2017/05/14 のログ
ランティ > 「そうか、…うん、ならば根底は変えないでおこう
 この面倒臭くて素人丸出しで…でも、どうやったら君を傷つけないで助けになろうかと考えた従兄弟さんの気持ち
 次の墓参りには、本職の魔術師が褒めていたと伝えておくれナ」

ふひひと笑う女は、今は亡いガリアの従兄弟に、心からの称賛を口にする。
生まれも育ちも、性格も、お世辞を言うような女ではないとガリアは知っているだろう。

「騎士であれば、勇猛ばかりでは成せない事もあるからな
 獣の激情と、人間の冷静と、騎士の品位、それを持つ為には、まだまだ修行が必要だなァ、ガリア
 …そうか、人は居なくなるものだなァ 人の命を使う側の人間としては、心苦しく思う事もある」

ガリアの知己二人の死を知れば、遅ればせながらと声を漏らしながら祈りの仕草。
そして、目を閉じた女の頬を撫でる男の掌。 驚いたように目を開けて男を見る。
人よりも鋭い歯並びを、しかし、怖いとは思えなくて目を細めて微笑んだ。
少しだけ、自分が抱かれた時の感覚を思い出してしまい、撫でる手の感触に背筋に走るくすぐったさ。

「…女の扱いに慣れた男の口だな、ガリア 行き遅れには刺激が強いよゥ
 そんな風な事をあちこちの女に言ってみたまえよ、いつか年貢の納め時が来ることになるぞ…まったくもう
 … …勿論、君の身体を道具や材料にして楽しもうと言う気は無いけれど」

赤らんだ頬を少し膨らませ、照れ隠しにちょっと叱って返す。
でも、撫でる手が温かくて、何となく身を引けず、逆に頬を摺り寄せる。
そして、ずれた眼鏡越しにガリアを見れば、

「請け負うよ しばらくは学院のボクの部屋に時々来てもらうことになるが、それは従ってくれ
 …あと、そうだな …君が望むのなら、この文様に頼らなくて良くなるように、
 ガリア、君を鍛える事も出来るが、どうだい
 今まで君が触れてこなかっただろう能力になるから、時間はかかるだろうけれど」

ガリア > 其の辺りは好きにしてくれて良いさ、コイツが変わっても、俺の中じゃ変わらないしな。
此の儘でも問題無いってなら、其れは其れで良いけどなァ。
……クク、本職が褒めてくれたんなら、アイツも喜ぶだろうよ。

(――笑って見せよう。 例え命が尽きたとしても、彼が生きた証は此処に在る
其れを、目の前の魔術師が大切に考えてくれるのならば、矢張り頼んだ甲斐が在ったという物だ
笑い合おう、そして、感謝を胸に抱くのだ。 亡き友への失せぬ言葉として。
片掌で触れた相手の、其の頬の柔らかさは、矢張り女を感じさせる
それでも、決して情欲の対象としてだけでは無い。 頼もしさが其処には在る。
何処か怒った様な表情が返るけれど、其れでも、女が掌へと頬を寄せるなら
其の頬を親指の腹で擽るようにして、暫し撫ぜてやり。)

……慣れねェな、何もかも。 闘う事にだって慣れたとは思いたくネェよ。
あ、でも一応言っとくけどな、ちゃんとすべきトコではちゃんとしてんだからな?
つーか、式典とかでその辺出来なきゃマジでスゲェ目で見られるから。

(――少しだけ、戯言めいて声音を明るい調子にしたのは、態とだろう
暗い雰囲気を相手に伝染させる為に呼んだのではない、あくまで、己が己の為に
前を向く為に呼び寄せたのだ、だから、感傷に浸るのは一瞬だけで良い
女が依頼を請け負うと言うのなら、こくりと頷いて安心を見せた。
ダメなら他を当たるしかないが、頼れる魔術師といえば中々難しいわけで。)

……必要なら。 其れが俺にとって必要だと思うんなら…挑戦って言葉は、俺ァ大好きだぜ?
仕事の合間にァなるが、様子見て向かう様にはする。
其れと、大きな遠征の前には、こっちから頼む事になると思うわ。

……宜しく頼むぜ、ラン。

(囁く、声音。 半ばからかいも混じってはいる、けれど
相手の名を呼ぶのは、己の中での最低限の礼儀も在るからだ
――そっと、顔を寄せる。 間近に、女の瞳を覗き込む様にして

