2017/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 宿屋」にガリアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 宿屋」にランティさんが現れました。
ガリア > (手紙を出したのは、確か夕方頃、だっただろうか。
其の返答が夜には返って来るとは思っておらず、諸々の事情で住処には呼べなかった
宿の部屋を借り、受付への諸々を済ませてから、自分の名前で部屋を聞く者が現れたら
其の儘部屋まで通してくれと頼み込んで置こう
そうすれば、少なくとも部屋まで辿り着くのに難儀することは無い筈だ。)

――――……然し早いのは良いけど、貴族様の足の軽さじゃねェな…。

(部屋の中、小さく吐息を零しては、身に付けていた装飾やら荷物やらをテーブルに放り
荷物を部屋の隅へと置いてから、寝台の上へと寝転がった
呼んだは良いが、何時来るかまでは判らない、其れまでは、暫しのんびりする心算で)。

ランティ > 夕方に学院で受け取った手紙を見れば、何か頼みごとがあるとかで。
冒険者としても登録している身としては、これは貴族への依頼と言うよりも、個人依頼なのだろうと判断。
どうせ夜に予定は無いので、学院のロッカーで軽く身を整えれば、指定された場所に向かう。

「…宿? なんか密会のようだな…」

指定された場所は普通の一夜宿。 不思議そうに首を傾げつつも、カウンターで部屋を聞いた。
ガリアがのんびりして暫く、良い子が寝る時間頃に、ノックの音がした。

「ボクだよ 開けておくれな」

開ければ、長身の女がそこに立っていた。
相変わらずのぼさぼさが身に、野暮ったい眼鏡、猫背の術師スタイルで。

ガリア > (――せめて安宿で無かっただけ気は遣った、と思いたい
其の辺りは用件の内容にも関わって来るからなのだが
宿に到着してからは、軽く物を食べたり、或いは少し仮眠を取ったりして過ごし
そうして、夜。 ノックの音が響けば、其れまで閉じていた目を、すぅ、と開いて。)

―――……ちょっと待ってな、今開ける。

(程なくして、内側から鍵の開く音がするだろう
扉を薄く開ければ、其処に立っているのは間違い無く呼び出した相手だ
己よりも背が高い、と言う部分に置いて少々三白眼が強くなった様に見えるかも知れないが

多分気のせい。)

突然呼び出して悪い、あと、こんな早く返事が来ると思って無くてなァ…。
取り合えず中、入ってくれ。 ……嗚呼、飯は食ったかァ?

(扉を大きく開け放っては、魔術師たる女を招き入れるだろう
相手が入室するならば、後ろ手に扉を閉じて鍵を掛け、其れから、椅子を引く
座るように促した上で、相手の正面、寝台の淵へと腰掛ければ
サイドテーブルに載せられた乾し肉の皿を、相手の隣に移動させて置こう
好きに摘め、と)。

ランティ > 「こんばんは、この間ぶりだねェ
 …って、何を睨んでおるのかね、君が呼んだんだろう?」

視線が上がった所でちょっと眼光鋭くなった気がして、呆れたように眉を下げる。
しかし、部屋に招かれれば大人しく入り、勧められた椅子に座る。
鍵をかけられたことにちょっと違和感を覚えつつも、塩気の強い肉を口に運ぶ。
大貴族の育ちであるだろうが、特に安物でも気にした様子もなく。
早い返事に驚く相手に肩を揺らして笑い、

「うん、貴族であるボクに話を通すのであれば別の手段を取るだろうし、
 今回は何か、個人的な頼みがあるのだろう?
 そうであれば、依頼人を待たせる冒険者は居ない、出来るだけ早く来るさ
 夜の予定も無かったことだしね…冒険者のランティとして、話を聞こうじゃァないか」

ゆったりと座り、首を傾げる。
相変わらず化粧の様子もなく、ぱっと見は線の細い男にも見える。

ガリア > いや、ちょっとデケェ奴には反射的に。
他の予定とかは大丈夫だったのか? 無理させてなきゃ良いんだけどよォ。

(あくまで反射的なだけであって、長く引き摺りはしない、そもそも二回目の邂逅だ
相手が早速部屋の中で寛ぐのなら、其れに越した事は無い
貴族ではなく、冒険者として依頼を受けたのだと聞けば、成る程と頷いて。)

