっと掌を差し出すと、直ぐ側を組合員の少女が通りかかる。
けれど、二人には気づかぬまま、直ぐ側を通り抜けていった。

「今は俺たちが周りに見えない、二人っきりのデートでも楽しむとしようか」

手を握ったなら、軽く集落を散歩するだけのデートとなるが、彼女には刺激にあふれているのだろうか。
今は奥底に残った、自分一人で片付く世界でなくなったという呪縛から解き放たれていく。
くだらない事に笑うただの人として、楽しいひと時を過ごしつつ、今日に幕を下ろすだろう。

ルーク > 「そう、なのでしょうか。貴方様には、キッカケのみでなく様々なものを与えていただいているように思います。確実性を求める時に、駒としての存在が必要とされていたように思います。」

人の持つ情というものから生まれる躊躇、恐怖、そういったものは不安材料となる。
彼のそういった考えを理解できても、同意しかねるといった反応は、出会ったときから変わらない。
出会った当初は、彼の考えが理解できないと思っていたが今はそれが甘さとは違う、優しさであることが理解できるようになっていた。

「…これでも十分可愛らしすぎるように、思いますが…。動きやすいかもしれませんが、裾が捲れてしまいそうです…。…あ、ぅ…それにしても、やはり突然過ぎると、思います」

なぜこんなにも、普段と違う格好を見られるのが恥ずかしいと思うのだろうと戸惑いながらも頬の赤みは増すばかり。
もっと甘ったるい格好というものが想像できないが、少女たちよりも年上である自分がするには甘すぎるのではないかと考え。
ホットパンツとは違い、スカートは裾が翻れば下着が見えてしまいそうで動くたびにとても気を遣う事になるだろう。
すぐ傍を通りすぎる組合員の少女の存在に、どきりとして無意識に息を殺すが彼女は気づかぬままに通り過ぎていった。

「……はい…。あ、の、ゆっくり歩いて、いただきたく…。」

体を起こされて手を引かれて、賑わいの中へと二人で足を踏み出した。
笑う彼の表情は、何かがふっきれたようで普段よりも明るく朗らかに見えるのに瞳を丸くしたあと、ルークもまた表情を微かに緩めた。
しかし、歩き出せばスカートの裾が気になり、相手から認識されないにしてもたくさんの人が傍を通り過ぎていくのに落ち着かなさげにしながら、デートと称した散歩を楽しんでいく。

ご案内:「ドラゴンフィート」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンフィート」からルークさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 街から少し外れたところにある森、その中心に、大きな湖がある。深くまで底が見えるほど清らかで波一つ立たない湖は遠浅で、ちょっとの水遊びには最適。
膝までの深さの水辺にざばざばと波を立てて遊ぶ影一つ。
ローブを脱いで裸になった、栗色の小さな子供だ。
栗色の髪を跳ねさせ、湖で水遊び。一人というのが少しさみしいが綺麗な湖にはしゃぐように水を掬って空にぱあっと広げたりして

シャルティア > 「――んー…お腹すいたー」

ひとしきり遊んでお腹が空いた様子。少年は岸に上がって、虚空からローブを具現化させると、んしょ、んしょ、と被る。
そして、ぱっと空中に舞い上がった。 とりあえず街に行こう。美味しいものを食べに行こうということで、湖を後にした

ご案内:「設定自由部屋」からシャルティアさんが去りました。