それから、叶うなら。 其の唇を、そっと重ねて、奪おうとする、か)。

ランティ > 「ボクは残しておきたいと思うのさ 顔も知らない優しい人の手跡だ お守り代わりにもなる
 きっと、下手な聖者の聖印なんかよりも、君を守ってくれるものだよ」

男の身体に触れ、女は柔らかく微笑んだ。
時折見せる、術師の緩い笑みや、貴族の凛としたものではない、母性を感じさせるような穏やかな笑み。
寄せた頬に応えるようにガリアが頬を指で撫ぜれば、くすぐったそうに目を細め、照れ笑いに変える。

「何を言うかね、何人の女を泣かしてきたんだィ、色男

 …まあ、戦いを恐れない者は早晩に死ぬ 痛みを知らない者は傲慢になる
 そう言うものに慣れる事が出来ないことは、悪い事じゃァないさ
 ふひひ、そうかい、ちゃんとした礼服姿はいつかみせてもらおうかねェ」

一応、などと言うガリアに、大人が子供をあしらうように返し、
そして、ガリアが了承すれば、ならば、と頷く。

「ボクも一度調べ直す必要があるが、獣人の衝動に関しては、魔力のコントロールと似た所があったはずでね
 どちらも自分の体内に巡る物をどう制御するかと言う事に尽きる
 だから、まずは身体の文様の流れを読み解いてそれをー…
 … …そ、その呼び名は、不意打ちだぞゥ… あ、こら…ん…っ」

講義モードに入りかけた所で、視線を捕らえられて。
囁かれる特別な呼び名に絶句した後、目元までを赤く染める位恥ずかしがる表情。
近づく顔に、ちょっとだけ叱るような声を漏らすけど、ガリアの膝に置いた手は、拒否を示さずに。

…しばらく、ガリアがしたいように柔らかな唇を味わえるだろう。
男が唇を離せば、寂しがるように僅かに突き出された小さな舌が震えるのが見えた。
それから、術師は我に返ったように赤くなって、口を隠して俯く。
ぼさぼさの灰色が身から覗いた耳が、赤い。 まるで10代の生娘の様だった。

ガリア > ……じゃ、其れで頼むわ。 ……そうだな、魔術師様も、そう言うのは大事にするらしい。
だったら、ダメになるまではコイツと宜しくやるさ。

(変わらない、と言う事は、時に大切でも在る。
自分が、様々な誰かの潰えた命の上に立って生きているのだという事を
この紋様が刻まれている限り、決して忘れる事は無いだろう
まるで、母親の様な慈愛を笑みに乗せる女へと、子供の様に笑って見せ
けれど次の瞬間には、まるで初心な生娘の様に表情を変える其の姿に
此方は紛う事無く雄として、口付けを重ね、奪うのだろう。
女の語った言葉を胸に刻み、そして明日への糧としながら
そっと、もう片方の腕が、椅子に座った女の体躯を、抱き寄せる様に動く
――自らの膝上へと、招くように。)

……其の辺り、教えてくれる奴は居なくてなァ。
ま、今からでも遅いとは思わねェし、何もしないよりはマシさ。
何か判ったら、声掛けてくれれば良い、騎士団通さなくても、俺の方に直接届けてくれりゃな。

(――口付けを、といては、最後に言葉を紡ごう。
何処か、恥ずかしげに俯く女へと、再び顔を上げさせ、二度目の口付けを重ねれば
惜しむように僅か覗いていた舌先を、今度は、絡め取る様に舌を伸ばして
――腕の中へと、閉じ込めてしまおうか。 何時かの見張り塔の時の様に。
もしも女が拒むならば、きっと、其れ以上はない。 素直に解放した其の後は
仕事の話か、或いは他愛ない雑談へと興じる事と為るのだろう
けれど、もし、女が其の後に拒む様子を見せないのならば
――見張りは、居ない。 咎める様な者も、居はしないだろう。
未だ暴かれる事を良く知らぬ娘を、狼が、優しく喰らう。

きっと、そんな夜が、待っている筈――)

ランティ > 「むしろ、魔術師の方がそう言う事にこだわるんだぞゥ、テンションで魔法の威力も変わるからね
 戦う者なら分かるとおもうが、同じ形の剣でも、手に馴染んだ自分の愛剣の方が、戦える気がしないかィ?」