大体在ってる、もっと正確に言うんなら、魔術師としての依頼ってトコか。
本当は他の奴に何時も頼んでたんだけどなァ…ちと、色々在ってよ。

(呟けば、女の目前にて、ふと、ローブの袖に手を掛ける。
其れを、大きく肩まで捲り上げれば、其の腕に細やかに刻まれた魔術文様が目に入るだろう
相手の魔術師としての技能が如何程かは、良く判っている心算だ
其処に刻まれているものが、唯の彫り絵で無い事は直ぐに感じ取れる筈だろう
其れは一種の封印、特定の種族に対する、獣化を抑える術式。)

―――コイツの、調整が出来るかってのを聞きたくて、な。

ランティ > 「そう言うものかね? まあ、男はそう言う所は気になると言うらしいけれど…
ああ、貴族は意外に暇なのだよ 勿論、辺境伯や中小貴族であればそうではないけれど
うちは家令と部下がしっかりしてくれているから仕事も少ない
…それに、当主でもないしねェ、ボク自身は 気楽なものだよ」

へらりと口元を緩める笑顔。 軋む安っぽい椅子に座ったまま、ガリアを眺める。
背は低いが、男女の差以上にしっかり鍛えているのが服の上からでも分かる。
それを指摘して、身長なんか気にするな、と軽く言ってやった。

「ふぅん、魔術師としてか…他の人に頼れずボクを呼んだと言うのなら、嬉しいねェ
 随分買って貰ったようで…詳しい話を聞こうか」

無駄話を少なく、本題に切り込む。 そんな所も女性的な匂いがしない。
まあ、ガリアはその分厚い布地のローブが隠す身体が、十二分に女らしい事も知っているのだけれど。

「ほう、封印式か」

そして、術師はガリアのお眼鏡通りに造詣が深かったようで、一目でそれを見抜く。
何の物か間では判らないけれど、と前置きをして、詳しく見ようとその腕を取る。

細い指が男の腕の文様をなぞり、肩までを読み解けば、少しだけ眉を顰める。
軽く腕を捻らせ、腕の裏側の文様も見つめ、

「…これは一体誰が刻んだんだ? あまり一般的な封印ではないな
 よし、脱ぎたまえ 出来れば左胸に刻まれている物を見たい」

そんな事を言った。 ガリアの身体にまでその文様が刻まれていることを、言われる前に見抜く。
何故判るのかと問われれば、「ボクは天才だからねェ」などと冗談めかしてへらりと笑う。

ガリア > ……いや、まァ、其れも在るっつうか…癖、か? 強いて言うならな。
へぇ、貴族っつーと、社交だの何だので割かし行ったり来たりだと思ってたがなァ。

(単純に、所謂背が高い奴への敵対心、と言う訳ではないのだと告げつつに
伸ばして見せる片腕、其処に刻まれた魔術紋様
其の正体を、一目で相手が見抜いたのなら、流石と言うべきだろうか
ふ、と口端が弧を描く、呼んだ甲斐が在った物だと、相手の言葉を肯定する様頷きながら。)

昔、知り合いに刻んで貰った物でなァ、別に学の在る魔術師って訳じゃなかったから、其のせいかもな。
他の奴にも言われたが、定期的にちょこちょこと微調整してもらってたのさ
何せガキの頃のモノだから、俺がデカくなるに連れて合わなくなって来ちまってね。

(――最初に刻んだ者と、調整して貰っていた者は、別なのだという言い方
促されれば袖から手を離し、ローブの裾に手を掛けて、上半身を晒すだろう
最終的に脱ぐと判っていたから、下には元から何も身に着けていない
ただ、闘う為に、生き残る為に鍛え上げられた肉体の上に刻まれる紋様
女の読み通り、全身を覆い尽くす其れを相手の視界に晒しながら、胸を張ろう
己には、細かい魔術的教養が在る訳ではないから、其の紋様を解析する事は出来ず
初めに知らされた幾つかを、何と無しに覚えている位。)

