2017/05/05 のログ
ご案内:「王都マグメール/平民地区」にスコルさんが現れました。
スコル > (日中の平民地区、大通りをみすぼらしいながらも見れなくはない程度の衣服を着て。貧民地区の孤児院を出ることになり、冒険者になろうと志し自作の木製の武器を持って冒険者ギルドを探し、大通りをきょろきょろと見回し歩く)

「えぇっと、冒険者ギルドってどこにあるんだろう…院長先生に聞いてくるんだったかな…でも、きっと言ったら反対されるだろうし、聞けなかったし。うぅ、どうしよう…あのおじいちゃんに聞いてみようかな…」

(道を行く人に声をかけて場所を教えて貰おうと思うのだけれど、誰に聞いたらいいのか、声を掛けたら怖い人だったらどうしようと、見た限り優しげなおじいちゃんを見つけておどおどと声をかけ)

「あ、あの、すいません…冒険者ギルドって言うのはどういう風に行ったらいいんでしょう?僕、冒険者になろうって思って探してるんですけど…え?向いてない、でも僕、冒険者にならないといけないから…場所、教えて下さい、お願いします!」

(声をかけられた老人は少年の姿形、格好を見て、辞めておけと説得し、場所を教えられないと首を振る。それでも自分は冒険者になりたい、ならないといけないと食い下がっては老人にギルドの場所を教えて欲しいと頼み込んでいる、そんな風景を通行人の一部は珍奇な物を見る目で見ている)

ご案内:「王都マグメール/平民地区」にエナーシアさんが現れました。
エナーシア > 暫く成り行きを見守っていたが、このまま放っておくのはあの老人が気の毒だな。
一つ加勢してやるか。

「やめておけ坊や。あまり大人を困らせるものじゃない」

老人と少年の間に割り入り、老人の方はさっさと追い払う。
年上相手にあんまりな態度だが、これからやる事を思えばこのぐらいしておかなくてはな。
向き直ると少年を睨みつける。
まあ睨みつけるといってもいつもの仏頂面なだけなんだが。
この愛想の無さは改善したい部分ではあるが今回は逆に役立ってもらうとしよう。

「そのナリで冒険者になりたいだと?実家に骨と訃報を届けるギルド員が気の毒だと思わないのか」

きつい言い方だが、こういう夢見る若者が冒険者になって早々に命を落とす事も珍しい事ではない。
この少年にどんな能力があるかは知らないが、見た通りなら本当にただの子供だ。
明日にも命を落としていても不思議ではない。

スコル > (おじいちゃんと話をしていると後ろからかかる声に振り返って。自分とは違ってしっかりとした冒険者の姿をした女の人にびっくりしつつも、睨まれてしまうと萎縮して縮こまって)

「で、でも…冒険者になってお金を稼いで、お世話になった院長先生に恩返しをしないといけないんです。僕も、急に危ないお仕事をしようとは思ってないですし、最初は雑用からでもいいんです。こ、この恰好は…ちゃんとしたものを買うお金が無くて…お仕事をしてお金を稼いだら、きちんとするつもりだったんです」

(睨まれながら、それでも自分がお世話になった人達に恩返しをしたいと、いきなり危ないことはしないから、ちゃんとお金が溜まって装備を整えてから危ない仕事をするつもりだったと説明をして)

「た、確かに僕は小さくて非力で、冒険者に向いてないかも知れないですけど、僕みたいな孤児を雇ってくれるようなところはどこにもないから…お金を稼ぐには冒険者になるしかないんです…諦める訳にはいかないんです!」

(目の前の女性より小柄で華奢で、持っている物も木で出来ていて。みすぼらしいことも良く理解出来ているけれど、それでも諦める訳にはいかないんです、と)

エナーシア > なるほど。
事情や意気込みはよく分かった。
自分の程度をある程度理解していてそれほど無謀ではない事も。
だがこの程度でほだされる訳にはいかない。

「だとしても何故冒険者だ?わざわざそんなものを目指さなくても、皿洗いでもしていた方がお前の身の丈に合っていると思うが。雇用が不安なら多少は口利きしてやってもいいぞ?」

物理的な身長もだが、どう見てもこの少年は弱い。
冒険者などは比較的行儀が良い奴もいないではないが、粗雑で粗暴な連中も多くいる。
そんな中でやっていけるとは到底思えないが、さて次はどうやって諦めさせるか。

「事情は理解したが、現にあの老人や私も説得できないようなお前が、荒事を避けて冒険者をやっていけるのか?」

冒険者というのは確かに戦いや荒事ばかりではないが、それ以外でこの少年に何が出来るのだろうか。
孤児という割にしっかりしてはいるようだが、尚更みすみす危険な場所へ送り込むような真似はしたくない。

スコル > (なぜ冒険者を目指すのか、そう問われると口ごもってしまう。目の前の女の人は見た目から冒険者なんだろう、とは思う。もし理由を言えばますます怒らせてしまうのではないかって思うと上手く口が動かなくて)

「そ、それは…その、ええと…怒らないですか?お仕事を紹介して頂いても、僕みたいに身元が分からないと雇って貰えないって思います…お姉さんは、僕みたいなのとこの地区に住んでる人と、雇うならどっちが雇われるって思います、か?」