それと同じさ、と講師の顔でそう言った。 くるくると、色んな顔を見せる女。
しかし、口付けを重ねながら抱き寄せられれば、その力には逆らえず、逆らわず、男の硬い膝の上に腰を移す。
大きくて柔らかな女の尻の重さ。 逞しい腕の中に、細い女の身体の感触。

「感覚的な話であるし、大人から子に伝えられる力の扱い方だったのだろうけれど、
 まあ、そう言う事だな しようと思った時が、はじめるのに最も早い日だ
 そうかい、では、次は貴族としてではなく個人として手紙を出すことにしよう」

そう言っていた唇が、二度、三度、塞がれて重ねられる。
男の両腕が小さな肩幅を包み込む。 背は男よりも高いけれど、その身体は腕の中に納まるほどにか弱く。
淫靡に絡む男の舌に、薄くて小さな女の舌が、遠慮がちに震えながら絡む。
時折、息苦しそうにはなから吐息を漏らす女は、薄く目を開ける。
その視線の先には部屋の扉。 先程男が鍵を閉めた、扉。
…密室である。 そして、男の唇を受け入れた自分はもう、逃げようと言う気すら、起こさないだろう。
そう思った自分に気付いて、それだけで、身体の奥からの疼きで身震いしてしまう。

「…ガリア …その、ええとだね? …きょ、今日は、危ない日だからー…」

拒否のような言葉を漏らし、しかし、女の手は男の服を握りしめ。
野暮ったい眼鏡の奥、潤んだ瞳で見つめれば、男の脳髄を焼くような甘い雌の声で囁く。

「中に出さなければ…良いよゥ…?」

それはきっと、獣を解き放つ引き金の声。

ガリア > ……そうだなァ…騎士や戦士だって、そう言うのにァ拘るさ。
如何に伝説の剣が目の前に在っても、使いこなせなきゃなまくらにも劣るからなァ。

(良く理解出来る、特に遠征に赴く騎士たちは、そう言った縁起を担ぐ事は多いのだから。
女の其の身体は、背だけで言うならば確かに、雄よりも高いのだろう
けれど、雄からしてみれば華奢な其の身体は、腕の中へと軽々と収まり
そうして女もまた、其の腕の中から決して逃げる様子を見せずに口付けを受け入れて行く
なら、留まる筈も無い。 口付けは深まり、貪る様な其れと代わり
それだけで女の脳裏を、悦の予感で染めて行く。)

……、……保証はしない、ぜ。 ……俺が女を抱く時はァ…本気で孕ませようとしてるから、なァ?

(――口付けが解けて、女が息を整えながら紡いだ言葉には
一寸瞳を瞬かせた後…まるで、雄の本能揺さぶられたかの様に、笑みが浮かぶだろう
女が、本当にそう思って其れを告げたのかは判らない。
けれど、もし女が本心からそう告げたのだとしたら、それは、きっと浅慮だった筈だ
其の機会を、この雄が逃す筈が無い、と、冷静ならば考えた筈だ。

女の胡座に、ひれつに触れるだろう、雄の証、其の質量と熱
女の身体を、何時か貫き、抱かれるという事を散々に教え込んだ其れが
既に、昂ぶりを増して、擦り付けられて行くなら。)

……孕ませてやるよ。 ……ラン。

(囁きは、本気か、其れとも。
何れにしても、きっとその結果は、程なくして判るだろう
人狼は、人とは子を成しにくいと伝承では言われている
けれど、人狼は、尋常ならざる精力を持っていると、女は知っている
其の上で、女が果たして其の瞬間にまで、意識を保っていられるか

きっと全ては、それ次第)。

ランティ > 「軽々しく、そんな事を言うもんじゃァないよゥ …まったくもう」

眉を上げ、呆れるように笑った女は、男の味が移った自分の唇に指を当てて。
それでもやはり、逃げるそぶりは見せずに…男を受け入れるだろう。
雄の体力精力が勝つか、熟れ始めた覚えたての女の身体が勝つか。
どちらにせよ、きっと、お互いが満足するまで、交わうのだろう。
確実なのはー…女が明日目を覚ます場所は、男の腕の中なのだ。

ご案内:「王都マグメール 宿屋」からランティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 宿屋」からガリアさんが去りました。