――……わざと変に作って在るんだと。 どうも、魔法解除なんかに対抗出来る様にとか何とか…。
だから、調整頼んでた奴にも、大きな改造とかはして貰えなかったんだけどよ。

(唯一知っている特性が、其れだ。 通常の封印式ではない理由。
わざと「ややこしく」する事で、解除されてしまうことを防ぐ、とか何とか
まぁ、言わなくても若しかしたら、相手の方が其の辺りは詳しく判るのかも知れない
実際、己も細かい事までは判らないのだから)。

ランティ > 「癖、ねえ ただでさえ目つきが悪いのに、そんなんでは女の子が怖がって寄って来なくなるぞォ?
 ああ、現当主である親父殿が頑張ってくれているので大丈夫さ」

気楽な跡取り候補生活を過ごしている様子で、まあ、そうでなければ冒険者なんてできないだろう。
ましてや、こんなにも深く魔術の道に嵌っている暇も、普通の貴族であればなかった。

肯定されれば、ゆっくりと手の甲から肩までの文様をなぞり…。

「ああ、道理で 余りに無駄が多く、普通の術を学んでいたらやらないような事をやっている
 …だが、実用には足りる …ああいや、普通の術式でこんな物を刻んだら、刻まれた者の魔力が枯渇するか…
 ふむふむ、その上他の人間の手が加わってこうなった訳だ」

説明なのか独り言なのか分からない呟きを漏らしながら、自分の唇に人差し指を押し当てて考える。
そして、上着を脱いだ男の身体を眺める目は真剣で、躊躇い無く男の胸板に手を置き、撫でる。
少しだけ眉を寄せれば、男の膝に手を置いて、息が胸にかかるほどにガリアの胸板に顔を近づける。
揺れるボサ髪から、見た目からは想像できない、柔らかな女の甘い香りがガリアの鼻をくすぐる。

「…ガリア、君は人ではないのだな?」

そして、零したのは確信をつく言葉。

「魔族…いや、それならこの術式では魔力を抑えきれんはずだ ならば…獣の血か
 魔力を抑えるのではなく、魔力の流れを乱して獣化を成功しないようにしている…?
 だけれど、生命力を落とさないようにして…はぁ、成程
 …ガリア、最初にこれを刻んだ者は、君に近しい者だったのかな」

顔を近づけたまま、視線だけを上げて尋ねる。
片手が男の身体をまさぐるように撫で、胸、脇腹、腰、腹筋をなぞる…。
その手つきは柔らかく、官能的ですらあるくすぐったさをガリアに与える。

ガリア > 俺よりデケェ女子って時点でアレだし、そもそもフツーの目つきが此れなモンでね。
それに、貴族で冒険者で魔術師などこぞの誰かは、気にもしないだろ。

(相手が紋様を詳しく調べている間は、下手に動く事も、身じろぐ事もしないだろう
触れられる事も厭わず好きにさせ、必要ならば腕を上げたり、身体の向きを変えたりもする
時折触れる吐息にも、今は指摘をせずに置く――何せ、呼んだのは己で
相手は間違い無く其の依頼に応えてくれようとしているのだから。)

……其の辺りはまァ、判るよな。
けど、其処まで予想するか…やっぱり魔術師ってのァ良いアタマしてるらしい。

――俺はワーウルフだ、ミレーじゃなく、正真正銘の人狼さ。
最初に此れを刻んだのは、俺の従兄弟でね。

(――隠す心算は無かった、だからあっさりと肯定して見せよう。
凡そ相手の推論は的中している、魔力の封印ではなく、獣化阻害
但し、其の阻害も決して完全な物ではなく、「不完全にしてある」と言う
非常に、もしかしたら正規の魔術師から見れば気持ち悪いモノになって居るかも知れない
不完全で在るが故に、獣化出来ないのではなく、獣化し辛いだけに留まる様に
敢えてそう作られているシロモノ。

だからこそ、成長や肉体の鍛錬、精神的な成熟によって簡単にバランスが崩れてしまうのだろう。)