(貧民地区の孤児院にいた自分のような人間は、真っ当な職に就くのが難しい。ただ孤児院にいた、しかもその場所が貧民地区だった、それだけのことで雇うのを嫌がるのだ)

「そ、それは、その…荒事にならないように、穏便にお話をして済ませれば…話して分からない人は、いない、と…思い…ます…し…お姉さんみたいに優しい人も、実際にいるわけだし…」

(徐々に言葉が尻すぼみになる、貧民地区にいれば乱暴な人間はこちらの言うことなんて聞かずに暴力で言うことを聞かせて来ようとする。幸い、自分は孤児院にいて院長先生の庇護下にあったから、そんな理不尽な目には余り会わなかったけれど、冒険者になったらそんな理不尽は日常茶飯事だと思えば、自信はまるでなくて。ただ、目の前の女性のように、自分を真面目に心配してくれる優しい人もいるなら、と)

エナーシア > ……あれ?
軽く脅して諦めさせるつもりが、何故私が優しいという事になっているんだ。
いかんな、やはり私も演技や説得は得意ではない。
だがここまで来て路線変更というのも間抜けなので、とりあえず厳しい先輩というスタンスで止めてみるか。

「まあ、確かに見ず知らずの他人では保証人にもなれないし、紹介もまともな店かどうか分かったものではない。多少は判断力があるようだな」

いや褒めてどうする。
言いたいのはそういう事ではなくてだな。

「私はべつに、まどろっこしい説得などしなくてもお前の腕の一つもへし折って止めてしまってもいいんだぞ。
私がそうした時どこまで抵抗できる?」

そう、冒険者となって仕事をする以上厄介なトラブルはつきものだ。
それほど危険そうじゃない相手と思っていてもちょっとしたきっかけから力づくでくる、という事態だって起きるだろう。
そんな時にこの少年では対処のしようがない。
拳を作って軽く構えてみる。

スコル > 「孤児で貧民地区にいたのがばれたら、きっと直ぐに首になっちゃいます…わ、褒められました!」

(褒められた、ついでに冒険者になりたい理由の方についての質問も流れたことに嬉しそうに、身長差から自然と若干の上目遣いになりながら、相手を見つめて。もしあったなら見えない尻尾がぶんぶんと振られているくらいに、嬉しそうに)

「えっ!?そ、そんなことお姉さんしないですよね!?て、抵抗って…言われても…ええと、こ、これで…って、つ、通じる訳、ないですよね…」

(腕をへし折る、いきなり乱暴なことを言われて右腕をかばうように腕を引いて。抵抗できるか、と聞かれて腰に差した木剣を見る。頑張って自分で削ったものだけど、こんなものできちんとした冒険者に通じるなんて思っておらず、灰色の瞳を潤ませながら、相手の事を上目遣いで見つめて。もし尻尾があったなら、しゅん、と垂れ下がっていただろう)

エナーシア > 力はないが弱さの自覚はある。
冒険者としてやっていくにはギリギリ、本当に辛うじてのラインといったところか。
無茶は多分しないだろうが、これで仕事が選り好み出来るほど甘い職種でもないんだがな。

「木剣か……。剣技の心得は?」

正直あってもそんな大したことはなさそうだが、何かしら才能の種でもないと本当やっていけなくなるからな。
無駄に若い命を散らせる訳には行かないしもう少しテストしてやろう。
……だからそう悲しそうな目で見るな!
私が悪者みたいだろうが。
いや悪者になってもいいとは思っていたんだが。

スコル > (自分が腰に差している木剣を見られて恥ずかしそうにするものの、問われた剣技の心得にはふるふると首を振って。孤児院の院長先生はそもそも冒険者になると知っていれば止めただろうし、誰かに教えて貰ったこともなく、素人どころか素人にも劣りかねないくらいで)

「ないです…で、でも、習うより慣れろ、って言いますし!最初は危なくない場所でお仕事すれば大丈夫かなって思いますし!だから、その、ええと…そういうお仕事したら、大丈夫です、よね…剣、あんまり使えなくても…ほ、ほら、一応だけど槍もありますし!こっちも心得とか、全然ないですけど…」

(申し訳なさそうな情けないと言うような、実際に非力で木剣でさえも実は振ると体が流されるくらいで。心配してくれている相手に自分の情けないところを教えることに、ますます瞳を潤ませ、しゅんとした様子で)

エナーシア > こうなると本当に見た目通りか。
時々見た目からは想像できない能力を持っている者もいるが、この少年の場合見た目通りとなると……。

「槍、長物という選択は悪くない。ただし無闇には抜くな。
木製とはいえ武器を抜けば、相手によっては収められるものも収められなくなるからな」

いっそ武器も持たない方がいいぐらいではないだろうか。
武器を持つハッタリ効果と警戒心、天秤にかけたらどちらがマシか。

「……慣れろとはいってもな。基礎の基礎ぐらいなら、教えてやらなくもないが」

いやいや何を言っているんだ私は。
つい見かねて何か口走ってしまったぞ。
とはいえ、このまま冒険者の荒波に放り込むのも甚だ不安なのも事実。
言ってしまったものは仕方ない、今更撤回などできないしちょっとぐらいコツを教えておいた方がいいかもしれないな。