俺は、生まれ付き如何も、獣化の「タガ」が外れ易いみたいでなァ。
此れがネェと、ちょいと昂ぶっただけで素が出ちまいそうになるのさ。

ランティ > 「背の低い男の事は気にしないが、自分の背が高いのは気にしているんだぞ、君と同じようにねェ」

ぷ、とちょっと頬を膨らませる仕草は子供っぽく。
ぺしっと男の身体を叩いてやってから、背を向けさせ、その逞しい背を覆う文様を読み解く。

「ああ、魔術式と言うのは、ちゃんと読める者にとっては文と同じでね
 読めば読んだだけ、その文様が何を求め、何をしようとしているのか分かるのさ
 とはいえ、これはまるで、勝手に作った言葉で日記を書いてるような…

 従兄弟か、成程 …もし、その者が生きているのであれば、しっかりと礼を言っておくことだよ
 ここまで相手の事を大事に思って文様を刻むのは、本職でも中々できない
 
 …きっと、君がその力をちゃんと扱う事が出来るようになれば、
 これを消し去ることができる様にもしてあるようだが…まだまだ、必要なようだな

 …タガが外れやすい…ああ、まあ、確かに、君はその、欲望には忠実なようだったしなァ…」

真面目な話をしていたのだが、ふと気づけば、男の体温が分かるほどに顔を近づけていたことに気付く。
男の匂いを感じてしまえば、この間の物見の塔での事を思い出して、僅かに顔を赤らませて身体を離す。
軽く咳払いして誤魔化してから、少し赤い顔のままガリアに首を傾げる。

「調整は出来る、それは任せてほしいナ
 だが、続けて調整した物の癖も残っているので、何度かボクが手直しをしないと、十全には出来ない
 何度かボクが施術して整えれば、もう少し長持ちするようにも出来るのだけれどー…
 
 今まで調整した物に頼んでもまァ、上手くは行くだろうけれど…なぜ、今回はボクに?」

ガリア > (そうかい、と、背を向けながらけらりと笑う。 叩かれた所でこの身体では堪えまい。
相手が背中側を読み取るのであれば、其れに任せて寝台の上に胡坐を組み
――其れから、次いだ相手の言葉に、ふ、と穏やかに笑みを浮かべて。)

……そうだな、もう礼は言ったさ、まだ言い足りない位にはなァ。
ま、今は墓参りの頃だけに為っちまってるが、な。

もう少し穏やかな生き方でもしてりゃ、要らなかったかも知れネェさ。
ただ、生憎今は頼らざるを得ないってのが現実さ。 一寸した事で牙が生えてたら
騎士なんてやってられなく為っちまうだろうよ。

(そも…どうやったら、其の辺りが上手く制御出来る様になるのかも知らないのだ。
故に、今もまだこの力に頼るしか無い。 無くても生きて行く事は出来るだろう
けれど、其れでは己がやりたい事は出来ないのだから。

ふと、女の気配が素早く離れた。 如何かしたのかと振り返れば
何やら、妙に顔を赤くした相手が咳払いしながら其処に居る
ゆっくりと身体ごと向き直れば、裸身のままで相手を見据えて、僅か怪訝な顔をして。)

そうか、そりゃ良かった。 回数は掛かっても別に良いさ、必要なら金も払う。
――…いや、今まで頼んでた奴にやって貰えりゃ良かったんだがよ。
生憎、この間タナールの防衛戦に出張った時に、向こうで、な…。

アンタなら、魔術師としての腕を俺は、この目で直に見てる。
其れに、俺がワーウルフだと知っても、変にひけらかしたりも
研究材料みたいに見たりもしないだろうと思ってなァ。
…其れに、一度抱いた女は其れなりに信用するんだよ、俺は。

(――人は、死ぬ。 貴族でも平民でも、戦士でも魔術師でも、何時か死ぬ。
もしかしたら死の輪廻から逃れた者も居るかも知れない、それでも、死は平等に訪れる物だ
従兄弟も、そして調整を頼んでいた同じ騎士団の仲間も、己より先に地に還った
そして、もし其の後を引き継いで貰うとしたら――初めに浮かんだのが
今己の目の前に居る、女の顔だったのだと告げて、其れから

片掌を伸ばす、女の頬へと。 其の目元を、緩く撫ぜる様にして――いつかの様に、歯を見せて笑うのだろう)。